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5月18日「資エネ庁に聞く再エネの現状と課題」勉強会の報告[2015年05月24日(Sun)]
 バイオマス発電事業化促進WGは、5月18日(月)午後、「資源エネルギー庁に聞く再生可能エネルギーの現状と課題」勉強会を開催しました。
 →イベント案内

バイオマスWG 5月勉強会

 会場の港区神明いきいきプラザに、60名の参加者が集まりました。
 第1部の講演は、資源エネルギー庁新エネルギー対策課課長補佐の青木洋紀氏より、「再生可能エネルギーをめぐる最近の動向について」のテーマでお話を伺いました。

 青木氏は、固定価格買取制度、再生可能エネルギーの最大限受入に向けた制度の運用見直し、再生可能エネルギーの導入水準と電源別の課題の順でお話をされ、特に、バイオマス発電について、導入状況や現状、発電コストなどの説明とともに、木材の安定供給体制の構築、地域の実態に即した推進、新規参入リスクなどについて、事例を交えて説明されました。
 今後検討すべき課題としては、燃料として利用可能な木材を安定供給するための取組、既存利用への影響を踏まえた適切な利用、関係者の連携強化と成功事例の検証などがあるとのことでした。また、メタン発酵ガス発電についてのお話もありました。

バイオマスWG 5月勉強会

 次は、青木氏の講演要旨です。
(1) 固定価格買取制度について
・我が国の再エネの発電比率(2013年)は、10.7%(水力除くと2.2%)と、ドイツ(2013)24.1%(水力除く20.9%)、スペイン(2013)39.5%(水力除く26.4%)等と比べ、低い。
・エネルギー基本計画(2014年4月11日)においても、再エネの最大限導入が謳われている。
・FITの仕組みと平成27年調達価格等の紹介の後、再エネの導入状況と設備容量の推移が示された。設備導入量(運転を開始したもの)は、FIT導入前で約2,060万kW、FIT導入後(2014年12月末時点)に1,581.6万kW(約8割増)となっており、認定容量は7,401万kWとなっている。FITの効果が出ているが、導入量、認定量ともに、太陽光が9割以上を占める。
・なお、賦課金単価(標準家庭月額:300kWh/月)の推移をみると平成24年:0.22円/kWh(66円/月)、平成25年:0.35円/kWh(105円/月)、平成26年:0.75円/kWh(225円/月)、平成27年:1.58円/kWh(474円/月)となっている。

(2) 再エネの最大限受入に向けた制度の運用見直しについて
・接続保留問題の発生を受けて、昨年10月以降、系統WGにおいて、現行の設備やルールを前提とした電力各社の接続可能量の検証を集中的に実施し、各社の接続可能量が確定した。
・これを受けて、再生可能エネルギーの最大限導入に向け、昨年12月、以下のような対応策を決定し、実施に入った。
 イ) 太陽光のきめ細かな出力制御システムの導入による受入可能量の拡大
 ロ) 地熱・水力・風力・バイオマスの今後の受入方針の明確化
 ハ) 福島の被災地の再エネの優遇
 二) FITの運用見直し
 ホ) 蓄電池の導入
 へ) 更なる系統の活用・増強(今後の検討課題)―広域的な系統利用を可能とするシステムの構築(地域間連系、系統増強方針等)

(3) 再エネの導入水準と電源別の課題
・長期エネルギー需給見通し小委員会(4月28日)で、以下のような電源構成・発電電力量(2030年度)が示され、委員長一任とされた。引き続き議論中である。
 合計    10,650億kWh    100%
 うち再エネ 2,366〜2,515億kWh 22〜24%(うちバイオマス394〜490億kWh、3.7〜4.6%)
 うち原子力 2,317〜2,168億kWh 22〜20%
・再エネ・バイオマスについて、かなり野心的な目標になっていると考えている。

(4) 再エネの導入拡大と電源別の課題―バイオマスについて
・バイオマス発電(2014月8月時点)の導入状況は、運転開始済み約240万kW(FIT導入前約230万kW、FIT導入後約9万kW)、設備認定のみ(FIT導入後)約 120万kWとなっており、燃料別では、未利用木 材(間伐材由来)10.2%、一般木材・リサイクル材48.9%、メタン発酵ガス1.1%、一般廃棄物(可燃ごみ)39.9%となっている。
・林内に残地されている未利用間伐材の国内賦存量は、約2,000万m3/年と見込まれており、仮に全量を発電のみに利用した場合、100万kWの発電容量を有する。
・他方、間伐材の活用(発電目的以外も含めて)は、近年伸びてきているが、120万m3程度に止まっている。
・木材の安定供給体制の構築、地域の実態に即したバイオマス発電の推進、新規参入リスクの低減が、目下の課題となっている。今後の検討課題としては、燃料として利用可能な木材を安定供給するための取組、既存利用への影響を踏まえた適切な利用、関係者の連携強化と成功事例の検証が挙げられる。
・エネルギーミックスで、再エネは、2030年、22〜24%と、かなり高い目標になっている。取組、施策等、力を入れていく必要があると考えている。新エネ小委等で、更に何ができるか、電源別に検討していきたい。

 →青木氏の講演資料(PDF)

バイオマスWG 5月勉強会

 質疑応答の概要です。
○接続保留の実情、出力抑制の実情(最近、九電が第1号を実施したとのこと)はどうか?
・接続保留は目下のところはない。出力抑制も、先日の事例は離島で起きたものであり、きわめて特殊なケースである。
○FIT規模別に関して、2,000KW未満だけでなく、もっと小規模の区分はできないか。また、熱電併給はどうか?
・コスト構造による。熱電併給は、補助金で対処している。
○来年度の電力小売全面自由化に伴い、回避可能費用の議論はどうなるのか?
・今朝の関係会合でも検討された。激変緩和措置が提案された。
○バイオマスのコストで混焼が12.6円とされているが、買取価格32円との関係はどうか?
・コスト検証の数字と買取価格は、計上項目が異なるため単純比較できない。
○長期見通しでバイオマスの一般木材・農業残さの400万kWはどうか?
・由来証明はガイドラインで対応。野心的な数字であり、実現に向けて検討が必要。

 第1部の終了に際し、バイオマスWGの米谷栄二運営委員(認定NPO蔵前バイオマスエネルギー技術サポートネットワーク副理事長)より、「貴重なお話だった。再エネ目標については、各国を比較してみても、できる限り高い目標を出していくよう奮闘いただきたい。また、目標を実現していくよう我々も頑張りたい」と、挨拶がありました。


 第2部の意見交換会では、第1部についてや、第3次提言のフォロー(再エネ目標、間伐・搬出方法等の改善や、森林・林業経営、林業従事者の確保・人材育成など)について、参加者間で意見交換を行いました。
 また、バイオマスWGの澤一誠アドバイザーから、資料を元に、エネルギーミックスについての説明もありました。
 →澤氏の資料(PDF)

バイオマスWG 5月勉強会

 最初に、バイオマスWGの木村座長より、 FITの動向等について、「全量買い取り」を求めるWGメンバーからの意見、バイオマス発電の大・中・小規模別の対比表(案)、ドイツEEG法の2014年改正(コスト負担増問題から、再エネ目標は高く掲げるものの大幅な見直しとなった模様)、中国再エネ法(2006年1月から強力に実施、特に再エネ産業の育成・発展に力を入れている)の紹介がありました。
 第3次提言のフォローについても、再エネ目標、間伐・搬出方法等の改善及び森林・林業経営、木質バイオマス需給見通し(発電用を含めた)、協同組合・市民共同発電の関連資料などの紹介がありました。

 次は、意見交換の概要です。
○FITは、自然エネルギーの抑制でなく、完全買取実施を求める。
・今日の講演にもあったが、接続保留は極めて特殊なケースで起こったのではないか。実際には、ほとんど接続保留も、出力制御も生じないと思われる。いずれにせよ、エネ庁に伝える。
○原発をベースロード電源に位置づけたのは問題だ。各国の例を見よ。
・識者によると、ベースロード電源という言葉はもう時代遅れとのことであり、WGの昨年10月の緊急提案でも、原案は「バイオマスをベースロード電源に」としていたが、削除した。バイオマスは、安定電源にして調整可能電源ということで、使い勝手が良い電源であると評価される。ただ、原発が出力調整可能であることは、ドイツの実績でも分かるので、この点、緊急提案でも言及した。電力会社は、かつて、やろうとしたが、むしろ、出力調整は危険との反対で断念したとの話も聞くが。
○送電線・グリッドの整備を強力に実施すべきだ。
・前記「対応策」で実施することになっていると思う。広域運営も、4月から始まっている。
○3.11前、原発は55基も動いていたが、電力料金は世界で3番目に高かった。原発が安いというのは事実でない。
○「電力の見える化」が重要だ。
○講演会では、バイオマス目標に関しては、野心的という見解と無理ではないか、という見解とが出されたがどうか?
・一般木材・農業残さの見方などがどうかということだろう。
○第1部の講師資料は、電力会社の言ってきた数字のままで算定されている(p14)。
・エネ庁のパブコメ回答によれば、「再エネの投資が過大となるのを避けるため、安全を見込み、そうした。今後状況により数字は変わる」としていたと思う。
○出力制御については、各国比較が必要だ。
○ベースロード電源を60%とするというのは、原発を必要とさせるための理屈ではないか。
・以上については、エネ庁に伝える。
○林業経営については、コスト、キャッシュフローやIRRを考えて取り組む必要がある。搬出間伐も重要だ。
○森林法があっても従来、はげ山になった事例もある。注意が必要だ。

バイオマスWG 5月勉強会

 最後に、バイオマスWGの手塚信利運営委員(株式会社スターリングエンジン会長)より、「有意義な意見交換だった。しかし、未利用材が2,000万m3もあるのにほとんど利用されていないとは、真に情けない。マテリアル利用に比べ、エネルギー利用が遅れている。今後、さらに頑張っていきたい」と、閉会挨拶がありました。

 今回、政府(資源エネルギー庁)のエネルギー政策について、参加者の一層の理解が進み、また、忌憚のない意見交換が行われ、有意義な会となりました。
 講師並びにご参加の皆様、まことにありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 23:59 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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