「どんぐりの蒔き付け」(3日目)
昨年8月7日に「植樹祭」“〜ふだいに木をうえる日〜”を開催した岩手県普代村では、その2ヵ月後の10月17日(水)、3日間に亘る「育苗活動」“どんぐり拾い”と“どんぐりの蒔き付け”が行われました。
たくさん写真を送っていただいたので、2回に分けて紹介しています。前回のブログでは2日間の“どんぐり拾い”の様子を掲載。今回は3日目の“どんぐりの蒔き付け”をご紹介しましょう。
参加した19人の児童は「植樹祭」や事前学習会、また東日本大震災の津波でも流されずに残った木の見学なども体験し、自然災害にも強い“森づくり”に関心の高い子どもたちばかりです。
2日間に亘って拾い集め、一晩水に浸したどんぐりは“ポリバケツ約2杯半”。3日目にみんなで蒔き付用のトレーに培養土を入れた後、どんぐりを丁寧に土の上に並べ蒔き付けを行い、その上にワラでマルチングをして、水をたっぷりかけました。
そして、最後にはどんぐりの発芽を祈って、『どんぐり早く芽を出せ踊り??』を踊りました。3日間の“どんぐり拾い”と“どんぐりの蒔き付け”の育苗活動は、みんな本当に楽しそうでした。
この育苗活動は、次年度以降も5年生に引き継がれ、水遣りや雑草取りなどの苗の世話をし、村内に植樹をする予定です。また、朝日新聞の協力により、関東周辺の小学校に採取したどんぐりの一部を送り、苗木の里親になってもらい、小学校同士の相互交流を行う計画もあるそうです。
今回蒔き付けをした19人の児童は、“自分たちのどんぐり”という意識が強く、新5年生に引き継ぐことを残念がっていたそうですが、普代小学校の児童みんなでどんぐりを育てることで、きっとりっぱな苗に成長し、海を守り人の命を守る素晴らしい森が再生されることでしょう。
2日目にバケツ2杯半のどんぐりを水に浸しておきました
3日目。蒔き付け作業です。まずはみんなで、どんぐりを育てる培養土を準備します
培養土を”蒔き付け”用のトレーに入れ、どんぐりをひとつひとつ丁寧に並べます
みんなで力を合わせてトレーを落とさないように慎重に運びます
蒔きつけたどんぐりの上にワラでマルチングをします
みんな植樹祭で経験済みなのでワラの扱いには慣れたようです
最後にお水をたっぷりあげました
仕上げに、発芽を祈ってどんぐりを囲んで「早く芽を出せどんぐり踊り」を踊りました
わずかな量になってしまいましたが、5年生のみんなの手で作業して、みんなの思いが込められています
【参加者の感想】どんぐりを集めるのが楽しい
苗木になるのが楽しみ
最後まで自分達で育てて、自分達で植えたい
【B&G植樹リーダー 森田 陽さんの感想】植樹祭に参加した子どもたちの経験は一過性のものではなく、森づくりの意味をきちんと理解しており、予想した以上に関心が高いことに 驚かされた。植樹祭や今回の育苗活動を通じて、どんぐり以外の種子にも目を向け、登下校時や放課後に周囲を観察するようになった。また、どんぐりに愛着を持ち、育てることに興味をもつきっかけとなった。
プログラムを定着させ継続することで、“森づくりは特別なことではなく、やって当たり前のことだ”という意識を浸透させていきたい。
今後、他学年や中学校、子ども園、一般村民にも活動が広げられる基盤を整備していきたい。なお、学校行事や教育委員会事業の日程の都合で、どんぐり拾いの時期が遅くなってしまったので、今後考慮したい。