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おまけの写真たち [2011年11月18日(Fri)]


ワークショップの会場は、こんなホテルの一室でした。


プラスチックののれんには、なぜかインド航空のマスコット、マハラジャくんが。

まさかインド航空系列ホテル? (…いやいや)


そしてなぜか懐かしさを感じさせる画風の「禁煙」ポスター。


女性ワークショップだからね。幼い子どもたちも、お母さんについて複数参加。
6歳くらいのこの子、ずっと小さい子たちの面倒を見ていた。
えらいなぁ。

自己紹介のセッションでは他の参加者に混ざってちゃんと自己紹介もしていた、立派なお姉さん。


最後に記念写真。

率直な感想をいうと、MPは、英語が話せる人が少ない。

他の州では12年生以上の子は簡単な通訳を務められるくらいにきちんとした英語を話すことが多いけれど、
MP州では大学を出たという人でも、単語を並べただけの最低限の意思疎通しかできなかったりする。

ワークショップのバナーも、
"NATIONAL FORUM"が"NATIONAL FOURAM"になってたり、
"LEPROSY"が"LEPROCY"になっていたりするけど、
…まぁ、そこはご愛嬌。
暗闇に響く歌 [2011年11月18日(Fri)]

インドのホテルの会議室は、地下にあることが多い。


ワークショップ2日目。

グループごとの発表の途中で、突然の停電。

地下室なので、もちろん真っ暗。


それ自体はよくあることなので驚かないのだけど。

その後の対応が、なんとも女性の集まりらしい。


気を利かせたナヴィス・メリーが立ち上がり、開会式で使った儀式用のランプに火を灯す。

部屋がぽっと明るくなる。



なかなか電気が戻る気配がない。

誰かが言い出した。

「歌を歌おう」



でも、恥ずかしがってなかなか歌おうとしない。

「じゃあ私が歌うわ」と、ナヴィス・メリー。


歌いだしたのは、

"This Little Light of Mine (私の小さなともし火)"という英語の歌。



"This little light of mine
I'm gonna let it shine

Everywhere I go
I'm gonna let it shine

Hide it under a bushel Oh no!
I'm going to let it shine

Let it Shine
All the time
Let it shine"

「この私の小さなともし火
この手で輝かせる

私が行くところどこでも
この手で輝かせる

光を隠すなんてもったいない
この手で輝かせる

輝かせる
どんな時も
輝かせる」



英語がほぼまったく理解できない参加者の女性たち、
きっと英語の歌詞の内容までは届かなかっただろう。

でも歌に託したメリーの思いは伝わっただろうか。



それで場が温まったのか、次はヒンディー語の歌を参加者全員で大合唱。



…で、

結局、停電は直らなかったので、窓から光が差し込む地階に皆で椅子を持って移動しました。

グループ・ディスカッション [2011年11月18日(Fri)]

MP州の女性エンパワメント・ワークショップの続き。


前半に続いて、3つのグループに分かれてのディスカッション。

それぞれのグループに与えられたテーマは、

1) 各コロニーで直面している問題とその対応策
2) 政府の施策をどう活用するか
3) いかにエンパワメントを実現するか



笑顔もこぼれる。
女性のワークショップは、男性だけの集会に比べてわりと和やかです。




そして、グループごとに発表。

挙げられた主な問題点は、

・コロニー内のインフラの問題
・子どもの教育
・就労、電気代が高額すぎて支払えないこと
・(政府の支援を受けるための)指定カーストの証明書の取得
・経済的自立

など。

男性中心の集会に比べて、わりと具体的な問題点が指摘されることが多い気がする。


インドール出身のアニータさん。

ハンセン病コロニーの在住者は、他の州から移住してきている場合が多い。

もともと指定カースト出身で、政府の支援の対象になったとしても、
出身地の証明書類が入手できないため、支援が受けられない。

移住してきたのは、祖父母の代。
明確な出身地はわからない。
明らかになったとしても、彼らの出生を証言してくれる人は、もう誰も残っていない。


彼女は、SILFの融資を受けてサリー販売ビジネスをするグループのリーダーでもある。

夫は政府で働いていたが、濡れ衣を着せられて解雇され、現在裁判中。
生活に困って、彼女が働き出した。

グループのメンバーをまとめる統率力がある。

(後日のSILFスタッフ談による)

ワークショップ中も積極的な発言が目立った。



ワークショップの最後に、既に活躍している女性リーダーのラトラム地区出身のプラヴァティさんに加え、もう1人の女性リーダーが選出された。

州リーダーのサラン氏(写真右)は男性なので、今回は脇役として最初と最後の司会の締めのみに徹します。


今後の活動に向けた、わりと具体的な議論が多かった今回のワークショップ。

彼女たちが各コロニーに戻った後で、ワークショップで得たことを持ち帰り、動きの鈍い男性陣にハッパをかけながら、コロニーの環境や生活状況が改善されるよう働くことを願います。
「私は力をもらった」 [2011年11月18日(Fri)]

11月12〜13日にマディヤ・プラデーシュ(MP)州のインドールで行われた、ナショナル・フォーラム女性エンパワメント・ワークショップに参加してきました。



今日の主役は、MP州各県のハンセン病コロニーから集まった女性たち、約40人。

開会式には州政府から女性開発局の担当者も来会。

ササカワ・インド・ハンセン病財団(SILF)がMPで実施するプロジェクトのメンターであるNGO、PECSS(Priyanshi Educational, Cultural and Social Society)代表のシャリニ・サクセナさん(Dr. Shalini Saxena)によるセッション。



「エンパワメント」とは何か?

と、ワークショップのテーマを参加者に投げかける。

参加者にわかりやすい言葉で語りかける姿勢は、さすが慣れたもの。
それまで「お客さん」だった女性たちが、一気に表情が真剣になり、釘づけになる。

「これまでに、自分がエンパワーされたと感じている人?」

という質問に対して、立ち上がった女性はふたり。

ひとりは、MP州で唯一女性の州リーダーであるパラヴァティさん。

もうひとりは、高等教育に進んでいる女性。

教育面でのエンパワメント。
経済面でのエンパワメント。

それぞれの側面で問題を解決して力を持てるよう、MP州政府の貧困層向け政策について噛み砕いて説明する。



続いて、ナショナル・フォーラムのウダイ・タカール氏の右腕である助手・プラティバさんによるプレゼンテーション。

女性特有のハンセン病の問題(離婚、子どもからの別離など)、女性のエンパワメントの成功例(マハラシュトラ州マヤ氏)などについて、パワーポイントで写真を交えながら話す。




もうひとりナショナル・フォーラムからの参加者は、理事のひとりでもある、タミル・ナドゥ州在住のナヴィス・メリーさん(写真左)。
ヒンディー語は理解できるけど、話をするのは苦手なため、プラティバ(写真右)が通訳。


自分の病気がハンセン病とわかったときのショック。
病気が治った後も、仕事もなく、結婚もできず、絶望の中にいた。

現ナショナル・フォーラムの会長であるゴパール氏と出会い、それをきっかけに障害者枠を使っての鉄道会社への就職の道を手にした。

自信を取り戻していく過程。


見合い結婚が大半のインドで、でも誰も斡旋してくれず、もう結婚はあきらめていた。

でも職場で出会った男性と恋に落ち、結婚。


「彼はありのままの私を受け入れてくれる。支えてくれる」

そんなパートナーに巡り会えたことが、自信を失った自分にとってどれほど心強かったか。


「私は力をもらった。
その分、今度は他の人が強くなれるように活動するのが、私の使命」

「私は美しくはない。
色も白くない(※インドでは色が白い人=美、の価値観なので)。

でも、それでいいと思う。
私は私のままでいい。

うつむかずに、背筋をしゃんとしていればいい」


やはり当事者の言葉は、強い。
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