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犬山城 (01/22)
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水中文化遺産調査は,お金がかかる? [2012年08月24日(Fri)]
水中文化遺産の調査は,お金がかかる
だから,
学問として発展がない,
調査ができない,
遺跡が保護されない,
国なり都道府県なりが,お金をもっとだすべきだ,
などと言われることがあります.

たしかに,水中での調査には,陸上の調査のそれよりも費用はかかります

船のチャーター,水中用器材の用意・メンテナンス,
調査で引揚げた遺物の処理,
そして,先日の江戸博での講演会で長崎県の高野さんも言われていたように,
陸上ではタダの空気を吸うのにもお金がかかるのですから.

また,生理学上ヒトは,空気ボンベを背負っても長時間水中にとどまることはできません.
水深にもよりますが,1回の潜水で作業できる時間は1時間ほどが限度です.
それを1日2回.
ひとりの一日の水中での作業時間は,せいぜい2時間ほどなので,
効率は悪く,費用もかかります.

ただし,このように調査にお金がかかることだけが,
問題なのでしょうか?


反対に,十分な費用があれば,それだけで学問としての発展や遺跡の保護はできるのでしょうか?

それは違います.
そんな単純なことではありません.


費用が確保できれば,調査はできます.
たとえばピンポイントで,沈没船の調査(水中調査)をすることはできるでしょう.
また,関連の箱物をつくることもできるかもしれません.
ただし,このピンポイントの調査や箱物建設が,学問の発展や遺跡保護に直結するのでしょうか?

これも違うでしょう.
これまでもピンポイントの調査はおこなわれていますが,
いずれも調査自体は多くの成果をあげることができましたが,
残念ながら,学問の発展や遺跡の保護としてその後に続くことはありませんでした

それはなぜなのか.
環境が整っていなかったのです

いくら費用があっても,それをうまく活用できる環境がなければ,目的は達成できないのです.
箱物も環境整備をふくめた中・長期的な目標をしっかりとたてなければ,うまくいかないでしょう.

現状はどうかというと,
残念ながらまだ環境は整っていません

そうしたら今,何をすべきなのか

このブログでもたびたび訴えているように,
これまでに蓄積した情報の整理,そして発信でしょう.
周知」と「理解」です.
どこに,どのようなものが,どのくらいあるのか,
を多くの方に「周知」もらい,そこから個々の事例を検証しながら「理解」をしてもらうことです.
基礎情報収集としてのデータベース作成のための調査もそのひとつです.

費用をかけるのなら,ピンポイント調査や箱物建設より,まずはこちらでしょうし,
水中調査にかけるほどの費用はかかりません.


アジア水中考古学研究所によるデータベースの作成や,
このブログでも紹介している
勉強会やセミナーの開催もその一環です.

日本の水中文化遺産やその研究を取り巻く環境は,まだその段階なのです.

ですので,皆さんも一度,勉強会やセミナーに参加してみてください,
そして「理解」をしてください.
それが,今の日本の水中文化遺産やその研究にはもっとも必要なことなのですから
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