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7月13日「輸入材の運用状況と課題」勉強会の報告[2015年07月30日(Thu)]
 農都地域部会バイオマス発電事業化促進WGは、7月13日(月)夕、「輸入材の運用状況と課題」勉強会を開催しました。
 →イベント案内

輸入材の状況・課題勉強会

 木質バイオマス発電は、政府の長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)でも大いに期待されていますが、燃料調達が最大の課題です。バイオマスWGは、燃料調達をテーマにさまざまな角度から勉強会を開いてきましたが、今回は、1月開催の輸入木材証明ガイドライン勉強会に続いて、再び輸入材を取り上げました。
 会場の港区神明いきいきプラザに約50名の参加者が集まり、講演と質疑、意見交換が行われました。


 第1部は、一般社団法人持続可能な森林フォーラム 代表、一般社団法人ウッドマイルズフォーラム 理事長、一般財団法人林業経済研究所 所長・フェロー研究員の藤原敬氏から、「発電用木質バイオマス証明ガイドライン 〜輸入材の運用状況と課題」のテーマでお話しいただきました。

輸入材の状況・課題勉強会

 藤原氏の講演の概要を記します。
・林野庁関係のガイドラインは、木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドラインと、間伐材チップ(製紙用原料)の確認のためのガイドライン、発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドラインの三つある。今回は、「発電用」であるので、混乱しないようテーマ名も、直していただいた。
・今般の長期エネルギーミックスにおいて、S+3Eが基本方針となっており、バイオマスは、特にCO2削減と安全(原発依存度の減)の2つの観点から重視されている。
・具体的には、バイオマスは394〜490億kWhと野心的な目標となっている。これを3月小委の数字と比べると、3月では、286kWh〜とされており、大幅に上積みされている。その内訳は不明だが、「一般木材・農作物残渣」で上積みされたものと思われる。この燃料調達は、輸入材が見込まれているようだ。その意味で、輸入材の調達が、重要課題である。
・FIT買取価格において、「輸入材」は、一般木材の中に位置づけられ、一般木材であるための証明が必要とされる。(証明がない場合は、「建設資材廃棄物」扱い)なお、PKSは、証明不要。
・「発電用木質バイオマス証明ガイドライン」において、「木質材料の区分」が規定されている。仕組みは、合法性ガイドラインと同様で、三通りある。
 (1) 森林認証を活用する方法(SGEC、FSC、PEFC)
 (2) 業界団体(自主行動規範を策定)が、会員企業の事業を認定する方法(認定要件は、分別管理、帳票管理、責任者の選任等)。森林所有者→森林組合・素材生産者→木材流通・製材・加工・製品流通関係者→発電事業者の各段階で証明が必要(「証明の連鎖」)。ただし、輸入材については、「合法性ガイドラインに基づく合法性の証明書」とされている(林野庁想定問答)。
 (3) 事業者独自の取組による方法
・「発電用ガイドライン」の現在の事業者を認定する団体の状況は、約150団体(林野庁も把握していない)。
− 全木連系統(40)、全森連系統(40)、全チップ連系統(20)、その他(20)
− 認定された事業者(1000+)
− 北海道木連(234)、岩手(35)、静岡(4)、大阪 (3)、高知(14)、熊本(60)
− 日合連(31)、全チップ連(110)
・「合法性ガイドライン」の運用状況については、平27年3月末現在で、事業者を認定する団体150、認定事業者数11,856となっている。 また、平成25年度合法性・持続可能性の証明された木材・木製品の取扱実績を見ると、素材流通(輸入)は、取扱量(出荷量:A)2,641千m3、うち合法性等の証明されたもの(出荷量:B)1,028千m3、割合0.39、認定事業対数2、また、木材流通(輸入)は、同じく7,477千m3、1,171千m3、0.16、38となっている。
・林野庁の三つのガイドラインについて、いずれも業界団体認定が拡がっている。

 →藤原敬氏の講演資料(PDF)

輸入材の状況・課題勉強会

 藤原氏への質疑応答の概要です。(○印=質問、・印=回答)
○発電用ガイドラインの認定を行う団体数が不明ということだが、自主行動規範の策定などが要件とされているのに、行政は把握する仕組みになっていないのか?
・自主行動規範の公表義務はあるが、行政が把握する仕組みとはなっていない。林野庁も、把握に乗り出すようだ。
○バイオマス証明ガイドラインの輸入材の運用がはっきりせず、相手国企業等とビジネスに取り組めないとの声がWGメンバーから寄せられている。どこの団体に行けばよいのか?
・現在、輸入材を認定する団体は日本木材輸入協会だが、産地のサプライチェーンを認定する団体を作るのは難しい。
○JIA−QAセンターは、輸入材を扱っている。また、エネ庁によれば、経産局への設備認定申請時に、輸入材については、証明書を必要とし、結構、実績もあるようだ。これとの関係はどうか?
・8割は森林認証、2割は政府認証だ。現在、丸太は北米から、合板はマレーシアなど東南アジアから来ている。
○産業としての「林業」を成り立たせる議論が必要。
・コストの問題もある。
○新規参入が多い。どこで整理するのか?
○一義的には、最終商品提供者であり、次は、輸入者と思う。

 輸入材に関する証明書(輸入材を燃料として使用する場合に必要な書類)についての説明と質疑もありました。
・木質チップ、ペレット…一般木質バイオマス証明(木質証明ガイドライン)、適法伐採を証する書類
・半炭化ペレット等…(1)の書類、分析結果報告書、輸入証明書
・ 輸入ペレットは、年間9万トン、カナダから8〜9割、入れている。PKSは、一昨年13万トン、昨年は24万トンと急速に伸びている。
・パームオイルについては、チャイルドレーバー問題や環境問題もある。
○公表は、きちんと行うべきだ。?
・輸入材について、運用事例等を公表し、取り組み方を周知すべきだ。JIA−QAセンターのほか取扱い団体を増やしていくことも課題だろう。
○合法性ガイドラインの取扱実績(輸入)で見ると、輸入用素材(丸太)で4割(ほとんどが森林認証材、一部マレーシアとの二国間調整に基づくもの)、製品で2割(森林認証材か、二国間の調整に基づくもの(インドネシア・マレーシアなど)を占めている。
○我が国林業の産業化にも、大いに取り組むべきだ。ロボットとの連携など進めるべきだ。
・生産コストが高い。小規模零細の克服が課題であり、規模の拡大が肝心。

輸入材の状況・課題勉強会

 第2部では、三菱商事株式会社 地球環境・インフラ事業グループCEOオフィス環境エネルギー政策担当、バイオマスWGアドバイザーの澤一誠氏がコメンテーターとして、電力の小売全面自由化に伴うFITの「回避可能費用」の決め方の問題について、意見交換を行いました。

 最初に、澤氏は、資料に基づき回避可能費用問題のポイントを説明されました。
 続いて、意見交換が行われました。
*何故電力自由化になり、総括原価方式がなくなると、従来方法が出来なくなるのか? 「回避可能費用算定委員会」を設置し、コスト算定を行えばよいではないか。
*従来方法が出来なくなる場合、何故、市場価格連動にするのかが分からない。
*政策変更・制度変更を、既存案件にも適用し、不利益変更するのは認められない。影響の緩和を要望するという話ではないと思う。
*市場価格連動は、世界の流れである。
*新電力のプレミアムは、制度の不備を狙った不適当なもので、保護すべきではない。
*様々な意見があるが、WGとして如何に取り進めるか。8月3日にもまた議論したい。

輸入材の状況・課題勉強会

 アンケートでは、「良くまとまった話だった。制度的には完備されていない部分があるので、今後ともウオッチする必要がある」、「証明ガイドラインを理解する大枠は良く分ったが、具体的なケースRに基いた話をしていただくとより理解しやすくなったと思う」、「木質バイオマスの特殊性がよくわかった」などの意見がありました。
 また、「前回、回避可能費用のことが全然わからなかったのが、今回は良くわかった」、「まだ良く理解できません。発電事業者と小売り事業者は別なのではないでしょうか」などの感想もありました。

 回避可能費用については、今回で2回目の取組になりますが、メディアの取上げが少なく一般に知られていない問題ということもあり、参加者へ理解が浸透しづらい状況でした。燃料調達の問題と併せて、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
 おかげさまで今回も盛会となりました。講師並びにご出席の皆さま、誠にありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 22:19 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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