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日比野さんとのトークイベントが開催されました [2010年11月27日(Sat)]
ものブログでもお知らせしていた
日比野克彦さんの個展でのトークイベントが、今日、開催されました。
40〜50人くらいの方が参加してくれました。

2時間強にわたり、日比野さんと水中考古学のこと、水中遺跡のこと、ARIUAのこと、
を語りあってきました。
(私がかなりしゃべりまっくてしまいましたが)

実際の状況を知ってもらいたいと思っていましたので、
ARIUAが関係した調査を主とした写真等をたくさん見てもらいました。

最後の質疑応答でも、複数の質問をいただきました。

今日、参加された方には、
日本にも水中遺跡があること、研究の現状などを
少しは理解していただけたのではないかと思っています。

日比野さんも実際の映像をみて、興味をあらたにしていただけたようでした。

予定の2時間もあっという間で、最終的には終了時間を少しオーバーしていました。
(疲れは感じませんでしたが、のどが乾きました)

トークイベントのようすの一部は、チーム・ヒビノのtwitterで、
http://twitter.com/3331hibino
臨場感をもって紹介されています.

このようなイベントで、話しをさせていただいたことは、
多くの方に、水中考古学や水中遺跡、そしてARIUAのの活動を知ってもらう良い機会にもなります。

このような機会をつくっていただいたことにたいして、
日比野さんをはじめ、スタッフの方々にはお礼申し上げます。
ありがとうございました。


2時間にわたり、熱心に聞いていただいた参加者の皆さまにも感謝いたします.
Posted by T.Hayashibara at 22:06 | イベント | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
日比野克彦個展で水中考古学のトークイベントが開催されます [2010年11月27日(Sat)]
ここはご案内枠です。日々のブログはこの下からです。

10月30日〜12月13日までの会期で東京で開催する
日比野克彦個展「ひとはなぜ絵を描くのか」
で、水中考古学をテーマとしたトークイベントが開かれます。


このトークイベントに、
ARIUA理事の林原利明が出演します。
日比野さんと2時間にわたり、
「海底を探査せよ」というテーマで、語り合います。


多くの方に水中考古学・水中文化遺産を知ってもらう良い機会ですので、
ご都合のつく方は、ぜひご参加ください。

イベントの詳細は、以下のとおりです。

日 時: 11月27日(土) 14:00〜16:00
会 場: 3331 Arts Chiyoda(アーツ千代田3331)
      千代田区外神田6-11-14   http://www.3331.jp
参加費: 1000円(展覧会チケット込み)
定 員: 100名
申し込み方法: 事前申し込み(先着順)

※他の関連イベントも企画されています。
※個展や関連イベントおよび申し込み方法等については、個展ホームページをご覧ください。
   http://hibino.3331.jp/index.html

Posted by T.Hayashibara at 01:05 | イベント | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
鎌倉の海岸で調査をおこないました [2010年11月24日(Wed)]
昨日(23日)に、鎌倉の海岸を踏査しました。

鎌倉市域の海岸は、相模湾に面する湘南海岸(砂浜)の東端部に位置しており,
一部途切れるものの約6kmにわたり,砂浜海岸が続いています

昨日の踏査は、市域東端の材木座海岸〜由比ヶ浜〜稲村ケ崎〜七里ヶ浜までの約4.6kmを対象としました。
調査は、海岸での遺物(土器類・陶磁器類など)や遺構(港などの海事関係のもの)の有無を確認するためのものでしたので、とにかく歩きました。

材木座海岸の沖には、国指定史跡、鎌倉時代の築港・和賀江島があります。
昨日は、一部が顔をだしていただけで、大半は海中に没していました。

              昨日の国史跡・和賀江島.

遺物としては、土師器・陶磁器類がみられました。すべて破片です
これらは、古代・中世・近世・近代・現代というように、多期にわたるものでした。
また、割れ口は角がとれて丸くなっているものが多くみられました。

          海岸でみられる土器・陶磁器類の破片

分布には、場所による密度の差がありました
とくに多かったのは、材木座海岸でした。背後には鎌倉の市街地があり、市街地を流れる滑川(なめめりがわ)が流れています。

             由比ヶ浜から見た材木座海岸

反対に、七里ヶ浜では分布状況はきわめて少ない状況でした
ちなみに、七里ヶ浜の背後には急峻な丘陵が迫っています。

            稲村ケ崎から見た七里ヶ浜

このように地形との兼ねあいも考慮して、今回、確認した遺物をみてみると、
時期が多期にわたること、遺物の摩耗が著しいこと、
背後に大きな川が流れる市街地が広がる材木座海岸に多くみられたことなどから、
これらの遺物の由来は、沈没船や積荷などの海由来というよりは、
もともと陸上で使われ、壊れたりして捨てられたものが、
川を伝って、海に流され、そして海岸に打ち上げられた陸由来のものが多いと考えています。

このほか、稲村ケ崎の岩礁地帯では、一辺20cm、深さ15cmほどの四角いかたちの穴が2個対になるような状況で確認されました。
船を係留するための施設にともなうものでしょうか?
時代をしめすようなものが、ありませんでしたので、現状では詳しいことはわかりません。

          稲村ケ崎の岩礁地帯に残る2つの四角い穴
静岡県西伊豆町・黄金崎で潜水調査 その4 [2010年11月20日(Sat)]
黄金崎での調査を終えた翌日(14日)には、西伊豆に残る海事・水中文化遺産関連の史跡等を巡りました

西伊豆町の仁科港の一角に、小さなビーチがあります。
このビーチは、『日本書紀』に第15代応神天皇に献上された巨船「枯野船」が建造されたという伝説が残されています。
侵食を受けた岩肌がビーチの三方を囲む様は、ドックを彷彿させなくもありません。

                「枯野公園」ビーチ

この伝説を受けて、現在は「枯野(からぬ)公園」となっています。
ちなみに,このビーチの地名は「鍛冶屋浜」で、
周辺には,今も造船所があります。

この「枯野船」ですが、
その模型が天城にある道の駅「天城越え」内の「森の情報館」に展示されています。

              復元された「枯野船」

1/5のスケール(長さ3m)の準構造船が復元されています。
準構造船とは,刳り船(丸木舟)をベースに外板を足したり、前後に継いだりした船で、弥生時代以降に日本の船の基本となるもです。

「枯野船」の詳細はわかっていませんので、
古墳時代の出土船体や舟形埴輪の情報をもとに復元されたものだそうです。

関東周辺では、準構造船は模型もふくめて、
あまり見ることができませんので、お近くにお出かけの際は、ぜひ、見てきてください。


静岡県西伊豆町・黄金崎で潜水調査 その3 [2010年11月17日(Wed)]
今日は、黄金崎公園ビーチ沖での調査のようすをご紹介します。

今回の調査は、状況確認の調査でしたので、発掘をともなうものではありません。
ですので、目視および記録をとることが、おもな作業でした。
作業では、午前と午後、各1本ずつの計2本の潜水をおこないました。

目視は、現状を目で見て確認する作業です。
水中を移動しながら、
情報提供のあった石材様のもの(以下、遺物と言います)が、どこに、どのような状況であるのか、
ほかに関連するものはないのか
、を確認しました。
この作業は,1本目のダイビングでおこないました。

次は、記録です。
1本目で見た情報にもとづいて、記録の取り方を検討し、
作業は、2本目のダイビングでおこないました。
作業内容は、位置の計測、遺物個々の詳細観察、計測および写真撮影です。

基準線からメジャーを使って遺物を計測し、
その計測値を水中ノートと同じ素材でできた方眼紙に書き入れ、実測図を作成します。
水深と時間も記録します。
その他の細かな観察記録は、水中ノートに記します。

      実測図作成のようす(方眼紙に鉛筆で書き入れています)



       計測のようす(メジャーで遺物の大きさを測っています)

写真撮影では,遺物の大きさがわかるように、
メジャーやピンポール(測量用の短いポール)を写し入れたりもします。

   ピンポールを写し入れた写真(白色・赤色のラインがそれぞれ5cmを示します)

これらの作業では、遺物を良く見る(観察する)ことが大切です。
良く見ることにより、遺物の微妙なかたちや人工物か、否かの判断(加工痕があるのか、ないのか)ができます。
このことは、考古学調査では基本中の基本です。

また、これらの作業は,すべて陸上の遺跡調査で用いられている方法です。
水中でも、陸上でも基本的な調査方法の違いはないのです。
また、使用する器材もすべて、陸上で使っているものをそのまま使います。
水中用に工夫をこらしたものもありますが。

このような方法で今回の調査はおこないました。


今日、『月刊ダイバー』の取材を受けました
水中考古学のこと、水中遺跡のこと、ARIUAのこと、などを話しました。
記事は、来年の1月販売号に掲載されるそうです。
静岡県西伊豆町・黄金崎で潜水調査 その2 [2010年11月15日(Mon)]
潜水調査をおこなった黄金崎公園ビーチは、
昨日も紹介しましたが、江戸時代以降磯丁場として土地利用されてきました。

その痕跡がビーチにも数多く残されています。
もっともわかりやす痕跡として、
矢穴(石を切り出す際に鉄の矢を打ち込んだ穴)が残る石(岩)を見ることができます。
素材として切り出そうと矢を打ち込んだにもかかわらず、
何らかの理由で、途中で切り出しをやめたものです。

このような丁場跡は、伊豆半島にはほかにも多く残っています。


         大きな石(岩)が多くみられる黄金崎公園ビーチ


           波打ち際に見られる「矢穴」が残る石(岩)

これらの石は、少し注意して見れば、すぐにみつけることができます。

干潮時にも海水に浸る場所にもあるので、海中にもあるものと思います。
今回の調査でも探したのですが、みつけることはできませんでした。

もし、見つけられた方がいましたら、ぜひ、お知らせください。
(その際、写真も撮ってください)


           海面から顔を出す「矢穴」が残る石(岩)

このように、黄金崎公園ビーチでは海岸、海中ともに、
いにしえの人びとの活動の痕跡を間近に見ることができますので、
少し視点を変えて、海岸を歩き、またダイビングをしてみるのもいかがでしょうか?
いつもとは違った海岸・海中の表情を見ることができるかもしれません。

そして、石材様のものや焼き物(陶磁器)の破片などをみつけましたら、
アジア水中考古学研究所までご一報ください。

現在、研究所がおこなってい「水中文化遺産データーベース」作成のための重要な情報ともなりますので。
静岡県西伊豆町・黄金崎で潜水調査をおこないました [2010年11月14日(Sun)]
昨日(13日)に、静岡県西伊豆町の黄金崎公園ビーチ沖で潜水調査をおこないました。

調査は、安良里ダイビングセンターのスタッフの方から提供いただいた
黄金崎公園ビーチ沖の海底に石材様のものが複数沈んでいるとの情報の確認のためにおこなったものです。

調査では、7本の石材様のものを確認することができました。
長さ40〜60cm,幅12〜16cm,厚さ6〜8cmの四角柱の形状のもので、
断面形は長方形と台形状のものがありました。
明瞭な加工痕(ノミで削った跡など)がみられた石材として加工されたものと断定できるものもありました。


            確認された石材様のもの(1)


            確認された石材様のもの(2)

これらが、石材とすれば何に用いられたものなのか、いつのものなのか、
については今回の調査では限定することはできていません。
(より詳細な観察と、関連資史料の分析が必要です)
ただし,背後の山やビーチが江戸時代に操業していた丁場(石垣用などの石材を切り出した場所.黄金崎のものはおもに駿府城用に用いられた)ですので、
これらとの関係も考慮する必要はありそうです。


          確認された石材様のもの(3)

調査をおこなった黄金崎公園ビーチはファンダイビングのポイントです。
ですので、ファンダイビングで今回の調査で確認した石材様のものをみることができます。
ぜひ、ご自分の目で確認してみてください。
ただし、ひっくり返したり、場所を移動させたりは、決してしないでください
残っている場所(位置)は、そのものを考えるうえで重要な情報ですので。


        確認された石材様のものと調査のようす

今回の調査では、安良里ダイビングセンターのスタッフの方々には、
大変にお世話になりました。
ありがとうございました。
相模湾岸での調査 [2010年11月11日(Thu)]
先週末は、東日本・太平洋沿岸域関連で、東海西部(静岡・愛知県)および相模湾岸(小田原・真鶴)の調査がおこなわれました。

今日は、このうち相模湾岸の調査の報告をします。
今回の調査では、磯丁場を主に巡りました。

丁場は、築城に使う石垣用の石を切り出した場所です。
相模湾岸の小田原・真鶴に残る丁場は、おもに江戸城築城にともなうものです。

小田原・真鶴の丁場跡は,山中や海岸で見ることができ、
海岸にある丁場は、磯丁場と呼ばれています。
丁場跡では、今でも採石途中で放棄されたままの石がそのまま残されています
それらの石には、石を切り出す際に鉄の矢を打ち込んだ穴(矢穴)も生々しく残っています。


        石橋の海岸でみられる矢穴が残る石

このうち,磯丁場跡は小田原から真鶴にかけての海岸線に多くあったようですが、
大正関東大地震や海岸線の道路敷設にともない、調査されることともなく、
失われてしまったものも少なくないようです。

今回の調査で踏査した小田原市・石橋の磯丁場は、
大正関東大地震の影響をあまり受けなかった地域にあり、
矢穴が残る石波打ち際に多く残っています。
中には、石材として切り出された石も見ることができます。


          波をかぶる矢穴が残る石


   石垣用に切り出された石材も見ることができます.積出の際に落としてしまったものであろうか?

また、海中で、石材をみたという情報もあるなど、
よくわかっていない相模湾岸の丁場の積出湊について重要な情報も得ることができました。


                 真鶴の丁場跡
オネイダ号?発見? [2010年11月10日(Wed)]
昨日、フジテレビのバラエティ番組のなかで沈没船捜索関係のコーナーがありました。
この番組については,事前に放送されることは聞いていました。

番組企画のなかで、偶然に明治初期に横須賀・観音崎沖の東京湾で沈没したアメリカ軍艦・オネイダ号がみつかった、と。
関連する遺物も一部引揚げたとも。

オネイダ号については、別に書きますので、
今日は番組の感想を書きます。

番組では、ソナー探査や潜水調査?のようすや
海底に残る沈没船の映像が映し出されていました。

地元の研究家やかつてオネイダ号の遺品の引揚げに携わった方などの証言から、
みつかった沈没船がオネイダ号である可能性が高いとのこと。

番組としては、今後も調査を継続すると言っていました

ただし,番組ではオネイダ号に積まれていたとされる
時価100億円ともいわれる財宝が話題の中心でした。

それにともなって、出演していた芸人のひとりが最後に言った
「何で,全部底引かないの?」
という一言に、この番組の趣旨が垣間見れました。
テレビのバラエティ番組ということを考えると、しかたがないことなのかもしれませんが。

これが多くの方が持つ、財宝伝説のある沈没船にたいするイメージなのでしょう。
ただし,沈没船全体が文化財であることは忘れてほしくないですね。

今後の調査?では、
かつておこなわれたように、財宝?を取り出すために船体を破壊するようなことはしないでほしいですね。
しかし,このような沈没船の調査(方法)を規制するような法律は日本にはありませんので、
沈没船全体を文化財としてみる調査の企画者および調査者の良心に期待するしかありません。

Posted by T.Hayashibara at 23:50 | 沈没船 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
APEC [2010年11月07日(Sun)]
APEC(アジア太平洋経済協力会議)が、今日から14日までの会期で、
横浜のみなとみらい地区を舞台に開催されます。


横浜の各駅には、警備のための警察官を大勢みるこができます。
ただし、制服の背中に書かれた文字をみると、
「岐阜県警察署」「長野県警察署」「秋田県警察署」などなど。
近隣他県からの応援の警察官だったのです。

朝、警察官が乗ったマイクロバス(窓に金網が貼られているものです)もたくさん見ました。
私の住まいの近くのビジネスホテルからは、朝、大勢の制服警官がぞろぞろと出てくる光景も見ました。

今日からは、横浜の警備はより強化されるのでしょう。
コスモワールドの観覧車は、会期中、営業中止、
近隣の施設も軒並み、混乱を避けるために営業を自粛するそうです。
大規模な交通規制も。

横浜は、この一週間、大変なことになりそうです。

この週末は、相模湾岸と東海西部(静岡県・愛知県)の調査(情報確認・聞き取り)をおこないます。
調査のようすは、このblogでお知らせします。