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4月11日つくばフィールドワークの報告[2015年04月16日(Thu)]
 農都地域部会バイオマス発電事業化促進WGは、株式会社つくば林業、全国地域エネルギー推進協会(地エネ協)と共同で、4月11日(土)、茨城県土浦市・かすみがうら市において、「つくばフィールドワーク」として木質ペレット工場・搬出間伐・ボイラー工場の見学ツアーを開催しました。

つくばフィールドワーク

 茨城県のほぼ3分の1は森林で、人工林が半分以上、私有林の割合が4分の3を超えます。北部に多く分布していますが、南部は筑波山の北側や加波山などの山岳地域を主に平地林も多くあり、針葉樹だけでも約6,000ha以上で、薪炭を取っていた広葉樹の林もたくさん残っています。県内には、現在ペレット工場が六カ所あり、木質バイオマス発電所も四カ所以上で稼働や建設が行われています。
 今回の見学ツアーは、首都近郊にあって森林・バイオマスの利用が盛んな茨城県南部の搬出間伐を見学しようと企画されました。


つくばフィールドワーク

 あいにくの小雨模様でしたが、30名弱の参加者がありました。
 最初に、石岡市八郷総合支所で、石岡市経済部長の前沢洋一氏より、市の特徴などの紹介がありました。人口78,000人の石岡市は、東京から約70km、車で1時間の便利なところにある。歴史も、絶景も、おいしい食べ物も一杯である。古代には常陸国府も置かれた。毎年9月には関東三大祭りの「石岡祭り」も行われる。
 市の特徴は、果物等が豊富で観光に適する、有機農業を推進している(夫婦での新規就農の取組を歓迎)、山林に恵まれている(民有林6,000ha、国有林を含めると7,800ha)などだが、森林の維持管理はなかなか進まず、カーボンオフセットも活用している。バイオマスエネルギー利用に期待したいと、お話がありました。

つくばフィールドワーク

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 次に、株式会社カタログハウスの木質ペレット工場を見学しました。同社ソロー事業部執行役員の千葉慶一氏より、熱心な説明がありました。
・昨年11月に工場建屋が完成、12月に稼働開始した。
・地産地消(県内の材は県内で消費する)を掲げ、茨城県の材(50%以上、杉)を使用している。丸太で、間伐材・原木市場に出せない物(A材・B材以外)を搬入。パレット等も引き取り、燃焼材として使用。どんどん材が集まってくるので、置場を拡大中。材料調達に目下のところ支障はない。バークは、セシウムの関係で、はがしている。
・ペレットストーブ用として販路拡大中。「ソロー(アメリカの作家名)茨城」のペレットとして、1袋(10kg)648円。20袋以上は配達している。
・工場の工程は、丸太→皮むき→1次破砕(チップに)→ロータリーキルン(乾燥させる)→2次破砕(おが粉状に)→ペレタイザー(ペレットに)→袋詰め。
・将来的に、生産能力は5,000t/年、売上3億円、雇用20人を目指す。現在は100t。今冬に800tの予定。来冬に1,500〜2,000tが目標。品質・規格検査は厳重に行っている。特にセシウムの量、チップ・ペレットの含水率等。
・材料調達は県内の林業会社を中心に、山林所有者、自社林からの原料で賄っている。

つくばフィールドワーク

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山主の池田氏(上)と、切り開いた作業道

 搬出間伐の現場の見学は、瓦谷地区の施業地で行われました。株式会社つくば林業代表取締役の松浦晃と、山主の株式会社スズラン企画常務取締役・事業部長の池田寛氏のお二人より、お話を伺い、参加者からの質問にもお答えいただきました。
・池田氏の豊後荘病院の所有山林(70町歩、杉・松)は、30年以上前から、主に切り捨て間伐を実施していたが、4年前から、私たちの提案する利用間伐を手掛け始められ、既に約7haを間伐、500m3を搬出した。 「山を守ろう」との意識で実施している。古道とも結び付け、観光にもつなげたい。
・茨城県内では、初めての間伐型カーボンオフセットの認定を受けた。林家・山持ちの方が、石岡八郷地区で1,800人おられる。平成19年から5年間に間伐した山林は総計500haである。これだけの山主の同意を得、全ての施業地、500ha、約400ヶ所を踏査した。
・搬出間伐ということで、間伐率は30%である。その30%伐った木を、よく見て、50%程度を用材、つまり柱などの製材工場向けとして搬出。残り50%のうち、25%を発電用、15%をペレット用に搬出した。選木が重要であり、ノウハウが不可欠。作業道の両端それぞれ50m程度から搬出する。直接掴んだり、ワイヤーで引き出す。

つくばフィールドワーク

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 続いて、土場(伐採した原木を置くため整備を図った)から作業道(幅2.5m)を登り、伐採された原木をグラップルを使用してフォワーダへ積込む作業の様子を見学しました。林道をさらに登った後、次のお話もありました。
・これまで未利用材として扱われてきた、C材D材の売り先として、発電やペレット工場ができたおかげで、搬出コストが出るようになり、有効利用を指向していた私たちには、順風となった。
・すでに平地林の搬出間伐を3年手がけてきているが、これからも、環境保全も含め、積極的に進めていきたい。
・発電向けは、すでに昨年はじめから、ペレットは、昨年秋口から供給が開始されている。
・他地域についても、地域特性を活かした森林資源のカスケード利用が、高度に発展するような取組がでてくることで、雇用や新ビジネス、林業従事者の増加が期待できる。

つくばフィールドワーク

 土場まで戻って、鳴滝を背に、全員で記念撮影をしました。

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 昼食は、JAやさと 園部直売所のそば処(地元産のそば粉を使用)でとりました。地元の方々が山に植えたという満開の桜を見ながら食べるお蕎麦は最高でした。

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 一旦、八郷支所へ戻り、松浦氏の補足説明と、ゲスト参加の泊氏、竹林氏からの感想がありました。「ペレット工場、これだけきちんとやっているのは珍しい」、「ヨーロッパでは、普通。品質・規格が重要。今後、小型ガス化発電に期待したい」などのお話がありました。

つくばフィールドワーク

 見学ツアーの最後は、かすみがうら市の伸栄工業株式会社で、ペレットボイラー、ストーブなどの実演がありました。
 本年3月9日に開催した「バイオマス燃料とボイラー導入のホット情報」勉強会の講師をお願いした同社代表取締役の大和幸生氏より、独自開発したペレットボイラー、大型給湯器、ペレタイザーなどの実演と紹介がありました。さまざまなペレットストーブも見せていただきました。ご自分で作った多種のペレットの説明では、ホワイトや全木はよいが、枝葉、雑草、紙おむつなどで作ったものは注意が必要。輸入品は製造法が分らないので特に注意したい。燃焼灰がストーブに付着して壊れることもある、などのお話がありました。

 アンケートへ、参加者全員から回答をいただきました。
 木質ペレット工場については、「地産池消で地域密着の取り組みが十分に伝わりました」、「少人数でもペレット生産が可能ということは新発見だった」、「企業理念がしっかりしていて、林業との協業の考え方など、参考になった。事業拡大の進め方も初期は小さく始める(投資を小さく)も参考になった」、「実行に移すことのできるチームが取り組むことは社会的な意義が大きい」、「計画の5000t、10000m3の材調達と持続性に不安が残る。645円/10kgは高すぎるのでは」などのご感想、ご意見が多くありました。

 搬出間伐については、「よく手入れされている林で驚きました」、「山によって集材方法が異なることを知ることができ大変参考になりました」、「頭で理解したつもりになっていても百聞は一見に如かず、特に雨で現場の大変さを実感できた。同じ間伐でも取り組む人によって大きく方向性が変わることがわかり、一般の人が山の現状を知る機会が必要だと思った」、「山主と林業の組合せとしてベクトルのあった展開をされているのは感心した。全国的にこのような展開が広がると良い」、「少ない投資で最大の収益を得る努力が伝わりました。制約多い中で、若手が生き生きと参画しているのは魅力ある林業をしている証と思う」、「作業道づくりや造材の技術が高く、すばらしかった。技術の継承が課題か」、「間伐材の切出し・搬出の生産性を大幅に向上する手段の検討が必要と感じた」、「王道は無いと思うがスピードアップできる方法はあるのでは」、「大変良く出来た生き残れるシステムと思う」など、たくさんの反響がありました。

 その他の感想では、「現場の見学は非常に参考になることがわかりました」、「小規模で、上流から下流まで、見学と話が聴けたのは大変良かった」、「汚れてもよい服という指示が欲しかった」、「また石岡に遊びに来たいと思います」などのご意見がありました。

 今後やってほしい勉強会のテーマは?の質問に、「他の地域の同様の取り組みを見学したい」、「発電所見学、燃料の確保」、「中国木材、宮の郷発電」、「林間ハイキングを兼ねた林業学習会」などのご希望がありました。

つくばフィールドワーク

 東京から近い茨城県南部に、林業会社、木材市場、燃料工場、機器メーカー、メンテナンス拠点などの産業集積が進んでいることが、今回、行って、見て、よくわかりました。県北部には、木質バイオマス発電所も多くあります。南部の牛久市はバイオマス産業都市構想の認定を受けていて、新産業創出と既存産業活性化を掲げています。茨城では木質バイオマスの産業クラスターが形成されつつあるのではないかと思いました。

 今回のツアーでは、参加者の多くが質問を発せられ、写真をたくさん撮り、熱心に勉強されている様子が見られました。松浦氏から提案があって実施した企画がお役に立ったのなら幸いです。
 案内していただいた講師の皆さま並びにご参加の皆さま、誠にありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 23:07 | フィールドワーク | この記事のURL | コメント(0)
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