NPO法人農都会議は、6月3日(水)夕、オンライン勉強会「森林を中心にした伊賀市の紹介」を行いました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応の長期化が予想される中、当会は勉強会等の行事について、状況の推移を注視しながらオンラインまたは会場での開催の両方を適宜に使い分けて行うことにいたしました。そこで、オンライン勉強会の仕組に慣れようと、参加を役員・運営委員に限定して今回のWEBセミナーPracticeを行いました。練習とはいえ、地域の事業者から見た林業の課題、今後のバイオマスエネルギー事業の取組の内容であり、簡単ではありますが、WEBでの報告をいたします。
WEBセミナーPracticeは、ビデオ・Web会議が可能なクラウドサービス「Zoom」を利用して行いました。
講演は、株式会社グリーンワークス代表の永井充氏より、「森林を中心にした伊賀市の紹介 〜林業の課題、今後のバイオマスエネルギー事業の取組」のテーマで行われました。司会は、農都会議の田口理事が務めました。
講演の前半、永井氏は、伊賀市の地形、気候、交通、人口、産業などについて紹介されました。森林・林業については、伊賀市の森林面積は40,787ha、森林率59.3%、人工林は22,978ha、人工林率58.3%。樹齢50年以上が人工林面積の72.8%を占める、林業就業者は平成17年で117人、22年では103人と減少傾向、森林の所有者規模は1ha未満が71%、1〜5haが23.6%、合わせて94.6%を占めると説明されました。
また、土地は小さいが価値があると未だに思われており、後継者のない高齢者が多い。道路沿いの所有者は山仕事するが、中腹は放置されている。獣害も対応しきれず、狩猟を考えなくてはいけないとお話しされました。
後半は、林業の課題、今後のバイオマスエネルギー事業の取組について述べられました。地元の林業の課題は、国産木材需要の低迷で林業経営の悪化、後継者不足。高齢化社会イコール過疎化、空き家、空き地、休耕田など。山も田も要らないが先祖代々の土地で手放しにくい。小規模所有者が多い中、森林組合が積極的な活動をしない現実があり、高性能機械は1台もない。
その中でバイオマス事業を目指していくとすれば、自社が廃棄物処理業として、建設廃材、剪定ごみ、流通木質パレットなどをリサイクルチップとして取り扱っている1部をバイオマス発電に使い、森林組合以外の事業体と手を組み独自に土地所有者へ営業をかけ、森林計画を立て未来へ続くふるさとの森を活性化させ、守り、育てていきたいと考える、と熱心にお話しされました。
最後に、「いがうえの語り部」として、地元が考える忍者についてを述べられました。
Practiceは今回で終わりです。次回は当会の会員様向けに地域のスマート林業をテーマにWEBセミナーを予定しています。
・6月15日「林業の現場からコロナ後を考える」勉強会のお知らせ
https://blog.canpan.info/bioenergy/archive/310