本町の端を通る北海道新幹線のトンネル工事が年明けの
四月から、始まるらしい。
12月定例会での一般質問で、複数の議員から、鉄道運輸
機構から町側に説明のあったトンネル残土処理方法につい
て、過去に議員視察で青森県における説明を受けていた処理
工法と異なり、有害金属の分離処理が行われず、河川等への
土砂流出と水質汚染が危惧される。
町の対応として、適切な提案と受け止めているのかといっ
た基本的姿勢、工法変更を含む強い要請活動の必要性や濁
水混入による朱太川の独自の水質検査の実施の有無について
等、広範なやり取りがあった。
理事者側としては、町として、正式に説明を受けた日時は
議会特別委員会の面々が同席した日と同じで、応対できる術
は無かったが、一方的に説明を受けたことで、全てを理解承
諾したわけでは無いらしい。
ただ、学識経験者の答申を踏まえた工法だという説明だか
ら、大丈夫なんだろうという複雑な胸の内をも吐露している。
鉄道運輸機構が発注する新幹線、完成の暁には、国、都道府
県の負担分の残りを、JR北海道の貸付料で賄うシステムだ。
よって、経営赤字に悩むJRにとっても、工事費が安いにこし
たことは無い。
それでなくても、札幌駅の問題やら、都市部周辺の工事対策
トンネル残土処理経費が、当初設計より嵩み、全体予算は硬直
化している。
過疎地、山間部は、安く上げたいと、工事発注者なら当然
考えることだ。(私が責任者なら、そう考える。)
でも・・でもだ。
黒松内町内の全ての小河川は、朱太川に合流し、里海として
評価の高い寿都湾に注ぐ。
寿都湾では、ふるさと納税で人気の返礼品が、うじゃうじゃ
泳いでいる。
肝心の清流朱太川流域(酒の名前では無い)は、環境省が選定
した生物多様性上の重要な里地・里山だったはずで、絶滅寸前
の貴重な動植物が生息しているし、夏になれば全国から幻の天
然鮎を求めて釣り人が訪れる。夏休みになると自然学校では大
勢の子供達が水辺で遊ぶ。
清流朱太川は、母なる川で、町民のみならず国民の宝もの。
その宝物の看守が真の黒松内人だが・・
よもやお墨付きを与えた学識経験者が、これらの情報を知ら
ない筈は無い。
朱太川の上流の水が、地下浸透して、自然ろ過され、数年か
けて地下の湖に溜まり、ミネラルウオータ-となって、全国に出
回る。
これだって、町部局は汚染すべきでない命の水だと知ってい
る。
万が一、土砂が流出したら、すみません、想定外でしたでは済
まない。
自然由来の重金属なので・・いたずらに危険視することは無い
と公言してはばからない・・当事者意識の欠落した輩も存在する
ことに、信じられない思いだが、闘う前から機構へ忖度してどう
なるのか。
六年間も、狭い谷間(東川・大成地区)に、粉塵が舞う。
この構図は、不適切な比喩と思うが沖縄と通ずるもの
がある。
日本一健康な町づくりの阻害要因にならないよう・・遅ればせ
ながら横断的なリスク管理・問題意識の共有と、果敢なセンスの
ある政治的行動は避けられまい。
ちなみに、私の学校の先輩・後輩も、多数、鉄道運輸機構や大
手ゼネコンに席を置き、使命感をもって、工事に当たっているわ
けで、内情を推測できる私自身、複雑な心境だが、・予算と工期
の制約の中で、環境負荷軽減には、意を配りつつも、あくまで予
算の範囲内、・・孫請けまで考えると、搬出輸送にしわ寄せが来
て、青写真どおりには行かないものだ。
大気や水質、騒音等、環境保全に係る協定締結後の継続的な立
ち入り検査等も、必要となる。
北海道発展のために、やっかいな問題を背負うのだから、道は
特別交付税の配分にあたって、サポートするべきだと強調したい。
2018年12月20日
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