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週刊 行ったり 来たり
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市の商工センターの喫茶店は、行きつけのところと違ってサラリーマンが半分以上の割合。私の席の向こう側の彼は運ばれてきたランチに手を合わせて「いただきます」のお辞儀をしている。中々いい感じだ。これは小中学校の給食で躾けられたので、そのまま成人しても行っていると話してくれた人がいた。私はコーヒーを飲みながら人を待っている。
しばらくして雑誌から目をあげると彼はコミックを広げて読み始めていた。びっくりするというより、ミスマッチじゃないの?といぶかってしまったがすぐに思い直した。そうだもう随分前から『スーツ姿のサラリーマンがコミックを読むのが当たり前』になっていたのだったっけ。そこへ同僚らしい男性がこれもスーツ姿で手に二冊のコミックを持って彼の前に腰かけた。ちょっと言葉を交わすとすぐ雑誌に目を通し始める。ふうん、こういう人たちが今の社会を担っているんだ。こうやって私は少しづつ知らない間に世の中に遅れをとっていくわけか、と忌々しく納得する。(N)
2012年03月22日
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