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「レンタルチャイルド」 [2011年04月19日(Tue)]

今月に入ってようやく、ゆっくり本を読む余裕が持てるようになりました。
遅ればせながら、渡印前に購入した本を開いてみる。

まずはこちら。



レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち

石井 光太
出版社: 新潮社


テーマの重さから、なかなか開く気になれなかったけど、週末で一気読み。


ムンバイのスラム街で物乞いをする女性たちに抱かれた赤ん坊が、成長するにつれ、お金を恵んでもらいやすくなるように目を潰したり四肢を切断して障害者になり、若者マフィアとして「路上の悪魔」になるまでの成長過程を追ったノンフィクション。


3回の現地滞在を通じて、危険も伴う緻密な取材を単身行った著者の執念ともいえる熱意には尊敬の念を抱く。

ただ、かすかに疑念を持った。

あまりにもそれぞれの登場人物の立場、思考過程、言動に筋道が通っているからだ。
こんなに理路整然と筋道が通るものだろうか?

というのは、インド(だけに限らずかもしれないけど)で、貧困層を対象に話をしていると、主張が首尾貫徹しないことが多々ある。
(貧困層だけに限らなかったりもするけど…)

同じコミュニティで、10人が10人別々の見解を持っていたり、
同じ人物が、数か月前と180度違うことを主張したりする。
そして、その背景に説明が立つような理由を求めても、明確な理由が存在しないこともままある。

多かれ少なかれ、部分部分ではおそらく著者の想像で補った、かなり意訳したところがあるのではないかと感じた。


だからといって本篇全体の信憑性を疑うわけではない。
切り取った部分は現実なんだろうと思う。


一筋の光もない暗い世界に、ただただ気が滅入り、言葉を失う。


おそらく、この国で誰かの生活を変えたいと思ったら、地域なり、集団なり、自分が手の届く範囲に対象を絞って一部の人だけを見るしかない。
そう思って割り切らないと、あまりに生活改善を必要とする人が多すぎて、動けなくなる。

もちろん一方で、それ以外の世界を見る目を持ち続けることは必要だけれど。

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