2009年12月25日(Fri)
ソーシャルブロガーフォーラム パネルディスカッション
パネルディスカッションのテーマは、
「私はここに感動した!応援を呼び込む感動ブログとは」
「私はここに感動した!応援を呼び込む感動ブログとは」
「CANPAN 第4回ブログ大賞2009 連動企画 ソーシャルブロガーフォーラム CANPANブログ受賞者に聞く、社会を変える感動情報発信とは?」では、ブログ大賞の発表とともに、多彩なゲストをお招きしてパネルディスカッションが開催されました。先日ご紹介したイベントレポートに加えて、ここではパネルディスカッションの内容についても簡単に振り返ってみたいと思います。
ブログで、たくさんの人とのつながりが実感できた
コーディネーターとして進行役を担当してくださったのは、(特)せんだい・みやぎNPOセンター代表理事の加藤哲夫氏。パネリストとして、くりこま高原自然学校代表の佐々木豊志氏、災害救援NGOヒューマンシールド神戸代表の吉村誠司氏、(特)バイリンガル・バイカルチュラルろう教育センター代表理事の玉田雅己氏、そしてGDC[Give a Dream a Chance])のドン カルボヴィラ氏にご登壇いただきました。
佐々木さんと吉村さん、玉田さんとドンさんはそれぞれ、お互いの活動のなかで絆を深めた経緯があります。「社会を変える感動情報発信」というテーマのもと、加藤さんの「応援を呼び込むブログを書くポイントはどこだったのでしょうか?」という問いかけからディスカッションはスタートしました。
佐々木さんと吉村さんをつないだのは、2008年6月14日に起きた岩手・宮城内陸地震でした。佐々木さんは、不登校や引きこもりの子を預かるくりこま高原自然学校の代表を務めていますが、この地震は、学校のある耕英地区に激しい震災の爪痕を残したのです。窮地を知ったNGOヒューマンシールドの吉村さんは現地へと駆けつけました。
「学校は、子どもたちもスタッフも全員無事でした。サバイバル能力にもみんな長けているので、特に孤立しているという印象はありませんでしたが、養殖したイワナや育てた苺をなんとかしたかった。吉村さんにはずいぶん力になってもらいました」(佐々木さん)。吉村さんも当時を振り返り、「過去の経験を活かし、被災地で何ができるか、もっと考えられることはあります」と話しました。
また、インターネットやブログを介したつながりについては、「ブログでメッセージを発信し続けました。たくさんの人とつながっていることがわかり、涙がでた」(佐々木さん)、「直接現場にタッチするのではなく、メッセージを発することで市民が動き、NPOやNGOが政府を引っ張ることもできるんです」(吉村さん)。
ブログのおかげで個人の夢を多くの人が分かち合える
一方、玉田さんは、ろう児に手話教育を行う明晴学園中学部の設立を目指した寄付活動のなか、ドンさんに出会います。玉田さんの「ろうの子どもたちに手話教育を行うことは、70年以上前から、法律で禁止されているんです」というショッキングな発言の後、地道な寄付活動などを続けた結果、手話で学べる明晴学園の幼稚部・小学部を設立することができた話が披露されました。そんな玉田さんの活動に心を打たれたドンさんは、東京から札幌まで自転車で募金を呼びかけるチャリティ活動で玉田さんを応援することにしたそうです。
「最初は会社の人の理解を得ることができず、活動には困難な部分もありました。しかし、子どもたちの笑顔がモチベーションになった」とドンさん。「ドンさんたちが協力してくれて、このたび、中学部が開校できることになりました!」と玉田さんが発表すると会場から大きな拍手が起きました。
「ブログで誰もが情報を発信できる時代になりました。これまでなら、マニアックな話としてかたずけられていたかもしれないですが、いまは何万人という人と夢を分かちあえるんです」と、最後に語ったのは、コーディネーターの加藤さん。「さまざまなジャンルの人が参加することで、活動はスケールアップします。読み手の存在を意識しながら、情報を発信することが大切ですね」と締めくくりました。
来場者の声をピックアップ!
フォーラム終了後には懇親会が行われました。壇上に登った人、応援に駆けつけた人、誰もが混じり合って賑やかに談笑する懇親会会場で、今日の感想を聞いてみました!
田島大基さん(東京大学)
インターネットやブログというツールは、ベンチャーな香りが強くて、人間的な暖かみを持って社会を守るというイメージがありませんでした。その印象は見事にひっくり返りましたね。
瀧澤尚子さん(NPO昭和の記憶)
それぞれ取り組むテーマは違っても、同じ方向を向いている人たちと出逢えてうれしかったです。テーマが違うからこそ、組み合わせれば活動は無限に広がる気がしました。
久米信行さん(久米繊維工業株式会社)
今回、選考委員長を務めさせていただいたのですが、みなさんのブログ、熱かった。受け止めてくれる人がいるからこそ発信者も勇気が沸く。そんな素敵な連鎖を感じることができました。
ドン カルボヴィラさん
私の母国、カナダではチャリティは決して特別なことではありません。日本のみなさんにも、積極的に活動にお金だけじゃなく、行動で参加する意義を感じてほしいと思います。
玉田雅巳さん((特)バイリンガル・バイカルチュラルろう教育センター)
今回、それぞれの賞を受賞されたみなさんは、本当にすばらしい活動をしていました。ブログで情報をきちんと発信し、支援を得ている。横の繋がりの広がりなど、見習いたいと思いました。