日本のファーストライフとスローライフ [2009年05月29日(Fri)]
これはチリの日系雑誌のために書いた記事です。
チリ人目線をかなり意識しました。笑 日本に来日してからあっという間に4年がたちました。最初は日本財団の日系スカラーシップの奨学生として来日し、卒業後は1年間ピースボートというNGO団体のツアーコーディネーターとして働き、今はいただいていた奨学金制度の留学生活動支援を行っています。 日本の生活は忙しいです。1年中いろんなイベントが開催されているのでそういうのにも参加できます。来日したころはITのメッカである秋葉原に行ったり、ハイファッションの渋谷にもよくでかけて行きました。しかし、もう最先端の携帯電話やロリータ姿の女の子になれてしまいました。今、僕の興味はこういったエキゾチックなものから、日本人のライフスタイルに移り変わっていす。 日本人にとって、幸せとはなんなのだろうか。人生の目標は何なのだろうか。こんなに裕福で、便利な暮らしをしているのにどうしてハッピーではないのだろうか。 朝8時のラッシュアワーの電車に乗って、サラリーマンたちの目の輝きを失った顔を見ていると、こういった日本人の幸せについて考えてしまう。 日本ではディテールがとても大事です。服の着方から食べ方まで、明細にひとつひとつやり方と意味があるのです。完璧さにより近づく美徳、これは茶道でも空手の型でもそうです。この完璧さの追求を日々おこなっている彼らにはかなりのストレスにもなっています。 日本人にとっての幸せとは?日本のマスメディアが勧める「豊かな」ライフスタイルというのは庭付きのマイホームを買うことができて、会社で役員になることです。つまり大金を手に入れて、好きなものが買えるのが幸せ。。。 しかし、この消費主義な考え方は日本でも少しづつ変わってきています。このシステムで成功したエリート会社マンはトップに着いても、なかなかその野望が減らず、幸せを手に取った気分になっていない。 アースデー東京(http://www.earthday-tokyo.org/)というのに何回か参加することができましたが、こういったところでいわゆる元スーパー会社マンの人がけっこういて、その人たちは今はその考え方を捨て、ロハスな生活を探して求めている。まさにファーストライフからスローライフへと移っています。 世界の中でも経済で成功の頂点に立った日本人は、頂上には実は探していたものがなかったことに気づき始めている。庭付きマイホームと高収入が人生の目標ではないのだと気づいたのです。この持続可能なゆっくりなライフスタイルというのは昔の日本の考え方でもありました。その考えがまた現代日本で見直されていると思います。 ラテンアメリカの国々は日本や米国のような国になることを目指しています。チリでも「発展途上国」とは言われたくない。日本や米国と方を並べ、国際社会で競争をしたがっている。これが一番良い目標なのだろうかと日々疑問をもってしまう。 こういったことを日本に住んで思い始めてきました。あと1年したら南米に帰りますが、そのときにはこのアーターナティブな思考を自分の生活やライフワークにもしたいです。 南米に行く理由もそれなのです。(プロジェクトが始まったらブログでも報告します)。 ハチドリのひとしずくのように、自分のひとしずくでこの世界の大きな火事を消していきたい。 |