当事者主体 [2011年07月13日(Wed)]
社会の底辺で暮らす人々をメインストリームに持っていくための 「運動の主役は当事者であるべき」 というのが、インドにおけるハンセン病関連の取り組みの基本理念。 でもその理念がどこまで理解され、どこまで浸透し、実践されるかは、問題が多い。 全面的に当事者を信頼し、多少コミュニケーション能力に欠ける部分があったとしても、それを補うのは周囲の努力責任と考える人もいる (笹川会長をはじめ、日本財団、笹川記念保健財団は基本的にこの考え方)。 でも一方で、本来その理念を推進する立場の人の中にでも、「当事者」に対する強い不信感がある。 また、当事者の中にさえ。 当事者主体の原則には賛成。 でも、政府や外部のNGOと対等に対峙するにはまだ成熟していない、時期尚早だ、 だからまだ当事者を議論の場に参画させるべきではない、 政府や外部NGO等にパートナーとして引き合わせるべきではない、という考え。 でも、当事者が完璧に対等なパートナーとして成熟するには、長年かかる。 それより、多少つまづきつつでも、推し進められるところから分け入って、足を踏み込んでいって、成功例を作っていく方が有効なんじゃないか。 …ということを、深い不信感を持つ人たちに、どうやって説得できるか。 どうやって成功例をもって証明できるか。 そんなことを考えつつ、とりあえず扉を叩きまくってみる。 |