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12月17日「バイオマス発電所のつくり方」勉強会の報告[2014年12月24日(Wed)]
 農都地域部会バイオマス発電事業化促進WGは、12月17日(水)夕、定例の勉強会として、「バイオマス発電所のつくり方すべて話します!」を開催しました。
 →イベント案内

WG12月勉強会

 会場の港区神明いきいきプラザに100名近くの参加者が集まり、新エネルギー開発株式会社取締役副社長の森一晃氏より、「バイオマス発電所の作り方」のテーマで講演が行われました。
 森氏は、資料を元に、木質バイオマス発電は燃料調達が重要、地域関係者の理解を得るのに誠心誠意を尽くす、支出をいかに抑制するか(焼却灰の再利用収入等)、オーナーズマネジメント体制の確立が必要、などのお話をされました。ご自身は大規模(1万kW以上)の案件をいくつも手掛けられてきましたが、以上のポイントは、中・小規模にも共通するものと思われます。
 →森一晃氏プレゼン資料(PDF)

WG12月勉強会

 森氏の講演の要旨を記します。
(1)バイオマス発電事業は、稼働までに3〜4年を要する。この期間での作業内容は膨大であり、様々なリスクについて対応・対策を講じなければならない。今回は、事業決定に至るまでの説明を行う。
(2)バイオマス発電の事業化プロセスとしては、第1ステップ:サイト情報の入手、第2ステップ:基礎情報の入手・確認、第3ステップ:事業性評価(FS調査)、第4ステップ:発電事業の開発、第5ステップ:発電所の運用、といったところとなる。
(3)具体的開発手順とそのポイントを次にあげる。
・事業の基本方針の策定。
・これに基づき目標(雇用の確保、人材教育、税収の増加、関連事業者の発展、環境教育等)を確定し、サイトを検討。
・事業計画の立案:バイオマス燃料調達について徹底調査(支障木、剪定枝など豊富にある)。
・系統の事前相談。
・事業性判断:事業リスクへの対応―技術(オーナーズマネジメント体制の確立)、建設コスト・スケジュール、燃料調達(4種類程度確保)、操業・保守、環境、社会的、再エネ政策、支出の抑制、事業性評価(FS)、その後に事業決定判断。
・事業用地の選定:土地面積、系統位置(接続の可否・系統距離等)、水源、周辺環境、道路環境(トラック輸送)、バイオマス資源の賦存量等(NEDO調査等だけでなく自らヒアリング調査)、地主数等。
・地元行政との調整、計画地周辺調整、土地調査、地域説明会(誠心誠意、地元物流企業へのメリット等も強調)。
・燃料調達計画策定。
・生活環境影響調査・条例アセスメント。
・土木工事設計図面作成、土地開発協議、プラント等設備工事仕様書作成。
・系統連携協議。
・FIT申請。
・事業収支の見直し、資金調達準備、プラントメーカー選定。
・EPC商務条件協議、プラント基本設計、O&M協議、事業収支確定、各デューデリ開始。
・EPC契約、工事計画書作成、各工事。
・運転員教育。
・各種規定書作成。
・試運転開始、商業運転。

WG12月勉強会

 講演内容が広範囲にわたるため、要所要所で質疑が行われました。質疑応答の主なものを記します。
○未利用材をあまり使わない、系統の問題など大規模が前提のお話のようだが、地産地消・小規模の場合はどうか?
・7か所で、1万kW以上の事業を手掛けてきている。小規模は、ガス化発電ということになるが、未だ熱電併給も含め技術が伴わない面が多い。発電効率が低く、経済性でも課題がある。地産地消は、今後必要だが、レベルアップと環境整備が課題だ。
○廃棄物発電はどうか?
・建築廃材は使いにくい面があり、燃料に合うボイラーの使用が重要。
○混焼はコスト的にどうか?
・ヒート・バランスの幅をどう見るか。ボイラーによっては、投入できないものもある。
○大規模は、今後燃料調達は可能か?
・国内材だけでは不足の可能性があり、海外材・輸入材で手当てしていくことになろう。しかし、課題も多い。当社は、マレーシア・インドネシアからPKSを輸入している。
○技術リスク対応は重要?
・オーナーズマネジメント体制の確立が不可欠だ。
○20年後はどうするのか?
・20年の間に技術革新していく。発電効率も向上すると見込まれる。安定した燃料供給を確保して、次世代に引き継いでいきたい。

WG12月勉強会

 参加者アンケートは、「実際に発電所を建設、運営された方の話を聞けてよかった」、「実務の核心を知ることができた」、「継続的な運転が容易ではないことが理解できた」、「バイオマス発電の数少ない成功事例を作られた方から現場に基いたノウハウを余すことなく話していただき大変勉強になりました」など、多数の回答をいただきました。
 「メンテ・リスクにおいて小規模はヘッジ対応に無理があり2wayバッファラインの必要を理解した」、「燃料調達リスクの悩みは尽きない」、「国(林野庁)が考えている方針と森林組合や林業事業者の考えとの間に合致が見られないが、もっと山に入る人員の確保が必要と感じている」などのご意見や、「小規模ガス化プラントの技術が不足しているのは具体的にどういうこと?」というご質問もありました。

 今後の勉強会のテーマは?との設問へ、「第2回を希望します」、「小規模についても」、「バイオマス発電所見学」、「作業道の入れ方、作り方、間伐材の選定の仕方」、「事業ファイナンス」、「電力システム改革のロードマップ」、「(分野は違うが)植物工場事業について」、「フィールドワークとその後のフィードバックをセットで行う機会を増やして欲しい」などのご希望をいただきました。
 森氏講演の第2回は、来春の開催を調整中です。その他についても、開催を検討してまいります。

WG12月勉強会

 今回の森氏のお話は1万kW以上の大規模案件の取組みが対象でしたが、3千kW以下の小規模案件で採算を確保するためには、(1)汽力発電ではなくガス化発電をして熱電併給で利益が得られる仕組みを作る、(2)その上でFITレートを高くする、という前提条件を整えて事業として成り立つ環境を作る必要があるということを言われていたように思います。
 小規模案件を考える際にはまずこの点を理解する必要があり、事業採算がとれたうえで地域活性化や林業振興の成果が得られるのだと思いました。

 タップリ3時間の勉強会でしたが、バイオマス発電所作りの困難さとそれを克服する方法について知る貴重な機会となりました。
 講師並びにご参加の皆さま、誠にありがとうございました。次回の森氏の講演をご期待ください。


■講師プロフィール
 森 一晃(もり かずあき)氏
 新エネルギー開発株式会社 取締役副社長。1956年生まれ。明治大学商学部卒。中小企業診断士。株式会社バイオマス群馬 前代表取締役、株式会社バイオマスフューエル 取締役、株式会社環境計画 取締役、H&E ENERGY RESOURCES DEV’T(M)SDN.BHD 取締役、NEW ENEGY DEVELOMENT DUMAI 監査役。バイオマス発電事業化促進WGアドバイザー。
 群馬県東吾妻町の吾妻木質バイオマス発電所(吾妻バイオパワー)の計画当初より発電事業に従事し、燃料供給システム構築、関係地域住民及び行政との調整、協議の実施等の諸手続きを行う。関係企業に対し、ISO14001認証取得支援、認証取得後のフォロー支援、許認可取得支援、並びに廃棄物処理のコンサルティング、講演会を講師として随時開催。
Posted by NPO農都会議 at 09:55 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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