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アジア水中考古学研究所では、随時会員を募集しております。
入会をご希望の方は、研究所のH.P.よりお問い合わせください。


《情報提供のお願い》
 水中文化遺産、特に沈没船や沈没した人工遺物は、底引き漁や潜水漁などの漁業、仕事や趣味でのダイビングなど、水中考古学とは違う活動中に偶然に発見された例が多いのです。
 もし、海から遺物が引き上げられたり、海底で遺物を発見したり、あるいは海岸に遺物が漂着したという情報がありましたら、当研究所までご一報ください。
「海のエジプト展」記念国際シンポジウム・2日目 [2009年07月03日(金)]
「海のエジプト展」記念国際シンポジウム
『海のシルクロード、東と西の出会い』の2日目
のようすです。

今日のテーマは、
「エジプト〜日本、海のシルクロード沿いの交易と貿易商」

イギリス、アメリカ、インド、シンガポール、フィリピン、日本の研究者8名の報告がありました。
海のシルクロードを東へ向かうという順で、発表があり、
最後が日本・野上副理事長の報告でした。

内容は、以下のとおりです。
(番号は,昨日からの続きです)

6.「海のシルクロードのルートと地域貿易商たち:2日目の導入として」
  ダミアン・ロビンソン(英:オックスフォード大学海洋考古学オックスフォード・センター)
7.「エジプト、オマーン、東方との海洋貿易」
  フレデリック・ヒーベルト(米:ナショナルジオグラフィック協会)
8.「インド洋の交易:海洋コミュニティーの形成」
  H.P.レイ(インド:ジャワハルラール・ネルー大学)
9.「ベンガル湾〜南シナ海の初期の海上交易」
  キム・キュング・キュウ(英:オックスフォード大学)
10.「東南アジアにおける交易の初期の時代:900〜1300年」
  ジェフリー・ウェイド(シンガポール:東南アジア研究所)
11.「インド洋の初期の交易をたどって」
  ニコール・ボイヴィン(英:オックスフォード大学)
12.「12世紀におけるフィリピンの海洋交易:他国との係わり」
  ウィルフレド・P.ロンキーヨ(フィリピン:フィリピン国立博物館)
13.「日本の沈没船と陶磁器の海上貿易」
  野上健紀(有田町歴史民俗資料館・アジア水中考古学研究所)

昨日とは異なり、各報告のあとには質疑応答があったために、
各報告の整理ができ、昨日のような忙しさはありあませんでした。

最後の質疑応答・討論では,
各発表者による活発な議論が展開されました

結構、白熱していました。

今日も会場は空席がかなり目立っていました。

欧米・アジアの研究者13名が一堂に会し、
海のシルクロード交易をテーマに報告・討論がなされたシンポジウムであったのに、
参加者が少なかったことは残念に感じました。

とくに,考古学関係者の参加がきわめて少なかったことは、
非常に残念でした。
Posted by T.Hayashibara at 23:41 | セミナー | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
「海のエジプト展」記念国際シンポジウム・1日目 [2009年07月02日(木)]
早稲田大学・大隈小講堂で開かれた「海のエジプト展」記念国際シンポジウム
『海のシルクロード、東と西の出会い』の1日目に参加してきました。

このシンポジウムは、
オックスフォード大学海洋考古学研究所主催の第4回シンポジウムです。
(今回は、早大エジプト学研究所との共催)

2日間にわたり、
海のシルクロードを通じた東西の交易の盛衰や交易品を東西に運んだ商人・海運業者・生産者・消費者について
欧米・アジアの14名の海洋史・考古学研究者による報告がなされます。

平日の開催ということもあり、会場は空席が目立ちましたが、
参加者は、皆,熱心に、各報告を聞いていました。

今日は、「エジプトと紅海の港湾や貿易港」をテーマとして
以下の5名の報告がありました。

1.「エジプトと地中海の交流史と港湾都市アレクサンドリアの誕生」
  近藤二郎(早大文学学術院教授)
2.「ヘレニズム・ローマ時代の水運ネットワークとエジプト地域の伝統と変貌」
  長谷川奏(早大エジプト学研究所)
3.「海底に沈んだカノープス地域の都市と港」
  フランク・ゴディオ(仏・欧州海洋考古学研究所)
4.「ヘラクレイオン-トーニスの沈没船:導入として」
  ダヴィッド・ファーブル(仏・欧州海洋考古学研究所)
5.「ベレニケ:紅海の港と古代の海のシルクロード」
  スティーブン・サイドボサム(米・デラウェア大学)

各報告ともに興味深いものでしたが、
質疑応答はなく、
報告が、次々となされましたので、
少々、忙しく感じました。

今日の報告をふくめた討論や質疑応答は、
明日になされるとのことです。
Posted by T.Hayashibara at 23:21 | セミナー | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
「像の鼻」ふたたび [2009年07月02日(木)]
このブログでもたびたび紹介してきた「象の鼻」へ久しぶりに行ってきました。

再整備が終了し、横浜港開港記念日の6月2日から「象の鼻パーク」として、
一般開放されています。

整備工事中とは打って変わって、周辺は公園としてきれいに整備されていました。



「象の鼻」は、「歴史的土木遺構の復元・活用」という基本計画のもとに、
明治20年代後半の形状に復元されたそうです。

訪れてみると、思っていた以上に大きいと感じました。
「象の鼻」という名称の元となった湾曲した形状も印象的でした。



また,整備工事中に発見された、
大正関東大地震(1923年)で、沈下したと考えられる構築に用いられた石材の一部が,
水中に残された状態で見ることができます




ほかにも多くの石材がみつかったとのことで、
それらの一部は、復元された石積みにも再利用されたとのことです。



なお、「象の鼻」の内側は、小型船桟橋が新設され、
小型旅客船の係留・発着の基地として使われるそうです。

「海のエジプト展」へ行っきました-2 [2009年06月29日(月)]
先週末に開幕した「海のエジプト展」へ行っきました.
先日,展示助言をした「海底調査ジオラマ」の確認も兼ねてです.

平日の夕方ということで,それほど混んではいませんでしたので,
比較的ゆっくりと,見学することがでいました.
(土・日はかなり混んだということでした)

「海底調査ジオラマ」は,こちらの助言を受け入れてもらった展示となっていました.
ジオラマの前で,多くの方が足を止めて見入る姿を見ることができました.
会場内の「バーチャル体験シアター」とともに,
「水中文化遺産のあり方」や「水中での調査の実際」を多くの方々に理解してもらえれば,
と思っています.

全体的な印象としては,やはり490点という展示品数は多いですね.
じっくり見学すると1〜2時間はかかるでしょうから,
見学するには,時間を十分にとっていったほうがいいでしょう.

また,会場は広く,しかもスペース的に余裕のある展示となっていますので,
見やすいと思います.
しかも,大型品の展示が多いので,混んでいても展示品は十分に見ることができます.

ただし,装飾品やコインといった小型品の展示ケースには人だかりができて,
少し見にくかったですが.

7月2〜4日には,先日,お知らせしたように,
関連シンポジウムが開催されます.
まだ,申し込みは受け付けているようですので,
2・3日は平日ですが,興味がある方は,連絡をしてみてください.
Posted by T.Hayashibara at 23:25 | 展覧会 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
「発掘された日本列島2009」がはじまりました [2009年06月26日(金)]
「発掘された日本列島2009」(主催・文化庁,協力・朝日新聞社)が、東京・両国の江戸東京博物館で、先週末(20日)からはじまりました
今年で,15回目のこの企画展は、国内でおこなわれている発掘調査の最新に成果を多くのひとに紹介するものです。

東京を皮切りに,来年の2月まで全国を巡回します。

今回は,一昨年,東日本で初めて銅鐸と銅戈がセットとなって出土した長野県中野市の柳沢遺跡出土の銅戈をはじめとする、旧石器時代から明治時代までの20遺跡から出土した約600点の遺物が展示されています。

今,開港150周年で賑わっている横浜からは、開港当時の外国人居留地の建物跡・道路・下水施設や多くの遺物が出土し、居留地の一端が具体的な状態で明らかとなった「山下居留地遺跡」の成果が紹介されています。

このほか,来年に平城遷都1300年を迎える「特別史跡平城宮跡第一次大極殿」の発掘調査成果や整備の経過を紹介する展示や各開催館が所在する地域の発掘調査資料による地域的特色を活かした地域展示もなされます。

東京の地域展示では、葛西城・八王子城など都内の戦国時代城館跡から発掘調査によって出土した貿易陶磁などが展示されています。

東京では、8月2日まで開催されます。
その後の巡回予定は、次のとおりです。

・大阪府近つ飛鳥博物館(大阪府河南町) 2009年8月13日〜9月2日
・高知県立歴史博物館(高知県南国市) 2009年10月3日〜11月9日
・さくら市ミュージアム−荒井寛方記念館−博物館(栃木県さくら市) 2009年11月20日〜12月27日
・安城市歴史博物館(愛知県安城市) 2010年1月16日〜2月28日

なお,東京会場の詳細は、江戸東京博物館のH.P.(http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/josetsu/dai2/2009/0620/0620.html)で確認できます。
Posted by T.Hayashibara at 00:28 | 展覧会 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
「海のエジプト展」へ行ってきました [2009年06月20日(土)]
来週末(6月27日)から「海のエジプト展」が始ります.

今日,会場へ行ってきました.
「水中調査状況のジオラマ」展示をおこなうというので,その展示指導に,です.

ジオラマの大枠は完成していましたので,
できるだけ,実際の調査状況が再現できるように,
細かな道具の使い方やその配置についての指示をしてきました.

全体からみれば小さな展示ですが,
水中での調査のようすが再現されていますので,
会場に行かれたら,ぜひ,見てください.
Posted by T.Hayashibara at 23:38 | 展覧会 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
「海のエジプト展」関連シンポジウム [2009年06月11日(木)]
6月27日から「海のエジプト展 〜海底からよみがえる、古代都市アレクサンドリアの至宝〜」が横浜で開催されます。

海底から引き揚げられた遺物のほかに、水中調査に関する展示もなされるようです。

また、この展覧会に関連したシンポジウムが、7月2・3・4日(木〜土)の3日にわたりおこなわれます
7月2・3日(木・金)が早稲田大学・大隈講堂4日(土)が横浜・パシフィコ横浜アネックスホールでと、2会場での開催だそうです。.

いずれも、事前申し込みが必要とのことです。
7月4日分のみ、昨日の朝日新聞で概要が告知されていましたが、7月2・3日分については、まだ正式発表はなされていないようです。
詳細については、近日中に「海のエジプト展」公式H.P.(http://www.asahi.com/egypt/)上で発表されるそうですので、内容についてはあらためてご確認ください。

3日間にわたる(しかも連続)「水中文化遺産」・「水中考古学」に関するシンポジウムは、
国内でははじめてではないでしょうか。

各回ともに、国内・欧米・アジアの研究者がパネラーとして招聘されるようです。
世界の水中文化遺産・水中考古学への取り組みに触れる良い機会ではないかと思います。

平日をふくみますが、お時間がとれる方は参加されてはいかがでしょうか。

なお、7月3・4日には,研究所の野上副理事長もパネラーとして出席します。
Posted by T.Hayashibara at 23:40 | イベント | この記事のURL | コメント(2) | トラックバック(1)
第2回 関東・東北会員連絡会が開催されました [2009年06月07日(日)]
昨日の6月6日(土)に、第2回関東東北会員連絡会が開催されました。
場所は、前回と同じく東京海洋大学越中島キャンパスです。

11名の参加がありました。

今回から水中文化遺産や水中考古学に関する
会員の日ごろの研究成果発表や研究所の調査報告を行うこととしました。
発表内容は、以下のとおりです

@「静岡県の海底遺跡」 柏木数馬(ARIUA会員)
A「国際的視座と地位的視座から学ぶ水中文化遺産管理」 木村淳(ARIUA会員)
B「鹿児島県坊津海底調査報告」 林原利明(ARIUA理事)

いずれの発表にも多くの質疑応答がなされ、
活発な意見交換ができました。

 今後は,連絡会をとおして,各会員には水中文化遺産や水中考古学にたいして,問題意識をもってもらい,連絡会をそれに関する意見交換ができる場にして行きたいと考えています。

今回,参加された皆さん、お疲れ様でした。
次回もよろしくお願いいたします。
海の文化遺産総合調査プロジェクト [2009年06月03日(水)]
海の文化遺産総合調査プロジェクト が公開されました。

目次

序章
 1 計画策定の趣旨
 2 計画の構成と期間

第1章 基本構想
 1 基本理念
 2 キーワード
 3 現状と課題
 4 基本目標
  @水中文化遺産の基本的情報の集約
  A水中文化遺産の情報集約システムの構築
  B水中文化遺産の情報公開
  C水中文化遺産の積極的活用
  D水中考古学の確立と普及

第2章 基本計画
 @水中文化遺産委員会の設立
 A水中文化遺産調査
 B情報の発信と公開

第3章 将来的ビジョン
 @人材育成プログラム
 A水中考古学研究センターの設立
 B海底遺跡ミュージアム構想の実現



成果物詳細ページへ(ファイルダウンロード)
Posted by T.Hayashibara at 23:19 | 成果物 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
草戸千軒町遺跡検出の井戸枠 [2009年06月01日(月)]
広島県福山市に草戸千軒町遺跡(くさどせんげんちょういせき)があります
以前、このブログでも紹介をしました。




草戸千軒町遺跡は、鎌倉時代から室町時代にかけて瀬戸内海に流れる芦田川河口の港町・市場町として栄えた都市遺跡です。
発見された場所が、川の中洲であったことから川底に埋もれた遺跡としても知られています。


              写真中央に見える中洲が遺跡の中心部

この遺跡からは、複数の井戸が検出されており、木製の井戸枠をもつものがあります。
このうちの、13世紀末から14世紀前半(鎌倉時代後期)のものとされる一つの井戸枠が
船の底部を再利用されたものではないかと考えられています

その根拠として、くりぬき材であること、他のものと比べると分厚いこと、
そして片面に「フナクイムシ」の跡と考えられる曲がりくねったトンネル状の穴があることをあげることができます。

確かに、実際に見ると他の井戸枠と比べるとかなり趣が異なり、「フナクイムシ」の痕跡も明確です。

船の底部の再利用であれば、くりぬき材であるこから
丸木船をベースにその上に舷側(げんそく)板を取りつけた準構造船のものであったのでしょう。

遺跡からは、このほかにも井戸枠と同様に再利用された船材と考えられる木材も出土しています。

このように、遺跡から船材が転用されて出土する例は、ほかにもあります
ただし、船材のばあい、その一部が再利用されるので、船材かどうかの認定には船の構造を熟知している必要があります。
草戸千軒町遺跡の井戸枠のばあいも、出土当初から、くりぬき材ということはわかっていたようですが、船の底部とは認識されていなかったようです。
そして,表面の曲がりくねったトンネル状の穴が「フナクイムシ」の痕跡ではないかと考えられるにいたり、船の底部の再利用と認識されるようになったようです。

船体構造が大きく変化(丸木舟から準構造船へ)する弥生時代以降の船体が完全な状態で,
発見されることがほとんどないという状況は、
このような船材の再利用の影響も少なくないのでしょう。

草戸千軒町遺跡の出土遺物は、福山市にある広島県立歴史博物館に展示されています。
船材再利用の井戸枠も展示されており、間近に見ることができます。
このほか、縄文時代・平安時代・室町時代・江戸時代の各時代に瀬戸内海を航行していた代表的な船の模型(1/10)も展示されています。
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