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1月24日「木質バイオマス発電所の研究」勉強会の報告[2017年02月27日(Mon)]
 NPO法人農都会議 バイオマスWGは、1月24日(火)夕、「木質バイオマス発電所の研究 〜九州の二つの発電所の事例から運営の課題を考える」勉強会を開催しました。
 →イベント案内

1月24日WG勉強会

 今回は九州で、国産材を燃料とするバイオマス発電所のお二人の経営者から、バイオマス発電事業の内側を詳しくお話しいただきました。
 会場の港区神明いきいきプラザに85名の参加者が集まり、講演と質疑応答、ディスカッションが行われました。

 第1部では最初に、株式会社グリーン発電大分取締役社長、一般社団法人バイオマス発電事業者協会監事の石田博氏により、「森林再生・資源循環・地域貢献を目指すバイオマス発電所」のテーマで講演が行われました。
 石田氏は、地域の木質資源有効利用協議会や木材の搬入状況、グリーン発電大分の取組み、地方農山村部の木質バイオマス発電所のあるべき方向性、特徴と問題点などについてお話しされました。

1月24日WG勉強会

 石田氏の講演の概要を一部ご紹介します。
・所在地大分県日田市は、約50,000haが森林。その90%は民有林で大半が荒廃していた。そこで、木質バイオマス発電所を設置し、未利用材を活用した森林整備に貢献するため、新会社を設立した。
・発電所の概要は、面積27,000m3、発電規模57,000kW(約10,000世帯分の電気供給)、山林未利用材チップを主原料(98%)とした使用燃料67,000t/年(水分35%で換算)。
・日田市は、冬はかなりの豪雪地帯となる。「原料は来るものは拒まず」との精神で、年間97,000t (平成28年実績)、常時約30,000t程度の在庫を確保している。
・集材エリアは、半径50km以内の大分県日田市で約50%、残りは熊本県、福岡県に広がっている。具体的には、日田市で20社、日田市以外の大分県内業者7社、県外8社の計35社で供給協議会を結成していただき、安定的に集材できるよう再エネ法に準拠した活動に努めている。
・木質バイオマス発電所のあるべき方向性については、軸足は常に「山」に!、林業有効利用のツールであるべき。
・小規模熱電併給システムで熱効率向上、カスケード利用の徹底。
・発電所のために「山」があるのではなく、「山林資源の持続」のために発電所があるべき。
・地域振興のために、関係自治体を牽引していく積極的スタンスが肝要。


 続いて、株式会社宮崎森林発電所代表取締役、フォレストエナジー株式会社代表取締役社長、一般社団法人バイオマス発電事業者協会理事の沼真吾氏より、「投資面から見たバイオマス発電所の課題と成果」のテーマで講演がありました。
 沼氏は、宮崎や秋田の発電所の事例を元に、エネルギー事業の基本コンセプト、バイオマス発電向け投資の改善レバー、資金調達、燃料調達、地域との協働、発電所を作る際に事業会社として考えるテーマなどについて話をされました。

1月24日WG勉強会

 沼氏の講演の概要を一部ご紹介します。
・宮崎県に5.75MWの宮崎森林発電所(2015年4月稼働)。
・秋田県に20.5MWのユナイテッドリニューアブルエナジー(株)を設立し2016年7月稼働。
・その他数多くの事業会社を投資面から支えるべく現在も月の半分は全国各地の発電所を飛び回っている。
・当社のバイオマス発電事業の基本コンセプトは、主燃料として国内材を使用する。未利用材優先・木材を使いきること。
・燃料の地産地消を前提に比較的小規模な熱電併給。
・小型の設備の場合は2MW未満のガス化発電システムを展開している。
・当社が提供しようとしている小規模バイオマス・システムは、地元木材を使うが、燃料の均質性の確保ができれば、燃料電池、発電、熱供給など総合熱効率は80%を達成できる。
・発電所を造る際に事業会社として考えるテーマとして、燃料の確保(人、木、設備)、資金の確保、燃料の安定的確保、経営・運営の安定性、設備と運営の適切な関係性が挙げられる。


 第2部はディスカッションが行われました。
 最初に、株式会社森のエネルギー研究所取締役営業部長、バイオマスWGアドバイザーの管野明芳氏より、コメントがありました。モデレーターは、NPO農都会議代表理事の杉浦英世が務めました。

1月24日WG勉強会

 菅野氏のコメントと続く質疑を一部ご紹介します。(○印:質問・意見、・印:回答)
○講師お二人には共通点があると思う。私は国内の多くの木質バイオマス発電所を視察しているが、何処でも燃料材の安定供給・確保に苦労している事例を見ている。ところが本日の講師お二人が関わる会社では、共通して「材の安定供給が出来ている」とお聞きし大変驚いている。秋田県の事例で述べられたように「人材育成システム:大学校設立など」の効果と考えるべきなのか。
○石田氏には、「新しくバイオマス発電事業に参入する場合の適正な発電所規模」をどのような観点から考えるのが妥当かお聞きしたい。
・石田氏:木質バイオマス発電所設置を考える場合は、集材に際して地域の自治体と協力体制が得られるかの協議が大切。外国からPKSを輸入する場合も同様だ。
○沼氏は「計画には40年先まで考える」というが、その根拠をお聞きしたい。
・沼氏:「20年先まで考えれば良い」という発想はない。20年で固定費の償却費は終了しているが、そこで施設を壊すのは忍びない。路網設置・維持管理等をしながら新たな木質バイオマス資源の創設等並行して推し進めたい。農地を使った木材栽培、早成樹種開発・育林など材の総合的な研究にも取組んでいる。やることはいっぱいある。
 若者が20年後でも元気に働ける環境を造るのが現世代の責務。FIT制度など朝令暮改的な方針転換ではなく(100,200年先まで見据えた長期的視点が不可欠。

1月24日WG勉強会

 アンケートへも多数の回答をいただきました。
 お二人の講演と質疑・ディスカッションの概要や資料など詳細をお知りになりたい方は、事務局へメールでお尋ねください。会員様には詳細レポートをお送りします。


 今回は、「木質バイオマス発電所の事例研究」というテーマであり、たくさんの方々に参加していただきました。バイオマスWGからの次の提言(第5次)取りまとめに向けて、課題整理が更に進んだと有難く思います。
 講師の皆さま並びにご出席の皆さま、誠にありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 16:03 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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