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虹の夢

生き難さを抱えている人たちの幸せな未来を願っている「お節介おばさん」の徒然日記です。

自閉症/発達障害のある方など生き難さを抱えスペシャル・ニーズを持つ方々の「未来を創りたい」…そんな大きな夢を叶えるために、「楽しく・嬉しく・明るい」情報発信をしていきます。

2020年度「放課後等デイサービス 評価アンケート」の結果を2021.2.19の記事に掲載しています。
併せてご覧ください。


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虹の輪パーティ [2015年03月29日(Sun)]
今日のしゃーれでは準備を進めてきた修了パーティ(虹の環パーティ)が行われました。
たくさんの方が参加してくださました。
子どもたちは朝からパーティ料理の準備を行いました。
各グループに分かれて担当メニューを作っていきます。
60個近い数を作るのは想像以上に大変でしたが、一生懸命取り組んでくれました。
流れ作業でお皿にとりわけ、テーブルへのセッティングも行いました。
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そして、修了式。
1人ひとりの素敵な笑顔とスタッフからのメッセージを賞状にしてお渡ししました。
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その笑顔をみながら、しゃーれで過ごした時間は彼らにとってどんな時間であったのだろうかと考えていました。
私はこの1年間子どもたちから本当に沢山のことを教えてもらいました。
そして、子どもたちの笑顔から何度も力をもらいました。
卒業はひとつの別れではありますが、ここで過ごした日々の思い出や身につけたスキルはその子の中に生き続けると思います。
これから1人ひとりが進む道は違いますが、こうして出会うことができたことは本当に素敵なことだと思います。
この虹の環パーティをさらにより良いものとするために今後も努めていきたいと思います。

フローレン
Posted by 伊藤 あづさ at 20:34 | 今日の「しゃ〜れ」 | この記事のURL | コメント(0)
修了パーティの準備 [2015年03月28日(Sat)]
今日は、明日の修了パーティの準備を午前と午後に分かれて行いました。
午前のプログラムは、明日使う野菜の切り方を行いました。
にんじん
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じゃがいも
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ほうれん草
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とても上手にたくさんの量を切ってくれました。
全部子どもたちが切ってくれました。
集中して取り組んでいる姿は本当に素敵。
明日のパーティでは彼らが切ってくれた野菜が色鮮やかに添えられます。

午後のプログラムは、チョコマフィン作り。
参加者全員分のマフィンを作ります。
2回目となるため手際も良く作ってくれました。
完成したマフィン。とても美味しそうです。
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1人ひとりができることを行って準備を進めました。
子どもたちが作ったもの1つひとつにとても素敵な思いが込められていると思います。
明日の修了式は卒業する方だけでなく、参加している方々すべてにとってもかけがえのない時間になると思います。
明日も朝からみんなで準備をします。
笑顔があふれるパーティになればとても嬉しく思います。

フローレン
Posted by 伊藤 あづさ at 21:13 | 今日の「しゃ〜れ」 | この記事のURL | コメント(0)
笑顔の修了 [2015年03月25日(Wed)]

「発達支援トレーニングジム しゃ〜れ」から、今年は9人の高校生が巣立ちます。
来週から就労に歩み出すため、29日の修了パーティに参加出来ない光さんに修了証書をお渡ししました。
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スタッフが一人一人、それぞれのこどもたちに向けてメッセージを用意してくれました。
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出来ることが増えて、自信を付けて。
素敵な笑顔の修了です。
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Posted by 伊藤 あづさ at 17:03 | 今日の「しゃ〜れ」 | この記事のURL | コメント(0)
素敵な姿 [2015年03月16日(Mon)]

昨日3/15は、夢メッセで行われた東北復興ソーシャルビジネスギャザリングに参加しました。
スタッフ用のお弁当や、販売用のおにぎり、豚汁、お菓子、パンなどの準備を利用者さんもスタッフもみんなで進めてきました。
イベントでは素敵なことが沢山ありました。
1つは、就労の利用者さんの姿です。人が多くお客さんに「いらっしゃいませ」の一言をかけるのがはずかしいと言う方がいました。しかし、時間が経つにつれて、商品を渡す時に「ありがとうございます」と声をかけていました。
緊張したと言いながらも少しはにかんだような姿はとても素敵でした。笑顔で挨拶をされたお客さんも思わず笑顔で「ありがとう」とかえしていました。
利用者さんの中には自分が作ったお菓子をすすめたり、豚汁を買った方におにぎりをすすめたり、本当にイキイキと働いている姿はとても素敵でした。
そんな光景をみながらとても心があたたかくなりました。
2つ目は、お客さんとの交流です。購入したお菓子を食べて美味しかったからと何度も買いにきてくれたお客さんがいました。ある方は今度ランチを食べに行きますとお話してくださいました。
直接お客さんの声を聴けるというのはとても素晴らしいことだと感じました。
思えば1年前のこのイベントが私の初仕事でもありました。そんなことを思い出しながら過ごした1日となりました。

フローレン
Posted by 伊藤 あづさ at 20:19 | 今日の「素敵」 | この記事のURL | コメント(0)
自閉症者の語る自閉症者の世界-1- [2015年03月13日(Fri)]
2009年5月23日(土)於:東京大学医学部鉄門記念講堂で開催されたシンポジウムの記録から。


ミニ講演(日本語原文)
by 東田直樹
 こんにちは、東田直樹です。僕は、現在、通信制高校の2年生です。自宅で勉強しながら、創作活動に取り組んでいます。朝は父とランニングを行い、時々ヘルパーさんとボーリングや、買い物、図書館に行く生活を送っています。
 僕は、重度の自閉症です。自分の気持ちを伝えられなかった頃、泣いて叫んで騒いでも、誰も僕の気持ちを分かってくれず、町をさ迷う一羽のカラスみたいに僕はとても孤独でした。重度の自閉症というと、話せない、人の気持ちが分からない、想像力が乏しい、などと言われるかも知れません。
 その僕がこんな風に、みなさんにメッセージを伝えられる日が来るなんて、僕自身思ってもいませんでした。
 僕は話せませんが、筆談ができる前から、みんなと同じような言葉を心の中に持っていました。壊れたロボットのような僕の体の中から、誰かが本当の僕を救い出してくれるのを、ずっと待っていたのです。
 自閉症の人たちが、言葉を話せなくても色々なことを分かっていることに気づいていらっしゃる方は大勢います。気持ちを理解するために、絵カードでスケジュールを提示したり、行きたい場所をカードで選択したりすることは、よく知られていることです。
 その時、絵カードの意味や使い方を教えるために、最初は教える人が手を添えて一緒にやると思います。
 僕がやっていた筆談も同じことです。それまで、字が書けなかったわけではありません。援助者に手を添えてもらって一緒に書く筆談は、自分の内面を表現する方法として、どんなふうに気持ちを動かし、それを書き表せばいいかということを学ぶことなのです。
 カードを取る練習も、慣れてくれば、手を添えている援助者と一緒にやっていても、本人の意思で手を動かしているのが分かると思います。
 ただ、筆談の場合、字を書くので動かす範囲が複雑なこと、また、気持ちに触れる内容だと、苦しくなったり悲しくなったりすると思いがあふれてしまい、とてもひとりで書ける状況ではなくなります。そのため、一緒に書いてくれる援助者の精神的な支えが必要になります。
 僕の場合、まずは、援助者が僕の手の甲を握って、僕の思いを一緒に書くという方法から始めました。次に援助者の手の平を紙の代わりに、僕の右手の人差し指を鉛筆代わりにして書く指筆談という方法を、母が考えてくれました。指筆談は道具もいらないし、筆談より書きやすいため、母とはものすごいスピードで会話できるようになりました。
 しかし、母と行う指筆談では僕が書いていることを他の人に信じてもらえません。そこで、自分の力だけでコミュニケーションを取れるようになりたいと、強く思うようになりました。
 手を添えてもらわずに鉛筆で書く練習もしましたが、文字をひとつ書いている間に、口でしゃべる時と同じように、頭の中が真っ白になってしまい、自分の言いたいことが書けませんでした。
 言おうとする文字を忘れる前に、次の文字につなげるため、8才の時、キーボードと同じ配列でアルファベットを書いた文字盤の文字を指差す方法に、たどりつきました。この文字盤は、母が作ってくれました。外国にも同じようなコミュニケーション方法を行っている人がいるのを知り、勇気がわきました。それから、少しずつ援助してもらう部分を手から肘、肩、背中へと離していったのです。そして、12才の時、自分の力だけで、文字盤の文字を指せるようになり、パソコンでも創作活動を行うようになりました。
 きっと僕の他にも、僕のような内面を持っている自閉症の人はたくさんいると思います。みんな自分の心の中を表現する手段がないのです。
 僕たちは、皆さんが思われている以上に繊細です。考えてもみてください。生まれて一度も人に本当の自分の言葉を伝えたことのない人間が、どんなに不安を抱えながら、自分の言葉を伝えているのかを。ですから、筆談やタイピングの援助は、本人が心から信頼していて、それらの援助に慣れている人でなければ難しいかも知れません。
 僕は、今でも、少しの刺激や精神的な不安が混乱を招いて、うまくタイピングできない状態になることもあります。信頼できる人が側にいてくれるだけで、落ち着いてタイピングすることができるのです。
 会話のできない僕が社会とつながるために、言葉を文章にして読んでもらうことで、僕のことをもっと理解してもらえるのではないかと思い、僕は作家になりました。
 重度の自閉症なので、何も分からないと思われているかも知れませんが、僕は、いつもみんなの話を聞いています。テレビも見ますし、音楽も楽しみます。少しですが、本も読みます。僕は、ずっと普通になりたいと思っていたので、みんなのことを観察してきました。みんなのようには振舞えないけれど、僕にとっては、とても不思議な普通の人々の世界を、別次元の宇宙映画を鑑賞するように見ていたのです。文章が書けるようになると、自分の思いを詩などに書くだけでなく、僕は物語の主人公になって、普通といわれるみんなの世界に登場しました。自分が物語の主人公になることで、みんなの世界を自由に旅していたのです。
 自閉症である僕は、ある意味、普通の人の行動や気持ちは理解できていないかも知れません。
 僕は、今でも普通の人が僕の作品の意図を分かってくれるのか、僕が想像するみんなの世界とのずれがないかを気にしながら作品を書いています。だから、たくさんの人が僕の本を読んでくださったり、感想を書いてくださったりすると、みんなの世界に近づけたような気がして、とても嬉しいのです。
 これまで僕は、普通ではない自分が嫌でした。いつも迷惑をかけてばかりで、人の役に立つことなどできなかったからです。
 この社会で生きるために、僕はみんなのようになろうとしました。でも、努力すればできることもあるけれど、どんなに頑張ってもできないことがあることに気づきました。それに、自分の好きなものや大切にしたいものなどが、みんなと違うものもあります。みんなの価値観や考え方に違和感を持つようになったのです。
 僕は、自閉症者の語る自閉症の世界は、まだこれから明らかにされてくるものだと思っています。
 例えば、僕が感じる感覚の違いでは、こんなことがあります。僕は、雨が降ると、まず音に驚きます。みんなは雨の音がすぐに分かるみたいですが、僕は雨だねと言われるまで、この音が何でどこから聞こえてくるのか、不安になるのです。だから、雨が降ると、音と雨を結びつけようと、じっと雨を見るのです。雨を見ると、雨粒に見とれてしまい、自分がどこにいるのかも忘れてしまいます。次々と降り続く雨粒が、まるで僕の体をすり抜けて地面に落ちているかのような感覚に陥るからです。このように自閉症の世界には、自閉症者本人でないと、説明できない感覚や考え方があります。
 自閉症の全てがいけないのだろうか、と僕は疑問に思っています。自閉症である僕が僕なのです。僕は、僕を愛してくれる人たちを心から愛しています。僕たちにしか分からない自閉症の世界には、とても素敵なものもあると思うのです。ひとりひとりが大切な人であるように、僕が自閉症として生まれてきたことには、きっと意味があります。
 思いに共感してもらうことで、僕たちの気持ちもずいぶん楽になります。ですから、今日の講演会で、僕の気持ちを伝えられるということは、とても貴重なことです。お互いを理解し合うことが、明日への希望に繋がる第一歩だと思います。僕たち自閉症者の未来は、みんなと同じところにあると、僕は信じたいのです。
Posted by 伊藤 あづさ at 22:55 | Autism awareness | この記事のURL | コメント(0)
4年目の日に… [2015年03月11日(Wed)]
雪の舞う寒い朝でした。
「あの日」から4年の月日が…

"あ〜、四年間頑張れたんだ…"
自然と涙がこみあげてきます。

2011年3月1日に開業したCafe。
その10日後の震災で、本来の事業である「就労移行」の利用者の方も集まらなくて…
夏になっても業績は上がらず「廃止/休止」に傾きかけた時、一緒に事業所で働く皆が支え合って。
法人を分け本体の転覆を回避し、それからも必死で守り通してきました。

4年前の昨日のメニュー。
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そして4年前の今日。
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ご提供の仕方も徐々に変わっています。
だけど変わらないのは
「こころとからだにやさしい」お食事をお届けすること。
そして価格。

あの頃は、日本財団さんの「真心絶品」を応援する意味もあってハムや餃子や調味料は、全国の施設商品の中からセレクトされたものを使わせていただいていたので、どうしてもコストがかかっていました。
街に食べるものが無くなった時、全国から応援に来てくださったNGOやNPOの皆さんに、とにかく「あたたかいものを」と、大皿盛りで好きに取り分けていただきながらも営業を続けました。
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「これで一日闘える」と言ってくださった言葉が、Schaleの「役割」を再認識させてくれた瞬間でした。

徐々に地元の八百屋さんやお肉屋さんに協力していただけるようになって、むしろ副菜の品数もボリュームも増えているのかもしれません。
もちろん、まだまだ儲かってはいませんよ。
だけど、もう少し「野菜たっぷりお昼ご飯」は700円(飲み物付)。
「世界で一つだけのカレー(全8種類)」は800円(飲み物付)。
は維持したいと思っています。
支えていただいているのは、お客様の
「ご馳走様。美味しかった〜」の声。
少しずつリピートしてくださる方々も増え、ショコラマダムはお顔とお名前をしっかり憶えてサービスに励んでいます。
そして、少しずつ広がっているお弁当やお菓子への応援。
県議会や東北大の大学院で学ぶ社会人の皆様からは、定期的にお弁当のご予約をいただき喜んでいただいています。

5年目にはちゃんと「黒字」にして雇用も創り出したいな。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by 伊藤 あづさ at 14:23 | 今日の感慨 | この記事のURL | コメント(0)
杉山登志郎先生から学ぶ [2015年03月10日(Tue)]
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少し前の記事になりますが、今改めて「大切」なメッセージを受け取っていただきたくて転載します


「気づかれない発達障害」が児童虐待につながる:杉山登志郎さんに聞く

(2009年11月1日発売のビッグイシュー日本版130号より転載)

自閉症児たちが見ている世界はどのようなものだろう。当事者たちが綴った本を読むと、その豊かな体験世界に驚かされ、同時にそこから接し方のヒントを得ることができる。そもそも自閉症とはどのような障害であるのか? また、新たにクローズアップされてきた虐待や不登校との関係などをあいち小児保健医療総合センターの児童精神科医の杉山登志郎さんに聞いた。

<発達障害の有無や種類、明確には分けられない>
一時期、新規患者の待機期間が3年という状態だった「あいち小児保健医療総合センター」の心療科。地域の医院との連携を図ったことで4ヵ月待ちにまで短縮されたが、心療科部長を務める杉山登志郎さんの忙しさは変わらない。多い日には1日で70人の子どもたちに向き合い、取材に訪れたこの日もすでに40人を診療したあとだという。取材中にも、ポケットに忍ばせたPHSが何度も鳴っていた。

「自閉症というのは社会性の障害、コミュニケーションの苦手さ、こだわり行動という3つをもち合わせた先天性の発達障害のこと。複数の障害が重なり合うこともあり、軽度から重度まで状態もさまざまです。一般的に罹病率は1〜2パーセントといわれますが、診断がつかない軽度の人まで含めるとその5〜10倍になるのではないでしょうか」

自閉症を代表とする社会性の障害を中心に持つ発達障害は、正式名を「広汎性発達障害」と言い、また「自閉症スペクトラム障害」とも呼ばれる。知的な遅れのない群を高機能広汎性発達障害と呼ぶ。自閉症スペクトラム障害とは、自閉症、アスペルガー症候群(コミュニケーション障害を伴わないタイプ)、その他の広汎性発達障害、あるいは非定型自閉症と呼ばれる明確な診断がつけにくいケースまでを一連の連続体としてとらえる考え方である。

「診断のつけにくいケースを、私は広汎性発達凸凹と呼んでいます。発達障害とは社会的な適応障害を伴うものを指すため、そうでない場合は発達の凸凹というほうがしっくりくる。障害の有無は明確に線引きできるものでもないし、障害の種類も明確に区別できるものではありません。診断名にとらわれすぎず、一人ひとりの状態に応じて働きかけをしていくことが大切です」

これまで、しつけや性格の問題だと誤解されることも多かった自閉症だが、生まれつきの脳の中枢神経の障害に由来するものであることが一般にも知られるようになってきた。さらに、自閉症の人がつづった書物を読むことで、彼らの体験世界≠フ一端を知ることができ、そこからつき合い方や接し方のヒントも見えてくる。

「たとえば、『砂の一粒一粒が見飽きず、おもしろい』『まわり中が一定のリズムで動いていると幸福感がある』『幼児期は耐え難い騒音と異臭に満ちていた』『触られると痛かった』など、健常者の感覚とは大きく異なる世界の中にいることがわかります。ぜひ彼らが書いた自伝を読んでみてほしい」

<気づかれない発達障害 子どもの虐待につながる>
虐待と自閉症との関係についても、注目すべき点があると杉山さんは言う。 

「このセンターには虐待の専門外来があるのですが、そこを受診する子どもたちの中に広汎性発達障害と診断されるケースがとても多いんです。特に、知的な遅れのない高機能群と呼ばれるグループが、虐待を招く危険因子になりやすいと思われます」

知的障害がないことで診断がつきにくく、「身勝手な子」と誤解され、養育者の側に欲求不満を生む。そしてそれが虐待へとつながることがある。

「広汎性発達障害と診断された被虐待児の男女比は3対1で、これは一般的な広汎性発達障害の男女比と同じ。これを逆に、虐待がニワトリで、広汎性発達障害を卵だとすると、この男女差がもっと縮まるはずです」

また、杉山さんが行った調査で、知的な遅れのない高機能自閉症児は約12パーセントが不登校になっているという結果が出た。さらに、同センターの「不登校外来」を訪れる子どもたちの中にも、広汎性発達障害と診断される割合が増えている。

「開設当初の03年、約4割の子に広汎性発達障害という診断がついて驚いたのですが、07年の調査では67パーセントと、なんと7割弱の子どもが高機能広汎性発達障害だとわかりました」

コミュニケーションが苦手なために友人との関係を築けなかったり、学習につまづいたりと、「学校に行きたくないから行かない」というパターンが多く、対応を誤ると引きこもりに進行してしまう可能性もあるという。

また、思春期に「自分は何かがおかしい」と意識しはじめ、その違いの理由を短絡的に性別に結びつけてしまった場合、性同一性障害につながることがある。「男だからダメ」「女だからダメ」と思い込んでしまうのだ。実のところ、性同一性障害だというケースの中に、発達障害が基盤にある場合は少なくない。 

日本には1歳半健診、3歳健診という乳幼児健診システムがあり、そこで発達についてのスクリーニングが行われる。ここで発達の遅れを指摘されれば、早期に療育をスタートすることができる。しかし知的な遅れがない場合は見落とされてしまいがちだ。

「スクリーニングの精度を上げることと、軽度の発達障害児を視野に入れた新たなシステムをつくる必要があります。児童精神科医は絶対数が少ないので、そこに患者が押し寄せるとパンクしてしまう。小児科医も発達障害にもっと向き合うという態勢をつくるしかありません」

「小学校年代に診断を受けたグループと中学校年代以降に診断を受けたグループを比べたところ、少なくとも小学校年代までに受診をしたほうが、18歳以上になった際の社会的な適応がよいという結果が出ました。先天性の障害であっても、子どもの脳には高い代償性があるので、ある部位が機能しにくくても別の部位がカバーしようとしてくれる。また、問題を起こしやすい行動パターンも、繰り返し練習することで修復できることもある。早期に気づき、早い段階から治療教育を受けることが大切です」

<凹の部分をサポートしながら 凸を伸ばす>

どこで授業を受けるか? 選択肢は大きく分けて、特別支援学校、通常学校の通常クラス、通常学校の特別支援クラスという3つがある。

「学校へ行くことが目的ではなく、大事なのは学校で何を学ぶかということ。だから、選択の基準は、授業に無理なく参加できるかどうか。以前に比べると情報が行き渡り、保護者も『何が何でも通常クラス』と無理させないようになってきています」

いつか社会に出る。そう考えると、在学中に人とのつき合い方や社会のルールを学ばなければならない。アルバイトをするのもよいと杉山さんは言う。


「このたびの不況の影響で、私がずっと診てきた子の中で、知的な遅れのない高機能自閉症の子が何人か失職したんですが、その全員が通常高校、大学、大学院を卒業した子でした。逆に養護学校を卒業して障害者枠で雇用された子は一人も失職がないんです」

学校で社会に適応するための訓練を受け、理解のある企業へ就職したケースでは比較的長く勤続する傾向にあるという。また、自閉症の凸(長所)の部分を活かした職に就き、健常者よりも効率よく仕事をこなしている人も少なくない。

実は発達障害である天才・偉人は多いのだ。有名な例としては物理学者のアインシュタインだろう。「海外の先進国では凸凹の凸の部分を伸ばすための特別教育が実施されているんですが、日本ではその考え方は根づいていない。凹の部分をサポートしながら、長所を伸ばしていく。そんな教育体制が望まれます」

仲間の存在やコミュニティは大事であると、杉山さんは1992年に「アスペ・エルデの会」の設立にかかわり、軽度発達障害の子どもたちが集まれる場をつくった。

「子どもの頃から会に参加していた子が、今は会社でしっかりと働き、自分で収入を得ています。先日、その彼らが宿泊費などを全部負担してくれて、『先生、来てください』と私を宴会に招待してくれたんです」

私は半分、保護者のようなもの――。子どもたちの成長を見ることは何よりもうれしいと、その顔は一段と優しくなった。
(松岡理絵)

(プロフィール)

すぎやま・としろう
1951年、静岡市生まれ。専門は児童青年期精神医学。久留米大学医学部卒業後、愛知県心身障害者コロニー精神科医長、静岡大学教授などを経て、あいち小児保健医療総合センター保健センター長兼心療科部長。日本小児精神神経学会常務理事。著書に『発達障害の豊かな世界』(日本評論社)、『子ども虐待という第四の発達障害』(学習研究社)、『発達障害の子どもたち』(講談社現代新書)、編著書に『講座子どもの心療科』(講談社)などがある。
Posted by 伊藤 あづさ at 18:44 | Autism awareness | この記事のURL | コメント(0)
自閉症支援を生活のすみずみに [2015年03月09日(Mon)]


いよいよ告知を始めました。

●自閉症eサービスからのメッセージ
▽私たち自閉症eサービスは、自閉症支援に関する知識・技術・アイデア・資源が一部の人たちにのみ占有され、クローズドに限定されて取り扱われるものではないと考えています。
▽自閉症の人たち、家族、支援者にとって意味のあることは、すべてがオープンになり、いつでもアクセスできるようにすることが大切で、そのことで、さらなる創造と可能性が生まれると確信しています。
▽専門家集団のおごりを排し、常に、ユーザー(当事者・家族と支援者)のニードに応える姿勢を持って、生活のすみずみにサービスを提供していきたいと思っています。
▽自閉症の人たちが普通に受け入れられる社会を目指し、自閉症eサービスは活動を続けています。

「自閉症eサービス@せんだい」のお知らせの準備が整いつつあります。

速報!!     

自閉症支援を生活のすみずみに

▽特定非営利活動法人自閉症eサービスは、大阪および阪神地区を中心に活動しています。
▽自閉症支援に携わる支援者たちの横断的ネットワークの構築と、支援者のスキル向上、保護者や周辺社会への理解・啓発を目指し、2015年春から仙台でも研修を中心に活動が始まります。
▽NPO法人自閉症eサービス(大阪:中山清司代表)の全面的な協力を得て運営しています。

●自閉症eサービス@せんだい2015年度年間プログラム(予定)

「基礎講座」
講師:中山清司(自閉症eサービス)/ 高橋亜希子(エンカレッジ)/ 星明聡志(JJおおさか)
会場:仙台市青葉区大町2−6−27−4F
     Schaleおおまち(予定)
     (定員50名)
料金:個人パス=13000円、団体パス=10000円×3〜10名


パスあり*すべて無料   一般(パスなし)各2500円
@ 特性理解とペアレンツトーク  
           中山 2015/5/24(日)10:30-12:30
  A 評価から支援へ  中山 2015/5/24(日) 13:30-16:00
B 構造化のアイデア   中山 2015/6/28(日) 10:30-12:30
C コミュニケーション 中山 2015/6/28(日) 13:30-16:00
D 就労支援       星明 2015/8/30(日) 10:30-12:30
E 自立した生活     中山 2015/8/30(日) 13:30-16:00

「その他のプログラム」
評価セミナー@
 幼児・学齢期     中山/高橋 2015/10/17(土)午後〜10/18(日)終日
           パス有:15000円 パス無:30000円

スキルアップ講習
 自立課題と余暇活動 中山/高橋 2015/11/28(土)午後〜11/29(日)終日
           パス有:15000円 パス無:30000円

評価セミナーA
 青年・成人期     高橋・星明 2015/12/19(土)午後〜12/20(日)終日
           パス有:15000円 パス無:30000円

「公開講座と実践報告会」
 支援者育成     中山  2016/1/31(日)10:30〜16:00
           パス有:無料 パス無:4000円

*「パス有」個人パス=13000円、団体パス=10000円×3〜10名をお持ちの方。テキスト付。
*基礎講座レジュメ集は、別途500円が必要になります。

「年間パス」とは、自閉症eサービスのメンバーシップ制度です。

人材育成事業の年間プログラムを、当該年度「パスあり」料金で利用できます。
申込み期間が3月からとなっております。


大丸2個人パス 13,000円
大丸2団体パス 10,000円×人数(3〜10名で登録)

※年間パス登録者には、特典でテキストが付きます。

※年間パスをお持ちでない方は、一般(パスなし)料金での受講(利用)となります。

「年間パス登録と受講の仕方」
1.所定の年間パス申込み用紙に必要事項をご記入の上、自閉症eサービス@せんだい事務局にお申し込みください(FAX・郵送・HPからも可)(申込書等は現在準備中)
2.自閉症eサービス@せんだい指定口座に、年間パス料金を入金してください。
3.登録通知と各講座等の案内を自閉症eサービス@せんだい事務局よりお送りいたします。
4.希望する講座等があれば、その都度、個別にお申し込みください。講座は先着順、ワークショップは選考となります。

大丸2年間パスをお持ちでない場合は、希望する講座等にその都度お申し込みください。「一般(パスなし)」での受講・利用となります。各講座等で定員を超えた場合は、年間パスのある方を優先しますので、あらかじめご了承ください。

現在パンフレットは作成中です。
お問い合わせは
E−MAIL:sendaies@yahoo.co.jp までお願いいたします。
Posted by 伊藤 あづさ at 16:27 | セミナー案内 | この記事のURL | コメント(0)
又村さんがやってくる! [2015年03月04日(Wed)]
私たちのこどもの成人期以降の暮らしをイメージしたことがありますか?わが子が18歳以降どんな「暮らし」が叶っていれば子も親も幸せなのでしょう。
また支援する側の人間は、一人の「その子」の長い人生を想像しながら「今」を支えているでしょうか?
そんな疑問が湧いた時、日々の生活の中で障害福祉制度にふれることも少なく、「なんだか難しくてよくわからない」「合理的配慮」や「意思決定支援」を解りやすく説いてくださる方に出会えていないことに気付きました。
そんな時、法律のことや制度のことをとてもわかりやすく解説した『あたらしいほうりつの本』の著者又村あおいさんに出会いました。目から鱗がバサバサと落ち、何だかこどもたちの未来に希望が持てる気がしました。そして皆さんにも出会っていただき勇気と希望をいただいて欲しいと思いました。
保護者だけではなく一人の「その子」に出会う学校や職場や地域の方などたくさんの方にもご参加いただき、皆さんと一緒に私たちのこどもの「暮らしの在り方」を考える時間を過ごせたらと願い企画をさせていただきました。お忙しい時期かとは存じますがお集まりいただけましたら幸いです。

スーパー又村塾inせんだい vol.1

私たちのこどもの「暮らしの在り方」の知恵袋
〜権利条約の批准から総合支援法、そして合理的配慮から意思決定支援まで〜


講師:又村 あおい さん
      大ベストセラーの『あたらしいほうりつの本』の著者
     前・内閣府 障害者差別解消法地域協議会のあり方検討会委員

右矢印1
日時:平成27年4月11日(土) 10:00〜16:00(受付:9:30〜)
右矢印1 場所:Schaleおおまち  宮城県仙台市青葉区大町2-6-27 岡元ビル4階
右矢印1 参加費:1000円(当日受付にてお支払いください)
右矢印1 定員:50名(定員になり次第締め切ります)
右矢印1 申し込み方法:下記Eメールアドレスに件名「スーパー又村塾」でお申し込みください
   お名前・ご住所・お電話・ご所属(ご家族は家族で結構です)・Eメールアドレスをお知らせください。
右矢印1 お問い合わせ先
Schaleおおまち
〒980-0804 宮城県仙台市青葉区大町2-6-27 岡元ビル4階
TEL:022-263-1402 FAX:022-748-7718
e-mail:schale_omachi@yahoo.co.jp

Posted by 伊藤 あづさ at 13:44 | セミナー案内 | この記事のURL | コメント(0)
おひな祭りに [2015年03月03日(Tue)]
今日のCafeは「ひな祭りランチ」
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☆お雛祭りのチラシ寿司
☆春菊のサラダ カリカリベーコンのせ
☆ほうれん草の胡麻和え
☆サワラの西京味噌付け焼き 菜の花添え
☆蛤のお吸い物
☆赤米甘酒

右上に見える「古代黒米あまさけ」は名取市増田小学校のお子さんたちが丹精込めて育てた古代米で作られました。
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たくさんのお客様にお越しいただき大盛況。

今日は「天赦」という、一年に5〜6回しかない「大安吉日」なのだそうです。
まだまだ寒さが続きますが、皆さんにはどんな良いことがあったでしょうね。
Posted by 伊藤 あづさ at 18:21 | Schaleのお昼ご飯 | この記事のURL | コメント(0)