CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 2月10日「地域エネルギーと温暖化」シンポジウムの報告 | Main | 4月27日「ふくしまの森林・バイオマス」勉強会のお知らせ »
3月9日「バイオマス燃料とボイラー導入」勉強会の報告[2015年03月13日(Fri)]
 バイオマス発電事業化促進WGは、全国地域エネルギー推進協会と共同して、3月9日(月)夕、港区神明いきいきプラザで、「バイオマス燃料とボイラー導入のホット情報」勉強会を開催しました。
 →イベント案内

バイオマスWG3月勉強会

 あいにくの雨模様でしたが、40数名の参加があり(講師・スタッフ含む)、意見交換の時間も多く取れ、落ち着いた良い会になったと思います。

 はじめに、伸栄工業株式会社代表取締役、一般社団法人木質ペレット推進協議会理事茨城支部長の大和幸生氏から、「バイオマスペレットの現状と可能性」のテーマで講演がありました。司会は、K-BETS副理事長、バイオマスWG運営委員の米谷栄二氏でした。
 →講師プロフィール・式次第(PDF)

 大和氏の講演は次のような内容でした。
・きっかけは、8年前、木質ペレットを紹介するテレビ番組を見たことだった。それまで霞ヶ浦の水質浄化に取り組んでいたが、バイオマスを利用できないかと考えて勉強を始め、当社はメーカーであるので燃焼機器やペレットの製造などを行うことになった。
・バイオマスエネルギーには、原料として、木質系(森林から)、栽培系(耕作地、遊休地から)、廃棄物系(家庭、事業所から)がある。
・木質ペレットの普及については、木質燃料としてのペレットの優位性がいろいろあり(薪、チップと比較して)、ストーブ、小型ボイラーに向いている。
・ペレットの作り方は、間伐整備で出た原料の原木を破砕し、含水率10%程度まで乾燥させ、乾燥後さらに破砕(4ミリ程度)と圧縮成型(比重0.6〜0.7の均一な製品)を重ね、冷却後に各種袋詰め、パレットなどで運搬となる。極小プラント(30kg/h)でのデモも行ったが、お金がかかり次のステップは実現していない。
・木質ペレット生産能力2,000トン級プラントの場合、初期投資2〜4億円、消費市場ストーブ2,000台、原木調達、販売ルート開拓などの課題があり、「小さく産んで、大きく育てる」のが理想。
・全国で小さなペレット製造工場が増えており、障害者の雇用の場ともなっている。

バイオマスWG3月勉強会

バイオマスWG3月勉強会

・本来、林業はエネルギー事業だった。20年後のFIT終了時の林業はどのようになるか?考えてほしい。
・いままで、木質ペレットは石油より高い燃料だと思われていたが、燃焼効率・熱交換率の改善により、現在、灯油80円=ペレット57円で釣り合う。茨城県の木質ペレットはkg/60円(小袋)であり、販売大口はkg/50円(600kg袋)。しかし、依然、高効率燃焼器具の開発は急務である。
・茨城県にはペレット工場が6か所あり、石岡市や牛久市でバイオマスエネルギーへの取り組みが進んでいる。
・エリアンサス、廃棄物(きのこの廃菌床など)のペレット化も行っているが有意義である。
・地域はエネルギーで自立できる。フランス、イタリア、オーストリア等ヨーロッパの例も参考になる。
・木質バイオマスは熱利用が中心で、発電は余力があればすべきである。
・国内バイオマス発電の動向を見るに、大型発電所の原料を国内調達で賄おうとすると、日本の山は江戸時代の禿山に逆戻りする。
・地域では、各地域で賄える範囲の燃料を元に小型のコジェネが適している。大型は、輸入材(PKS等)が利用できる沿岸部の立地とすべきで、大型と小型は別々に考える必要がある。
・バイオマスは、森林の成長に合わせた資源の活用を考えることが大事である。

 →大和幸生氏の講演資料(PDF)

 質疑では、次のような質問と回答がありました。
○日本のペレットは、品質にばらつきがあり、燃焼が不安定だという話も聞くがどうか。
○ペレットはコストがかかる。ペレット以外の取り組みも重要ではないか。
・ペレットは乾燥性に優れ、安定した熱が得られる。ただ、ペレットを作るのにかなり電気を使う。
○「国内調達で賄おうとすると、禿山になる」と断定されているが異論がある。
○茨城県や牛久市の取り組みは興味深い。
○もみ殻発電に関心がある。
・ペレットに関心を持っていただいてありがたい。

 続いて、バイオマス産業社会ネットワーク 副理事長、バイオマスWGアドバイザーの竹林征雄氏からコメントがありました。
・小型の熱・電利用が重要。大型は手軽には着手できない、熱利用が大変難しい(熱が使われていない)ので如何かと思う。
・ペレットのコンセプトは面白い。紙おむつやエリアンサスなどいろいろなものが原料になるが、どこまで持続するかなど、しっかりとデータを取ることが必要だ。
・ペレットの優位性に関して、含水率10%は厳しいのではないか。
・1時間で生産できる点も驚きだ。イノベーションが大事。
・熱利用については、ヨーロッパでは施策が相当整備されている。日本は、縦割行政の中で検討に力が入っていない、これからだ。

バイオマスWG3月勉強会

バイオマスWG3月勉強会

 最後に意見交換が行われ、初めて参加された方などの質問に、大和氏から丁寧な答えがありました。
○日本も、エネルギー基本計画で、熱利用の促進がかなり強調され、検討が進められている模様だ。
○大規模発電に否定的な意見が出されたが、考えが違う。禿げ山になる論拠が不確かであり、また、大規模の意義(エネルギー政策上の意義、スケールメリット、広域性など)、評価など、きちんと踏まえて議論したい。
○地域の中堅企業などのペレットへの取り組みはどうか。
・当社は、全国で350社、関東で50社と取引している。
○温水は、炉が持たないとも聞く。
・塩素、防腐剤などの影響がある。
○今後の展開のための課題は。
・品質の規格の統一だ。特許はとっていない。
○燃焼設備についても、大型化が課題ではないか。
・ヨーロッパでは3〜5トン機がある。日本では1トン機を3台並べて使う。その方がリスクが少ない。

 アンケートには、参加者の半数以上から回答がありました。
 講演に対しては、「ペレットを作る側の意見が聞けて良かった。私の地元のペレット業者の話と比べると、かなり視点が違っているので面白かった。ペレットの優れている点を再確認できた」、「今日の話は、知られていないが重要で価値が高い」、「燃焼機器やペレット製造について掘り下げた話を聞けるともっと良かった」などの感想がありました。
 コメントに対しては、「的確なコメントで頭の整理が出来ました。行政との関連や科学的観点についての指摘もわかりやすく納得がいきました」、「熱利用の話が興味深かった」、「熱利用の方法に関して相対的にコメントをいただいた。改めて熱利用優先の考え方をしてみようと思う」、「薪ステーションを地域でつくりたい。薪材料のつくり方、森の管理、流通等の勉強をしたい」などの感想、意見がありました。
 今後やってほしい勉強会のテーマとしては、「地域売電、売熱事業は、日本の町や村で成り立つか? 規模、エリア、雇用、その他の要因は?」、「発電事業協同組合化について」、「間伐の搬出方法の全世界の動向」などの希望がありました。

バイオマスWG3月勉強会

 バイオマスWGは、2年前の発足以来、再エネ促進、エネルギー政策、木質バイオマス発電、プラント、地域の事例、燃料調達などの課題について勉強を重ねてきましたが、今回、バイオマス燃料と燃焼機器について専門家から内容の濃い具体的なお話を聞くことができました。燃料調達と林業活性化については、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
 講師の先生方ならびにご参加の皆様、まことにありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 23:56 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
この記事のURL
http://blog.canpan.info/bioenergy/archive/70
コメントする
コメント
検索
検索語句
 NPO農都会議ボタン農都会議ホームページ
  FacebookボタンNPO農都会議
  Facebookボタン農都サロン
トピックス
カテゴリ
最新記事
最新コメント
<< 2017年12月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
月別アーカイブ
リンク集
プロフィール

農都会議 バイオマスWG(ワーキンググループ)さんの画像
QRコード

http://blog.canpan.info/bioenergy/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/bioenergy/index2_0.xml