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11月14日第4回WG経過報告会の報告[2016年11月30日(Wed)]
 NPO農都会議バイオマスWGは、バイオマスエネルギー政策討論会として、2013年から続く4回目の「WG経過報告会 〜再エネ・バイオマスに係る課題解決に向けて」を、11月14日(月)午後、開催しました。
 →イベント案内

11月14日WG経過報告会

 会場の港区神明いきいきプラザに約60名の参加者が集まりました。
 バイオマスWG経過報告会は、再エネ・バイオマスの課題に関して各方面や参加者から意見、提案、現場の事例などをお聞きし、今後の提言取りまとめの検討を行う場です。今回は、第5次提言の取りまとめの検討に向けて、活動報告、課題提起、提案発表、意見交換が行われました。

 第1部は、NPO法人農都会議バイオマスWGの澤一誠座長より、開会挨拶に続いて、いままでの提言(2013年の第1次〜2016年の第4次)の簡単な紹介と、この1年間の『活動報告』が行われました。

 →第1部 活動報告 資料(PDF)

 澤座長の開会挨拶を一部ご紹介します。
・10月26日に三省庁(環境省、林野庁、資源エネルギー庁)政策立案者を招いて官民交流勉強会を開催。地球温暖化防止対策、再生可能エネエネルギー(特にバイオマス発電事業)推進に関する課題と改善の方向性を学んだ。
・本日は、農都会議バイオマスWGとして政策提言の検討を行ないたいと思う。


11月14日WG経過報告会

 第2部は、日本製紙連合会常務理事の上河潔氏より、「木質バイオマス産業の燃料調達とFIT制度」のテーマで『課題提起』の講演が行われました。
 上河氏には、7月19日バイオマス燃料セミナーで、「紙パルプ産業の木質バイオマス事情」のテーマで講演していただいたが、今回は、その内容を補強しながら、木質バイオマス発電が抱える課題についてお話ししていただきました。
 また、上河氏は、今後の林業や木質バイオマスの健全な発展のために国には様々な配慮が求められていると、課題提起を話されました。

 上河氏の講演内容を一部ご紹介します。
・FIT制度における太陽光発電は、十分大きくなり過ぎており、奨励段階を終えているとの判断もある。地熱や風力、小水力の進展は少ない中で、バイオマス発電だけが買取価格が高めに設定されていることもあって、更に普及が進んでいくと思われる。熱の活用、バイオマス発電は大規模ほど有利、バイオマス燃料のトレーサビリティの三つの観点から課題を提起したい。
・木材の健全なカスケード利用が維持される体制の下において、未利用な木質バイオマスが有効利用されるのであれば、FITによる木質バイオマス発電は大いに推進されるべきである。
・国は、@既存用途に影響を与えないという林野庁のガイドラインの精神に基づき、適切な原料調達が行われるよう発電事業者を指導するとともに、A路網の整備、高性能林業機械の普及、林業事業体の育成などにより、未利用な木質バイオマスの供給能力の拡大に努めるべきである。


 第3部は、バイオマスWGのアドバイザー、運営委員など5名から、第5次提言取りまとめの検討へ向けて課題を整理するための『提案発表』が行われました。

11月14日WG経過報告会

 最初は、株式会社森のエネルギー研究所取締役営業部長、バイオマスWGアドバイザーの菅野明芳氏が、「バイオマスエネルギー普及のための環境整備」のテーマで、発表を行いました。
 菅野氏は、行政による非常災害時用バイオマス発電・熱電併給施設の率先導入の事例やバイオマス導入による商品・企業イメージの向上事例などを交え、具体的な提言づくりにつながるよう提案されました。

 菅野氏の提案発表を一部ご紹介します。
・この1年間で大きく変わった木質バイオマス発電所の国内立地状況として、3〜5万KWの大型発電所設置構想が目立ってきた。主に輸入材料使用を前提に海岸部に拠点が集中。
・内陸部には小型発電所が沢山設置されているが、地域差も目立ってきた。燃料調達に関する調整・許認可が困難になってきていることが理由。
・世界の気になる動向として、IEA(国際エネルギー機関)のレポートで、森林バイオマス(燃料材)の大規模集中的なエネルギー利用に対し カーボンニュートラルの視点から疑義が出され、日本の木質バイオマスエネルギーの利用においても、規模の適正化・トレーサビリティ、伐採後の植林等の明確化がより求められる可能性がある。
・川上で必要なことは、素材生産の担い手不足解消のため人材育成(人材、人員、機材の増強の視点)。
・川中では、製材等の木材加工事業と連携した燃料加工事業の拡大。
・川下では、発電事業と熱利用との連携。

11月14日WG経過報告会

 2番目は、木村忠夫 NPO農都会議監事・バイオマスWG運営委員(前座長)が、今年1月に提出した第4次提言の確認(特に、「発電事業者の経営力向上への取組の強化とバイオマス発電産業の育成・発展のための体制整備」項目)を行うとともに、「バイオマス発電事業の推進とバイオマス産業の健全な発展」のテーマで、発表を行いました。

 木村氏の提案発表を一部ご紹介します。
・「木質バイオマス発電産業」をどう捉えるかだが、発電事業者がもちろん主であるが、関連して機器メーカー、輸送・流通業者、再エネ供給事業者等も対象となると考えられる。
・2012年以降、新産業として登場し、さらなる発展が期待される。
・バイオマス発電事業の推進とバイオマス産業の健全な発展のため、バイオマス発電業界における体制整備の確立と取組事項の検討へ協力する必要がある。
・行政における発展支援策に期待する。
 −上記を参考に、「バイオマス発電産業ビジョン」の策定。
 −「成長戦略」における位置づけ。今後の国民経済の健全な発展のためには、「再エネ経済社会の構築」が不可欠。産業政策・経済対策・成長戦略の中でも、しっかりと位置づけられることが期待される。

11月14日WG経過報告会

 3番目は、米谷栄二 NPO K-BETS副理事長、バイオマスWG運営委員が「未利用材の伐採・搬出の改善」のテーマで、発表を行いました。
 米谷氏は、国産材を利用した木質バイオマス発電事業の鍵を握る集材技術の確立は困難だが意義深い活動であるとし、日本の山林の厳しい立地環境の中で、K-BETSが取組んできたKシステム(チェーン式木材搬出法)の事例を紹介しながら、持続的な森林・林業経営のための具体的な提言づくりにつながるよう提案されました。

 米谷氏の提案発表を一部ご紹介しますす。
・国産材の供給量4000万m3(平成37年度)は低い。森林資源量49.0億m3、成長量は1億m3/年もある。目標値を5000万〜6000万m3に上げる必要がある。
・架線系の機械の開発・普及を促進する。特に100m〜200mの距離の間伐は、適当な機械がなく切捨てとなっている。車両系の高性能化は進んでいるが、架線系の機械の高性能化は殆ど進んでいない現状がある。小規模、急斜面に適した架線系の機械の開発と普及の加速が必要。
・狭い場所での設置が可能で、簡単で安全に操作が出来るシステムの開発を促進する。安価で生産性の高いシステムが必要。林業の衰退とともに林業機械関係の開発・生産は縮小してきている。林業再生には大型機械だけではなく小型の林業機械メーカーの再生が必要。

11月14日WG経過報告会

 4番目は、松浦晃 株式会社つくば林業代表、NPO農都会議理事・バイオマスWG運営委員が「バイオマスエネルギー活用で林業再興と地域の産業創出」のテーマで、発表を行いました。

 松浦氏の提案発表の概要です。
・林業は曲がり角に来ている。従来の良材保育中心から、現在は木質バイオマスの安定した調達技術の確立と活用の時期に来ている。
・林業の良さは百年先まで続く持続的事業が可能なこと。若い労働力導入のため、給与を他産業並みに上げ、教育環境や生活環境を向上して将来の希望を持てるようにする。
・発電事業の採算性は集材距離が大きく影響する(50km以上だと難しい)。未利用材だけの発電事業は困難なところから、地域グリッドを生かすことと、路網整備や労働力の確保などの課題解決のため重点的に補助金を投入すべきと考える。

11月14日WG経過報告会

 最後は、澤一誠 NPO農都会議理事・バイオマスWG座長が「バイオマス発電事業の普及促進政策」のテーマで、発表を行いました。

 澤氏の提案発表の概要です。
・CO2削減の欧米の動きがあるが、石炭火力でのバイオマス混焼には、石炭火力のCO2削減、化石燃料使用量削減、再エネ電力の効率的導入拡大の効果があり、推進したい。
・アジアと連携したバイオマス発電事業の展開を進める必要がある。
・農都会議バイオマスWGの事務局が主導して、「バイオマス発電事業者協議会」設立を働き掛けた。ワンストップ窓口として課題解決が可能な仕組づくりと、行政へ改善提言する体制を立ち上げる必要がある。


 第4部は、第1部〜第3部の報告、提起、発表を受けて、「再エネ・バイオマスに係る課題解決に向けて」のテーマで『意見交換』が行われました。モデレーター(司会)はNPO法人農都会議の杉浦英世代表理事が務めました。
 意見交換を通じて、提言取りまとめのポイントとして、(1)FIT制度の見直し、(2)木材トレーサビリティ、(3)熱利用、(4)IEA(国際エネルギー機関)対応、(5)自治体対応などの問題が浮かび上がりました。今後、課題を整理し、提言作成を検討することになりました。

11月14日WG経過報告会

 質疑と意見交換の一例を記します。(○印:意見・質問、・印:回答)
・司会:本日は、政策検討会として第4回経過報告会を行っていますが、市民・企業の現場の課題を提言に取りまとめる活動を進めているNPO農都会議(旧市民キャビネット農都地域部会)に2013年バイオマスWGが発足してから、いままで4回の提言と緊急提言を1回出してきた。政策提言が農都会議の第一のミッションであり、第4部では、本日の発表者の提案―提言作りの検討に向けての発表―に対して、現場の目線でディスカッションしてほしい。参加者の皆様も現場があり、課題があると思うので、具体的に問題を示してほしい。
〇エネルギー基本計画でも、バイオマス発電の「規模のメリットの追求」が言われているが、どう考えられるか?
・国民の負担をこれ以上増大させない視点が必要と思う。
〇自治体で燃料調達のチェックを強化しているとのことだが、実情はどうか? 未利用材には、ガイドラインで認められている森林経営計画制度に基づいて伐採したA材等もちゃんと認められているのか?
・1万KW以上の中〜大規模発電所の場合、林野庁や各県単位で役所との間で、原料供給の合意(近隣の既存施設との間で競合しないか、安定供給契約があるか)が無い場合は新設は認められない。
〇熱電併給方式は、エネルギー効率は上がるが、LPG等との競合もあり事業効率・採算性は低下するのが実情と聞く。現実のニ―ズはどうか?
・現在の(安い)原油価格ではバイオマス燃料が優位を持つのは難しい。温暖な日本では、英国のような熱買取は簡単ではない。一つの方法として、市民からの投資で事業化を考えていけないだろうか。
〇木質バイオマス発電の根本的な対応策が無いままに、大規模化などで300万KWを越えるまでになったが、山積するテーマに追いついていない。最終的には日本も小型の熱電併給施設を地域毎に作るべきだ。CHPなら発電効率を30%から70〜80%へ達成することも夢ではない。何故CHPを推進しないのか? 日本の地域性で熱供給インフラができていないが、諦める必要はない。工夫次第だ。
・行政の対応が遅れていることに尽きる。日本の森林資源は豊富だが、採算的には5MW以上の規模が欲しい。それ以下は厳しい。経験上、集材には自信があるが、地域性や文化の違いにも配慮が必要と感じている。
〇1000KW(1MW)未満の小型なら、一つの森林組合エリアで完結が可能となり、大賛成だ。その場合、小型のFIT価格を上げるべきと思う。レートアップではないボーナス的な仕組みが必要。10月26日のエネ庁の方の講演にあったように付加金の見直しを考慮するよう、この機会に提言に加えるべき。
・司会:第5次提言には、熱利用のほか、バイオマス発電所で発生する焼却灰処理の自治体の対応の共通化等を提言に加えたらどうかと思っている。


11月14日WG経過報告会

 アンケートへも多数の回答をいただきました。
 課題提起の上河氏や提案発表の各氏のプレゼン資料、講演・発表内容と質疑・意見交換の概要、アンケート結果など詳細をお知りになりたい方は、事務局へメールでお尋ねください。会員様には詳細レポートをお送りします。


 今回、バイオマスWGからの次の提言(第5次)に向けて、再エネ・バイオマスに関しての問題抽出が、ある程度できたと思います。今後のWG運営委員会等で課題を整理して提言作りを進め、バイオマスWGへご参加の皆様にお尋ねしながら提言の取りまとめを行っていきたいと考えます。
 講師並びにご出席の皆さま、誠にありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 23:59 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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