あっとすくーるで活動している大学生にインタビュー!今回は第1弾の金井真希さんへのインタビューの後編です。前編は
こちら「自分で考えていいことなんだっていう経験をしてほしい」渡:逆に、子どもとの距離感ですごい悩むこととかある?距離感悩みすぎて、失敗したなって思うこととか。
金:特に受験生受け持ってる講師さんだと、宿題出す量も多少増えたりするじゃないですか。でも例えば、宿題やってこなかったりしたときに厳しいこと言えなくて。厳しいことを言わないといけないわけじゃないんですけど、「次はやってこなきゃ」って生徒が思ってくれる方に持っていけなくて。
そういうことを言ったらもしかしたら子どもから「ムカつく〜」って思われるかもしれないんですけど、後々力になってたのかなとは思います。
渡:なるほど。
金:自分の話をすると、高校時代にめっちゃ厳しい担任の先生に教わってたんですよ。本当に怖かったんですよ。自分はその人のおかげでここまで受験勉強頑張れたなって思うんです。
高校卒業して大学に入って、その先生がいなくなった瞬間に気がついたことがあって。当時の自分は、自分のために勉強してたっていうより、その先生が怖いから勉強してたなって。
だから子どもと関わるときは、進路とかも全部そうですけど、自分で考えるようにしてほしいなって。逆に、自分で考えていいことなんだっていう経験をしてほしいなって思ってます。
渡:確かにな〜。これさ、子どもの意思を尊重する、とか、子どもの主体性みたいな話になってくると思うんです。そこってやっぱ難しいじゃないですか。
特にうちが難しいなって思うのは塾って形で授業料をいただいてる。もちろん、通ってる子どもの多くは勉強がそんなに得意じゃなかったり、いろんなモヤモヤ抱えてる子たちが多いから、できるだけ俺たちもそこの悩みに寄り添いたいと思うのよ。そこがクリアにならないと、勉強やろうなんて意欲は湧き上がってこないからさ。
でも、それで成績が上がらなかったらさ、例えば塾辞めさせられちゃうじゃん子どもたちは。自分も現場に入ってるときその葛藤って抱えてたんだけど、金井さんはどう?
金:そこは渡さんはどう考えてるんですか?(笑)
渡:あれ、インタビュアー交代?(笑)じゃあちょっとだけしゃべろうかな。
色々やって思ったのは、保護者さんを味方につけるっていうのがすごく大事だと思ってる。保護者さんとも、子どもと同じくらいコミュニケーションを取らないといけないなって。
この間いろんな保護者さんと話してきて思うのは、保護者さんはまず心配なんよね。ものすごい心配なんだけど、例えばひとり親家庭だと仕事が忙しくて、なかなか子どものことを知ろうと思っても話す時間なかったりする。そうなったら、結果でしか子どものことわかんないんだよね。テストの結果だったり、通知表とか結果でしかわかんない。その中で判断をしないといけないっていう。
結果ももちろん大事なんだけど、結果以外の判断基準を俺たちも与えられてない。結果はこうだったんですけど、今回はこんな風に頑張ったんですよって話ができたり、テスト前に勉強できなかった理由に実はこういう悩みがあるって本人から出てきてたんです、みたいな話がもうちょっとできてれば、保護者さんも全然違うんじゃないかなって。
いや、ちゃうねん、俺へのインタビューじゃないから!(笑)ちょっと再び聞き手に戻りますけど、金井さんがうちに関わってきた中で「あ〜嬉しかったな」って思ったことって何ですか?
「先生と会うのをすごい楽しみにしてるんです」金:派遣で関わる子どもも塾で関わる子どももそうなんですけど、本人からとか、もしくはお母さんを通じて「先生と会うのをすごい楽しみにしてるんです」って言ってくれたりすることがあるんです。
勉強という面では良く分かんないんですけど、少しでも相手が自分を必要としてくれてるのかなとか思えた時っていうのは、やっぱり嬉しいですよね。
渡:いい話やなぁ。ちょっとまたしゃべってもいい?(笑)ここ塾じゃないですか。塾だから、もちろん成績を伸ばしたいって親なり子どもなりの思いがあってみんな来てると思うんです。
でも今金井さんが言ってくれたように、成績じゃないところに喜びを感じてくれてる親御さんとか子どもって結構いるのよ。ここから質問なんですけど、金井さんから見て、何が子どもたちから求められてると思いますか?
金:ん〜、個人的な意見ですけど、自分の味方であってくれることかなって。そこの信頼を裏切られたくないというか。
例えば、これは自分が親に対して思ってることなんですけど、自分の人生ってわかってるんだけど、ある意味親って絶対的存在っていうか。自分の決めたことに対してあーだこーだ言われることを、「自分の人生だから自分の好きにする。何言われても知ったこっちゃない。」って割り切れないからムカついたりイライラするわけで。
でもだからこそどんなことがあっても応援してほしいって親に思ってるんです、自分は。
渡:親は影響力あるよね、確かに。極端な話、親に「大学に行くな」って言われたら「大学行きたい」って言いづらくなるもんね。もしかしたら、行きたくても諦めないといけないかもしれないし。
金:そうなんです。私は、年齢が近いからこそできる役割があると思うし、年齢が近いからこそ築ける関係っていうのがあると思うんです。その役割とか関係っていうのが、味方であることかなと。
渡:ほんまにええこと言うなぁ。本当手前味噌だけど、うちの学生すごいわ(笑)
さらに質問なんですが、大学生に俺が直接研修をすると、だいたい感想に書かれることがあるんです。それが何かって言うと。「自分はひとり親家庭じゃないので、そこまで子どもたちのことを理解できるのか不安になりました」とか「自分が関わっていいのか不安になりました」っていう内容なんです。学生に不安を与える最悪な研修をやるっていう悪魔みたいな代表なんですけど(笑)。
別にひとり親家庭の子どもだけがうちの事業を利用しているわけではないけれども、団体としてはそういう家庭の子どもたちを中心に支えていきたいっていう思いがあって。創業メンバーというか、中心メンバーの俺とか、竹田とか、小倉が当事者ってなった時に、「自分ひとり親家庭じゃないけど大丈夫かな?」って思ったこと、一度もないですか?
か:子どもと関わっていて「この子、ひとり親家庭の子なんだよな〜」ってあんまり思ったことないんですよね。でも、例えば講師と子どもでひとり親家庭の悩みみたいな話をしていたら、その中に自分が入っても何も話せないよなぁっていうのはあります。でも、そこまで気にしたことないです(笑)
渡:よかった。これはいろんな大学生が勇気湧くわ(笑)以前千里中央で保護者向けのセミナーやったときにさ、金井さんに来てもらって自分の生い立ちとか、どんな家庭で育ったかっていうことをしゃべってもらったじゃないですか。細かいところはわかんないけど、話を聞く限り良いご家族で育たれたなって思ったんです。
そんな金井さんがうちで子どもたちと関わってて、「マジで!?そんなことあんの?」みたいなことってある?今まで自分が生きてきた世界の中ではありえないことが目の前で起きてるみたいな。
「日常を一緒に経験する、っていいかもしれないですね」金:あ〜、あります。自分が感じたことのない経験めちゃくちゃしてるなって。
渡:例えば?
金:お母さんが「うるさい!」って子どもに言ってくるとか。あと、自分は家に帰ってお母さんがいないってことを経験した事がない家なんで。自分が見てる子どもたちにとってのお母さんと、自分が想定しているお母さんっていうのが違うのかなと。
渡:全然違う子ども達に関わっていくってことに対する戸惑いってあるよね。逆に、だからこそやりがいあるなって思う部分もあると思うけど。特に、将来教師を志しているのであれば、自分の経験ではわからないからこそ今こうやって子どもたちと関わる中で学んでいこうみたいなね。
金:最初に研修受けるじゃないですか。その時の理解として、自分がお母さんとかにしてきてもらったことに近い存在になる事が結構コンセプトっていうのがあったと思うんです。
渡:あ〜それあれだね。特別なことが必要なんじゃなくて、みんなにとって当たり前のことが当たり前じゃない子がいるんですって話だよね。自分にとっての当たり前が、どうやったらこの子に作れるんだろうみたいなのはちょっと一回考えてみてほしいなっていうのは確かに言うね。
あれでしょ、金井さんの家庭だとご飯は家族みんなで食べるのが当たり前だったりするでしょ?
金:そうですね。
渡:それが当たり前じゃない子どももいる。とはいえ、みんながみんなそれを求めてるかと言えばそうじゃないから一概には言えないけど。でも、やってみることって大事だと思う。自分にとっての当たり前が、この子たちにとっても当たり前になれたとしたら、どう変わるんだろうって思いながらやってみる。正直、やってみないとわからないからさ。
そういう「当たり前を作っていく」って中で、「実は私こういうことやってみたいんですよ」っていうの何かないですか?単に勉強教えて関わること以外に、実はこういうことやりたいんですみたいな。
金:旅行でもご飯食べるとかでもいいんですけど、日常を一緒に経験するっていいかもしれないですね。
渡:おお!いいねぇ!!旅行行きます?じゃあ金井さん、幹事やってくれます?(笑)
金:いいですよ(笑)
渡:完全に記録残りますからね、これ(笑)言い逃れできないですよ〜(笑)
金:責任を持ってやります(笑)
(責任を持ってやってくれるという大学生の発言にテンションが上がる渡)
渡:他の講師とかぜひ巻き込んでやってほしい!でも、日常を一緒に過ごすって大事だよね。あっとすくーると子ども・保護者との接点は塾っていう場所だし、勉強とか進路っていう困りごとが一番最初の接点になると思うんです。でも、自分たちはただ勉強教えたいだけの塾ではないし、成績をひたすら伸ばしていい高校・大学に行かせようって塾でもない。
勉強とか進路っていうキーワード出すのは、保護者や子どもにわかりやすいし、繋がりやすいから。そこでつながれた子どもたちの日常を良いものにしていきたいし、そこまでやれるようになりたい。日常に入るやりかたは色々あるけど、まずはあれですね、今年子どもたちの卒業式にいかないといけないですね。帰省しちゃダメですよ(笑)
金:なるほど(笑)でもそういうところですよね〜。
渡:うちの理事の竹田は卒業式マニアですよ。卒業式、運動会、文化祭マニア。俺らも毎年行くけどね、子どもらの学校行事系は。今年は金井さんも一緒にぜひ!というわけで、長くなりましたがそろそろインタビュー締めたいなと。最後に、これを読んでくれるであろう大学生にメッセージをお願いします!
金:生徒とか変わる中で色々悩んだりすることが多いです。でも、その経験を通じて、自分の当たり前が何かって気付けたり、逆に自分のことを知れたりもするっていうのもあると思うんです。あとは自分の中で大きかったのは、自分と同じ世代なのにこんなにしっかりしてる大学生がいるっていう。自分はそういう出会いが嬉しくなるというか。やっぱり人と関わらないとわからないこともあるので、そういう意味ではここでの活動はいいと思います。
私もそうなんですけど、学校の先生になりたい人はオススメです。絶対やった方がいいと思います。やらないと終わるって言っても過言ではないと思います(笑)
渡:そこまで言ってくれるか!ありがとう!長い時間、インタビューにご協力いただきありがとうございました!
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いかがでしたでしょうか?
このインタビュー記事を読んで「あっとすくーるで活動してみたい!」と思った方は
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