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2月10日「地域エネルギーと温暖化」シンポジウムの報告[2015年02月16日(Mon)]
 「みなかみ地域エネルギーフェスタ 低炭素社会づくりシンポジウム 『地域エネルギーから温暖化を考えよう』 ―利根川上流のみなかみ町と下流の都市部をつないで―」が、2月10日(金)午後、東京都千代田区の日比谷コンベンションホールで開催され、好天に恵まれ無事に終了しました。
 →イベント案内

2.10シンポジウム

 シンポジウムは、株式会社りゅういき自然エネルギー主催の「みなかみ地域エネルギーフェスタ」の一環で行われ、バイオマス発電事業化促進WGは、農都地域部会や全国地域エネルギー推進協会などとともに共同開催しました。参加者は合計120名でした。
 →シンポジウムの式次第(PDF)

2.10シンポジウム

 まず、主催側から、みなかみ地域エネルギー推進協議会会長の河合進氏が開会挨拶を行いました。首都圏の水がめ、みなかみ町の状況説明と、過疎が進んでいるが豊富な木質バイオマスを活用した再生可能エネルギーのポテンシャルは高く、下流の都市と連携して低炭素社会づくりを進め地域を守っていきたいというお話がありました。

2.10シンポジウム

 次に、本シンポジウムへ後援をいただいたドイツ連邦共和国大館のミヒャエル・ケスラー参事官(食糧農林担当)から来賓挨拶がありました。ケスラー氏は、ドイツの再生可能エネルギー拡大の状況を紹介し、日本のエネルギーミックスの行方は予断を許さないながらも日本の再エネ拡大に期待していると表明されました。

2.10シンポジウム

 続いて、環境省の中井徳太郎審議官(総合環境政策局担当)から来賓挨拶をいただきました。中井氏は、CO2削減が地域の再生、社会の変革につながるとの信念で、今年は森・里・川・海をつなぐ活動に勝負をかける年にしたい、環境省は自然の恵みをみんなで引き出す動きを進めることに強い決意を持っている、と表明されました。

2.10シンポジウム

 シンポジウムの第1部は、まず、株式会社りゅういき自然エネルギー代表、みなかみ地域エネルギー推進協議会事務局長の河合純男氏から、「市民協働で歩むみなかみの地域エネルギー事業 〜推進協議会の現状報告と今後の展望」のテーマで報告がありました。
 河合氏は、主催のりゅういき自然エネルギーは、地域の中で自分たちのことを自分たちで考えていこう、自治体の枠を超えて河川流域で考えていこうということで設立した、1月にみなかみ地域エネルギーフェスタを開催し、これからフェスタの実行委員の仲間が核となって広がっていき、接続保留など地域独自の問題と戦っていきたい、坂東太郎(利根川)の一滴となって上下流の人々とともに低炭素社会づくりに成功したいと話されました。

 →河合純男氏の報告資料(PDF)

2.10シンポジウム

 続いて、「利根川上下流をつないで」のテーマで、みなかみ町と都市部の人々によるディスカッションが行われました。
 登壇者は、みなかみ町から、河合純男氏、みなかみ地域エネルギー推進協議会の岡田洋一氏、林市治氏、森下敬氏、竹之内国幹氏、酒井千富氏、その他、食と農の政策アナリストの武本俊彦氏、Spanner株式会社代表のオスカー・バルテンシュタイン氏、でんきのもりアセットトラスト代表理事の北村淳子氏でした。コーディネーターは、全国地域エネルギー推進協会事務局長の杉浦英世氏でした。
 温泉旅館経営の岡田氏と森下氏などからは、地域エネルギー事業へ取り組む理由や方向性、みなかみ町への来訪案内がありました。みなかみ町職員の林氏からは町の概要説明があり、住民の活動を町はバックアップしていきたいなどのお話がありました。
 バルテンシュタイン氏からは、福島で取り組んでいるコジェネ事業の紹介があり、みなかみを応援したい、一緒に勉強できる場を作ってほしいとのお話がありました。北村氏からは、みなかみの市民主導のモデルは感動的、自治体とのコンセプト作りが興味深いとお話がありました。

2.10シンポジウム

 フロアとのやり取りでは、バイオマスボイラー普及で群馬県の温泉地を全部回ったが山主で旅館主の森林資源に対する意識はまだまだだと思った、今日は登壇者の意見を聞きたいと質問があり、河合純男氏から、昨年の連続学習会を経て戦うチームができ今後広がっていくと回答がありました。
 フロアから河合進氏は、再エネ事業を観光に結び付け、養蚕観光を進めている「匠の里」と相乗効果を出したいとお話がありました。
 杉浦氏は、資源の供給地のみなかみと消費地の東京、再エネ先進地のドイツを結んで本シンポジウムを企画した、ディスカッションの時間が少なく片鱗しか見せられなくて恐縮ですと説明を行った。
 最後は武本氏にまとめていただきました。「今日の話は地に足の着いた方向性が出ていると思う。地球温暖化や再エネは、抽象的な話でなく、観光や農林業など地域ビジネスの振興で地域の人々が職を持ち収入が増えるという具体性が見えるとわかりやすい。FIT(固定価格買取制度)の活用も必要。人口減少、地方消滅が言われているが、いろいろな土地を動き回っている人々を地域のサポーターとして活用することもできるのではないか。低炭素社会づくりに向けて、山・森・海をつないで、下流の人々が上流の人々の貢献に対して「対価」を払う枠組みが具体的に出来つつあり、それに私たち市民がどう取り組んでいくかが問われている。」

2.10シンポジウム

 第2部は、エネルギー協同組合と市民出資ファンドについて、3名の講師による講演でした。
 最初に、弁護士の千葉恒久氏は、「欧州における地域・市民主導の低炭素社会づくり 〜なぜ市民が主役なのか?」と題して講演を行いました。
 ドイツの再エネ発電の増加の経緯についての説明では、90年代に地上風力発電が伸び、ついでバイオマス、その後に太陽光が伸びたこと、一方で原発は減ってきていること、また、再エネ発電の半分が市民出資であること、FITの買取価格は、発電コストをカバーするため規模に応じた買取価格が設定されていること(小規模は割高のため、買取価格も高い)、バイオマスはコジェネが義務付けされていること等、日本との違いについてのお話もありました。

 →千葉恒久氏の講演資料(PDF)

2.10シンポジウム

 続いて、ドイツのヴェッテジンゲン・エネルギー協同組合理事長のディーター・ヘスル氏は、「バイオエネルギー村への道」と題して、ドイツでエネルギー協同組合が果たしてきた役割について報告されました。
 人口1,181人のヴェッテジンゲン村は、暖房費のコストを下げることを目的として、かつ経済的利益を地元住民に残す取り組みとして、トウモロコシを主原料としたバイオガスによる熱供給事業を行っている。2011年設立時に153名の組合員は、昨年末で191名となっている。
 設立に当たっては、住民による広報、協同組合、技術の作業グループを設置し、無報酬で検討・作業を積み重ねた。投資コストは、組合員からの最低500ユーロ以上の出資金、1接続につき3,500ユーロの負担金のほか、政府補助金200万ユーロ、環境銀行からの300万ユーロの借入金でを充てている、等々のお話でした。
 通訳は、日本再生可能エネルギー総合研究所代表の北村和也氏でした。

 →ディーター・ヘスル氏の講演資料(PDF)

2.10シンポジウム

 最後に、一般社団法人ソーシャルファイナンス支援センター代表理事、帝京大学教授の澤山弘氏による「わが国における市民出資ファンドの現状と問題点、打開策について」の講演がありました。
 市民が低炭素社会づくりのための再エネ事業を始めるにあたっては、融資を受けるためにもボランティア活動ではなく、はっきりとした事業主体が必要であること、ある程度の自己資金を集めることも必要であることの説明の後、市民出資ファンドづくりの実際として、法人格を合同会社とする特別目的会社が「匿名組合」の自己募集を行い市民出資ファンドを作って金融機関から融資を受ける例の紹介がありました。あと1年くらいで規制強化が行われることになっており、この間に進める必要があるというお話もありました。

 →澤山弘氏の講演資料(PDF)

2.10シンポジウム

 閉会挨拶は、バイオマス産業社会ネットワーク副理事長、エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議理事の竹林征雄氏から、「第1部は、みなかみ地域の人々は夢を持って現実へ向かって進むという話で、第2部は、関東とみなかみの人々が一緒になって志あるお金を出し知恵を出してお金を回そうという話だったと思う。みなかみと関東は利根川で結ばれている、上流は下流を思い、下流は上流に感謝の念を持って、荒ぶる自然、恵みの自然の力を上手に使い、地球温暖化防止のため、低炭素社会づくりのために力を合わせよう」とありました。
 シンポジウムの司会は、PN Power Plants AGの竹内彩乃氏でした。

2.10シンポジウム

 参加者アンケートでは、50名近い方から回答がありました。
 第1部についてのご意見、ご感想の一部です。
 「地域エネルギーというテーマで活動が始まっていてすばらしい、上流から下流の生活をどう支えるかを含めてもっとお話を伺いたい」、「再エネ事業が地域の活性化や『流域コミュニティ』の再生につながっていることが分った、希望が広がる」、「バイオマス発電だけでなく複合的な地域産業を地域主導で推進するモデルとしてみなかみ町の事業が成功することを望む」、「日本の実例が聞け、ためになった」、「低炭素社会に向けたみなかみの前向きな姿勢は分かったが、今後市民・農林業者がどう協力して決めて行くかの説明が欲しかった」、「市民が集って勉強しているところが参考になりました」、「期待できパワーを感じた」、「みなかみ町へ行ってみたいと思った」、「都市から人が移動したくなるようになると良い」、「時間が少なく、自己紹介で終わってしまったようで、やや物足りなさを感じた」。

2.10シンポジウム

 第2部についてのご意見、ご感想の一部です。
 「先進国ドイツの事例が非常に参考になった。日本との比較等により現状の問題が少し理解できた」、「ヘスル氏の経験談は大変参考になりました」、「とても有意義な内容で、時間 もちょうどよかった」、「ドイツのエネルギー共同組合の実情把握はできたが、日本でどこまで同様な仕組みができるか、今後の成功事例にかかっていると思う」、「日本でもエネルギー協同組合が普及すべきと痛感した。政治家や役人の頭の切り替えが必要とつくづく感じる」、「決め手は資金集めをいかに公正・妥当・適格に行うことができるかにかかってくるかと思いました」、「市民的共同がなぜ力を持っているのかもっと知りたい、市民ファンドも重要である」、「ドイツでもやっぱり資金調達は大変だなあと思った。市民ファンドも出来なくなるのかな」、「3人の講演の構成が素晴らしく、夢物語では終わらせないとの主催者の志が伝わってくる」。

 今後についてや、勉強会のテーマのご希望もありました。
 「上流みなかみと下流東京が手をつないでいくべきだと思いました」、「小規模のバイオマス発電事業の概算モデル事業計画について勉強したい」、「再生可能エネルギーのベストミックス、森林整備や人材の育成とそのシステムについて開催を希望」。

2.10シンポジウム

 シンポジウム終了後、出演者、参加者、スタッフが参加してレセプションが行われました。
 シンポジウム、レセプションともに大勢の皆様に参加していただき、盛会だったと思います。すべて、ご出演の皆様やご参加の皆様、上下流のスタッフの皆様のおかげです。心より深く感謝いたします。

 →みなかみ地域エネルギーフェスタの報告
Posted by NPO農都会議 at 07:48 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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