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脳科学ブログ(教育への架橋)

脳科学の知見を生かし、実践現場との架橋・融合をめざす。仮説・実践・検証により、教育のエビデンスを生みだし、揺るぎなき教育の一端を担いたい。“教育は愛、愛こそ教育” 願いは子どもの幸せである。


拉致問題解決を訴える藤田隆司氏 [2009年10月24日(Sat)]
 川口市は拉致被害者が一番多い。岡村市長も立ち上がった。10月31日拉致問題を考える自治体フォーラムが、川口駅前キューポラ4Fで13:00〜開催される。柏崎市・佐渡市・小浜市・川口市と4市の市長が一同に会して解決を訴える。

 拉致から31年、田口八重子さんはじめ家族の苦しみは筆舌に尽くしがたい。

 藤田隆司さんは、あかつき体操会で兄・進さんの救出支援を訴えた。

 藤田家の不幸。進・隆司さん兄弟の叔父藤田慎さんも、拉致の疑いが濃厚となった。特定失踪者問題調査会が今年発表した。

 川口市は7人と群を抜いて多い。どうしたのであろうか。疑惑の『大町ルート』が浮かび上がるという。大宮・周辺が6人、東京都内が13人もいるという。

 神にも野獣にも悪魔にもなっるという「ヒト・人・人間」。人間脳が十分に発達したならばこういうことはおこるまい。人間の叡智を賭けて解決に当たってほしい。私も支援したい。
川口南Hondaの販売作戦 [2009年10月20日(Tue)]
Honnda川口南営業所、野本会長は「あかつきラジオ体操会」副会長、40年近く体操会を休むことなく続け会社を大きく成長させてきた。伸びる会社は合脳性がある。成功と合脳性は一致する。

 一歩会社に入ると受付が明るく対応する。接客は明るさが一番、明るい会社は必ず伸びる。暗い会社は伸びない。ヒトは明るいところに寄ってくる。

 先ず朝礼、大きなあいさつ、元気な号令、1・2・3・4・5・・・点呼・番号 気持ちの良い出発である。家庭モードから会社モードにスイッチが切り替わる。

 ラジオ体操、踊りは川口音頭 体をほぐし心を開き仕事への地ならしが進んでいく。

 毎週金曜日はボランテアデー、3丁目公園の清掃 秋祭りに備えるという。企業の社会貢献は重要、地域に喜ばれてこそ「会社」である。Hondaは年1回、月1回もある。川口南は毎週とのこと。素晴らしい。やるかやらないかは社長の一存に掛かっている。若社長頑張れ!頑張れ!!

「売り手良し・買い手良し・世間良し」は脳の原理である。必ず成功する。自分勝手は早晩自滅する。市場原理一辺倒が成功するわけがない。何事にもバランスが必要、今年のノーベル経済学賞オストロム氏の論理「利用者による共有地の共同管理」であった。市場と非市場の微妙なバランスをどうとるか。日本には「近江商人」の知恵がある。 
匠の技ー川口鋳物 [2009年10月15日(Thu)]
高度な技術を探る川口鋳物、大六鋳造の匠たちを追う。
何といっても、川口はキューポラ、大六鋳造では電気炉を使っている。

 計器を見ながら鉄を溶かす。温度が微妙、素材の配分が微妙、添加の成分が微妙、微妙なことだらけであるという。湯の色・動き・変化・・・、最高をめざし真剣勝負である。

 型に湯を注ぐ、入れ方にも細心の注意を払う。多くても少なくてもダメ、速すぎてもゆっくり過ぎてもダメ、製品のできが違ってくる。時には型が崩れ湯が漏れ出すこともある。1つ1つ先輩から見て学ぶ。やりながら学ぶ。見てもやってもうまくいかないことがある。経験を積み勘を磨くほかに妙手はないという。若手頑張れ!技術者頑張れ!

 どうすれば良いか、50年の熟練技術者と知恵を出し合う石井精次社長。どこでもできない仕事、難しい仕事ほどファイトが湧くという。匠の技には天井がない。大六鋳造は何度となく知事賞・商工部長賞などを受賞している名うての工場である。 

 下型と上型の組み合わせ、高度な熟練が要る。中子を入れ、上型をかぶせていく。最後の工程、息詰まる時間が続く。湯を入れ終わりほっと一息!立派な製品よ、出来上がれ!

 このようにして、営々と川口の匠たちは技を磨いている。
埼大綿貫教授講演(5) [2009年10月14日(Wed)]
 埼大綿貫教授の講演は、「BMIの現状と将来」であった。

 BMIのねらいは「人に優しい機械」の開発研究である。安全・安心を重視し、生活の質を高めることがねらいとなる。駅の券売機・Suicaは卒業生が開発したBMIの1つだという。

 BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)の柱の1つはロボット開発である。「念じるだけで機器を操作する」こうした夢のような話が、近年の科学技術の進歩によって、現実のものとなりつつある。

 脳からの信号を計測し、それを利用して生活環境操作、コミュニケーション、運動の補助などをする。

 fMRI、脳波計など機器を駆使し研究を進めている。
中谷裕教博士講演(4)ー将棋 [2009年10月14日(Wed)]
 中谷裕教博士講演ー東大は囲碁、理研は将棋で研究を進めている。理研の中心を担っているのが新進の中谷博士である。将棋を題材に思考の謎に迫ろうとしている。尊敬する人は、2003年に亡くなったBSIの松本元先生。先生の本にすごく影響を受けたという。演題は「脳活動から探る将棋棋士の直観」であった。

 将棋のプロは、次に指す手が直観的に分かる。“見て分かる”ということは直観な思考の結果である。将棋の読みでは小脳と大脳基底核が大きな役割をしている。

 fMRI(機能的核磁気共鳴装置、4テスラ)で「どこが」が、脳波計で「いつ・どのように」活動しているかを計測できる。デタラメと定跡では動きが違う。プロは0、1秒ー0、2秒、アマは0、3秒以上かかると「判断の時間差」がでる。数年後にはアマとプロ、段差間の違いまで棋士の脳の働きを正確に映し出せるようになるだろうという。

○プロは脳の働きが序盤も終盤も変わらない。アマは大きく変わる。アマでも4段クラスになると序盤はプロに似る。初段クラスだとデタラメに近い。直観による指し手は大脳基底核の線条体が関与している。

○プロ棋士の判断過程は、@局面の素早い理解 A直観による指し手の案出 B読みによる検証 C判断である。意味のある局面の素早い理解は前頭前野、局面の意味理解は頭頂側頭連合野、直観的な初手の案出は大脳基底核・線条体、直観的な読みの検証は小脳である。

田中啓治博士講演(3) [2009年10月12日(Mon)]
 田中啓治博士は理化学研究所・脳科学総合センター副センター長、認識、意志決定などの高次脳機能の脳内メカニズムを研究。4テスラMRI装置でヒト被験者の脳活動を非侵襲的に記録する実験を行っている。
 

 側頭連合野における物体の視覚的認識のメカニズムと前頭連合野における目的指向的行動のメカニズムが中心テーマ、ヒトでの研究結果と実験動物における研究結果を結びつけるために、機能的MRI測定の空間分解能を高める技術開発にも力を注いでいる。

 マカク属サルの視覚的認識のメカニズム、ヒトもサルも99%以上同じである。物を見て認識する能力は驚くほど高く、コンピュータには到底まねができない。


 カテゴリー認識は、複雑な背景の中に動物がいるか否かの判断を150ミリ秒の間に行える。また、注意を他の課題に向けても判断は悪くならない。


 たて・よこ・ななめ・曲がりなど複数の図形特徴を組み合わせることでものが見える。膨大な数のニューロンが関係している。ニューロンの発火を解析すると、顔・手・体・・・などカテゴリーごとに分布・整理される。
第28回 感性・脳科学教育研究会 例会案内 [2009年10月12日(Mon)]
    第28回埼玉感性・脳科学教育研究会 例会のご案内

 今年もあっという間に「霜降」、政治は激変、学校はインフルエンザ、皆さんお元気でしょうか。

 人間の社会システムは、脳のしくみに従ってできあがっています。脳は「生きる」「仲間になる」「知る」の3層、自分を守りたいという本能、違いを認めてともに幸せになりたいという本能、本能間の相克を調節・バランスを探る本能を基盤にできています。脳が何を求めているか。良く知って、脳の求めに応じない限り社会は良くなりません。ねじれにねじれていきます。
 自民党政権下で財界や政治家、役人や国民、学校や社会がやっていたことは何だったのでしょうか。時代の空気と脳がマッチングしなかったのではないかと思います。
 合脳性を踏まえないといくらやっても人間も社会も良くならないのです。成果主義は疑問、人事評価は工夫を要す、勝ち負け至上主義の受験もダメです。
 民主党政権の誕生は大きな希望です。鳩山首相の「友愛」は素晴らしいキーワードだと思います。でも「スクールカウンセラーを全小中学校に配置」はダメ、「費用対効果」が釣り合いません。私たちは先達の知恵と脳科学に解決のヒントを求めたいと思います。
 前回は、永瀬先生と私が講演・報告をしました。今回は、閑野先生ご夫妻と白川さんが担当します。情報交換の時間もとります。是非おいでください。 
              記
日時 11月07日(土) 14:00〜15:00 白川
             15:00〜16:00 閑野(忍)
             16:00〜16:30 閑野(真)
             16:30〜17:00 情報交換             
場所  川口市立栄町公民館 川口駅東口そごう裏5分
講師  ・ 「本の書き方・出版のしかた」  白川 好光
 ・「書の歴史と書家の仕事」        閑野 忍
 ・「英語教育ー学校でできること・できないこと」 閑野 真理子
会費  ¥500円
 *13:30から30分程度、待ち時間に桑原が「脳科学と選挙」(ニューロインフ   
   ォマテックス)を報告します。びっくり仰天当落の予想が88%当たりました。
 *「脳科学ブログ」が、ヒット数11万7千件を超えました。
 * 8月26日 さいたま市教育委員長と「脳科学の時代」を2時間話し合いました。翌日は坂戸市立千代田小、9月18日は浦安市で講演をしました。脳科学への関心がどんどん広がっているようです。
利根川博士講演(1)埼玉大学創立60周年記念講演 [2009年10月05日(Mon)]
 9月19日、さいたま市「ラフレさいたま」で利根川進博士が記念講演をした。演題は「記憶の秘密」ー海馬における記憶の分子構造と回路メカニズムーであった。内容報告は(2)

 理化学研究所と埼玉大学は関係が深い。創立60周年を記念し、脳科学融合研究センターを設立したことは快挙である。70年代学長であった和達清夫先は理研の所長でもあった。利根川博士は今年から理研脳科学総合センター長である。 
 

  化学から出発し分子生物学、免疫学から脳科学にいたる自らの研究史を語った。博士のノーベル賞は免疫学であった。

 21世紀は脳科学の時代、全ての学問が脳科学に収斂するという。

 講演が終わると学生達が先生を取り巻いた。利根川博士は真剣に応答していた。若い世代に期待し、育てようとする熱意が伝わってきた。かつて、和達学長も学生を本当に大事にされた。気象学の講義が懐かしい。 
利根川博士講演(2) [2009年10月04日(Sun)]
利根川博士講演(2)
記憶の司令塔は海馬である。直径1pの「金太郎飴」の形状をしている。脳の中でもとりわけ重要なため深いところに安全に格納されている。1957年その重要性が報告され、1986年「順行健忘」の発見によって記憶の中枢であることが確認された。以後記憶研究のターゲットとなり、次々と貴重な研究成果を上げられてきた。

 情報は側頭葉から歯状回→CA3→CA1と時計回りをして側頭葉に送られていく。あらゆる「ものごと」の情報は、食材が調理されて料理になるように、海馬で料理となって側頭葉に還っていく。

 海馬は、大きさ25ミクロンの神経細胞がたったの1000万個、まさに少数精鋭のニューロン集団によってできている。入り口の歯状回の顆粒細胞は増殖・死滅が速く、3・4ヶ月で総入れ替えをする。この細胞が増えると記憶力が増強し減少すると衰える。記憶力の低下したネズミでは歯状回のシナプスの数が半数程度にまで減っていることがわかっている。 


 利根川博士は受容体やチャネル、酵素などの遺伝子が欠損ないし改変された遺伝子組み替えマウスを作った。更に、時期特異的かつ可逆的に特定の神経回路の活動を遮断できる遺伝子組み替えマウスも設計し作成した。分子から細胞、生理学、回路、行動にいたる様々なレベルでの実験手法を駆使し研究を進めてきた。マウスは実験装置をつけても何事もないように動き回っている。
 

 実験室では、周囲に異なった景色を設定し、ミュータントマウスとコントロールマウスの動きを比較し解析していく。結果をまとめ論文として発表する。

 マウスは水の中が大嫌い。一時も速く安全地帯にたどりつこうと動き回り、プラットフォームを発見する。記憶力の強いマウスは成功経験を生かし速く着き、弱いマウスは経験を生かさずいつまでも動き回る。
三田評論で脳科学特集 [2009年10月03日(Sat)]
 慶応大学はまたしても「脳科学特集」を組んだ。三田評論7月号は「脳科学の現在」であった。

内容は『発展する脳科学研究とその課題』、参加者は京大高次脳機能総合研究センター長福山秀直教授、立教大学文学部河野哲也教授、慶応大学システムデザイン・マネジメント研究科前野隆司教授、同大理工学部生命情報学科講師牛場潤一、司会は同文学部渡辺茂教授であった。 

 慶応大学医学部岡野栄之教授の研究室では、MRIを駆使した拡散強調画像法による神経軸索の走行を可視化する技術を開発してきている。 

 マーモセット(繁殖能力の優れた新世界ザル)が特殊な訓練により、特定の認知機能を獲得して時に、脳内でどんなことが起きているかをリアルタイムで、しかも非侵襲的に観察できるようになる。この写真はマーモセットの視覚系軸索繊維である。視覚情報がどこから・どこへ・どのような経路で伝達されるか手にとるようにわかってくる。脳神経回路構造学も劇的に発展するであろう。教育現場での期待が弾む。

 ごく最近の研究で、「道具使用」によって、ヒトに特有とされてきた脳部位が膨大、39野・40野が発達することをつきとめられた。京大ではサルを適切に訓練した結果、他のサルに道具を渡すことができるようになったという。一歩一歩「脳」と「こころ」、「知・情・意」の神経回路がはっきりして来るであろう。これがはっきりすればするほど「揺るぎなき教育の筋道」が見えてくる。空回りの教育に終止符を打たなければならない。子供たちがあまりにも可哀想である。
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