• もっと見る
« 2015年02月 | Main | 2015年04月»
ADRA Japan団体概要

ADRA Japanさんの画像
最新10記事
記事カテゴリー
<< 2015年03月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
https://blog.canpan.info/adrajapan/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/adrajapan/index2_0.xml
(3/11) 東日本大震災被災者・復興支援-138 あの日から4年、そしてこれから [2015年03月11日(Wed)]
この3月11日で、東日本大震災の発生から4年を迎え5年目にはいります。被災地では復興が目に見えて進んでいるところもあれば、そうでないところもあります。復興の進み具合の差が広がっています。

津波が襲った宮城県の海岸地域では長大な防波堤の土盛りが進み、常磐道も3月1日に全線開通し、首都圏からのアクセスも良くなりました。震災後に新しく建設されたイチゴハウスでは出荷されるイチゴの量は今年さらに増え、イチゴを使った化粧品など新しい商品も生まれました。


イチゴハウス.jpg


山元町では2013年4月、町の高台地域に復興公営住宅の一部が完成し順次入居も始まり、2015年1月時点では災害公営住宅などに入居を希望している方の約8割の移転先も決まりました。しかしその一方で、海岸沿いの浸水区域に残り、自力で自宅を修理して住み続けている方々もいます。


CIMG2682.JPG


震災後、そうした地域の世帯数や商店の数は減り、住民の方々が集う場所もありませんでした。

ADRA Japanは津波による浸水被害を受けた山元町の花釜区にトレーラーハウスを利用した仮集会所を設置しました。住民の方々は「オレンジハウス」という愛称で親しんでくださり、一昨年12月の開所から今年の2月までに、延べ約1,500人に利用していただきました。


P1040900.jpg


手芸活動1.JPG


花釜区の区長さんが、最近次のように話してくださいました。

「震災からまる4年経つけど、今まで気を張っていたのが最近になって疲れが出てきたように感じる。あたりを歩いていても若い人を見かけない。震災前はベビーカーで散歩しているお母さんとかがいたのに、今は見かけない。まわりのみんなは急に年を取った気がする。阪神の地震の時もそうだったと聞いているが、震災から4、5年目から孤独死が増えるらしい。最初の頃はたくさんの方から物の支援をもらったけど、今は心の支援が必要だと思っている。」

区長さんの言葉は、今後の私たちの姿勢や支援のあり方を問われる言葉だと感じました。


3月1日には、福島県立浪江高等学校の卒業式がありました。

浪江高校はもともと、福島第一原発から20キロ圏内にある福島県双葉郡浪江町にありましたが、原発事故の後は緊急避難をして、県内の2カ所に分かれて学校を運営し、2012年4月からは福島県内陸の本宮市にある県立高校の敷地内に移り、仮設校舎を建てて学校を継続してきました。

浪江高校は88年の歴史があり、これまで地域に根ざし、地元で活躍する人材を多く輩出してきました。しかし、2年後の2017年の春には休校となることが決まっています。

今年度の卒業生5人は、ぞれぞれの避難先や、親元を離れた学校近くの宿泊施設で生活しながら仮設校舎の学校に3年間通い続けました。慣れない避難先での生活や仮設校舎での生活に不便で肩身の狭い思いもしたと思いますが、卒業生たちは笑顔で堂々と高校を巣立っていきました。卒業生は全員、自分が希望した進路に進んでいくことが決まっています。

卒業式の中で、卒業生代表の生徒が「浪江高校の歴史と伝統を引き継ぎ、全員が決心しての入学だった。相双地区の復興の担い手となるために何事も一生懸命に取り組んだ。これからはどこにいても輝き続ける北斗七星になる」と答辞を述べていました。その顔は輝いていました。


CIMG2682.JPG


「いつまでも被災者意識を持っているのでなく、自分たちで何か新しいことを始めていくことをしっかりと考えなければならないと思う。」

これは、ある先生の言葉です。

ただ、こうした笑顔や前向きな気持ちを持つまでには、一人ひとりがたくさんの辛さや悔しさを経験してきたことと思います。そして、その道のりは長いものであったろうと思います。被災地に暮らす方々の、表からはなかなか見ることのできない心の道のりに、私たちは思いを寄せることが必要なのではないかと思わされます。

そしてまた、いつもは笑顔でいても、心の中ではまだ前向きな気持ちを持てないままでいる方々も多くいらっしゃるはずです。そうした方々がたくさんいらっしゃることも、常に心に留めておかなければならないと思います。

東北の被災地の方々と、私たちは今後どのように関わり、支援を続けていくべきなのか。

震災後4年の日を迎えて、このことを改めて考えていきたいと思います。


(執筆:東日本事業担当 一同)


ADRA Japan(アドラ・ジャパン) は、開発途上国や災害被災地において開発支援や緊急支援活動を行なっているNGOです。私たちの活動は皆様からのご寄付・ご支援に支えられています。
ご寄付・ご支援をお願いしています。ここをクリックしてください。ご案内ページが表示されます。

お問い合わせはこちらからお気軽にどうぞ
このエントリーをはてなブックマークに追加

   ブログトップへ

 ↓ 事業・カテゴリ別記事はコチラ ↓
最新ニュース南スーダンジンバブエアフガニスタンイエメンシリア難民ミャンマーネパール形成外科医療チーム緊急支援イベント情報・報告人材募集ボランティア募集事務局からのお知らせ

Posted by ADRA Japan at 14:57 | 東日本大震災 | この記事のURL
| 次へ