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6月27日「FIT法改正の目的と内容」勉強会の報告[2016年07月01日(Fri)]
 NPO法人農都会議 バイオマスWGは、6月27日(月)夕、「FIT法改正の目的と改正内容について 〜再生可能エネルギー産業に与える影響」勉強会を開催しました。
 →イベント案内

6月27日WG勉強会

 今回の勉強会は、再生可能エネルギーの最大限導入と国民負担の抑制の両立を図り、固定価格買取制度の見直し等を行うとされたFIT法改正について学ぶため、改正案作りの担当者をお招きして開催されました。
 会場の港区神明いきいきプラザに約80名の参加者が集まり、講演と質疑応答、意見交換が行われました。
 第1部は、資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー対策課 課長補佐(総括)の呉村益生(くれむらますお)氏により、「再生可能エネルギーの導入促進に係る制度改革について」のテーマで、講演が行われました。

6月27日WG勉強会

 呉村氏は、FIT法改正の背景、認定制度の見直し、新認定制度移行に伴う経過措置、買取価格の決定方式の見直し、送配電買取への移行、電力系統関係などについて、資料を元に丁寧にお話しされました。

 →呉村益生氏のプレゼン資料(PDF)

 呉村氏の講演の概要を記します。
(1) FITの見直しについて
・FIT法改正の法律が本年5月25日成立。原則、来年4月1日施行予定。
・見直しの目的、背景は、エネルギーミックスに基づく再生可能エネルギーの最大限の導入促進と国民負担の抑制の両立、電力システム改革にあわせた再生の導入拡大の実現。
・見直しのポイントは、未稼働案件対策・新認定制度(2017年3月で一旦リセットする)、事業実施確保の為の仕組みの導入、コスト効率的な導入、リードタイムの長い電源の導入拡大、電力システム改革を活かした導入拡大。
・過去の再エネ導入拡大施策の変遷は、1997年〜補助金による支援(「新エネ法」制定)、2003年〜2012年RPS制度(※今後、RPS制度は5年間FITと併存しながら段階的に義務量をゼロに)、2009年〜太陽光(500kW未満)余剰電力買取制度(10年間)、2012年7月〜FIT開始。
・FIT価格は、太陽光(10kW以上)40円/kWh(平成24年度)が24円/kWh(平成28年度)へ。太陽光のみ4割低減。平成29年度以降は大規模太陽光に限定して入札制度を実施予定。その他は複数年分一括決定(なお、風力及び住宅用太陽光はコスト低減のスケジュールを示す)。
・認定状況(2016年1月末時点)は、
 −太陽光:認定 80GW(全体の90%)、導入: 27GW(世界第2位)。太陽光は引き続き導入を進めるもよりコスト効率的な導入が必要。
 −バイオマス:認定 289万kW(全体の3.4%)、導入:48.9万kW(全体の1.8%)。

(2) エネルギーミックスと電力コスト
・電力コストは、2013年9.7兆円から、2030年9.1〜9.4兆円(内FIT 3.7〜4兆円)に引き下げる。
・エネルギー自給率は、原発稼働停止により14%から6%に低下。
・国産エネルギーとしての再エネは、今日FITというブースターにより拡大したが、将来的には再エネ電源の自立化が重要。FITや補助金ありきでしか運営できない再生可能エネルギーは意味がなく、自立したマーケットの創設が急務である。
・再エネはCO2対策や雇用面での効用ももちろん重要。
・FIT賦課金のコスト論として、
 −2016年度は、買取費用2.3兆円―回避可能費用0.5兆円=賦課金1.8兆円。
 −賦課金単価が2.25円/kWhとなり、国民負担を低減すべきとの意見が多い。
 −2030年エネルギーミックスにおける買取費用を3.7〜4兆円と想定。再エネの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るべく、コスト効率的導入拡大が必要。又、中長期的には再投資をして自立化を図る必要がある。

(3) 認定制度の見直し
・太陽光未稼働案件として、
 −平成24〜25年度認定案件のうち34万件が未稼働だが、係る太陽光発電の認定未稼働者には今年度末までに接続契約がとれない場合は認定が失効。
 −来年4月から新たな認定制度を創設して、@事業内容の適切性、A事業実施の確実性、B設備の適切性の基準を定める。
 −既FIT認定取得済案件で来年4月1日までに接続契約に至らない案件は原則、認定失効。但し、例外として、認定から接続迄は9カ月の猶予期間を設ける。
・太陽光の運転開始規制では、本年8月1日以降接続契約を締結する太陽光発電案件を対象に、大型で3年、小型で1年の運転開始期限を設ける。運開遅延の場合には買取価格を毎年一定割合(例:年5%)下落させるか、買取期間を短縮させる。具体的には、秋の調達価格等算定委員会で議論。
・地域との共生では、関係法令遵守を担保する仕組み作り。認定時チェックシートを作成して管理。来年4月1日から認定情報を広く公表する。
・出力抑制では、今後出力抑制の公平性確保に関するルールを整備する。
・みなし認定案件では、新認定制度では事業計画認定となることから、みなし認定で新制度に移行した案件については、接続契約から6カ月以内に事業計画を提出する必要がある。

(4) 価格決定方式の見直し
・24円/kWh迄下がった太陽光の発電コストは未だ主要国と比較して約2倍と非常に高い水準。従い、今後中長期的な価格引き下げに向けた検討が必要であり、大規模太陽光については入札制度を実施する。
・リードタイムの長い電源 (風力、地熱、水力、バイオマス)は、数年先の認定案件の買取価格を予め決定することで事業の予見性を高める。

(5) 送配電事業者買取への移行
・送配電事業者が調達したFIT電源は、原則として、卸電力取引市場(JPX)を経由して小売に引き渡すこととする。但し、FIT発電事業者と小売り電気事業者の間で個別の契約が締結されており電源を特定した供給が必要となる場合には相対供給が可能となる。

(6) 追加論点(講演資料の説明後にバイオマスの追加論点として以下につき言及された。)
・未利用材の確保の問題は、需給が逼迫しており、今後林野庁と連携の上で本当に供給可能なのか、需給の管理は厳格に見る。
・マテリアル利用との競合は、カスケード利用の推進を促す。
・将来的な自立化は、長期的には日本の未利用材の生産コスト低減等にかかる。
・PKS、バガス等農業残さ系輸入バイオマスの扱いをどうするかは、長期安定的に調達出来るかがポイント。また、国際価格との比較や将来的にはコストが低減していくのか。
・地域での小規模バイオマス発電と沿岸部の大規模バイオマス発電のコスト構造の違いの検討も必要。エネ庁としてはエネルギー政策の観点から、他省庁と連携も踏まえて、で中長期的なシナリオを検討していきたい。

6月27日WG勉強会

 第2部では、活発に意見交換が行われました。モデレーターは、NPO法人農都会議理事 バイオマスWG座長の澤一誠氏でした。

 質疑と意見交換の概要を記します。(○印:質問・意見、・印:回答)
○エネルギー政策の第一課題は自給率の確保だと何回も言われたが、エネルギー基本計画(注)では、Safety(安全性)が基本前提とされている。脱原発・再エネ導入が第一ではないか?
・エネルギー政策上は、3E+Sはどれも重要で、どちらが欠けてもバランスが重要。
(注)エネルギー政策の要諦は、安全性(Safety)を前提とした上で、エネルギーの安定供給(Energy Security)を第一とし、経済効率性の向上(Economic Efficiency)による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に、環境への適合(Environment)を図るため、最大限の取組を行うことである。
○再エネ導入に伴う電力コスト・国民負担論もありますが、エネルギーミックスでは、2〜5%削減を前提としているが、コストは少々高くとも再エネの方がいい、という国民もいる。先日の勉強会では、コストだけでなく再エネ導入によるベネフィット(設備投資、新産業発展、地域活性化など)も考慮し、総合的に評価すべきとのお話もあった。以上の点につき、FIT法改正ではどう考えられているのか? 今後、どうされるか?
・ミックスは量とコストとのバランス。最後は国民の選択だが、賦課金が上がっていくことによる懸念が多いのも事実。また、最後はコストが低減し、再エネが自立化していくことこそが一番重要。
・地域によるベネフィットもあるが、当然賦課金負担全体で支えられているので、電気料金の上昇という形で、日本経済にはマクロのマイナス効果もある。ミクロのプラスとマクロのマイナスと両者をみていく必要あり。
○優先給電については、今回の法改正との関係で変更はあるか?
・今回との法改正との関係では特段変更はない。
○省エネはどう見込んでいるのか?
・エネルギーミックスでは、13%の省エネを見込んでいる。(361百万kl→326百万kl)。省エネ補助金と省エネ法というツールを使いながら省エネもしっかりすすめていくべき。
○コジェネ、熱供給事業の普及を図るべきだ。
・熱利用、熱供給については、別途、補助金等で支援している。FITとうまく組み合わせていくことが考えられる。

 ここで司会から、1年中通して熱需要があるか? 世界では電気が75%、熱利用が25%となっていると話がありました。

○FIT改正に関して、設備認定から事業認定に変わった。接続契約について事業認定前にも可能ということだが、逆に事前に接続義務が課されるということか?
・事業の実施可能性の観点から、接続契約ができていないと事業認定が受けられないことになった。
○買取義務者が、小売りから発送電業者になったが、送配電買取における小売電気事業者への引渡し方法について、確認したい。
○入札制度について、誰が入札するのか? 参加資格はどうか?
・国が入札の主体でとなる。発電事業者は地域での入札でなく、全国大の入札に参加する。
○接続契約の経過措置はどうか?
・未稼働の事業者は、来年3月31日までに契約を締結してもらう必要がある。接続契約の締結が無い場合は、当該認定が失効する。例外は、7月以降の認定を取得する場合は9ヶ月間の猶予があるということと、入札の募集プロセスに入っている場合はその間とプロセス終了後6ヶ月間が猶予期間となる。
○ペレットについては、一部輸入材で行くこととなろうが、森林認証はどうか?
・FIT法上、現行求められている認証が引き続き求められる。
○焼却炉の発電についてはどうか?
・ゴミ由来のバイオマスも重要。廃掃法がひとつのポイントとなるが、環境省ともしっかり連携していく。
・今後も再エネ導入を最大限進めていく。それにはコストとのバランスも考える必要がある。長期的には、コストが低下し、再エネ事業が自立化してくことが重要。

6月27日WG勉強会

 法案作成の担当者から直接お話を聞き、意見交換できる貴重な機会でした。おかげさまで多数の参加者があり盛会となりました。アンケートへも多数の回答をいただきました。
 講師並びにご参加の皆さま、誠にありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 07:30 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
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