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「製紙業界とバイオマス発電」勉強会の報告[2013年07月22日(Mon)]
 農都地域部会のバイオマス発電事業化促進ワーキンググループは、7月16日、港区立エコプラザで、「製紙業界のバイオマス発電への取組状況と課題」のテーマで勉強会を開催しました。

WG勉強会「製紙業界とバイオマス発電」

 講師は、日本製紙連合会技術環境部長の中川好明氏にお願いしました。
 講演は資料を元に進められました。製紙業界の木質バイオマス発電への取組み状況やFIT(固定価格買取制度)に対する考え方などを知ることができました。
 「現在は、製紙原料としての木材の利用から発電燃料としても利用する過渡期。製紙会社は従来から新エネルギー補助制度でバイオマスボイラーを導入してきた。助燃材には石炭を使用している。燃料は、社内の黒液やペーパースラッジ等のバイオマスのほか、建築廃材等を外部から集荷しているが、FIT導入で建築廃材は不足し取り合いとなっている。
 製紙会社の発電能力は550万kW程度。熱電とも利用するコージェネのため、エネルギーロス率が30%強と低くなっている。また、自家発電比率も7割を超えている。
 FIT価格が高めに設定されると、マテリアル利用できるものまで燃料利用してしまう惧れがある。製紙連合会はFIT導入に関して、既存用途(マテリアル利用)に影響を与えることが無いよう要望を出した。未利用材のトレーサビリティやガイドラインの確立、徹底が重要と考える。繊維板工業会は、FIT適用の木質バイオマス発電は、新規設備で、原料は未利用材に限定して欲しいと要望している(一般木材とリサイクル木材は除外)。森林資源の有効利用の観点からすると、カスケード利用として燃料利用は最終であるのが望ましく、マテリアル利用を終えたものやマテリアル利用に適さないものを燃料利用すべきではないかとの意見を持っている」などの説明がありました。

WG勉強会「製紙業界とバイオマス発電」

 また、「課題として、小規模ではコスト高となる。全国的にチップ工場が減少して材がまわらなくなっている。チップ工場がある北海道、中国、九州地区では、未利用材の集荷が進む可能性がある。製紙会社は材受入れだけで、産地の集荷やチップ工場再生にまで手は伸ばせない。水利権をおさえているのは今後の展開に有利」というお話もありました。

 農都地域部会のこれまでの勉強会を通して私たちは、林地残材(森林に放置される間伐材等)や、間伐が行われないため森林に残る未利用材の活用は、森林再生の解決策につながると考えてきました。
 木質バイオマス発電は、太陽光や風力と異なり安定電源ではあるが燃料調達が大きな問題です。エネルギー資源という点から考えても、森林資源活用、林地残材・未利用材等の利用が課題となります。講師の中川氏の認識も、建築廃材や製材端材は既に概ね利用されているということでした。資源の取り合いをすることではなく、森林・林業再生のためにも、林地残材と未利用材を木質バイオマス発電に活用することが重要と確信できた勉強会となりました。

WG勉強会「製紙業界とバイオマス発電」

 講演に続いて、質疑応答が行われました。
 次の課題は、まず森林に残る林材の搬出です。更に、再生可能エネルギー利用の比率を高めるために、各地域にバイオマス発電を普及して発電・発熱を拡大するとともに、燃料調達の壁を乗り越える方法を考える必要があると思いました。

 短い時間のミニ講演会でしたが、20名の参加がありました。今まで知ることがなかった紙パルプ業界についてお話を聞くことができ、とても有益な勉強会となりました。講師の中川氏と参加の皆様に感謝いたします。

【参考】
当日配布資料「製紙業界のバイオマス発電への取組状況と課題」(PDF)
日本製紙連合会ホームページ

農都部会ホームページより転載)
Posted by NPO農都会議 at 20:20 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(1)
この記事のURL
http://blog.canpan.info/bioenergy/archive/5
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コメント
小生、16日は、残念ながら参加できませんでしたので、以下、コメントをさせていただきます。
(1)本文では、製紙業について、旧来のマテリアル産業としてのご見解が強調されていますが、我々(少なくとも、小生)の関心は、製紙業の発電事業者としての取組にあります。
当日配布資料を拝見すると、「バイオマス発電への取組状況と課題」が、様々に述べられており、大いに興味をそそられます。十分にフォローさせていただくとともに、引き続き、連携・ご支援の可能性なども探求していきたいと思います。。

(2)事務局報告に関しては、林地残材・未利用材の活用をまず考えるのには異論ありませんが、建設廃材や輸入材等の利用も、状況に応じて適切に位置づけられるべきと思います。
また、「資源の取り合い」や「マテリアル利用」については、今後(20年間?)の需要動向も考慮する必要があるでしょうし、既得権の保護をどこまで当然視すべきなのか(3.11後のエネルギー情勢の変化に伴うエネルギー政策上の要請(再生エネルギーの供給確保)との調整もあり得るのでは?)など、検討してみたいです。木質の中での取り合いの議論で事業化が進まないなら、バイオマス全体で、家畜、廃棄物、下水汚泥などの発電も、どんどん進めて行ってはと思います。(2030年、328億KWH実現が大事です)

いずれにせよ、バイオマス発電の事業化促進は、“脱原発・再エネ普及、森林・林業の再生、地域活性化”の諸目標を総合勘案しながら進めるべきと考えており、これらの点も含め、引き続きWGで勉強・論議・取組が進められることを期待します。
木村忠夫
Posted by:tskimura@suite.plala.or.jp  at 2013年07月26日(Fri) 18:53

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