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サンゴ養殖いかだの移動 その1 [2008年11月17日(月)]
阿嘉島の旧港内には4つのいかだが浮かべられています。
このいかだの下にはかごがいくつもぶら下がっていて、
その中にはサンゴの幼生を付着させたタイルがたくさん収められています。
サンゴがあまりにも小さいうちに野外に移植すると、
海藻に覆われたり他の動物にかじられたりして死んでしまうので、
海藻を食べるタカセ貝と一緒にかごに入れてある程度大きくなるまで育てているのです。

旧港内に浮かぶいかだ

今月から旧港内で工事が始まることになり、4つのいかだのうち3つを別の場所に
移動させることになりました。移動先は阿嘉島のとなり、慶留間島の南側の堤防の内側です。

いかだの移設海域から慶留間島の集落を望む

まずは、阿嘉島から持ってくるいかだを固定するためのロープを海底に設置しなければなりません。
海底には大きな岩や根が点在しているので、それらにロープをくくっていきます。
ちょっとの波や風ではいかだが移動しないよう、崩れたりしない頑丈で、しかもロープを結びやすい岩を慎重に選びます。それから、ロープには大きな力がかかるので、解けないようにしっかり結んでいきます。

 ロープを岩に結んでいます

         ↓↓

 一丁上がり

今回は、計6本のロープを設置しました。これでいつでもいかだを移設できます。
しかしここ数日風が強い状態が続いているので、いかだを安全に移動させるため、
今は海が穏やかになるのを待っているところです。




アムスルだより [2008年11月13日(木)]
アムスルだより94号できました。


今回は横浜で開催された国際水産学会議に参加した大森 信所長からのお話です。
サメが居なくなるとさんご礁の元気がなくなる、ここには「食物連鎖」のバランスの大切さが
隠れています。
大切な作業その4 [2008年11月07日(金)]
大切な作業その1
大切な作業その2
大切な作業その3

卵から育てて海底に移植したサンゴたちのことは、やっぱりとても気になるので、時々観察に行きます。
 特に2005年に生まれたウスエダミドリイシは、もう3才と4ヶ月で、ずいぶん立派になりました。







移植して約2年、
    たくさんのサンゴが元気に育っています




けれども、ときどき群体の一部の骨格が露出してしまい、白く痛ましい姿をしているサンゴを見ることもあります。骨格が見えているということは、その部分はもう死んでしまっているということです。






一部の枝で肉がなくなり、
    骨格が露出してしまっているサンゴ





 原因としては、病気や白化の後の死亡などいろいろ考えられますが、近ごろ多いのは他の動物による捕食です。先日見かけた写真のサンゴも、よく観察してみると、枝の間にサンゴを食べる巻貝が見えました。ほおっておくとそのサンゴどころか、まわりのサンゴまで食べてしまうおそれがあるので、すぐに取り除くようにしています。写真のサンゴでも、ピンセットを使って、枝の奥のものまで、全部ひっぱりだしました。巻貝の名前はヒメシロレイシガイダマシで、このサンゴには、殻長4mmから10mmのものまで、全部で35個体もの貝がいました。







サンゴを食べていた
    巻貝ヒメシロレイシガイダマシ



 なかなか毎日はチェックできませんが、できるだけ見回って、こうしたサンゴの天敵を取り除くのも、移植したサンゴを生き残らせるためには大切な作業です。
タカセ貝の赤ちゃん その2 [2008年11月04日(火)]
タカセ貝の赤ちゃん 

9 月 9 日に生まれたタカセ貝の赤ちゃんの様子を紹介してから 3 週間が経ちました。
その後、赤ちゃんはどうしているでしょうか?

    
3 週間前の孵化後 30 日目の稚貝。殻径約 0.9 mm

孵化後 50 日目の稚貝は、殻径 2 ~ 3 mm に成長し、殻の縁のギザギザがかなりはっきりしてきました。
まるで金平糖のようです。親貝の殻はなめらかな円錐形なので、稚貝の殻の形は親貝のとはずいぶん異なります。


孵化後 50 日目の稚貝。殻径 2 ~ 3 mm

このぐらいの大きさになると、水槽の中を目を凝らして見れば、内壁にくっついている稚貝を容易に見つけることが出来ます。ガラスの小瓶の中に移すと、壁面を元気いっぱいに這い回る様子が観察されます。

       
  ↑ちょっといたずらして                 ↑起き上がろうとして、
     ひっくり返してみました                 軟体部を伸ばしています


日に日に大きくなっていくタカセ貝の赤ちゃん。その成長を楽しみに見守っていきたいと思います。


移植サンゴ観察会 [2008年10月30日(木)]
10月27日、阿嘉小学校5,6年生のサンゴ学習の授業でサンゴの観察会をしました。
今回観察したサンゴは、研究所のいけすで育てているウスエダミドリイシです。
2本の串をいけすから持ってきて用意しました。
1本は昨年生まれたサンゴで、1年半くらいかけて5cmほどに成長しています。
もう一本は今年生まれたサンゴで、まだ3〜5mm程度の大きさです。
今年の串はまだサンゴが小さいので、見つけるのは難しかったようです。
子どもたちは顔を近づけ一生懸命探して、見つけると「あったぁ!!」と嬉しそうに声を上げていました。
基盤に付いていたイソギンチャクやサンゴの間に住んでいるカニにも興味津々な様子でした。




観察の後は、子供達から研究員への質問の時間です。
輪になって座り、研究員が話すことをノートに書いていきます。
「移植するまでにはどのくらいの時間がかかるの?」「どんなところに移植するの?」
「研究所はどんな仕事をしているの?」など色々な質問が飛び出しました。
授業でたくさん勉強してきているようでした。




サンゴの海が身近にあって、産卵観察やサンゴの勉強を授業で取り上げる学校というのは
そうそう多くはないと思います。
そんな貴重な体験ができるこの授業をいつまでも残せるように、島に住んでいる大人としてはもっともっと頑張っていかなければいけないなと思いました。
熱心に質問をする子供達をみていると、この子供達の中から未来の研究者が生まれるのではないか、
そんな期待をしてちょっぴり嬉しくなりました。
移植サンゴの様子 [2008年10月27日(月)]
ずいぶん涼しくなりました。水温も少しずつ下がってきています。海の中ももう秋なのでしょう。今年は台風が直撃することもなく、わりと海は穏やかだったのですが、それでも台風や熱帯低気圧が、南の宮古島・石垣島のあたりを横切ったり、西の海上を北上したりした時のうねりや波浪で、わたしたちの不手際もあり、移植したサンゴのいくつかに被害が出ました。けれども、2006年の冬に移植したサンゴたちは、かなり元気です。これは2005年の夏に生まれて、1年半かごの中で養殖されたウスエダミドリイシたちです。ざっと計ってみると、大きなものでは直径20cmを超えるものもいるようです。


生まれて約3年半、
海底に移植して約2年のサンゴたち


じっと観察していると、ミスジリュウキュウスズメダイやデバスズメダイ、フタスジリュウキュウスズメダイが、サンゴの枝のすき間を出たり入ったりしています。もっと良く見てみると枝の奥にはコバンハゼやサンゴガニがもぐりこんでいます。


サンゴの枝のすき間を隠れ家にして
スズメダイたちが暮らしています

こうした光景を見ていると、わたしたちの作り育てたサンゴが
自然の仲間入りをしているようで、ちょっとうれしい気持ちになります。
タカセ貝の赤ちゃん [2008年10月10日(金)]
私たちは稚サンゴをかごに入れて育てるときに、稚サンゴに悪い影響を与える藻類を
食べさせるためにタカセ貝をかごに一緒に入れますが、
今年は自分達でこのタカセ貝を卵から育ててみることにしたことは以前にお話しました。
9 月 9 日に親貝に放卵・放精させて得られた受精卵が順調に発生し、
受精後 1ヶ月が経過したので、今日はタカセ貝の赤ちゃんの成長を報告します。

卵はきれいな緑色で、厚いゼリー層に包まれています。
大きさはゼリー層を含めて 0.5 mm ほどです。










 受精後 2 時間の卵

発生が進み、やがてトロコフォアという幼生になり、卵の中でクルクルと
まわり始めます。この段階で卵を 1400 L 容積の FRP 製水槽に移しました。








 受精後 12 時間の卵
 中でトロコフォア幼生が繊毛を使って
 クルクルとまわっています。


翌日水槽を見てみると、孵化したトロコフォア幼生はベリジャーと呼ばれる
幼生に変態して盛んに水中を泳いでいました。









 受精後 2 日目のベリジャー幼生
 大きさは 0.25 mm.

ベリジャー幼生は2〜3 日すると着底して稚貝に変態し、
水槽の内壁面に自然発生する小型珪藻などを食べて育ちます。
稚貝は白くて、殻の縁がゴツゴツしています。


   受精後 9 日目の稚貝 0.4 mm.         受精後 15 日目の稚貝 0.5 mm.

孵化後 1 ヶ月の稚貝は、殻の口の近くがほんのり緑色に染まってきれいです。
まるで砂糖菓子のようです。親貝とは似ても似つかない姿です。


   受精後 30 日目の稚貝 0.9 mm.         殻径 10〜12 cm の親貝

まだタカセ貝は小さな赤ちゃんですが、どんどん大きくなっていくことでしょう。
今後のタカセ貝の成長が楽しみです。



サンゴ保護網の再設置 [2008年09月29日(月)]
ただ今台風15号の影響を受けている阿嘉島ですが、
同じような進路をたどった台風13号の通過後の作業を紹介します。
先日の台風 13 号は、沖縄本島を避けるようにして東シナ海を
東進するコースをとったため、阿嘉島周辺では大きな被害はありませんでした。
マジャノハマではサンゴを移植した根の一つに保護網が掛けてあり、
台風接近前にその網を陸揚げしたことは前に紹介しました。
海が穏やかになった 9 月 20 日に、研究員たちが保護網を
再びもとの根に設置してきました。

まず、海に降ろした保護網を研究員が根の上まで泳いで押しながら持って行きます。


   根の上に保護網を持ってきました

次に、海底に固定してあるロープと保護網の枠を長いロープで繋いで、
このロープを手繰って枠を沈めていきます。
そして海底に固定してあるロープに枠を繋ぎます。
枠に付いている浮きの浮力が結構大きいので、枠を海底に手繰り寄せて
固定する作業は力と慣れが必要です。


枠を海底に固定してあるロープと繋げました

枠に巻きつけてある網地を広げ、裾の部分に砂袋を乗せて根の側面を囲います。
天井部分の網地はチャックによる開閉式になっているので、
チャックを枠に沿って閉めていき、根の上面を覆います。
最後に網の形を整えて設置完了です。


   天井部分の網地を広げながら                設置完了です
   チャックを閉めていきます

移植サンゴをよく観察すると、群体の一つに魚にかじられた跡がありました。
保護網の無かった間に魚がやってきてかじっていったのでしょう。
幸い、かじられたのはその群体だけのようで、他の群体は無事でした。
サンゴたちが台風 13 号を無事に乗り越えることができ、ホッとしました。


  枝の先端部分がかじられています


さて、今回の台風15号はどうなのでしょうか。
台風が来る度にサンゴを守るための作業をする研究員たちですが
さすがに荒波に立ち向かうような危険なことはできません。
無事を祈ることしかできない台風の最中、何を想っているのでしょう。
サンゴ保護網の陸揚げ [2008年09月16日(火)]
マジャノハマには、私達が育てたサンゴを移植した根がいくつかあります。
それらの根の一つには、サンゴをかじってしまう魚から移植サンゴを守るために、
根をすっぽり覆うように保護網が掛けてあります。

   
                                 
しかし、台風が来たりして海が時化ると保護網が壊れて
せっかく育っているサンゴたちに引っ掛かりダメージを与えてしまうことも考えられます。
ですから、台風が発生して沖縄に近づいてくると保護網を外して陸揚げし、
台風が過ぎ去って海が穏やかになったら網を根に戻すという作業が必要になります。

今回、台風 13 号が沖縄に接近してきました。
そこでまだ波が高くなる前の 9 月 10 日に網の撤去作業を行いました。
研究員が海底に潜り、網の天井部分の正方形の枠から垂れ下がっている網地をたくし上げて、
天井の枠に巻いていきます。

 




 網地を枠に巻きつけたところです







次に枠を海底に固定しているロープを外します。すると、枠には浮きが付いているので、水面に浮かび上がります。あとは岸まで泳ぎながら押していき、陸上に揚げて終了です。こう書くと簡単そうですが、網は 6 m × 6 m × 2.5 m もありますし、岸までは 120 m も泳がなければならず、また、時には荒れて濁った海の中での作業なので、けっこう大変です。今回の作業で今年の網揚げはすでに 4 回目になりました。






 やっと網が陸上に揚げられました







もう撤去から 6 日経ちますが、また台風が近づいていて、なかなか再設置できません。網を再び根に戻せるのはいつになるでしょうか。すくすくと育ち、大きいものでは 10 cm 以上になっているサンゴたちが、網を再設置する時までに、魚にかじられてしまわないか、台風で被害を受けないか、とても心配です。






 保護網内の根ですくすく育つサンゴたち
アムスルだより [2008年09月11日(木)]
アムスルだより93号できました。

台風13号の影響も心配されている阿嘉島から
今回はイソギンチャクの新しい住人
コガシラベラの幼魚の話題です。

イソギンチャクといえばクマノミを思い浮かべる人も多いと思います。
実は他にも助け合って生活している(共生関係)生き物はたくさんいるようです。
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