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ウニの飼育 [2009年07月02日(木)]
皆さんご存知のトゲトゲのウニは、さんご礁域にも多く生息しています。彼らはサンゴと競合する藻類を食べて取り除くため、サンゴにとってプラスの役割を果たしているとの説があります。実際にそうなのかはこれからの研究結果が待たれるところであり、当研究所でもサンゴとウニの関係を調べ始めているところです。ウニを使っていろいろな実験等をするわけですが、実験には活きの良いウニが常に手元にある必要があります。そこでウニを採集して飼育し、いつでも使えるようにキープしておきます。

  










飼育容器の中のウニ達




飼育場の水槽に、水通しの良い容器を浮かべてその中にウニを入れています。今のところ、シラヒゲウニ,ツマジロナガウニ,アオスジガンガゼの 3 種のウニを飼育しています。餌は乾燥コンブやワカメを水で戻したものや、たまに魚肉を与えています。



写真左から シラヒゲウニ、ツマジロナガウニ、アオスジガンガゼ


シラヒゲウニとツマジロナガウニは素手で掴んでも、よっぽど強く握り締めたりしない限り、棘が刺さって怪我をすることはありません。しかしアオスジガンガゼは要注意、鋭い棘には毒があり、刺さると折れて皮膚の中に残ることが多くひどく痛みます。見かけたらくれぐれも触らないように。







アオスジガンガゼはとても綺麗。
でも棘は危険、触らないように!




容器に入れてあるのはいずれも小型の個体ばかりですが、特にシラヒゲウニは大きく成長する種で、食用にもなっています。








シラヒゲウニの大型個体



研究所にはいろいろな海産生物が飼育されています。それらの毎日の世話も研究員の重要な仕事なのです。
Posted by アムスル at 10:43 | 作業 | この記事のURL
産卵観察会2009 [2009年06月16日(火)]
6月9日、阿嘉島のマジャノハマで阿嘉小学校3−6年生、慶留間小中学校の小3‐中3の生徒がサンゴの産卵を観察しました。昨年はなかなか産卵せず、1週間も待たされた観察会でしたが、今年はほとんど待つことなく開催できました。
 6時30分、産卵の有無をチェックしていた研究員からGOサインが出ると、子供たちがぞくぞくとビーチに集まってきました。リハーサルのかいがあってか準備もとてもスムーズです。
7時半前になると準備のできた班から海に入り、自分たちのポイントめがけて元気に泳いでいきました。
今回の産卵は早い班のサンゴで7時35分、遅い班のものは8時3分に始まったそうです。遅く産卵したサンゴに当たった班の子供たちはずいぶん長く海の中にいましたが、待ったかいがあったようです。

     

         準備体操も忘れずに!            海底で待つサンゴめざして 


(写真提供:読売新聞社)
サンゴをかこんで卵にかこまれて


   




サポートしてくれたみなさんと記念撮影







ブログに写真の提供をしてくださった読売新聞社は今回のサンゴの産卵に合わせて
阿嘉島に取材に来ていました。
研究所のサンゴに対する研究活動も紹介していただきましたのでAMSLHPにて新聞記事を紹介しています。
サンゴ再生へ、人工繁殖で世界初の産卵…沖縄・阿嘉島沖

Posted by アムスル at 14:53 | 活動 | この記事のURL
速報!移植サンゴの産卵 [2009年06月10日(水)]
6/7-6/8阿嘉島周辺でサンゴの産卵を確認しました。
2004年生まれ(2005年移植)と2005年生まれ(2006年移植)の移植サンゴも産卵しました。

サンゴは石?と思われる事もあった20年前に阿嘉島臨海研究所は作られ、
そこから研究一筋。
生まれた卵を採ってきて大きく育て、成長したサンゴがまた新たな卵を生み出す・・・。
そんなサンゴのライフサイクルをやっと見届ける事が出来ました。




今はまだサンゴに付きっきりの研究員達ですが、今年の産卵にまつわるエピソードは
次回以降に聞いてみましょう。
産卵観察会リハーサル [2009年06月05日(金)]
阿嘉小中学校と慶留間小中学校合同で産卵観察会に向けてのリハーサルが行なわれました。
リハーサルは本番と同じ時間帯、同じ手順で行なわれます。
夕方6時30分、産卵の有無をチェックしている阿嘉島臨海研究所の研究員から陸上の先生に向けて合図があります。それを確認した先生から自宅で待機している子供たちへ「本日サンゴが産卵するので、ビーチに集合して下さい」という連絡が連絡網を通じて流されます。待ち構えていた子供たちはウェットスーツに着替え、15分ほどで現地に集まってきます。先生やダイビング協会の人から注意事項を聞いた後、準備運動をして産卵が始まるのを待ちます。




 集合してきた子供たち



海中で産卵の始まるのをチェックしているダイバーからの
合図を待ってグループごとに海に入っていく



リハーサルが終わるころにはあたりは真っ暗

産卵観察会のリハーサルは毎年行なわれます。今回のリハーサルでも、シュノーケリングの準備に手間取ったり、観察場所まで泳いでいくのに時間がかかったりと反省点が見つかったようです。暗い時間帯に海中で行う観察会になるため、安全確保が最重要となります。サポートする大人たちにとってもリハーサルは必要なのです。

Posted by アムスル at 15:59 | 活動 | この記事のURL
サンゴの産卵観察会に向けて [2009年06月03日(水)]
いよいよサンゴの産卵の時期になり、毎年恒例となった阿嘉小学校のサンゴの産卵観察会も近づいてきました。海の中で自然のサンゴが産卵する様子を間近で観察できるような学校行事は他ではみられないと思います。阿嘉小学校は今年で5年目の観察会になりますが、今年からとなりの島の慶留間小中学校も参加することになりました。慶留間小中学校の子供たちはサンゴの産卵を見ること自体が今回初めてということで、事前にサンゴについての勉強会をお願いされました。サンゴの産卵の映像を見たり、サンゴの生活史について勉強したり、サンゴの養殖についても話をしました。給食後の眠い時間帯にもかかわらず、2時間近くも熱心に聴いてくれました。
今年は6月7日から13日までを観察予定日としています。今年も無事に産卵観察会ができるといいですね。



Posted by アムスル at 14:58 | 活動 | この記事のURL
サンゴ養殖いかだの帰還 [2009年05月26日(火)]
阿嘉島旧港内の船揚げ場の改修工事が行われている間、港内にあった 3 つのサンゴ養殖用のいかだを慶留間島の南側に移動させてありました。
(サンゴ養殖いかだの移動その1その2









慶留間の海に浮かぶいかだ達



その工事も終了したので、先日いかだを港内に戻す作業を行いました。3 つのいかだのうち 2 つは慶留間島に残すことにしたので、今回移動させるのは 1 つだけです。まずは数日前から、阿嘉港へ移した方が良いかご(育成中のサンゴが入っています)を移動させるいかだに集め、曳航に備えてかごの中のサンゴやかごの蓋をしっかりと固定し、吊り下げロープを短くしてかごを水面付近まで持ち上げておきました。移動当日は、前日までの波がいくらかおさまり、これなら曳航できそうです。いかだと海底を繋いでいるアンカーロープを外し、いかだ同士を繋いでいるロープも外します。そして牽引用のロープで船に繋いで引っ張っていきます。4 ヶ月半お世話になった場所といよいよお別れです。やがて慶留間島の西側をぐるっと回ってやってくる船といかだが阿嘉島旧港から見えてきましたが、その辺りからなかなか港に近づいてきません。





船といかだが見えてきましたが、
なかなか港に近づいてきません




いかだの下にはサンゴを収容したたくさんのかごが吊り下がっているため、ゆっくりと航行しなければならない上、水の流れや風によってかなりの抵抗がかかるので、水路になっている阿嘉港付近になると操船がなかなか思うようにいかないのです。何度も何度も方向転換して港へと曳航します。慶留間島を出発してから 1 時間以上かかってようやく港に到着しました。






いかだが港に戻ってきました。
手前に見えるいかだは旧港内に残してあったもの










ロープでいかだ同士を繋いでいます






曳航してきたいかだを、港内に残してあったいかだに括り付け、海底と岸壁から伸びているアンカーロープで固定して帰還完了です。どうやらかごの中のサンゴ達も、みな無事のようです。
アムスルだより [2009年05月15日(金)]
新しいAMSLだより97号が出来ました。
今年もサンゴの産卵の季節が近づいてきました。
産卵の時期を左右する要因の一つと考えられている海水温の変化ですが、
なかなか上がっていないようです。
毎年恒例となっている阿嘉小学校の産卵観察会は6 月6 日〜12 日を予定していますが、
果たして何日に開催されるのでしょうか?
研究員はこれから毎晩サンゴの様子を見に海へ行く生活が始まります。
Posted by アムスル at 11:12 | 活動 | この記事のURL
阿嘉幼・小・中学校の遠足 [2009年05月07日(木)]
今年も新学期が始まり、遠足の季節となりました。
阿嘉幼・小・中学校も遠足で、島の北側のクシバルビーチへとやってきました。
昨年もこのブログで紹介しましたが、この遠足では磯遊びがあるので始めに研究員がイノー(礁池)の危険生物について説明をするのが恒例となっています。

児童たちはこちらが写真を見せると
「オニヒトデ!」「ガンガゼ!!」
と、大きな声で生きものの名前を答えてくれました。
もうすっかり覚えてしまっているようです。
自分達が楽しい時間を過ごす海にはどんな危険があるのかを知っているということは、自分を守るために大切なことです。
来年はきっと今年お兄さんやお姉さんに負けて答えられなかった子供たちも大きな声で
「ヒョウモンダコ!」
と答えてくれることでしょう。

潮が引いたイノーでは魚などの生きものを観察したり、貝を拾ったりと色々な楽しみがあります。
しかしオニヒトデやガンガゼ、イソギンチャクの仲間、ヒョウモンダコなどの危険な生物も潜んでいます。イノーで遊ぶ際には十分に注意しましょう。


Posted by アムスル at 13:12 | 活動 | この記事のURL
プランクトン標本の保管 [2009年04月28日(火)]
毎月 1 回行っているプランクトンの定点採集について、プランクトンネットで集めた試料を標本びんに移し、ホルマリンで固定するところまでお見せしました。(プランクトンの定点採集
固定したプランクトン標本は研究所に持ち帰るわけですが、今回はそれらの標本がどのように保管・維持されているかを紹介します。

採集後に研究所に戻ると、まずはプランクトン採集台帳に採集日時、採集場所、使ったプランクトンネットの種類、曳網深度、濾水計の読み取り値、標本番号と採集時の気象・海象情報を記入します。次に、耐水紙のラベルに気象・海象以外の同様の情報を記入して標本びんの中に入れます。

 




標本びん。蓋に標本番号が記され、中に採集時の各種情報が記入されたラベルが入れてあります。



標本番号は、1989 年 3 月の第 1 回目の採集時に得られた標本から通し番号になっていて、1 回の採集で基本的に 2 回の曳網を行うので、毎月ふたつずつ増えていきます。今現在で標本番号は 446 に達しています。つまり 20 年分、446 個のプランクトン標本があるわけです。

これらの標本は、仕切りの付いたプラスチックケースに番号順に入れ、研究所の標本保管用の棚に収容されます。プラスチックケースには収容した標本びんの番号が記されているので、利用したい標本をいつでも簡単に取り出すことが出来ます。



←プラスチックケースに収容した標本びん。 






標本保管用の棚→






数年〜数十年単位での海の中の変化を継続的に調べることは、近年取沙汰されている地球的規模の環境変動を解明するために必要です。その意味からも、20 年間に亘って毎月同じ場所で採集したプランクトンの標本は貴重なものです。今後これらの標本を使った研究の様子も紹介していきたいと思います。

Posted by アムスル at 10:56 | 作業 | この記事のURL
日本海洋学会春季大会に参加 [2009年04月20日(月)]
前回お話したように、1989 年に研究所が開設されて以来、阿嘉島の沖合いに設定された観測定点で毎月 1 回プランクトンの採集を行っていて、研究室には今まで採集した多数のプランクトン標本が収蔵されています。今回、4月5〜9日に開かれた日本海洋学会の研究発表大会で、研究員が昨年の夏季に採集されたプランクトン標本を観察していくつかの知見を得たので発表することになりました。今回はその様子をご紹介しましょう。

日本海洋学会とは、海洋学に携わる研究者、企業人、学生等の 2000 名以上の会員を擁する、海洋学に関わる学術組織としては日本最大の学会で、毎年春と秋の 2 回、研究発表大会が開催され、物理学、化学、生物学等の幅広い分野の講演が行われます。

今年の春季大会は東京大学本郷キャンパスで開催され、発表形式は口頭発表とポスター発表がありますが、研究員は6 日に口頭発表を行いました。ちなみに今回の大会では、口頭発表は 217 題、ポスター発表は 59 題あり、大盛況だったようです。






東大のシンボル、安田講堂。
ここでは大会受付と記念講演が行われました。




暗く照明の落ちた発表会場には聴衆が着席して静かに講演を聴いています。やがて発表する順番が来ると、座長が演題と講演者の名前をコールし、会場前面のスクリーンに発表スライドが投影されるので、スクリーン横の演台に移動して発表を始めます。








発表時の様子。
写真左端の演台のさらに左に研究員が立って発表しています。



口頭発表は一題あたり発表 10 分、質疑応答 2 分の計 12 分が割り当てられています。決して長い時間ではありませんが、失敗せずにうまく発表できるか、質問にちゃんと受け答えできるか、心臓がドキドキしている瞬間です。こうして講演は次々に行われていきます。

7 日には学会賞受賞者による記念講演や海洋酸性化に関する講演等を、また、8 日には植物プランクトンや東シナ海に関する講演等を聴いて、とても勉強になったようです。
海洋学のそれぞれの分野で活躍している様々な研究者と触れあい意見交換することは、阿嘉島の自然を研究していくうえで、刺激になりまた励みにもなることでしょう。今日も研究員達は、次の学会に向けて研究活動に勤しみます。


Posted by アムスル at 11:00 | この記事のURL
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