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(2/17) ジンバブエ便り Vol. 14 〜命をつなぐ水を探して〜 [2012年02月17日(Fri)]

この写真のペットボトルに入った薄茶色の水、みなさんは何だと思いますか?
これは、私たちが事業を実施していた地域、ゴクウェ・ノースの人々が日常的に飲んでいる水です。

ADRA Japanでは、外務省NGO連携無償資金協力の助成も受け、ゴクウェ・ノースにおける水衛生事業を実施してきました。今回は、事業を行なう上で一つの大きなチャレンジとなったことについてご紹介したいと思います。

これまで何度かブログでお伝えしてきましたが、私たちの事業地ゴクウェ・ノースは、ジンバブエ国内でも有名な乾燥地帯です。一言で乾燥地帯と言っても、広大な地域なので、場所によって多少の差があります。
ADRA Japanでは5ヶ月に渡って7つの小中学校で井戸の掘削を行ないましたが、最も浅い場所ではわずかに地下15メートルほどで一つ目の水脈が見つかりました。一方、全く水脈に出会えなかったガンガンガ(Ganganga)小学校周辺では、約100メートルの掘削を二つの地点で行ないましたが、一滴の水も出ませんでした・・・。「一滴の水さえも」、です。

通常、水脈がある場所では、水分を含んだ緑の植物が多く見られます。ゴクウェ・ノースでは、日本でよく見られるような辺り一帯が緑に囲まれた地域は稀ですが、それでも緑の植物をひとつの目安として、水脈があるという期待を持つことができます。
ところが、ガンガンガ小学校の周りには、下の写真のような茶色の草木ばかりで、安全な飲み水を確保するための井戸どころか、小川さえもありません。


 
ガンガンガ小学校周辺。茶色い草木が乾燥地帯であることを象徴している


ゴクウェ・ノースの小中学校は、ジンバブエ国内の他の地域と同様、コンクリートの校舎が一般的ですが、ガンガンガ小学校は少し違います。この小学校の校舎は、木の壁とわらの屋根でできており、コンクリートを使わずに作られています。なぜなら小学校の周辺では、セメントと砂、砂利を混ぜるために十分な水が確保できないからです。


 
ガンガンガ小学校の校舎。コンクリートを使わずに作られている


9月中旬、ガンガンガ小学校で井戸掘りを行ないました。工事は何日にもわたり、朝早くから日暮れ時まで、地域住民や深井戸会社の人々、また、ADRAのスタッフに見守られながらの作業でした。
ゴクウェ・ノースでは、地下数十メートルに至るまで水脈が見つからないことが珍しくありませんが、残念ながらガンガンガ小学校では、他の場所よりもはるかに深い約100メートルを掘り続けても、水脈を見つけることはできませんでした。井戸を掘る際には、基本的には事前に地質調査を行なって一定の区域の中で最も水脈が見つかる可能性が高い場所を選びます。今回も他の場所と同じく、調査を行なった上で井戸掘りを始めましたが、水脈は見つからなかったのです。

みなさんは不思議に思うかもしれません。このような地域に住む住民は、どこから水を手に入れているのだろうかと。
実は1箇所だけ、わずかに水が湧き出ている小さな水溜りのような場所があります。この場所は付近の住民にとって唯一の水源なので、多くの住民はバケツでたった1杯の水を得るために、数キロもの道のりを何十分も歩いていくのです。
バケツと言っても、私たちが想像するような小さなものではなく、20リットルもの水が入る大きなものです。このバケツを満タンにするためには、小さな水源を枯らさないよう、何時間もかけて水を汲まなければなりません。川も井戸もない場所に湧き出ているその水に住民たちは神秘的な力を感じ、そのわずかな水に頼って生活しています。
この水は茶色く濁っていますが、住民にとっては、命をつなぐたった一つの貴重な財産なのです。


 
ガンガンガ小学校から2キロほどの地点にあるたったひとつの水源


掘削の後、深井戸会社や周辺住民との話し合いを持ち、雨季が近づいていることもあって、2011年中の深井戸掘削は断念することとなりました。乾燥地帯での井戸掘りは容易ではありません。本当に井戸が必要とされている地域だからこそ、そのプロセスは長く忍耐を要するものなのです。


 
深井戸会社、地域住民との会合


ゴクウェ・ノースには、今この時も水を必要としている人々がいます。支援を必要としている人々のために、ADRA Japan では今後もジンバブエでの長期的な支援を続けて参ります。引き続き、みなさまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。


(文責:ジンバブエ事業担当 前田恵梨子


* この事業は、外務省NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しています。

ジンバブエコレラ感染予防事業についてはコチラから

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銀行: 三菱東京UFJ銀行 表参道支店
口座: 普通1956381
口座名: トクヒ)アドラジャパン
*お振込される際に、お名前の前に「ジンバブエ」とご入力ください。
   例)ジンバブエ ウラシマヤスナリ
*銀行振込によるご寄付の場合、ご住所がわかりません。
領収書をご希望の方は、お振込み日、金額、お名前、ご住所、
電話番号をADRA事務局までご連絡ください。

<郵便振替>
口座番号:00290-2-34169
加入者名:(特活)ADRA Japan
通信欄に「ジンバブエ」または「緊急支援」とご記入ください。
*振替払込請求書兼受領証にて領収証と代えさせていただきます。
領収証が必要な場合は、必ず「領収証:要」と通信欄にご記入下さい。
Posted by ADRA Japan at 18:00 | ジンバブエ便り | この記事のURL
(1/19) ジンバブエ便り Vol. 13 〜日本からの訪問者:モニタリング・現地監査を実施しました〜 [2012年01月19日(Thu)]
11月は、ジンバブエでは本格的に雨季が始まる月です。
2011年は、例年に比べて降水量が少ないと言われていましたが、ゆっくりと訪れる雨季の始まりとともに、事業地ゴクウェ・ノースの木々も、鮮やかな緑色に色付き始めていました。



事業地Zanda(ザンダ)小学校の周辺


そんな11月、事業も終盤に差し掛かった頃、ゴクウェ・ノースに日本からの訪問者を迎えました。
11月1日に行なわれた水衛生設備の完成式典に参加するため、ADRA Japan事業部長の橋本が事業地を訪れ、後日行なわれた現地監査においては、日本から公認会計士の方をお迎えしました。(完成式典の様子はコチラから)

橋本は、事業地の学校や手掘り井戸の建設地を訪問しつつ、地域行政の担当官との会合も行ないました。また、建設作業の進捗状況や建設物の状態の確認、事業の効果の検証などを行ないました。ゴクウェ・ノース地区の最高行政官(District Administrator)からは、「ゴクウェ・ノースの住民のために、水衛生という視点から幅広い支援をしてくれたADRAに、心から感謝しています」とのお言葉をいただきました。



ジンバブエ支部のスタッフと共に手掘り井戸の視察をする事業部長の橋本


事業地の小学校では、授業の様子や建物の状態を視察しました。実際に事業地を訪れることで、口頭や文面での報告では伝わりづらい事業地の状況や事情を知ることができます。



日本からの訪問者に生徒たちも興味津々


その後、11月中旬に行なわれた現地監査では、公認会計士の方が、購入した材料が適切に利用されているか、完成した建設物が規定に沿っているかなどを確認しました。日本の皆様からの貴重なご支援が、適切かつ効率的に利用されていることを確認するためです。



完成した深井戸を視察する公認会計士


約1年間に渡り、ジンバブエ国内でも僻地と言われるゴクウェ・ノースに駐在した現地スタッフにとって、ほぼ全ての建設物が無事に完成した上で、日本からのゲストを迎えられたことは、とても嬉しいことです。また、日本からの訪問客と意見を交換することは、スタッフにとってもコミュニティにとっても新しい視点を取り入れるきっかけとなり、よい刺激となります。



視察を終えた小学校の生徒たちと公認会計士


本事業は、昨年12月に無事に終了しました。建設が終わった水衛生の設備が、これからの長きにわたり大切に使われてゆくよう、また衛生教育を通して伝えられた知識によって人々の生活に変化がもたらされるよう、今後も暖かい目で見守っていきたいと思います。


(文責:ジンバブエ事業担当 前田恵梨子

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* 2009年度事業は、(特活)ジャパンプラットフォームの助成も受け実施しました。
Posted by ADRA Japan at 14:17 | ジンバブエ便り | この記事のURL
(11/17) ジンバブエ便りVol. 12 〜壊れた井戸から流れる水〜 [2011年11月17日(Thu)]
10月は、毎年ジンバブエでシーズン初の雨が降る月です。今年も、期待を裏切らずに10月1日から雨が降り始めました。10月初旬は雨が降ったり止んだりの日々が続き、中旬から下旬にかけて本格的に雨季が始まります。


ADRA Japan が現在行なっている事業では、7つの小中学校に、地下数十メートルから水を汲み上げる深井戸を設置しています(井戸の設置についてはコチラ)。事業地のゴクウェ・ノースでは、何十年も前に設置されたものから、コレラ蔓延後に新たに設置されたものまで、数多くの深井戸があります。

これらの深井戸は、ハンドポンプが適切に備え付けられていなかったり、パイプが錆びてしまっていたりすると、水が出なくなってしまいます。基本的には部品を取替えたり、簡単な修理を施したりすれば再使用可能となります。ところが、これまでに設置された井戸の多くは、住民に適切なメンテナンス方法が伝授されていなかったことが原因で、故障したままの状態で放置されていました。


このような背景から、現在の事業では、地域の人々が井戸の修理や管理を適切に行なうことができるよう、ゴクウェ・ノースの地方政府から井戸の専門家を招き、深井戸メンテナンスのためのトレーニングを実施しています。
このトレーニングでは、コミュニティーによって選ばれた住民の代表たちが、講義と実技を通して、故障して水が出なくなっていた井戸を実際に修理しました。

深井戸の修理では、まず頭の部分に当たるハンドポンプを解体することから始めます。
ボルトを一つ一つはずし、少しずつ解体していきます。
 


ハンドポンプの解体の様子


井戸の内部には、水をくみ上げるためのパイプが通っています。その全長は、井戸の深さと同じである必要があります。深さ70メートルの井戸の場合、1本3mのパイプ23本を接続して1本の長いパイプにします。接続後のパイプはとても重いので、修理の際には巨大な三脚を使って取り出します。


 
巨大な三脚の使用


 
ハンドポンプとパイプを取り除いた後の井戸


今回修理した井戸は、パイプの接続部分が錆びてしまっていたため、その部分から水が漏れてしまい、水をしっかりと汲み上げられていなかったことがわかりました。そこで、錆びてしまったパイプの結合部分を切り落とし、新しく切り込みを入れることによって水漏れしないように修理しました。


 
パイプの修理の様子


設置されている深井戸は、行政やNGOによる地域の人々への単なる「贈り物」ではありません。乾燥地帯で生活する人々にとって、清潔な飲み水が手に入る深井戸は、自分たちの命を守る貴重な「財産」です。これらの財産が継続的に使用されるためには、住民たちが「この深井戸は自分たちのものである」という認識を持って大切に扱うと共に、維持管理のための技術を身につける必要があります。このような人々の生活を支えていくために、ADRAでは今後も地域の人々と協働して、事業を続けて参ります。

 

トレーニングを終えた住民と修理を経て水が出るようになった井戸


(文責:ジンバブエ事業担当 前田恵梨子

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Posted by ADRA Japan at 11:30 | ジンバブエ便り | この記事のURL
(11/11) ジンバブエ便り Vol.11 〜完成式典が行なわれました〜 [2011年11月11日(Fri)]
2011年11月1日、ADRA Japan の事業地ゴクウェ・ノースの小学校で、深井戸・トイレ・手洗い場の贈呈式と、衛生教育トレーニング受講生の卒業式を兼ねた式典が行なわれました。

この日は天候に恵まれ、会場となった小学校には1,000人以上の住民が集まりました。中には、この式典のために朝早くから10キロ以上もの道のりを歩いてやってきた住民もいました。


  
式典のために朝早くから集まった住民たち


式典には、在ジンバブエ日本大使館の原田参事官をはじめ、ミッドランド州の保健省職員や、ゴクウェ・ノース地区の行政職員など、多くの来賓の方々をお迎えしました。また、日本からはADRA Japan事業部長の橋本も出席しました。ゴクウェ・ノースまでは、首都ハラレから車で5時間ほど、また、ミッドランド州の州政府のあるグウェルからでも4時間近くかかります。この式典のために、来賓の方々は長いでこぼこ道を何時間もかけてやって来てくださいました。遠路はるばるお越しいただいたことに感謝しています。



各地から参加してくださった来賓の方々


写真左:在ジンバブエ大使館の原田参事官 右:ADRA Japan事業部長の橋本

今回、この事業で衛生教育トレーニングを受けた受講生たちは、5月にすべてのトレーニングプログラムを修了しました。その後、彼らは教わる側から教える側へと立場を変え、11月のこの日に至るまで、それぞれの活動地域で20〜30人のグループを作り、そのグループのリーダーとなって衛生教育を行なってきました。たった1人の受講者から、子どもたちを含む多くの住民に教育が施され、そこからさらに多くの人々へと衛生の知識が着実に広められていくのです。今回の式典では、そうしたリーダーたちから衛生教育を受けた住民が、衛生や感染症などをテーマにする踊りや歌、寸劇を披露してくれました。



児童による伝統的な踊り


式典の最後には、衛生教育受講者の卒業式も行なわれました。式典を行なった地域の受講生一人一人に、原田参事官から卒業証書が手渡されました。初めて会う日本大使館からの来賓に、卒業生の顔からも思わず笑みがこぼれます。


卒業証書を受け取る衛生教育受講生

一口にジンバブエと言っても、地域によってインフラ整備や衛生設備の状況が全く異なります。2008〜2009年にかけてコレラが流行した際、他の地域に比べて支援が届きにくかったゴクウェ・ノースの人々にとって、今回の事業で設置した深井戸やトイレ、手洗い場といった設備は、命をつなぐ大切な宝物です。
そうした地域に暮らす彼らにとって、遠くハラレから日本大使館の方が、また日本からもADRA Japanスタッフが自分たちの村を訪問してくれたことは、とても光栄なことだと口々に語ってくれました。

今回の式典が行なわれた場所は、現在事業を行なっている4つの地区のうちの1つでした。他の地区でも、今月、卒業式を兼ねた式典が行なわれます。また、それらの地区において建設中のトイレや手掘り井戸も、今月中に完成する予定です。ゴクウェ・ノースのより多くの人々に安全な水と衛生的な設備が届けられるよう、ADRA Japan は、引き続き事業を行なって参ります。

(文責:ジンバブエ事業担当 前田恵梨子

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Posted by ADRA Japan at 17:03 | ジンバブエ便り | この記事のURL
(9/14) ジンバブエ便り Vol.10 〜トイレ建設のためのトレーニング〜 [2011年09月14日(Wed)]
アフリカ大陸南部に位置するジンバブエ。
私たち日本人は「アフリカ」、「南」と聞くと温暖な気候を想像しがちですが、ジンバブエでは6~7月は冬季にあたり、首都ハラレでも朝晩は10℃を下回ることが多々あります。そんなジンバブエでも、8月からは暖かい風が吹き始めます。事業地であるゴクウェ・ノースでは夏の訪れとともに、小中学校におけるトイレの建設が始まりました。




トイレの土台に使用する石の収集



ジンバブエのトイレは「落とし穴式」です。これは穴を掘るだけの、シンプルで途上国ではよく見られるトイレです。
日本では最近は水洗が当たり前になっていますが、一昔前までは日本人もこのようなトイレを利用していました。




ジンバブエの「落とし穴式」トイレの穴



事業地には、すでにこのようなトイレがある学校も何校かありますが、その多くはヒビが入っていたり、崩れかけたりしていて危険なため、使用できない状態にあります。ゴクウェ・ノースは地盤がゆるく乾燥していることから、不適切な方法で作られたトイレの崩壊が後を絶ちません。また建設の際、高価なセメントの使用を減らすために、規定よりも多くの砂や砂利がセメントに混ぜられることもあり、強度が落ちてしまうこともしばしばです。




崩れた事業地の小学校のトイレ



このような問題に対処するために、今回の事業ではトイレを建設するビルダー(現地の技術者)を選定し、トレーニングを行ないました。トレーニングと言っても、普段からトイレ建設を行なっている人向けのものなので、実際には、保健省が規定したトイレ設計の確認作業が中心です。このトレーニングを受けることにより、ビルダーたちは、保健省の規定に沿った耐久性にすぐれたトイレを建設することができるようになります。




適切な量のセメントを混ぜ合わせるビルダーたち





保健省の担当官と確認作業を行なうビルダーたち



建設従事者の間ではさほど難しくないと考えられているトイレ建設も、道具の使い方やセメントの混ぜ方などで、仕上がりや耐久性に大きな差が出ます。学校で日常的に必要とされるものだからこそ、時間をかけて丁寧に作業を行なうことが必要です。

これから1ヶ月ほどの間、事業地ではトイレ建設を続けていきます。地域の子どもたちが安全かつ衛生的な環境で学校生活を送ることができるよう、引き続きあたたかいご支援をよろしくお願いします。


(文責:ジンバブエ事業担当 前田恵梨子


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Posted by ADRA Japan at 15:00 | ジンバブエ便り | この記事のURL
(8/19) ジンバブエ便り Vol.9  〜ジンバブエの伝統料理 サザ〜 [2011年08月19日(Fri)]
イギリスの植民地であったジンバブエ。
そのような背景をもつジンバブエの人から食事に招かれると、イギリスの調理法に基づいた、コショウなどのスパイスが効いた食べ物や、パン、紅茶、砂糖が食卓に並びます。
町にはパン屋さんがたくさん軒を連ね、スーパーマーケットでは様々な種類と銘柄の紅茶が販売されています。


しかし、このような植民地時代の影響が人々の食卓に残っている一方、この地で古くから食べられているサザ(Sadza)という伝統的な食べ物も健在です。
サザは、「メイズ」と呼ばれるとうもろこしの一種を挽いた粉(この粉はミリミールと言います)を練って作った食べ物です。日本のお米にあたる、ジンバブエの主食です。


(昼食にサザを食べるADRAスタッフ)


今回は、ジンバブエの代表的な食べ物である、このサザの作り方をご紹介したいと思います。


まずは、ミリミールを買いに行くところから。
ジンバブエでは、どこの町でもスーパーや商店で5kgや10kg単位でミリミールが購入できます。
私が住んでいる近所のスーパーでは、10kgのミリミールは日本円で約600円、10kgのお米は約1,250円ですので、ミリミールはお米よりも安く、まさに伝統料理サザは庶民の食事の代表であり、家計を預かるお母さん達のお財布の強い味方でもあります。


さて、キッチンに入っていよいよ調理開始です(写真の番号に沿って説明します)。
ジンバブエの人々は、目分量で調理するので、カップ数やmlといった正確な数字をお伝えするのは難しいのですが、今回はある程度きちんと分量を量ってもらいながら調理してもらいました。

1) 1カップのミリミールを鍋に入れ、同量の水を注ぎます。
2) ダマにならないようにかき混ぜます。
3) 2)を火にかけ、あらかじめ沸かしておいたお湯1,000mlを少しずつ加え、かき混ぜながら弱火で煮ます。
4) ミリミールがトロトロになるまで混ぜます。





5) フタをしてさらに煮ます。
6) 沸騰したら、ミリミールの粉1.5カップを追加します。
7) しゃもじで混ぜます。フタを斜めに持ちながらミリミールの粉が調理台の周りに飛び散らないようにして(沸騰しているため粉が飛び散ることがあります)、もう片方の手でかき混ぜるのがおすすめです。ジンバブエの人々は粉が飛び散るのを気にしない人が多いので、そんなことはしませんが・・・。
8) かき混ぜ続けると、徐々にとろみがなくなり、重みが出てきます。





9) さらにかき混ぜ
10) 鍋の底から
11) しっかり混ぜます。
12) 十分に粘り気が出てきたら、サザの完成です。好みによってサザの固さは変わりますが、ジンバブエのレストランなどで私たちがよく食べるサザは、日本のマッシュポテトに粘り気がついたような固さです。





上記の量で片手鍋一杯分のサザができますが、ミリミールの量は好みによって調整します。
柔らかめが好みであれば、手順6で加えるミリミールの量を1カップ程度に、固めが好みであれば、同じく手順6のミリミールを2カップ程度にすると、程よく仕上がります。


(完成したサザ。今回は大豆のソースを添えて)


ジンバブエの都市部では、ファーストフード店の増加などにより、人々の食生活が変わってきています。しかし、農村部で暮らす人々にとって、腹持ちのよいサザは、今も昔と変わらない大切な主食であり、エネルギーの源となっています。

現在協働でジンバブエ事業を行なっているADRA Zimbabwe(ジンバブエ支部)の昼食でも、頻繁にサザが登場します。
今日も、共に事業を行なっているジンバブエ支部のスタッフと、サザを食べてしっかりと事業を進めていきたいと思います。




(文責:緊急事業担当 前田恵梨子


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Posted by ADRA Japan at 14:53 | ジンバブエ便り | この記事のURL
(8/4) ジンバブエ便り Vol. 8 〜手洗い場の設置〜 [2011年08月04日(Thu)]
4本の枝とロープ、それにペットボトルを組み合わせたもの。
何だかわかりますか?


(事業地の小学校で手洗い場を視察するADRA スタッフ)


これは、ジンバブエの農村部にある学校でよく見られる手洗い場です。
ロープでつるされた木の棒を足で踏むと、ペットボトルがさかさまになり、穴の開いたペットボトルのふたから水がこぼれる仕組みになっています。事業地では水が貴重なため、このペットボトルの手洗い場に水が入っていなかったり、水が入っていても清潔でない水が使われていることがよくあります。

現在事業地では、一つの学校につき深井戸と手洗い場を一基ずつ設置しています (深井戸の掘削に関してはコチラから )。

手洗い場の建設では、まず始めに土台となる部分を円形に形作り、セメントを流しこみます。同時に、手洗い場のタンクの上に乗せる蓋となる部分を、セメントで固めて作ります。蓋となる部分はセメントと砂、水を混ぜて作りますが、セメントが固まるまで4日ほどかかることから、作業の初日に用意しておきます。


(手洗い場の土台の形作り(写真右・手前)と蓋作り(写真左・後方)の作業の様子)


土台のセメントが乾いたら、レンガを重ねていき、コンクリートのタンクを作ります。また、子どもたちがタンクの中に水を入れられるように、同じくレンガで階段を作り、崩れないように全体をセメントで覆います。


(レンガを重ね終わりタンクの形となった手洗い場)


最後に、パイプと蛇口を取り付け、蛇口から流れる水の水路を作ると完成です。


(完成した手洗い場を視察するADRAスタッフ)


事業地であるゴクウェ・ノースでは、今回設置を行なっているタイプの手洗い場があまり普及していないため、国内の別の地域から技術者を招聘して工事を進めています。また、招聘された技術者が地元の技術者とともに作業を行なうことにより、ゴクウェ・ノースでも規定に沿った手洗い場の使用が広まることも目標としています。


(共に作業を行なう招聘された技術者(左)と地元の技術者(右))


日本の子どもたちは、保育園や幼稚園、小学校低学年から手洗いの習慣を身につけますが、ジンバブエでは、安全な水の確保が難しい地域が多くあるため、多くの子どもたちは手を洗うことや、安全な水を利用することを知らずに育ちます。この手洗い場が、子どもたちの衛生的な生活への第一歩となることを願い、今後も建設作業を続けていきたいと思います。引き続き、ご支援をよろしくお願いします。


(文責:緊急事業担当 前田恵梨子


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* 2009年度事業は、(特活)ジャパンプラットフォームの助成も受け実施しました。

Posted by ADRA Japan at 18:31 | ジンバブエ便り | この記事のURL
(7/26) ジンバブエ便り Vol. 7 〜村に井戸ができました〜 [2011年07月26日(Tue)]
事業地であるゴクウェ・ノースの乾燥地帯に、巨大なトラックがやってきました。
井戸を掘るためのドリル車です。
このように機械を使って掘られた井戸のことを、ジンバブエではBorehole(深井戸)と呼んでいます。


(事業地に到着した、深井戸を掘るためのドリル車)


現在ジンバブエにて実施中のコレラ予防のための水衛生事業では、学校の子ども達や地域の人々が飲み水や生活用水を確保するための一つの手段として、事業地にある7つの小中学校にて合計7基の深井戸設置を行なっています。乾燥地帯といわれるこの地域では多くの人が水を確保するのに、何キロもの道のりを歩いて、川の水を汲み、飲んでいました。しかし、その川の水も決して安全とは言えず、2008年〜2009年にコレラが大流行した時にはコレラの感染源となっていました。ここに住む人々は安心して飲める水を確保することが困難でした。そのような村の一つで、待ちに待った井戸掘りが始まりました。


(砂の中から出てきた水)


事業地であるゴクウェ・ノースは乾燥地帯のため、掘削開始後しばらくの間、ドリルは地下で石と砂の中を進みます。掘削開始2時間後、砂とともに水が出てきました。しかし、上層部分から水源がみつかっても完成しないのが乾燥地帯での井戸掘削です。村の人々が十分に利用できる水源は、さらに地下深くに潜んでいます。乾季になっても枯渇しない水が必要とされるため、水が出始めてからもさらに深く掘り続けます。


(掘削後の放水の様子)


1日半にわたる掘削を経て、ようやく地下深くの水源に到達しました。掘りたての井戸の水には、多くの泥や砂が含まれているため、掘った穴にパイプを挿入した後もしばらくの間放水をして余分なものを取り除きます。


(ハンドポンプ設置の後、コンクリートで基盤を作る様子)


最後に、人々がこれから水を汲む際に利用するハンドポンプ(ジンバブエ政府より推奨)を設置し、コンクリートで基盤を固めると完成です。


(完成した井戸で試しに水を汲む村のこども)


ドリル車が到着してからの3日間、村役場の方が夜間焚き火をしながら見張りをしてくれました。ハンドポンプが設置されたのを見て彼はこのように言いました。

「長い間、私たちの村には水がまったくありませんでした。私たちは、牛や豚と同じように汚れた川の水を飲んでいたのです。牛や豚のようにです。今、ADRAが私たちの村に水を与えてくれました。ADRAのみなさん、本当にありがとう。井戸を掘ってくれた会社のみなさん、本当にありがとう。」


日本では、食事や飲用だけでなく、洗濯や掃除、食器洗いや入浴、庭の草木の手入れなど色々な場面で水が使われます。そして、ジンバブエの人たちも同じように水を使いたいと思っていました。そのため、水が十分に確保できなかったこの地域の人々にとって、この井戸水はとても貴重なのです。
また、きれいな水が使えるということは手洗いや掃除を徹底することができ、衛生的な生活を送れるため、コレラを始めとする感染症予防への第一歩にもなります。

今日も事業地では引き続き深井戸の掘削を行なっています。村の人々に安全な飲み水を届け、コレラや他の感染症の予防に努めていきたいと思います。引き続きあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。


(文責:緊急事業担当 前田恵梨子)




* この事業は、外務省NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しています。

ジンバブエコレラ感染予防事業についてはコチラから


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* 2009年度事業は、(特活)ジャパンプラットフォームの助成も受け実施しました。

Posted by ADRA Japan at 19:04 | ジンバブエ便り | この記事のURL
(7/14) ジンバブエ便り Vol.6 〜小銭のない暮らし〜 [2011年07月14日(Thu)]
2009年初頭。
記録的なインフレーション(以下、インフレ)を経験したジンバブエでは、それまで使用されていたジンバブエドルからアメリカドルへ通貨の移行がなされました。

アメリカドルへの移行直前は、ジンバブエドルの年間インフレ率は2億パーセント以上になっていました。食糧価格は一日に3回も変わりました。
人々は、インフレによって価値がほとんどなくなってしまった札束をリュックサックに入れて持ち歩いていました。お店の人は札束を数えるのを止め、その札束の重さによって金額を判断しました。

政府はデノミネーションを行なったものの、最終的には世界で「0」の数が最も多い紙幣である「100兆ジンバブエドル札」を発行する事態にまで陥りました。インフレは止まらず、国内の物流は更に混乱。アメリカドルに移行するまで、店頭からは次々と商品が姿を消していきました。



2009年初めまで使われていたジンバブエドル札の一部


それから2年がたった今、ジンバブエの人々の生活は少しずつ落ち着き始めています。
現在国内で広く使われているのはアメリカドル、そして南部アフリカ地域の経済大国であり、南部で国境を接している南アフリカの通貨であるランドです。

普段の生活ではアメリカドルの紙幣がよく使われますが、アメリカドルの小銭はほとんど流通していません。また、南アフリカに近い南部の地域ではランドの小銭でおつりをもらうことが多々ありますが、北部の地域や首都ハラレでは、このランドの小銭の流通も少なく、結果的に生活の中で小銭を手にするチャンスはあまり多くありません。



南アフリカの通貨、ランドの小銭


この小銭不足に対応するために、さまざまな工夫がなされています。

たとえば、多くのレストランやファーストフード店では、1ドル以下のメニューを取り扱っていません。ポテトが2ドル、ハンバーガーが3ドル、といった調子です。

スーパーでは、「クレジット」と呼ばれるレシートを使って、おつりとして返金されるべき1ドル以下の金額を印刷し、次回スーパーで買い物をするときにこのクレジットを使って買い物ができるよう、お客さんに配慮しています。

また、ジンバブエ国内ではどこでも見られる庶民の足、「コンビ」と呼ばれる乗り合いバスは、ハラレ市内とその周辺の運賃が50セントになっています。つまり、一人で乗って1ドル払うとどうしてもおつりが必要になってしまうのです。
おつりが必要な2人の人が同じバス停で降りる場合、たとえ見ず知らずの人同士でも、バスの車掌さんに1ドル札を一枚渡され、「これでどうにかしてね。」と言われることが少なくありません。



ジンバブエの庶民の足、コンビ


そんな時に、どうするか。
多くの人が利用するバス停の近くには、野菜やフルーツ、お菓子などを売っているスタンドがあります。そういったスタンドで商売をする人は、たまに手に入る小銭を貯めこんでいたり、小銭を売買する両替商からお釣り用の小銭を調達していたりしているため、彼らの店で品物を買えば、50セントのお釣りを手に入れることができます。
乗車前や下車時に50セントのものを買い、自分は買ったものを持ち帰り、一緒にバスを降りた人に残りの50セントを渡せば、ようやく「お互いに50セントずつ」を手に入れることができます(この場合、どちらかが「小銭」ではなく、「50セント相当の品物」を持ち帰ることになってしまうのですが…)。



大通りのバス停近くの果物屋


最近では、バス会社が「チケット」と呼ばれる切符(紙をラミネートしたもの)を発行し、おつりの代わりにチケットを渡され、次回乗車時に使えるようにしています。



下車時、おつりの変わりに渡される切符


日常的に小銭を扱うことに慣れている外国人の私には、この現状は少し暮らしにくいこともあります。
しかし、2009年初頭までのインフレを乗り越えたジンバブエの人々にとって、今の生活はとてもありがたいものです。ADRA Japanの現地パートナーであるADRA Zimbabwe(ジンバブエ支部)の職員はこう言います。


「今は本当に贅沢な暮らしをさせてもらっているよ。あの時(2009年までのインフレの時)は本当に何もなかったんだ。お店に行っても棚に商品が何ひとつなかったし、そもそもお店が開いてなかったからね。何一つだよ。信じられるかい?今はあの頃よりずっとよくなったよ。だから僕は、今、1ドル払ってコンビに乗っておつりをもらえなくても問題はないし、いつも1ドルで買っているパンが3ドルするって言われたら、3ドル払うと思うよ。」


ジンバブエの人々はインフレとコレラの蔓延によって厳しい生活を強いられてきました。その生活を生き抜いた彼らは、今日も前向きに力強く生活しています。ADRA Japanは、そんなジンバブエの人々に少しでも力添えができるよう、日々活動を続けています。
皆様のあたたかいご支援を、よろしくお願い致します。

(文責:緊急事業担当 前田恵梨子)


* この事業は、外務省NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しています。

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Posted by ADRA Japan at 17:49 | ジンバブエ便り | この記事のURL
(6/13) ジンバブエ便り Vol.5 〜衛生教育・感染症予防トレーニングを実施〜 [2011年06月13日(Mon)]
事業地のゴクウェ・ノースにおいて3月から5月にかけ、自治体によって選出された計212名の住民を対象に衛生教育・感染症予防トレーニングを実施しました。このトレーニングは受講者が衛生や感染症についての知識を深め、感染症予防意識を高めることを目的としています。


トレーニングは、各回30〜40人を対象とし、5日間にわたって行なわれました。
受講者たちは、正しい手の洗い方や、トイレ、手洗い場の使い方、コレラ、マラリア、エイズなどの感染症に関する講義を受け、また農村部ならではの課題を踏まえた地域における啓発活動の進め方についても学びました。



トレーニングを受ける受講者たち



受講者は積極的にトレーニングに参加している


日常生活において、机に向かって勉強や仕事をすることが少ないゴクウェ・ノースの人々への啓発には、講義よりも体を動かしながら伝える方法が効果的とされています。今回実施されたトレーニングでも、受講者たちは衛生や感染症について地域の子ども達や住民に分かりやすく伝えるために、歌やダンス、劇などを使う方法を学んでいました。



エイズ予防を呼びかけるダンスを学ぶ受講者たち



衛生問題を題材とする劇を披露する受講者たち


5日間のトレーニングを修了した受講者は、以下のような感想をアンケートに残してくれました。

・ 「トレーニングを通して、これまで知らなかったたくさんの感染症があることを学びました。」

・ 「トレーニングを終えて、これから地域の人々に私が学んだことを伝えられるのをうれしく思います。」

・ 「講師やADRAのみなさんが今度私たちの地域に来るときには、きれいで衛生的な家々を見てもらえると思います。」



トレーニングを修了した受講者たちは、トレーニングを通じて得た知識を多くの人々に伝えるため、修了者1人につき30人ほどの住民を集めてグループを作り、週に一度の講習会を開催することになっています。
また、この講習会が継続的に実施されるために、受講修了者の中から選出されたリーダーを中心に、月に一度の会合を開き、お互いの講習会の様子や内容を報告し、より良い啓発活動をするための話し合いをしていきます。


こうした講習会や会合を経て、トレーニングを修了した受講者たちから衛生・感染症予防の知識が住民から住民へ、大人から子どもへと伝えられていき、ゆくゆくはゴクウェ・ノースの人々が衛生的な生活を送れるようになることが期待されています。
引き続き、皆様の温かいご支援をよろしくお願いします。



トレーニングを修了した受講者たち


(文責:緊急事業担当 前田恵梨子

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Posted by ADRA Japan at 12:30 | ジンバブエ便り | この記事のURL
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