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(1/26) 東日本大震災 被災者・復興支援-134 スカイプ交流プログラム実施〜伝えることは難しくて、楽しい〜 [2015年01月26日(Mon)]
10月21日、福島県立湯本高校の3年生が英語の授業の時間を活用し、カンザス州立大学の学生とスカイプ(音声通話、テレビ電話、文字によるチャットが無料でできるインターネット電話サービス)を通じた国際交流を始めました。ADRA Japanは両校の教員と打ち合わせを重ね、交流が円滑に進行するようにサポートしています。




スカイプ 1.jpg


ADRAは2012年から、福島県立富岡高校の生徒と米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の大学院生との間で行なわれているスカイプ交流のサポートを行なっていますが、この交流活動を湯本高校でも行なうことになったのです(富岡高校の活動の様子はこちらをご覧ください)。


湯本高校は福島県いわき市にあります。校舎は2011年の東日本大震災で大きな被害を受けました。震災後3年間、生徒たちはプレハブの仮設校舎で学び、2014年春から改築・改修された校舎に戻りました。生徒の中には、原発事故の影響により避難区域に指定されている地域が「ふるさと」になる生徒もいます。


交流相手であるカンザス州立大学はアメリカのカンザス州マンハッタンにある総合大学です。このスカイプ交流に参加している学生は各自の専攻とは別に日本語を学んでおり、中には2年近く日本語を勉強している人もいます。


スカイプ交流に参加している湯本高校の生徒は英語科の3年生16人、カンザス州立大の学生は2、3年生15人です。50分の授業のうち、前半25分を英語、後半25分は日本語で会話をします。


1回目の交流となるこの日はお互いの自己紹介を行ないました。

湯本高校生たちは各自が準備した原稿を読みながら、名前、年齢、好きなものなどを英語で紹介していきます。初めての試みにとても緊張している様子で、自己紹介後の質疑応答では大学生からの質問に「Yes」、「No」で答えることが精一杯だったり、担当の先生に助けを求める目配せをしたりしていました。

そんな生徒たちの緊張が伝わったのか、大学生はわかりやすい質問を英語で投げかけてくれたり、答えが出るまで忍耐強く待ってくれたりして、会話をリードしてくれました。


そんな中、特に盛り上がった話題は「私の好きなもの」でした。


日本のアニメや漫画をきっかけに日本語を勉強し始めた大学生が多いので、自己紹介の中で「○○という漫画が好きです」という湯本高校生がいると、アメリカ側からの質問も活発になりました。自己紹介が盛り上がると手応えを感じたようで、高校生たちも嬉しそうな様子でした。また、外国の歌手が好きな湯本高校生も多く、その点においてもカンザス州立大生は高校生たちの話に関心を持ってくれたようでした。




スカイプ 2.jpg
カンザス州立大生にむけて自己紹介をする生徒たち


続いて、カンザス州立大生が自己紹介をしました。

日本に来たことがある学生や日本料理が好きな学生もおり、湯本高校生たちも親近感を持った様子でした。また、大学生の出身は中国やサウジアラビアなど様々で、生徒たちはアメリカ以外の文化にも触れることができました。


翌週の10月28日には2回目の交流を行ないました。

この日のテーマは「文化」でした。ハロウィンが近いので、カンザス州立大生はお姫様や日本のアニメキャラクターの仮装をしてハロウィンの紹介をしました。

近年、日本でもハロウィンはイベントとして定着しつつあります。多くの人が仮装をして街をねり歩いたり、パーティを開いたりして楽しんでいたニュースが流れたことをまだ記憶されている方もいらっしゃるかと思います。

日本ではハロウィンの日は「仮装をする」というイメージが強いですが、ハロウィンの起源や子どもが近くの家々を訪れてお菓子をもらう風習など、日本ではまだあまり馴染みがないハロウィンの側面について知る機会となりました。

自国の民間行事を紹介するとはいえ、外国語である日本語で紹介することは難しいですが、大学生は漫才や劇など様々な方法を交えて紹介してくれました。

アメリカの大学生による工夫を凝らしたハロウィン紹介を見ている中で、文化や英語を勉強するためだけでなく、様々な表現方法を知ることが、高校生たちにとってより有意義な交流になるのではないかと感じました。


スカイプ 3.jpg
カンザス州立大生の発表を聞く生徒たち


一方の湯本高校生たちは、赤べこなどの地元の文化と自分たちが着ている制服について英語で紹介をしました。

赤べこは福島県会津地方の郷土玩具で、「べこ」は「牛」を意味します。やはりアメリカの学生には珍しいようで、「何で作られているの?」「何に使うの?」など、やや難しい質問も出てきましたが、生徒たちは一生懸命に英語で答えていました。

この文化交流プログラムは今後も継続していきます。その目的は、生徒たちが英語で話す機会を増やし、彼らの視野を世界に広げることです。そして、英語を学ぶだけではなく、福島県の現状や彼ら自身のメッセージを海外の方々に伝える機会にすることです。

使い慣れていない英語での会話は緊張するものかと思いますが、1回1回の交流が有意義なものになるよう、引き続きサポートしていきたいと思います。

(執筆:東日本事業担当 松川聡)
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Posted by ADRA Japan at 17:53 | 東日本大震災 | この記事のURL
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