CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« バイオマス発電事業化促進のための第4次提言 | Main | 2月29日「低炭素社会づくりへの道筋」勉強会の報告 »
2月15日「ごみ発電・ごみ資源化」勉強会の報告[2016年02月18日(Thu)]
 農都地域部会バイオマス発電事業化促進WGは、2月15日(月)夕、「ごみ発電・ごみ資源化を考える 〜地域のバイオマス活用で新産業の創出を!」勉強会を開催しました。
 →イベント案内

2月15日WG勉強会

 今回は、ごみ発電についての基本を学び、併せて、自治体と市民による地域協働の複合バイオマス発電PFI事業の提案事例や、償却しないごみ資源化について説明していただきます。身のまわりに溢れるごみを地域エネルギーとして活用する積極的方法を、一緒に考える内容でした。
 会場の港区神明いきいきプラザに約60名の参加者が集まり、講演と質疑応答、意見交換が行われました。

2月15日WG勉強会

 第1部は、一般財団法人日本環境衛生センター 総局 企画・再生可能エネルギー事業部 部長の伊藤恵治氏により、「今後のごみ発電のあり方を考える ―研究会第1期最終報告」のテーマで、講演と質疑が行われました。
 伊藤氏は、今後のごみ発電のあり方研究会の紹介に続いて、ごみ発電の現状と課題、電気事業法改正のごみ発電への影響、ごみ発電ネットワークのメリットと課題、個々の施設での送電端電力管理の課題、個々の施設の発電電力と地産地消、ネットワークによる発電電力と地産地消などを説明され、最後に、まとめのお話をされました。

 →伊藤恵治氏のプレゼン資料(PDF)

 伊藤氏の講演要旨です。
(1) 従来、ごみ処理・一般廃棄物処理は、衛生的に処理することが中心で、電気としての有効利用と言ったことは考えていなかったが、環境省も、目下ごみ発電の高効率化を推進している。
 当センターでは、平成25年10月に、「今後のごみ発電のあり方研究会」を設置し、2ヶ年度にわたる検討を重ね、報告を取りまとめた。
(2) 研究会報告の概要
・主に、以下の3点について、検証・検討を行った。
 −個々の施設における送電端電力管理
 −ごみ発電のネットワーク化による供給電力の平準化、安定化
 −需要側とのネットワークを構築することによる電力の地産地消の可能性
・現在、一般廃棄物処理施設は1,200施設、うち発電を行っているのは320施設。地区内処理が原則のため、小規模な炉であり発電できないものが多い。
・平成25年の総発電量は7,966GWh、発電効率は12.03%。発電効率21%が目標。
・点検・補修等による稼動停止や付帯施設への供給、ゴミ量の変動等による送電端電力が不安定の問題がある。RPS、FITを活用した売電が普及している。
・平成28年の改正電事法による小売り全面自由化と同時に、電力事業の事業類型が見直され、ゴミ発電設備保有者が発電事業者となった場合には、これまでの出たなりの供給から、計画した発電量を供給する責任(計画値同時同量)を負うことになる。
・ごみ発電のネットワーク化、すなわち複数施設のごみ発電電力を集約する仮想の大規模発電所を構築し、電力を安定供給する仕組みの構築が有効である。地産地消、電力供給の平準化・安定化、事業採算性面で効果が期待できる。
(3) 地域低炭素化を進める取組は、今後、ますます重要になる。ネットワーク形成に向けた行政間連携、運営管理体制の確立、事業採算性の確保等が課題である。

 質疑応答の概要です。 (○印:質問、・印:伊藤恵治氏の回答)
○1,200施設への展開のロードマップはあるか?
・ない。
○現在の320施設、事業主体である市において、ごみ発電の事業採算性・経営状況(区分経理)は如何か? FITは利用しているのか?
・事業は自治体予算で実施されており、採算性は明確でない。FIT適用は半分くらいで、一般廃棄物は17円の固定価格買取である。
○深水プール? ―処理? 福岡で下水処理?
・地域エネルギーセンター、下水汚泥より生ごみの方が発熱量多い。
○ネットワークは、公共施設で展開?
・学校等、ピークは同時に出る。ピークは昼、夜間は余るが、蓄電池の利用はまだ。

2月15日WG勉強会

 第2部は、講演・事例紹介と意見交換が行われました。まず、一般社団法人八王子協同エネルギー 共同代表の田中拓哉氏により、「地域資源の活用推進のための取り組み紹介」と題する講演が行われました。
 田中氏は、電力自由化の流れの中、市民出資の発電所の運営と普及の活動を進めてきたこと、化石燃料から再生可能エネルギーへパワーシフトが必要なこと、バイオマスの利用推進とごみ処理施設の有用性などのお話をされました。

 →田中拓哉氏のプレゼン資料(PDF)

 田中氏の講演要旨です。
・八王子協同エネルギーは。2012年、環境問題の学習会から始まり、2015年、一般社団法人化した。(協同組合も考えたが)市民発電所、バイオマス利用の推進(八王子は、森林が多い)、電力自由化への対応を事業の柱としている。
・市民発電所については、現在、太陽光発電所として、ユギムラ農場(八王子は牧場が多い)、NPO法人結の会、磯沼ミルクファームがある。
・市民出資による。合計で、出力60kW、出資金額1,700万円、出資人数137名となっている。小水力発電の調査研究も行っている。
・バイオマスの利用推進については、先進地域視察(ペレット製造工場、堆肥化施設、バイオガス(メタンガス)回収、生ごみのバイオマスプラント処理、里山の資源利用等)を行っている。
・また、再エネ導入支援として、3団体が連携し、市の補助金を受けてペレットの製造実験(1時間に5〜10s、採算より、デモンストレーション効果を狙う)を進めている。ペレット製造の最適化も検討。
・その他、ペレットストーブの普及に努めている。最大の課題は、燃料調達だが、八王子には牧場が多く、、牛が一杯いる。
・電力自由化となり、自分の価値で、電気を選択できる。再エネ供給を目指す電力会社、新電力も多数あり、「みんな電力」と連携したいと考えている。

2月15日WG勉強会

 次に、株式会社日本グリーンパワー 代表取締役社長の高谷明氏により、「あらゆるバイオマス関連事業の下支えとなる“エコシグマ”」のテーマで、講演が行われました。
 高谷氏は、日本グリーンパワー社の紹介に続いて、増加する産業廃棄物や都市ゴミの問題を解決する「エコシグマ」の特徴を説明し、着工中のビジネスモデルとして活性炭生成事業のお話をされました。

 →高谷明氏のプレゼン資料(PDF)
 →高谷明氏のプレゼン資料2(PDF)

 高谷氏の講演要旨です。
・“エコシグマの原型”は、現会長の飯高泰三氏、技術者の高瀬淨二氏による共同開発で、2004年に、北海道留萌市の留萌バイオマス処理センター(民間)で、世界初稼動した。
・2006年に、主たる事業者の判断で稼働停止し、肥料製造に事業転換した。飯高氏は、さらなる用途拡張、高効率化に向けて技術・研究開発を図った。リニューアルした“エコシグマ”を軸に、2011年、(株)日本グリーンパワーを設立、2015年、代表取締役に高谷氏が就任した。
・現在の社会・産業における課題として、増加する都市ごみ・廃棄物問題、水産加工場のウロ処理廃棄物問題、家畜排せつ物や食品廃棄物の処理問題、環境省推奨の燃焼方式による廃棄物処理の限界、バイオマス発電プラントにおけるタール問題、などがある。
・“エコシグマ”の特徴としては、下水汚泥・漁業残渣・生ごみ・稲わら・もみ殻・木くず・一般ごみなどの有機廃棄物を圧力釜で粉砕処理する、亜臨界装置により短時間で低分子化、高温・高圧で処理され最近は死滅、含水率70〜80%の汚泥もそのまま処理でき、処理後自然乾燥で、約72時間後には含水率を30%以下にできる、廃棄物中に含まれる有害物質・重金属類・臭気を分別できる、水蒸気爆砕の原理で、処理品は粉末状で、そのまま肥料や燃料資源にできる、などがある。また、燃焼方式でないため、CO2問題の解決策となる。
・目下、着工中のビジネスモデルとして、活性炭生成販売事業がある。福島県猪苗代湖のそばで展開しているが、主な使用先としては、浄水、排水処理、脱色・精製、空気浄化、脱臭、排ガス回収、ダイオキシン除去などがある。

2月15日WG勉強会

 意見交換の概要です。 (○印:フロアから、・印:講師から)
○ゴミを燃やすのではなく、「資源化」するのは、従来もそこそこやっていた。ドイツは、たい肥化がメインだった。ゴミ発電との組合わせはどうか。
・燃焼一本ではなく、地域に応じて実施していく。ドイツは、従来、「資源利用」だったが、最近、発電で燃やすようになった。
○技術的にはポンせんべいと同じだ。ペイするかどうかだ。
○エネルギー収支や経済性はどうか。
・東工大のデータがある。
○重金属類の捕捉方法は如何か。


 アンケートへ多数の参加者から回答をいただきました。
 第1部の伊藤氏の講演については、「ごみ発電・資源化の可能性を実例から感じたが、制度的なところなど課題も多いことが分った」、「すばらしい仕組であると思うが、中小企業が参画する機会は限りなくゼロに近いと思う。エネルギー産業のすそ野を拡大していくか仕組みに入れる入れる必要がある」、「広域連合で進めて行くことが重要」、「ネットワークの重要性は良く理解できたが、自治体主導でなく民間企業中心の展開が志向できるような事業化プロセスが必要と思う」、「ごみ処理は自区内処理が原則であること、市町村間の関係が重要であるが、現状はネットワークを構築できるような関係性があまりないことがごみ発電ネットワークを構築する上での課題であることを認識した」、「産廃、一廃、バイオマスを含め未利用エネルギーの燃焼発電、メタン化の合理的利用社会がやがて生まれてくるであろうと感じた」、「ヨーロッパでは広域処理が基本であるというところが何故なのか知りたい」などの感想・意見がありました。

 第2部の田中氏の講演については、「地域のさまざまな取組に期待できると感じた」、「草の根活動としてエネルギー産業の拡大に寄与してもらいたい」、「地産地消・地域活動づくりにはこうした活動の積み重ねが必要。問題は、市民の参加数が世の中を動かすだけ集まるかどうか」、「規模は別として複合的な再エネコンプレックス(電力、熱、燃料etc.)のプロトタイプを確立していただきたい」、「身近な範囲の活動で分かりやすい。持続可能な運営ができれば非常に良い取組みだと思う」、「地域に根づいた試みがすばらしい。過疎地にこそ、そのような形が望ましい」、「市民活動のあり方、市民参加型について参考にしたい」、「地域と密着した若者の取り組みに感心した。企業と地域の共生の在り方は多々あって良いのだろうが、それをやろうとする団体は大切な役割を荷っていると感じた」などの感想・意見がありました。

2月15日WG勉強会

 同じく、高谷氏の講演については、「エコシグマの技術は素晴らしいと思った。ただ亜臨界における各種有害重金属の挙動が分かっているのか疑問が残った(再合成等)。特に回収技術。蒸気に含まれている場合、環境面に対する考察が知りたい」、「技術的にもビジネスモデルとしても非常におもしろいと思った。今後に期待したい」、「燃やさない技術は素晴らしい」、「EPR(投入エネルギーとアウトプットエネルギーのバランス)が合わないのではないか? 又、ゴミを焼却しても化石燃料以外カーボンニュートラルな筈なので何故CO2削減になるのか?」、「今まで事業化されなかったことの課題は何なのでしょうか? 活性炭の販売ルートは確立されているのでしょうか?」、「水熱は大事な技術、バイオマスとどう組み合わせるか考えたい」、「プラントの大・小型についても知りたい、小型デモ機があれば実証してみたい」などの感想・意見がありました。

 意見交換については、「今回初めての参加で全て理解するまでは至ってなかったが、大変勉強になった。今後ビジネスを通して課題解決に参加できればと思いました」、「産業廃棄物と一般廃棄物の壁をなくすことが最大の課題と思う」、「ごみの資源化をもっと議論していきたい」、「ごみのみならず、下水、し尿を含めた処理方式が求められると思う」、「中小規模の処理効率UP、低コストが望まれる」、「社会的課題であり皆で取組むべき」などの回答がありました。

 今後やってほしい勉強会の希望等については、「ごみ資源化のビジネスモデルの紹介」、「メタン発酵の高効率化」、「メタン化について本格的に勉強すべきではないか。専門家、経験者の話を是非ともお聞きしたい」、「発電以外のバイオマスエネルギー利用(熱/燃料)」、「トレファクションの今後(現状を含め)」、「技術の組合せの事例を多く教えてください」などの提案・要望がありました。

2月15日WG勉強会

 今回も盛況な勉強会となりました。ごみ発電・ごみの資源化の課題と解決法、事業化の進展などについて、さまざまな事例を通して深く考えることができ、たいへん有意義な機会になったと思います。参加者それぞれが多様な視点でごみの問題を考え、解決策や事業化を検討されていることが分りました。
 講師の皆さま並びにご参加の皆さま、誠にありがとうございました。
Posted by NPO農都会議 at 06:45 | 勉強会 | この記事のURL | コメント(0)
この記事のURL
http://blog.canpan.info/bioenergy/archive/114
コメントする
コメント
検索
検索語句
 NPO農都会議ボタン農都会議ホームページ
  FacebookボタンNPO農都会議
  Facebookボタン農都サロン
トピックス
カテゴリ
最新記事
最新コメント
<< 2017年12月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
月別アーカイブ
リンク集
プロフィール

農都会議 バイオマスWG(ワーキンググループ)さんの画像
QRコード

http://blog.canpan.info/bioenergy/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/bioenergy/index2_0.xml