海を守る植樹教育事業(育苗)経過報告 湯前編 [2013年04月03日(Wed)]
2012/4〜 熊本県湯前町B&G海洋センター
〜海を守る植樹教育事業「育苗」経過報告〜 今回は、平成24年度より始まった『海を守る植樹教育事業』の紹介をさせていただきます。 熊本県湯前町では、町事業として記念植樹活動が盛んでしたので当事業を導入し海洋クラブ活動メニューの充実と子ども達の地域防災学習の一環として育苗を実施することとなりました。 事業の内容についてはすでに皆さんご存じかと思いますので、今回は担当がこの一年間でどのようなことをしてきたのか簡単に紹介させていただきます。 4月〜地域植生調査 植樹事業の導入にあたり、地域本来の樹木の選定が必要になります。これは「潜在自然植生」といわれ、地中にしっかりと根を張る深根性・直根性の樹種・より防災に適し地域に馴染みやすい樹木を活用するためです。 地域に根ざした「ふるさとの森」とそれらが発揮する防災能力を最大限に生かすためにも、まずは育苗種を決定することから始まります。 調査で実際に野に出てみると思った以上に外来の樹木や産業用の針葉樹が多く『常緑広葉樹』の少なさに驚きました。三方を山に囲まれた当町では森が身近な分スギ・ヒノキやクヌギなど里山として人が管理する樹木が多く、広葉樹は天然林の一部や神社境内など限られた場所でしか確認できませんでした 10月下旬〜 どんぐり拾い・植え付け ポットや移植ゴテ、培養土など事業に必要なものを揃えつつ準備を進めます。 実際に大粒のどんぐりが観られるのは、11月以降と駅伝シーズンが始まってからでしたので早めに児童とそのご家族を対象にどんぐり拾いと植え付けを実施。 どんぐりの数に不安がありましたし、より発芽率を上げるためにも時期をずらして担当でどんぐり回収に努めました。ポット用の稲ワラは小学生の稲刈り体験で出たものをいただきました 植え付け終了後は、土壌表面が乾かない程度に水やりを行いました ※植え付け方法などは、簡単に調べることができますのでこの場では割愛させていただきます。 どんぐり 3月中旬にようやく発芽。およそ5ヶ月ほど土の中で芽吹くのを待ちます! 上の画像三つは約2週間での成長・・驚くほどの早さで根が伸び、葉を出す準備をしています。 つばき つばきの実生は、海洋センター担当が11月末に実施。 どんぐりと比べ作業自体はシンプルですが、調べながらの実施で発芽するのか心配でした 湯前町では、下記の手順で種を管理しました 1.どんぐりと同じように1日程度水に漬け、種の選定を行います 2.市販の『水苔』に水を含ませ、ビニール袋へ一緒にいれ低温・暗所にて保管します。 (後日ビニール袋内の水分がなくなっているようでしたら、再度水苔に水を吸わせてください。) 3.2月中には、順次発芽します。 ※湯前町では観察しやすいようにペットボトルに小分けにしました。 4.少しずつビニールを外し、外気に慣れさせます。 ※5月初旬まで水苔で養生を行い。梅雨前にはポットへ移植する予定です。 以上で、簡単ですが「育苗」状況の紹介となります。 今後も湯前町では育苗に取組み町内植樹イベントで海洋クラブの苗として、樹木による防災学習と事業周知に努めていきます!! 特派員の感想●^^・) 「どんぐり」は写真用の一つを除き、まだ地中ですが発芽率は1〜2割といった所かと思います。(とある資料によると3割で成功らしいです)まだまだ、これからが発芽時期ですので気長に待ちたいと思います 「つばき」は水苔を用い、屋内で実生の実験を行ったおかげか、発芽率が8割を越え植え替えが思いやられるほどの勢いで成長しています 今後、より確実な発芽方法などが分かりましたらまた報告させていただきます。 記事:H23南九州ブロック特派員 熊本県湯前町B&G海洋センター 工藤 陽平 |