2018年05月31日
平成30年5月31日木曜
7月4日水曜日に日本医師会主催で各都道府県医師会担当理事出席のもとに外国人医療対策会議が開催されると同事務局より連絡があった。内容は盛りだくさんで厚労省から民間の会社、とくに損保会社が入っていたのが目だった。たぶん外国人の医療費未納に対する対策のためだろう。僕にはその中でAMDA国際医療情報センターの電話通訳について限られた時間で話してほしいということだった。極めて短時間ではあるが、自分たちの主義主張を聴いていただける時間をいただいたということは大変重要なことだと認識している。がんばらなくては。以前にも書いたが、日本医師会は同機関誌も兼ねている月刊日本医師会雑誌の来年3月号において訪日・在留外国人の医療の特集号を組むことになっている。風雲急を告げるかのようなこれらの動き、いよいよそういう時が来たかと思うとともに、ぜひいい方向に動いてほしい。昨日、インターネットの検索で見たが、この1年、日本に就労目的でやってきた外国人は35万人ほどで、この1年で増加した外国人労働者の数としては韓国を抜いて世界第4位だそうで、すでに日本は実質上移民大国になっているのだと結んでいた。少子高齢化による労働力不足を何によって補うかというと、メインは現政権がいう働き方改革による「定年となってもパートや再雇用によって働く人たち」ではなく、外国人労働者だろう。外国人観光客の急増による消費になんとかあやかろうという動きが医療界にも強いようだが、実は急増する外国人労働者の健康をどのように支えるかということは日本という国にとって、国の浮沈をかけた大切な問題であると思う。
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2018年05月29日
平成30年5月29日火曜
48歳ペルー人男性、風邪症状が続いていて来院。呼吸音は問題ない。手に薬袋が入った袋を持っていたので、わけを訪ねたところ、ついさきほど近くの糖尿病専門クリニックを受診したとのこと。糖尿病のことも考えて、念のために抗生剤も処方した。フィリピン人スタッフが隣の市の教育委員会に依頼されて、フィリピン人のこどもを受け入れている小学校に午前中だけだが、出かけたため、フィリピン人は少ないかと思っていたら・・・続けて3人来院。タガログ語しかできませんという人は一人もいなかったためにとくに問題なく診察は終わった。母親と別れてフィリピンの親族に育てられていたこどもが、母親に引き取られて来日、学校に通い始めるので、新学期になるとたびたびフィリピン人スタッフが依頼されて学校に出かけることになる。何をしているのか、聞いてみたら、先生方がフィリピンの習慣、考え方がよくわからないうえに、こどもは日本語が話せず、意思疎通がうまくできないため、先生、フィリピン人の母親、こどもの間を取り持つようなことをしているらしいとわかった。アメリカ人女性60歳、合法滞在なのだが、自分の意志で日本の公的保険に加入していない。米国の民間保険に加入しているからという理由で、加入していないのだが、民間保険には支払いの限度額があるはず、国民健康保険には高額医療費助成制度もあって支払いの限度額がないどころか、大きな手術を受けても患者負担額が一か月に5万6万程度で収まってしまう。何度、話しても加入する意志がないので、話さなかった。日本の公的保険は加入資格のある人は日本人も外国人も加入が義務なのだが、罰則がない義務なのでこういうことがおきてしまう。きょうは高血圧の診療ではなく、耳鳴りがひどいというので近くの耳鼻科に情報提供書を書いた。が・・・彼女の英語、僕にとってはわかりづらいほうなので一抹の心配が残った。
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2018年05月28日
平成30年5月28日月曜
ベトナム人スタッフが来てくれる土曜日、やはりベトナム人患者が多かった。ベトナム人男性51歳、ここ数年高血圧で拝見しているのだが、はじめてけっこうな量のビールを飲むということがわかった。どうやら意識的に僕には言わないでいたらしいのだが・・・うっかりベトナム人スタッフに話したことをそのままスタッフが僕に話してしまったようだ。どうしてγ-GTPが高いのかと不思議に思っていたのだが、これでつじつまがあった。ベトナム人男性84歳、いつもの診察とがん検診の申し込み。認知症の同じベトナム人の奥様の申し込みもなさっていったが、彼が言うには「当日の朝にならないと受ける気になってくれるかどうかがわからない」とのことだった。奥様の日本語力ではディサービスを受けるのもむずかしく、奥様自身もそれが原因なのか、行きたくないとの強い意思表示があるそうで・・・日中は彼がずっとおくさまを見守っている状態。「いつも疲れ切っている」そうで、彼の体と精神のほうが心配になった。ベトナム人女性72歳、いつもの高血圧の診察を終えると、僕にひとつ質問があると言う。どうぞと答えると・・「もっと太るには牛乳2本を毎日飲めばいいと知り合いに言われたが、それで太れるだろうか?」と尋ねられた。とくに彼女はやせているというわけではなく、ごく普通なのだが、「やせているのはみっともなくていや」なのだそうだ。「あなたの体質はいまの体型であって、これからすごく太ったとしたら、それは病気ということですよ」と話すと、納得してくれた。東南アジアで広く信奉されている「太っているほうが健康的」という考え方、というより「太っているほうが経済的に恵まれている家庭、そういう生活をしている」ということなのだろう。
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2018年05月25日
平成30年5月25日金曜
先週、額を打ち付けて切ってしまったドイツ人のお嬢ちゃん、創を閉じていたテープをはがしてみたところ・・傷はきれいに治っていた。お母さんも喜んでくれて一安心。ナイジェリア人男性49歳、やはり血圧が高い。2か月に一回しか来院しないため、コントロールしにくい。某アジア国の女性と結婚していたが離婚したそうで、食事もいいかげんらしい。再度、食事療法について話し、内服薬も変更した。中国人女性57歳、仕事のために出張していたシンガポールから3か月ぶりに帰国、こちらも降圧剤がすでに切れていて、血圧が再上昇している。おまけに前回、頼まれて2か月処方したのに、薬は前日まであったそうだ。不思議。さ来週から再び海外へ行くそうで、また2か月分処方した。今回の診療報酬改正で薬の使い方について無駄を省こうという趣旨のことが盛り込まれている。たとえば降圧剤を3か月処方したのに、処方して1か月で血圧が下がりすぎたり・・あるいは適切な値に下がらなければ、降圧剤の使い方を変更しなければならない。すると2か月分の薬が無駄になりかねず、財政的に保険診療を圧迫する事態にもなりかねない。患者の立場から見ると、診察料も3か月で一回ということは毎月受診するより支払いが少ないので、好ましいことなのかもしれないが・・・主治医として診る立場からいうと、長期にわたって診察できないということは「いま、何がおこっているのかわからない」ということから怖くも感じる。4月の診療報酬改定以後はどんなに長くても2か月処方までとすることにした。その際もすぐに連絡ができることと、この間、自分で体調を必ずチェックしておくことを条件としている。
きのうの相模医師会連合会の代議員会も無事終了。緊張したのか帰宅後、とてつもない眠気に襲われた。そして今夜は大和市医師会の総会、とくに問題なく終わるだろう。
きのうの相模医師会連合会の代議員会も無事終了。緊張したのか帰宅後、とてつもない眠気に襲われた。そして今夜は大和市医師会の総会、とくに問題なく終わるだろう。
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2018年05月24日
平成30年5月24日木曜
フィリピン人女性49歳、日本の公的保険に加入していないので理由を尋ねたところ、フィリピンから親族を訪ねてやってきての旅行中とのこと、下顎に大きな発赤と周囲に水泡があり、その部分の皮膚が固く腫脹している。もしや、単純性疱疹かとも思ったが、そうではなく、単純な細菌感染と考えた。数日前に小さな発赤があり、温めていたと話してくれた。細菌感染なのだから、温めたら悪くなるよと言うと、驚いたような反応があった。感染症を併発しやすい糖尿病があるのかどうか、家族を含めて尋ねたが、いないとのことだった。抗生剤を処方し、冷やすように指示をした。スリランカ人女性38歳、先週、二人のお子さんが二人ともインフルエンザA型で、本人も前日から風邪症状とのことで来院。ただインフルエンザにしては高熱はなく、体の痛みもなく・・・念のために行ったインフルエンザ検査は陰性だった。きょうは夕方の4時で診療を切り上げ、午後5時から県医師会で会長会、その後、県医師連盟理事会、ホテルに移動して相模医師会連合会の定例代議員会、さらにその懇親会、長い一日になりそうだ。
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2018年05月22日
平成30年5月22日火曜
ドイツ人のお嬢ちゃん、3日前に小児科の診察を終えて、クリニックの外に出たところではしゃぎすぎて道路際のコンクリートに額をぶつけて大泣き、クリニックに戻ることになってしまった。拝見したところ、少し切れており、ぶつけたところが少しへこんでいた。縫合しようかどうか悩んだ末に、ステリテープで留めて様子をみることにしたのだが・・・きのう見たところ、創はまだ部分的に開いてはいたが、へこみはどうやら下から組織があがってきて消失しているようであった。小さいお子さん、ましてや女の子の顔や額の傷は気をつかう。縫合すると縫合糸の穴が目立つこともあるし、ご家族の心配も強い。次は4日後に診察してほしい旨、告げて終わりとした。縫合はやろうと思えばいつでもできるし、痛くないほうがいいに決まっている。お嬢ちゃん、僕の心の中の小さな悩みなど知ろうはずもなく、診察室を出て行くときに「いぇい」とハイタッチ、笑顔でバイバイして行った。
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2018年05月21日
平成30年5月21日月曜
ペルー人男性59歳、先週痛風発作で来院。コルヒチンを処方、痛みはほぼ取れた。引き続き減量して1週間分だけ処方、尿酸値など採血した。ペルー人一家、隣のA市から来院。
診察室に入って来るなり、孫娘29歳に「せんせい、ひさしぶり」と満面の笑みでハグされた。もう10年近く前になるだろうか、この女性と母親の体やメンタルのことで随分相談にのったり、時間をとられたことを思い出した。今回、この女性からみて73歳の日系2世の祖父と母親48歳といっしょに来院。母親48歳女性はA市の大腸がん検診で2日間便潜血反応で1日だけ陽性となっていて、孫娘が質問するには「もう1回同じ検査をしたほうがいいと思うけど、どうでしょうか?」と。この検査は検診の約束事の中で一日でも陽性であれば精密検査である大腸内視鏡に進むことになっていると話した。小さな大腸がんであれば、1日だけ陽性ということも十分にありえるからと続けたら、納得してくれた。祖父にあたる73歳男性については高血圧があり、近くの医療機関を受診しているが、スペイン語が全く通じないので、僕のところで診てほしいとのこと、僕程度のスペイン語でいいのか?と訊ねると、OKとのことなので了解した。A市はあまり医療機関が多いところではなく、大和市の僕のクリニックでも市の枠を超えて、特定健診やがん検診、各種予防接種を助成付きで受けることができる。これを伝えたら、すごく安堵しているようだった。こういう情報は市民には市の広報などで情報提供されているはずなのだが、日本語が読めない人たちには伝わりにくいのだろう。役所の人たちはそういう事実をどのように考えているのだろう?
診察室に入って来るなり、孫娘29歳に「せんせい、ひさしぶり」と満面の笑みでハグされた。もう10年近く前になるだろうか、この女性と母親の体やメンタルのことで随分相談にのったり、時間をとられたことを思い出した。今回、この女性からみて73歳の日系2世の祖父と母親48歳といっしょに来院。母親48歳女性はA市の大腸がん検診で2日間便潜血反応で1日だけ陽性となっていて、孫娘が質問するには「もう1回同じ検査をしたほうがいいと思うけど、どうでしょうか?」と。この検査は検診の約束事の中で一日でも陽性であれば精密検査である大腸内視鏡に進むことになっていると話した。小さな大腸がんであれば、1日だけ陽性ということも十分にありえるからと続けたら、納得してくれた。祖父にあたる73歳男性については高血圧があり、近くの医療機関を受診しているが、スペイン語が全く通じないので、僕のところで診てほしいとのこと、僕程度のスペイン語でいいのか?と訊ねると、OKとのことなので了解した。A市はあまり医療機関が多いところではなく、大和市の僕のクリニックでも市の枠を超えて、特定健診やがん検診、各種予防接種を助成付きで受けることができる。これを伝えたら、すごく安堵しているようだった。こういう情報は市民には市の広報などで情報提供されているはずなのだが、日本語が読めない人たちには伝わりにくいのだろう。役所の人たちはそういう事実をどのように考えているのだろう?
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2018年05月19日
平成30年5月19日土曜
カンボジア人女性79歳、高血圧で長期通院中、長男のベトナム人の嫁が脳出血で倒れて左の片麻痺が残っていて、リハビリをしてはいるが、下肢の麻痺のほうが深刻であるとのこと。ベトナムの家族に仕送りをするどころか、働くことさえできないと嘆いていた。彼女たちのインドシナ難民としてすでに30年以上、日本に住んでいるので、健康を保持することの重要さを知っている。ところが、ベトナムから嫁いできた長男の嫁は、ベトナムの家族の中に脳梗塞や高血圧の人が複数いて、本人も職場の健診で高血圧を指摘されていたというのに、ほとんど医療機関を受診したことがない。お金を稼ぐことに専念してしまった結果ともいえるだろう。「ちゃんと病院に行ってたらよかったのにねえ」と言い残して帰って行った。同じくカンボジア人女性61歳、インドシナ難民として日本に受け入れられて彼女もはや32年、カンボジア国境に隣接したタイのサケオ県カオイダンの難民キャンプにいるころから下血がひどく、来日後、僕が潰瘍性大腸炎と診断して治療を開始して以来の仲だ。いまは病状は非常に落ち着いている。長女と次女が同時に妊娠したそうで、とても喜んでいた。帰りがけに「ひとつ、心配がある。聞いてもいい?」と言い出した。いいよと言うと、「次の1月で定年で会社をやめる。保険証も返さなければいけないと言われた。保険がなくなったら、どうしよう?」と真剣な顔つきで僕の顔を覗き込む。社会保険をやめたら国民健康保険に加入することになるので、保険証が替わるだけ、無保険にはならないよと説明した。32年も日本に住んで、すでに帰化して18年ぐらい、それでもこういうことはわからないのだろう。フィリピン人女性44歳、高血圧とてんかんがある。きちんきちんと内服してくれるためか、ずっと状態は落ち着いている。最近、おなかが出てきた。太ると血圧があがりかねないので、注意をしたところ「日本のコメがおいしくてとまらないの」と教えてくれた。そういえば、フィリピン人の人たちから、日本のコメがおいしい、甘い、だからコメだけでおなかいっぱいになるまで食べると聞いたことが何回もある。
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2018年05月18日
平成30年5月18日金曜
ベトナム人男性79歳、めまいと吐き気で来院。血圧も高くなく、まずはめまいと吐き気を抑える薬を処方した。1年前にA型肝炎抗体を調べていて、その後来院していないのに気がついたので、陽性だという結果について話した。僕の感想だが、南米やアジアの国々の出身者で軽度にS-GPTが上昇しているケース、調べてみるとそのほとんどがHA抗体陽性だ。ほかに理由が考えられない場合はA型肝炎で一度S-GPTが上昇し、治癒しても完全にはS-GPTが正常範囲まで下がっていないということなのだろう。肝機能そのものに障害が残っているということではないと思う。夕方になって甲状腺機能亢進症で拝見しているインドネシア人女性から電話が入った。事務スタッフが話したことが、スタッフにはよくわからなかったようだが、直接話してみたらこういうことだった。昨日からイスラムの断食が始まった。薬の飲み方もそれで変更したのだが、なんだか変な気がする。こういう飲み方でもいいですか?と。イスラムの断食であるラマダンにおいても、病気の治療などでやむをえない場合はラマダンを行わなくてもよいと聞いて入たので少し驚いた。もともと一日2回食後に内服と指導しているので、食事をせずに内服してもよいものかと思ったようだ。
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2018年05月17日
平成30年5月17日木曜
先日、スリランカから帰国した直後に39度近い高熱と激しい頭痛でやってきた同国の男性、白血球数もCRPも「激しく」増加しており、細菌性髄膜炎の可能性も考え、土曜であったが、近くの公立病院にお願いしたのだが・・・担当医から返事が来た。溶連菌による急性咽頭炎で入院はしなかったとのことだった。咽頭痛は全く訴えていなかった記憶があるが・・・どうして溶連菌を疑ったのか、ぜひ教えてほしいと思った。ペルー人男性57歳、痛風発作がおきた。足をひきずるように診察室に入ってきた。コルヒチンを処方し、内服のしかたを注意深く話した。韓国人女性42歳、腹痛がよくならないと・・・過敏性腸症候群の疑いが強いと話したのだが・・・毎日、仕事の関係でお酒を飲んでいると・・これではよくならないと話すと、「でもお酒を飲まないと仕事ができない」と返してくる。お酒に似た色のお茶でも飲んでいたらとアドバイスした。たぶん本人が酒好きなのだろう。
日本医師会雑誌の来年3月号の「外国人医療」の特集号の内容について編集・監修のとりまとめをなさっている先生より最終原案の提示があった。僕も編集・監修を仰せつかっているのだが、この先生がすべてをしてくださって本当に申し訳ないと思う。最終案では僕は巻頭言と開業医の立場からの原稿、そして外国人医療をめぐる座談会への参加ということになった。がんばって渾身の気持ちで臨まなくては。
日本医師会雑誌の来年3月号の「外国人医療」の特集号の内容について編集・監修のとりまとめをなさっている先生より最終原案の提示があった。僕も編集・監修を仰せつかっているのだが、この先生がすべてをしてくださって本当に申し訳ないと思う。最終案では僕は巻頭言と開業医の立場からの原稿、そして外国人医療をめぐる座談会への参加ということになった。がんばって渾身の気持ちで臨まなくては。
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