CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 10月2日「熊崎実氏に聞くこれからの石炭混焼」セミナーの報告 | Main | 11月25日第3回経過報告会のお知らせ »
10月8日「インドネシアのPKS事業」発表会の報告[2015年10月13日(Tue)]
 農都地域部会・バイオマス発電事業化促進WGは、10月8日(木)夕、「インドネシアのPKS事業」会員発表会を開催しました。

第2回会員発表会

 会員発表会とは、農都部会・WGの会員の皆様の意見、会社の製品、サービス等を発表する場として、定例の勉強会や会員セミナー(会員限定)とは別に、随時行うものです。今回は、インドネシア・カリマンタン地区の民生向上のため、廃棄されているパームヤシ殻をバイオマス燃料(PKS)として輸入する仕組み作りを呼びかけたいとリクエストをいただき、急遽、開催することになりました。
 会場の港区神明いきいきプラザに約40名の参加者が集まり、講演と質疑応答、意見交換が行われました。最初に、このPKSプレゼンテーションの会(プレゼン会)の発案者の株式会社FSコーポレーション代表の佐村秀夫氏より、PKS取引の現状や背景などのお話がありました。

第2回会員発表会

 第1部は、リュウミズシステム株式会社代表取締役の森岡一彦氏より、「インドネシア・カリマンタン地域のPKS状況」と題して、プレゼンテーションが行われました。
 現在、マレーシア サラワク州クチン市に在住している森岡氏は、マレーシア・サラワク州政府の企画部門でのJICAのコンサルタントを経て、ボルネオ島でのエビ養殖場やオイルパーム工場の環境問題を解決する仕事をされています。

 森岡氏のプレゼンの概要です。
・バイオマス発電燃料を発展途上国から輸入する場合、長期の安定供給・安定価格という命題のクリアーが大前提となる。そのためには、この数年、マレーシアなどでのPKS調達で実際に起こった価格の大変動がいい例で、PKSだけを単にかき集めて購入していると、過大需要で価格が跳ね上がったり供給が停止したりする危険がある。
・この危険性を防止するためには、バイオマス(PKS)の供給側にも長期的なメリットが生じるような方策・取引が必須となる。例えば、油ヤシ産業が、今までのように廃棄物を近隣に放置・破棄したり、焼却や河川垂れ流しで当座しのぎを続けることは困難で、工場から産出されるすべての廃棄物・副産物を、環境保全的で持続可能な産業として地元コミュニティに利益還元する総合的解決プランが必要だ。廃棄物の有機肥料化やPKSの国内販売・輸出を行うことが重要だ。
・地元コミュニティを通じて、地域住民が参画すれば、インフラ整備と生活向上に結び付く。カリマンタンの未利用資源を環境保全と民生安定に結び付けるバイオマスベース・ネットワーキングづくりを行いたいと考えている。
・ボルネオ島(マレーシア側呼称)およびカリマンタン島(インドネシア側呼称)では、道路や港湾施設の整備が不十分で奥地にあるパーム搾油工場から副産物として産出されるPKSの活用が進んでなく、バイオマス燃料調達を考えている日本企業にとって価値を見いだせる。地元コミュニティとの橋渡しを行うので、現地の民生支援につながる取引を検討してほしい。
・インドネシア側西カリマンタンとマレーシア側サラワク州との国境沿いには複数のPKS工場が建設中で、インドネシアの新しい輸出税等の問題はあるが、石炭に十分対抗できる価格で供給できる。量的にも、日本のメガワット級バイオマス発電所の多くに供給できるだけのものがあるが、事業者がやみくもに参入していくと先行地域と同様の問題(価格高騰や奪い合い)が起きるので、今のうちにしっかり整理する必要がある。

 →森岡一彦氏のプレゼン資料(PDF)

 質疑応答では、PKS取引の方法や現地の事情を知りたいとの質問がありました。また、地元コミュニティに契約能力はあるか? リスクは誰がとるのか? などの意見もありました。

第2回会員発表会

 第2部の意見交換では、お二人のコメンテーターに登場していただきました。
 まず、株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔氏より、日本では、計画中の大型木質バイオマス発電所(出力1万kW以上)が2017年〜2018年にかけて稼働を始めると、年間200万t以上のPKSの需要が生まれ、需給逼迫が予想される。現地との取引には良好な人間関係が必要と、お話がありました。

第2回会員発表会

第2回会員発表会

第2回会員発表会

 続いて、株式会社テクノトランス代表取締役会長の戸次(べっき)正氏より、PKS輸入に取り組む同社の経験や今後の方向性について説明がありました。
 戸次氏の説明の概要です。
・カリマンタンは、島の中央山脈から、東部、中部、西部へそれぞれ大きな川が流れている。海は水深が浅く、沖合で船積みを行っている。そのため、FOB取引となっている。
・パームヤシの農場は非常にたくさんあるが、ロジスティックが整っていないため、PKSはほとんど捨てているのが現状だ。道路整備やロジスティックが整えば、PKS取引の可能性は大である。
・マレーシアやサラワクのPKSは、日本の大手専門商社が抑えている。また、日本の港湾費用や内陸移送費は高い。
・インドネシアでは、今年から輸出税7USドル/tとパーム産業(プランテーション)育成目的基金10USドル/tの計17USドル/tがかかるようになった。国境地帯ではいろいろな動きがあるようだ。
・今後は、軽過ぎて運べない外皮(EFB)をペレットにするなどもビジネスチャンスとしてあるかもしれない。

 →戸次正氏のプレゼン資料(PDF)

 質疑・意見交換では、パームオイル(CPO)の活用法は? や、ロジスティックが問題と言うがCOP取引の方がPKSより何倍も大きく、そのロジスティックは出来ているのではないか? などの質問、意見がありました。

第2回会員発表会

 アンケートへ多数の参加者から回答をいただきました。大半は、「現地の事情がよくわかった」、「事業については難しい」という意見でしたが、今回のPKSプレゼン会に関心を持って集まって来られたことが窺えました。

 第1部については、「地域コミュニティを中心として長期的取引を確保するアイデアは興味深い」、「コミュニティを利用して持続可能なシステムを作るのは良いが、安定した組織を作るには時間がかかると思う」、「久しぶりに現地事情を聴かせていただき大変興味深かった。以前サラワクで三田パームオイル工場がどうなっているか、一度行ってみたい気持ちになった」などの感想や意見がありました。

 第2部については、「船舶・輸送の話は非常に参考になった」、「現状のロジスティックの状況が理解できた」、「戸次氏の話は大変面白かった。20年以上前に自分が苦労したことを思い出した」などの感想がありました。

 バイオマス燃料(PKS等)輸入と現地の民生向上などの課題についての質問には、「現地に行って自ら調査しないと分からないと思う」、「リスクの評価は大変難しい。パートナーの選定がすべてかと思う」、「インドネシアの輸出税等は、現地の民生安定に使うべき」、「うまくいくことを願う」などの回答がありました。


 会場いっぱいの参加者で盛況な会となり、インドネシア・カリマンタン地域のPKS状況について理解が進んだと思います。プレゼン会に先立って、現在PKS取引を行っている複数会社の方々にお集まりいただき情報交換するマッチングの会を行いました。結果が出るのはずっと先のことですが、参加者から有益な機会で有難いという意見をいただき、この会員発表会が少しでもお役に立てれば良いと思いました。
 プレゼンターとコメンテーター並びにご出席の皆さま、誠にありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 11:07 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
この記事のURL
http://blog.canpan.info/bioenergy/archive/99
コメントする
コメント
検索
検索語句
 NPO農都会議ボタン農都会議ホームページ
  FacebookボタンNPO農都会議
  Facebookボタン農都サロン
トピックス
カテゴリ
最新記事
最新コメント
<< 2017年10月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
月別アーカイブ
リンク集
プロフィール

農都会議 バイオマスWG(ワーキンググループ)さんの画像
QRコード

http://blog.canpan.info/bioenergy/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/bioenergy/index2_0.xml