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2023年03月02日

代表の“ちょっと言いたい” 第60回

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「ボラみみ」の成り立ち 番外編
〜ボランティアを促進する理由E〜

 ボランティアの活動人口が減少する一方で、助けを必要とする人々は増えています。特に日本の相対的な貧困は見逃せません。相対的貧困とは、一般的な文化・生活水準と比較して困窮した状態で、日本の一人暮らし世帯で122万円以下、4人世帯で244万円以下の所得の世帯をいいます。 
 2015年の統計から推計すると、約1950万人が相対的貧困です。7人に1人の子どもが貧困であることは、ニュースなどでも知られていますが、高齢者世帯はもっと深刻で、4世帯に1世帯は貧困です。65歳以上の単身男性では3人に1人、65歳以上の単身女性では2人に1人が相対的貧困です。みんなはじめから貧困であったわけではありません。親の介護で夫婦のどちらかが仕事をやめると収入は減り、やがて医療費がかさみ、それまでの貯えも減っていきます。やがて自分たちの老後が始まり、病気や介護で貯えが底をつきます。どんなに豊かな生活を送っていても、今の日本では誰もが貧困に陥る可能性があるのです。
 そして貧困は…。(続)

2023年03月01日

代表の“ちょっと言いたい” 第59回

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「ボラみみ」の成り立ち 番外編
〜ボランティアを促進する理由D〜

 政府の統計によると、2012年に65歳以上の高齢者1人を20歳〜64歳の働く世代2.4人で支えていた状況が、2025年には1.2人になると報告されています。日常生活に支障のない健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳で、多くの方の介護が必要になってきます。この状況になると、現在ボランティアをしている人たちも、介護のため活動ができなくなる人が増えていきます。そのためボランティアはさらに減少します。
 一方で、家族だけでは支えられなくなり、助けを必要とする人たちが増えていきます。介護保険制度があると思うかもしれませんが、消費税を少しぐらい上げただけでは、高齢化の増加には追いつきません。また日本の国の借金は1000兆円を超えていて、国民1人当たり700万円以上になるため、税金の投入は難しく、保険制度がさらに細っていき、受けられる介護サービスが減っていきます。減ったサービスを補うためには、地域の助け合いが必要になっていきます。
 ボラみみは、地域社会の担い手を増やすためにどうしていったらいいかを考えていく必要があります。(続)

代表の“ちょっと言いたい” 第58回

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「ボラみみ」の成り立ち 番外編
〜ボランティアを促進する理由C〜

 現在、ボランティアがどれくらい減少しているかというと、全国社会福祉協議会が把握している「ボランティア人数の現況及び推移」によれば、団体数は2014年の269,964団体をピークに、2017年には193,608団体と3年間で約28%減少しています。ボランティア人数は、2011年の8,678,796人をピークに、2017年には7,068,403人と6年間で約19%減少しています。
 日本の総人口を見ると、2008年の1億2,800万人をピークに2050年には9,700万人に減少することが予測されており、70歳以上の人口は2010年の2,100万人から2050年には3,100万人に増えることが予測されています。こうした人口動態の変化がボランティア人口の減少の大きな要因と考えられます。
 また、日本人の平均年収と中央値の推移を見ると、1998年の467万円/405万円から2016年には422万円/359万円に減少しています。こうした収入の減少もボランティア人口減少の要因と考えられます。人口減とともに社会課題が減少すればよいのですが、逆に増えています。私たちは地域社会を支える担い手となる人材を、ボランティアを問わず増やしていく必要があります。(続)

代表の“ちょっと言いたい” 第57回

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「ボラみみ」の成り立ち 番外編
〜ボランティアを促進する理由B〜

 日本が少子高齢化、人口減少の時代に差し掛かり、労働者不足が叫ばれる今、ボランティアの世界にも影響が及び、ボランティアが減少し始めました。戦後日本のボランティアの中心は専業主婦の方たちでした。その世代の高齢化が進み継続が難しくなっています。専業主婦に代わり、20年前にNPO法ができた頃には、退職者層のボランティア活動への参加者が増えていきました。当時活動を始めた方たちも高齢化が進み、やはり継続が難しくなっています。今の退職者層は、年金が減り働かなければやっていけない人が増えています。労働者不足もあり、雇用延長が進み、将来は70歳まで雇用継続と言われています。若い働き手はといえば、多くの人たちが派遣で働くようになり、不安定な雇用と収入の減少により、ボランティア活動をする余裕がなくなってきています。
 こうした状況により、ボランティアは減少していきます。ボラみみは次の20年の取り組み方を考える必要が出てきました。(続)

代表の“ちょっと言いたい” 第56回

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「ボラみみ」の成り立ち 番外編
〜ボランティアを促進する理由A〜

 私たちは、新聞やテレビのニュースで社会問題を知ることができます。今ではインターネットでいち早く社会で起きていることを知ることも、調べることもできるようになりました。
 しかし、情報として流れてくる社会問題は、関心がなければ、人々の隙間を通り過ぎてしまうだけになります。ボランティア活動の背後には社会問題があり、活動を通して社会問題に触れていくと無関心ではいられなくなります。例えば、子ども食堂や学習支援などのボランティア活動をすると、この日本の子どもの貧困問題を知ることができます。直接的に、あるいは間接的に子どもの貧困に関わると、子どもたちを何とかしたいという気持ちが芽生えてきます。
 そして、それまで通り過ぎていた社会問題のニュースが目に留まり始めます。ボランティア活動を通して、社会問題に問題意識を持つ人たちが増え、問題意識を持って活動に取り組む人が増えることで、社会問題の解決が進むと考えています。そのため私たちは20年間、この活動を続けています。(続)

2019年03月28日

2019年03月21日

2019年03月14日

2019年03月08日

2019年02月27日