財源・資源の開発事業報告(その2)(平成20年度) [2010年03月05日(Fri)]
(その1)に引き続き、以下。
―――――――――――――――――――――― 2−3.人材育成事業(三重大学環境NPOインターン制度) ○目的 地域における資金・資源が環境NPO、その活動へと向かう仕組み、ファンドレイズの仕方に注目している。その地域資源の一つとして大学生を位置づけ、その大学生が環境活動をするNPOへインターン生として約90時間研修する制度を三重大学が新たに作った。 当団体が環境NPOとの仲介を行い、大学におけるNPOインターンシップ制度をサポートした。 ○実施概要 当初10名程度の応募者見込みがあったが、実際の参加者は2名だった。二人は、中部リサイクル運動市民の会と、エコデザイン市民社会フォーラムをインターン先として希望したため、当団体はコーディネート業務に徹する形となった。受け入れの最初に団体の合同説明会を開催し、終了後、当プロジェクトに寄付をしてくれた三重県の美容院SEFFに、インターン終了生2名と活動報告に行った。 <1.実施内容> 本年は2名(男性1名、女性1名)のインターン生のコーディネートを行った。 ・安藤雄太(あんどうゆうた)【三重大学 生物資源学部 1年】 インターン先:NPO法人中部リサイクル運動市民の会を中心に行う ・伊藤朋江(いとうともえ)【三重大学 人文学部 1年】 インターン先:NPO法人エコデザイン市民社会フォーラムを中心に行う 【内容】 1.共通活動(地域の未来・志援センターが担当) 8/20(水) 地域の未来・志援センター活動日: CSRを地域で取り組む企業、(有)ワッツビジョンの代表を訪問し、インタビューを行う。 8/29(金) オリエンテーション1日目 ・萩原理事長より、NPO3団体設立経緯の説明 ・各団体活動発表 ・地域デザイン講義/WS意見交換(志援 駒宮副理事) 8/30(土) オリエンテーション2日目 ・会社ゲーム(志援 井上副理事) ★9/1(月) インターン活動用として寄付を頂いた、美容院サロンSEFUの中村様を訪問。 ※インターン時間外として開催。 9/19(金) 振り返り ★2009/5/31(日) インターン活動用として寄付を頂いた、美容院サロンSEFUの中村様に活動報告のため訪問。 ※ インターン時間外として開催。 2.個別活動(受け入れ団体が担当) 中部リサイクル運動市民の会活動日: 環境イベント「エコまなメッセ」への参加:子供向け竹細工リサイクル工作補助(安藤・伊藤) ・リサイクルステーションの現場体験(安藤・伊藤) ・環境デーなごやに向けた準備・スタッフ参加(安藤) ・一色町環境会議への参加(安藤) ・エコデザイン市民社会フォーラム活動日: 環境デー名古屋に向けた準備・スタッフ参加(伊藤) 地下鉄利用者の交通駅ポイント交換業務体験など(伊藤) エコマネーセンターにてエコポイント交換カウンター業務体験など(安藤) <2.成果/課題> 【成果】受講した2名のうち、伊藤氏は、インターン終了後、エコデザイン市民社会フォーラムのアルバイトとして継続的に事業に関わっている。安藤氏は、地域の未来・志援センターの事業の学生スタッフとして、協力を頂いている。インターンの支援金(交通費補助)として寄付を頂いた美容院SEFUの中村様からも、二人の成長を高く評価いただき、継続的な寄付金の獲得ができることとなった。 【課題】当初、三重大学から、10名程度の学生がNPOインターンシップ制度を使うとの話があったが、実際には2名の参加で2009年度のインターン予定者は1名である。今後、学生のニーズ、学生、大学側の状況などを把握するために大学の担当者、部局と話が出来る場の設定が必要である。 <画像:http://c-mirai.org/uploads/Image/report/2008/12-1.jpg>画像><画像:http://c-mirai.org/uploads/Image/report/2008/12-2.jpg>画像> (左・右:エコデザイン市民社会フォーラムでの受付業務) <画像:http://c-mirai.org/uploads/Image/report/2008/12-3.jpg>画像> (美容院SEFUへの活動報告) 2−4.中間支援NPO人材育成システム開発事業 ○目的 NPO中間支援組織を担う中核となる人材を育成する新たなシステムを開発する。 ○事業内容 NPOの活動の浸透に大きな力を持つ、中間支援NPOスタッフに求められる人材の能力(意識、スキル)を調査分析し、用件を明らかにしながら、それを反映させた学習システム(プログラムやネットワーク環境など)や学習ツールなどのテキストを開発する。 <1.ヒアリングの実施> 1)対象:東海地域の中間支援に実績のあるキーパーソン。および、若手スタッフ。10名程。 2)実施日程:2008年10月〜2009年1月まで 3)実施予定場所:東海3県 4)実施形態:個別ヒアリング 5)従事者人数:理事:井上、事務局:北村、都筑、CSOラーニング生:大西、会員:戸上昭司 6)目的:中間支援組織の人材育成に関する現状把握。キーパーソンたちの問題意識の把握。 <2.中間支援若手座談会の開催> ・場所:中部リサイクル運動市民の会 会議室 ・テーマ:中間支援NPOで働くって…? -同世代に向けたホンネのメッセージ- ・参加者:8名 ヒアリングをより効果的に行うためにも地域型/テーマ型、公設民営/民設民営/公設公営、対象地域のバランスを考慮しながら、東海三県の中間支援NPOに関わる20代前半から30代前半の若者に参加を呼びかけ、座談会を実施した。現場の本音の情報を得ることを目的とし、覆面形式で公開することを前提に実施した。 <3.中間支援NPO人材育成ガイドブックの製作> 中間支援組織には、あり方が多様である。さらに組織の成り立ちや代表の組織論/NPO論、地域性、有する経営資源や解決すべき課題も各々に大きく異なる中間支援NPOの実情を考えると、そのガイドを一定一律のコンテンツで構成することは到底不可能である。若手のスタッフが、自分自身と、自分自身が勤める(勤めようと考えている)中間支援組織や地域の実情を確認しながら、自分のミッションをすり合わせていくことができる書き込み式ワークブックをメインコンテンツとした。 ・ワークブック(25ページ) ・中間支援NPOスタッフのストーリー漫画(6ページ) ・中間支援組織若手スタッフ覆面座談会記事(11ページ) ・情報ソースリスト(4ページ) <4.成果/課題> このテキストを使った、中間支援組織向けの研修プログラムや、中間支援NPOと企業との協働について考える研修プログラムを企画しており、既に複数の団体から要請を頂いている。 今後は、このテキストが各地の中間支援組織で活用されていくように、積極的な働きかけをしていく予定である。 また、地域で中間支援NPOに関わっている若手職員のグループから、本プロジェクトに対して関心を示して頂き、勉強会等で調査内容を紹介して欲しいとの依頼を頂いた。このように、本プロジェクトの調査結果・プロセスを地域の様々な団体と積極的に共有する動きを作っていく。それにより、中間支援NPOやそこで努める若いスタッフたちが、自立連帯しながら中間支援NPOの人材育成の土壌作り、そこからNPO全体の人材育成へとつながっていく道筋をつくっていきたい。 中間支援NPOで働く人材育成のプログラムとしてテキストを作る今回の取り組みは、おそらく前人未踏の試みで、わずか1年という短い期間で、目的が100%達成出来たとは思ってはいない。今回作成したテキストブックで提示したものは、あくまでたたき台であり一つのステップだと考えており、テキストブックの普及促進や、地域の中間支援NPOでの研修、勉強会での調査発表等を通じて、更なる改良・増補を加え、より使いやすいテキストブックに進化させていく予定である。 2−5.地域資源マッチング事業(地域公益ポータルサイトなど) ○目的 日本財団・IIHOE〔人と組織と地球のための国際研究所〕の進める地域公益ポータルサイトプロジェクトに参画し、地域の資源をマッチング・循環させる地域のファンド・ポータルサイトの形成について取組む。 ○実施概要 日本財団・IIHOE〔人と組織と地球のための国際研究所〕が主催する地域公益ポータル推進プロジェクトの全国会議(計3回)への参加。東海地域における地域公益ポータルについて、「地域資源マッチングシステム構築事業」の実行に向けて、団体内で企画検討会議を開催。 <1.実施内容> 【5月23日・24日 地域・テーマ別@ポータル推進プロジェクト第1回推進会議 参加】 場所:仙台 参加者:北村政智(事務局)、戸上昭司(団体会員) テーマ:1日目 プロジェクトの概要説明と、各地域のデータベースの現状・課題の共有 2日目 公益ポータルの展望と、各センターでの推進計画の検討 内部検討会実施: 【8月8日・9日 地域・テーマ別@ポータル推進プロジェクト第2回推進会議 参加】 場所:別府 参加者:戸上昭司(団体会員)、都筑里美(事務局) テーマ:1日目 懸案事項の検討と、各センターの計画・方針、課題の確認 2日目 ポータル運営に関する疑問の解消、運営者条件の検討、各センターの計画整理 内部検討会実施 【11月9日 地域・テーマ別ポータル推進プロジェクト第3回推進会議 参加】 場所:東京 参加者:戸上昭司(団体会員)、都筑里美(事務局) テーマ:今後のポータル開設計画/来年度のポータル推進プロジェクト全体の進め方 内部検討会・実施 <2.成果/課題 > 地域資源の循環を行うために必要となる情報開示の全国の事例と、地域資源の循環とNPOの社会的な信用度を高めるための情報開示を掛け合わせた「公益ポータル」という手法を学んだ。団体内で、「グリーンプロモーション」(1-1参照)をベースとした中小企業から寄付を募り、地域のNPOに還元する地域資源循環の仕組みと、NPO法人中部リサイクル運動市民の会が行ってきた「不用品データバンク」をベースとした、「モノ」のやりとりからはじめる地域資源循環の仕組みの検討を行った。今後、システムのためのシステム作りに陥らないよう、東海の基本理念にそい、「豊森」(1-4参照)など、現場のニーズに必要性(リアリティ)のあるシステム作りを目指したい。 |