5/7 高取山〜大阪
朝。小雨。今回のツアーではじめて濡れながら走る。国道8号線を南下。雨はあがり、快調に進んでいく。
今日は最終日、14時に京都、18時に大阪入りを計画している。
このペースなら間にあうだろうと考えていた矢先、安土町に入ったあたりから再び雨が降り出す。自転車にとっては風よりも雨のほうが走りやすい。
ただし、体を冷やさないためにしっかりとした防水が必要だ。ガソリンスタンドの軒先で一同雨天用のフル装備に着替える(サムだけあまり変らないが)。よし、これで万全。レッツゴー。
雨も風流なもんですよ。広重が近江八景で雨の絵を描いていたよなあ。湖国には雨が似合うのよ、なんて余裕をかましていたが、どんどん雨脚は強くなる。
じわじわと雨水が服の中にしみこんでくる。これはやばい。体が冷えてきた。何かあったまるものが欲しい。
「ラーメン食べたい!」と一同。さんざん進んだあげくに大津で「餃子の王将」を発見。ドニー隊長はラーメン・チャーハン・ギョーザ・トリカラを注文。「ほんまによう食べはるなあ」(気分は京都人)
さて、昼食後、大津から京阪鉄道沿いの坂道をのぼる。山科を過ぎて、さらに長い坂道をのぼる。トンネルをこえると、京都の町中に一直線に向かう。14時すぎに烏丸丸太町のアクサ生命京都営業所に到着。総出の歓迎を受ける。
ドニーがスピーチ。
「僕たちはこどものとき、大人からたくさん支援を受けてきた。だから大人になった僕たちは、次の時代の子供のために力を尽くすべきなんだ」
いつもはひょうきんなドニーだが、こういうときは真剣な表情だ。
気づけば雨もやんでいる。さて再出発。東寺(とうじ)の横をすぎる。
「あれがフェイマス(有名な)テンプル(寺)で、塔は五階建てだよ」とサムに説明するが、サムは「寺はみんな同じに見えるね」だって。まあ、たしかにねえ。
国道1号線から一路、大阪にめざす。その距離約50キロ。宇治川を越えたあたりでドニーが雄たけびをあげて、猛スピードでかっとばしていく。
どうやら、ここのところの風や雨の鬱憤をはらすべく、思う存分走りたいようだった。
雲の切れ間から太陽が顔を出す。まさしく、「明」るく「晴」れていく、最高の天気となった。
いろいろあったが(実はケンカもあった)、最後は天も味方してくれたようだ。大阪市中に入る。あと一息だ。高層ビルの間から差し込む夕日が目にまぶしい。
1号線の終点梅田新道から御堂筋へ。川をこえ、ついに最終目標地の淀屋橋だ。
御堂筋の側道沿いに多くの人が集まり、手をふっている。自転車の5人を、待ち受けてくれているのだ。
5/7、17時59分。走行距離940km。8日間の旅がいま幕を閉じる。
ご支援ご協力いただきました方々にお礼申し上げます。ありがとうございました。
(レポート:ダンゴロー)