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犬山城 (01/22)
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メキシコ海軍帆船が横浜寄港 [2009年05月30日(Sat)]
今週の27日(水)に、メキシコ海軍の練習帆船「クアウテモック号」(1,800トン)が横浜に入港しました。
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryivmay0905724/

これは、横浜開港百五十周年を祝う「開国博Y150」の記念事業のひとつであるとともに、
日本・メキシコ友好四百周年に合わせたメキシコ側の記念事業でもあり、横浜港出港後は、東京・晴海、千葉・御宿の両港に寄港する予定だそうです。

今からちょうど400年前の1609(慶長14)年9月に、千葉県の御宿町沖に一隻のスペイン・ガレオン船(Galleon.外洋大型帆船)が座礁・沈没するという事件がありました。
この事件をきっかけとして、日本・スペイン・メキシコの修好がはじまるのですが、
記録に残された当時の江戸幕府およびスペイン間の交渉には
双方の政治的思惑が見え隠れして
、非常に興味深いものがあります。

結局は、江戸幕府の鎖国政策によってスペインとの関係は断絶してしまいますが。

このガレオン船は、当時のスペインの支配下にあったアジアのフィリピンと北アメリカのメキシコ間を行き来し、アジアの香辛料や中国・東南アジアの陶磁器や象牙・絹製品などをメキシコ経由でスペインに運んだ貿易船でした。日本の肥前磁器もメキシコに運ばれています。
この貿易はガレオン貿易と呼ばれ,16世紀半ばから19世紀初頭までの長期にわたり、
スペインに多大な利益をもたらました


1609年の沈没船には、任期を終え、メキシコへ戻る途中であったフィリピン臨時総督のドン・ロドリゴ・デ・ビベロ・イ・アベルサが乗っていたこともあり、江戸幕府も彼ら一行に興味をしめしたようで、厚遇しています。
そして、ロドリゴ一行は漂着から10ヶ月後の1610年8月に江戸幕府の用意した帆船で帰国しています。

ロドリゴは、この航海や漂着後のようすを記録に残しており、
和訳されたものとして、次の文献があります。
 村上直次郎(訳注) 1929『ドン・ロドリゴ日本見聞録 ビスカイノ金銀島探検報告』駿南社

なお、御宿町の漂着地区に「日西墨三国交通発祥記念之碑」が建てられており、
今年の9月には、御宿町で記念式典も予定されています。