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2018年07月31日

平成30年7月31日火曜

フィリピン人女性72歳、日本に嫁いでいる娘を訊ねて親族訪問ビザで次女といっしょに来日して約1か月、高血圧でアムロジピンを内服している。1週間ほど前から両下腿の腫れがひどいと来院。もともと肥満体型のようだが、たしかに浮腫が強い。聞けば観光であちこちと歩き回ったらしい。とりあえず一週間分だけフロセマイド40ミリを処方して様子をみることにした。一週間後に自費にはなるが、血液検査も勧めた。ペルー人男性53歳、胃がん検診での内視鏡検査が予約されていたのだが・・・10時半の予約で15分前には来てくれるように話したはずなのに・・やってこない。もう来ないかと思った10時45分にやってきた。それからトラブル発現、こちらは内視鏡検査を想定して事前説明していたのに・・本人はバリウムによる透視検査だと思っていたとのこと。これは困ったと思ったら、本人があっさり「じゃ、内視鏡検査でもいいです」と話してくれた。初めての内視鏡検査とのことだったが、こちらもあっさりと終了した。ペルー人女性、32歳の初診患者、胸苦しいと来院。呼吸音には異常なく、心電図もまったく異常なし。仕事場で大きなストレスを抱えているという。消化器疾患とも思えず、一週間だけアルプラゾラムで様子をみることにした。
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2018年07月30日

平成30年7月28日土曜

午後からフィリピン人女性49歳の上部消化管の内視鏡検査を予定していたのだが・・・キャンセルしたり、忘れたりすることなく、午後3時にやってきた。胃酸が頸部まであがってくるということで10日ほど前の初診日にオメプラゾールを処方していて・・・薬の効果はどう?と尋ねると、よく効いていると答えてくれた。検査は受けたいが、その検査が怖いというので、サイレースを1/10に薄めて静脈注射、うとうとしたところで、挿入を試みて、あっというまに食道内へ。食道裂孔ヘルニアもなく、放射線状に赤く見える典型的な逆流性食道炎の所見もなし。十二指腸第二部まで挿入して、帰りはNBIで観察してきたが、タコいぼ状胃炎があるだけ。胃潰瘍で2回、内服治療を受けたことがあると話してくれたが、明らかな潰瘍瘢痕が見つからない。終了後、アネキセートの静脈注射で1分程度で意識を回復、少し休んでもらってから内視鏡の画像を見てもらいながら説明を行った。たしか、内視鏡検査で明らかな異常がない食道炎もあると聞いたことがあり、また彼女自身がオメプラゾールは効いて入ると言うので、そのままオメプラゾールを処方した。ものすごく大きなかばんを持って来ていて、「さあ、夜はパーティ、着替えて行くんだあ、ドク、お酒は少しはいい?」と元気全開になっていた。今晩は近隣のA市の医師会に依頼されて外国人医療のレクチャーに行く予定なのだが・・・台風の影響でどうなることやら。
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平成30年7月30日月曜

台風が逆方向から突然やってきた土曜日、患者も少なく、全体で38人しかいなかったのに、外国人患者は8人もいた。ペルー人女性42歳、胃がん検診の内視鏡検査、予定通りに来てくれた。順調に終了、とくに異常所見はなかった。フィリピン人51歳、糖尿病があるとわかって、あまりに数値が高いので近くの糖尿病専門医を紹介して行ってもらったのだが・・・徹底的に食事療法を叩き込まれて、血糖値も下がり、痩せてきた。以前は丸顔に近かったのに、細面。ああ、ほんとはこういう顔をしていたのねと互いに笑い合った。タイ人女性49歳、頭が痛いと来院。血圧が上昇している。170/110、いつもは130台だと言うのだが・・・とりあえず降圧剤を一週間分だけ処方、一週間後の再診で血圧、症状などチェック、そして空腹で来てもらって脂質代謝をはじめ、採血をすることにした。フィリピン人男性54歳、会社の検診の結果を持って来院。中性脂肪の値が300を超えている。食事療法の話をして9月上旬ごろに再度、空腹で採血をして値を見ることにした。小児科はベトナム人のお子さん2名にフィリピン人のお子さん1名。台風が来てしまい、近隣の医師会に依頼されていた外国人医療の講演会も中止になってしまった。残念。再度、日程調整をということだが、僕の日程が立て込んでいて、ちょっと悲観的。きのうの日曜は朝から閉じこもって途中で休み休み、計5時間かかって、某医療団体から依頼されていた原稿を書き上げた。4千数百字になってしまったが、文字数は3千から4千、少しは伸びてもいいということだったので何回か、見直しして出す予定。締切は8月末だったが、いつなんどき、別の依頼が入るかわからないので早く終わらせておくに限る。
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2018年07月27日

平成30年7月27日金曜

ペルー人女性70歳、会社での健診結果を持って来院。健診の結果はおおむね良好で、解説をしてさしあげると満足そうにうなづいてくれた。血圧も落ち着いていて、安心しながら降圧剤を処方。タイ人男性58歳、外痔核の薬と片頭痛のトリプタン製剤を希望。1か月前に「以前からひどい頭痛があるが、鎮痛剤が効かない」とやってきた。話を聞くと、血管拍動性の頭痛で、頭痛が来る前に焦点が合いにくく、目の前に黒いものが見えるというので、トリプタン製剤を処方し、内服のタイミングも教えて差し上げたが、「よく効いた」とのこと。こちらも安心した。午後4時に診療を打ち切って、県医師会へ。会長会では7月4日の日本医師会の第一回外国人医療対策会議の内容が報告され、日医より各都道府県医師会で外国人医療対策委員会をたちあげて対応をするように指示が出たことも報告された。昨晩は帰宅後、その方向性についてどのような提言をすべきか考えていたが、いずれにしても今までの経験で得た知識で協力したいと思う。
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2018年07月26日

平成30年7月26日木曜

フィリピン人女性42歳、頭痛で来院。高血圧で定期的に受診していたのに・・・・血圧測定すると150/100となっていた。内服していたころは120台/ 80台。よくなったので「やめた」そうだ。口をすっぱくして降圧剤のおかげで血圧が下がっているだけだからやめないようにと話していたのに・・・・こういう経験はほぼ日常茶飯事。いちいちがっかりしていたのではやってられないけど、ああまたかと落ち込みそうになる。フィリピンにお金送っているでしょ?と訊ねると、「Yes」と答える。フィリピン人の患者は例外なく、故国の家族に毎月送金している。なかには自分の健康を損ねてまで、毎月30万円ほど送っていた中年女性がいた。昼は会社で働き、夜はフィリピン パブで、娘のような年の女性たちと張り合って働いていた。ときどき血圧が190近くになり、やってきた。こんな働き方していたら死んじゃうよと言うと、「じゃ、せんせい、おかねちょうだい。だって働かないとフィリピンの家族が死んじゃうよ」と笑いながら返してくる。日本で死に物狂いで働いて送金すると、フィリピンの家族は豪邸を建て、働かずにばくちに興じたり・・・いや、「豪邸」が残っていればまだいいが、全額、ばくちにつぎ込んだり・・という話は実によく聞く話だ。このレベッカと名乗った彼女はある日、ベッドの上で血を吐いて痙攣して死んでしまった。数日後にご主人がクリニックにやってきておしえてくれた。このストーリーを今日の彼女にも話した。僕はね、自分が儲けたくて「来てね」と言ってるんじゃないの、あなたが倒れたらだれがフィリピンの家族にお金、送るの? こう問いかけると、「そうだねぇ、」としばらく無言、その後、「わかりました、ドク」と続けた。今度はきっと持続的にやってくるだろう、いや、やってきてほしい。
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2018年07月24日

平成30年7月24日火曜

早朝、隣接するM市より受付に電話があった。東欧の旅行者が激しい咽頭痛と高熱で倒れているという。診察してほしいので連れてくるという話らしい。受付スタッフから受け入れていいかどうかと相談があったので、もちろん診察は受け入れると返事をしてよいと話した。話の内容からは溶連菌の感染症やヘルパンギーナも考えなければいけないと思った。診療時間となり、しばらくすると大柄な欧米人が入ってきたので、電話の件かと思ったら、アメリカ人男性だった。それから1時間ほどして再度、電話があって通訳が見つかったので、その東欧の人は近くの医療機関に行きますと話したとのことだった。これは喜ばしいことだ。3か月ほど前にも横浜のみなとみらい地区のホテルからタクシーで7千円もかけてやってきた欧米人の女性がいて・・聞けばホテルが僕のクリニックを探してくれたとのことだったが、遠方から本当に気の毒に思った。M市は横浜のみなとみらい地区よりははるかに近いが、原則として外国人患者もその居住する、あるいは滞在している地域の中で診療を受けるべきだし、そういう体制をつくるべきと思う。診察は1回で終わることもあるが、少なくとも数回は受けざるをえない場合の方が圧倒的に多いと思うからだ。そのためには言葉の壁を乗り越える手段を構築しておかねばならないということだろう。しかし、これを個々の医療機関の努力だけに任せてはいけないと思う。診療報酬が上がらぬ中、職員の給与の上昇、さまざまなIT化に関連した支出のために医療機関にはそういうことにお金を投じる余裕があまりない。そして言葉の壁を乗り越えたとしても外国人患者を適切に診療していくためには医療費の問題、医療に関する風俗や習慣の問題、そして海外の民間保険や日本の公的保険をはじめとする医療制度の外国人への適用など、知っておいたほうが医療機関や担当医にとって危機管理となることがたくさんある。ゆえに院内で研究会や勉強会を開催して外国人患者の診療に関して院内の意志統一を図っておいたほうがいいと思う。とくに大きな病院にはソーシャルワーカーがいて、医師の相談にも乗ってくれるだろうが、小さな診療所ではソーシャルワーカーなど勤務していない。そういう困った時にはぜひAMDA国際医療情報センターの無料相談電話を利用していただきたい。
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2018年07月23日

平成30年7月23日月曜

21日の土曜日、月に一回ベトナム人スタッフのやってくる日、インドシナ難民として日本に招かれ、定住しているベトナム人がやってくる。このベトナム人スタッフも同じ難民としてやってきた人で、ある日家族と外出したら、父親に家にはもう帰らない、家財道具も何もかも置いていくと言われて呆然としたそうだ。そして手配の小舟に見知らぬ人たちと乗り込み、南シナ海に小さなエンジンで漕ぎ出し、漂流しているところをどこかの大きな船に救助されたそうで・・・漂流したまま行方不明になってしまうことも多かったそうで、本当に命がけの脱出だったのだろう。というわけでベトナム人患者が多かった一日。ベトナム人女性73歳、ベトナムに一時帰国するので薬をいつもより10日分多くして40日分欲しいと。それはいいのだが、生活保護の彼女はベトナム往復のお金をどうやって工面したのだろう? またベトナムに行く前に役所に申請して、ベトナムに行っている間の生活保護でもらえるお金を止めて行かねばならないのだが、そういうことはするのだろうか? ベトナムに帰るのはてぶらでは行くまい。こういうお金も生活保護のお金でまかなっているのかと思うと複雑な気持ちになる。なにより生活保護が認められた時点で、このお金がどういう目的でもらえるのか?ということやどういうことには使ってはいけないのかということを役所の担当部署で彼らにわかるように説明することだろう。10日ほど前にやってきたイタリア人女性31歳、オメプラゾールの内服で胸やけは劇的によくなっていた。あと1か月、日本にいるそうで、その分の処方はしておいた。
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2018年07月21日

平成30年7月21日土曜

フィリピン人女性62歳、公的保険がないまま、数年日本に滞在している。この間、結核となり、入院も。日本人と結婚している妹がいて、必ず診察に付いてくる。この妹が言うにはフィリピンにはすでに身寄りがいない身なので帰したくないとのことなのだが・・肩身の狭い不安定な生活をいつまでさせておくつもりなのか?と尋ねても、聞く耳を持たない。クリニックのフィリピン人スタッフも僕と同じようなことを話したことがあるのだが、これ以上はプライベートのことなので、最近はこういう注意もしない。姉妹愛、家族愛が強いと言えば聞こえはいいが、僕にはそう単純には思えない。実は「フィリピン」からいつも切り離されている妹のほうが帰したくはないというのが真相ではないかと疑っている。大きな病気になったらどうするのだろうか? 結核の治療費は幸いなことに公的保険がなくても感染症の制度で相当に救われたはずだ。これがもし、消化器や心疾患などで「普通」に入院して、数百万、いや百万円を超える医療費がかかったら・・この妹夫婦で支払えるのかどうか・・・支払えずにそれを医療機関に未払いという形で押し付けられたら・・医療機関はたまったものではない。昨晩、都心の某ホテルの小部屋で外国人医療を僕とは別の面から精力的に取り組んでいる人たちと会って、3時間ほど話し合いに入れてもらった。
1人の方が未払いを減らす対策として受診時のカード払いや本人確認のためにパスポートをチェックすべきで、これがなければ受診制限も考えるべきと話していた。観光などでの訪日外国人を念頭においてのことだと思うが、在留資格はともかく、日本に在留している人たちの本人確認には在留カードで十分だろうと思う。在留カードはパスポート同様、本名だからだ。また在留資格がない人たちには現行制度では有効期限が失効した在留カードを所持しているか、当初から在留資格のない人たちにはそもそも発行されないので所持していないはずだからだ。こうなるとまた「人道上」という言葉が一人歩きするのだろうか。
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2018年07月20日

平成30年7月20日金曜

猛暑が続くせいか、昨日は朝から日本人患者も外国人外国人患者も多くて、夕方5時まで切れ目がなかった一日。午前中の仕事が大幅に昼休みに食い込んでしまう。僕が拝見した外国人患者は15人、フィリピン人9人、ブラジル人3人、ペルー人2人、カンボジア人1人。日系ブラジル人の奥様とブラジル人のご主人、居住している市内のいくつかの医療機関で、ブラジルで処方を受けていた同じ薬を欲しいと話したところ、診られないと断られて来院したので1か月前。スマホができてから海外からの薬の検索も格段に楽になった。以前はいちいちAMERICAN DRUG INDEXという本で探していて、時間もかかって正直、いやになることもあったが、今はものの数分で検索でき、その薬が日本で発売となっているのかいないのか、発売されているとしたらなんていう商品名で売られているのかもわかる。お二人の場合は奥様のほうの数種類の薬はすべて日本で同じ成分の薬が売られていた。ご主人のほうは数種類のうち、降圧剤であるARBとCA拮抗剤の合剤だけが日本では発売になっていない組み合わせで、ご本人に話して似た強さの合剤に変更させてもらった。お二人とも2週間だけ処方して血圧など再チェック、落ち着いていた。同時に関連項目について空腹時の採血をさせてもらって、今回はその結果もお知らせしなければならなかったが・・・・お二人ともほとんど正常範囲内で喜んでくれた。血圧も安定しており、今回より1か月分処方することにした。遠方から1時間もかけてこの1か月に3回もよくやってきてくれたと思う。気の毒に思い、この日本の薬で落ち着いているのだから、住まいの近くの医療機関に情報提供書を書きましょうか?と話してみたが、1か月に1回なら通院できると言われてしまった。
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2018年07月19日

平成30年7月19日木曜

今日は久しぶりに夜、何も会議、研修会等出席するものがない。少しうれしい。おとといの火曜日は日本人の高齢の方で熱中症と思われる方が3人、ぐったりとしていたが、点滴したら別人のように元気になって帰って行った。外国人患者で熱中症というのはあまり診察した覚えがなく、よく考えてみるといわゆる高齢の方が少ないせいかもしれない。しかし、70年代80年代にインドシナ難民として日本にやってきて定住している人たちの中にはすでに80歳を超えている人たちも少なくなく、心配はしておかなくてはいけないと思う。おととい、僕が診察したのはフィリピン人4人、ペルー人4人にタイ人1名、通院歴がある人ばかりで初診はいなかった。昨日はAMDA国際医療情報センターで厚労省の方4人と面会、いろいろと質問していただいた。データーをそろえておこうと6千件近くになる平成25年10月からのAMDA国際医療情報センターに寄せられた無料での電話医療・医事相談の日誌を見直したのだが・・・・医療機関からの相談や通訳依頼よりははるかに外国人や外国人の周囲にいる人たち、たとえば国籍を問わない友人、国際交流協会、地方行政の窓口、ホテル・旅館・観光案内所からの相談が多かった。いま、医療機関と外国人患者をつなぐ電話医療通訳について、厚労省、医師会や民間の関連団体で熱い議論がなされているが、この方法では後者の相談は切り落とされてしまう。観光に関係する人たちの間ではどんな相談もワンストップで解決できるワンストップの窓口を考えているようだが、医療・医事相談については医療機関の情報だけでなく、保険制度や日本の医療に関するある程度の専門的知識が必要になるので、ワンストップで実のある答えを伝えるのは無理だろう。AMDA国際医療情報センターを利用してくれたら、それで事足りるのに・・・
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