週刊 いったり 来たり
−−−−−−−−− − ▼
知多半島の大井漁港で朝市をやっていると聞いて行ってみた。8時半到着。すでに浜松ナンバーや近隣のナンバーの車がいっぱい。駐車場と言うより草の生えた空き地に止めるスタイルの場所である。海沿いにはタイがトロ箱に入って元気に泳いでいるのもあり、海岸いっぱいに寄せた漁船から漁師が底の丸い網にあふれんばかりのタイを入れて勢いよく岸辺の仲間に渡している。辺りにしぶきが飛んで漁港の朝市は活気づく。反対側は主にエビ類の店でこれも浅めの水槽でたくさんの種類が泳ぎまわっている。不思議なのは、これと決めた魚の前でなかなか支払いをしない、というよりみんなじっとしているばかり。一人の女性に「このタイ、買うんですか?」と聞いてみた 。「ちょっとウロコ傷ついているけど、新鮮だからお刺身にできるしこれで千円ならいいでしょ」。おおきな大きなタイが3尾入っている。彼女もそう言いつつしっかりトロ箱を抑えて離れない。どういうこと?店によっては、その箱に番号札が入っている。近くにいる人の話を総合してようやく理解できた。『朝市は9時から。それまでは好きな魚を決めておくのはいいが、その場で待機して、清算は9時になってからにすること』へええ、こういうやり方もあるのだと知った。エビを商っている女性はちょっと忌々しそうにつぶやく。「一番上の人が、そうやれって言うからねえ、まったく」とだいぶ不満そう。どこにもいろいろ内部の事情があるわけだ。そこで私たちも、元気そうなタイを選んで"17番”の札をもらって9時を待った。時間が来ると清算が始まり店によっては名古屋から呼んだという白衣を着たプロの料理人が、魚をさばいて客に渡す。自分でさばけない人には矢張りありがたいサービスだろう。車を止めた場所まで歩いていると、市場のはずれに軽のトラックが止まっていて、そこでも魚をさばいている。何人か並んで順番を待っていた。”営業協力金”と書いた小さな箱が置いてありそこへお礼にいくらか入れるシステム。この小さな場所での営業にも様々な工夫があるわけだ。年末にはもう一回来てみたいとも思ったが、ちょっと待てよ、暮れはきっと寒風吹きすさぶ時期?8時過ぎに来て良いものを選んで9時まで待つの?厳しい!と思案したが、ゴム引きのつなぎで荒海に出ている漁師が聞いたら「何を甘っちょろいこと言ってるんだ!」とあきれるだろう。 (N)
【スタッフ日誌の最新記事】