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(2/13)ミャンマー便りvol. 21〜住民と一緒に取り組む子どもの教育環境の改善〜 [2018年02月13日(Tue)]
60年にわたり紛争が続いていたミャンマー。紛争の間に学校は朽ち、紛争が落ち着いた現在も子どもたちが安全に勉強できない環境となっています。ADRA Japanでは2017年11月より、紛争の影響を受けてしまった学習環境を改善するため教育支援に取り組んでいます。

ADRA Japanが活動しているカレン州では、長い紛争により教育を受ける機会が限られていた親世代が教育の重要性を十分に理解していないために、子どもには学校に通わせるのではなく農作業や家畜の世話を任せる傾向があります。また、小学校を卒業しても中学校に進学する児童の数が限られており、教育を継続して受けることができる子どもはまだまだ少数派であるのが現状です。

こうした状況を受け、ADRA Japanは、保護者を含む学校地域に住む住民の方を対象に子どもの教育に対する理解を深めるための啓発ワークショップを実施しています。


01 IMG_1516.jpg
教育啓発セッションの様子。(中央で立っているのは事業スタッフ)


ワークショップではまず、なぜ子どもが継続して教育を受けることが大切なのかを住民の方たちに考えてもらうためのセッションを行ないます。子どもたちの将来の可能性の広がり、衛生に関する意識の向上や経済活動への効果など、教育を受けることのメリットについて話し合います。

次に、住民の方たちが地域にある教育に関する課題を考え、課題の解決に向けて行動を起こしていくためのワークショップを行ないます。このワークショップでは、参加者が村の教育に関する課題とその原因について話し合い、対応案を練り出します。

例えば、通学路やその途中にある橋が老朽化しているため子どもを学校に通わせるのが不安である、という課題が挙げられたら、自分たちで橋を修繕する、通学路を土のうで整備するなどの改善案を村の方たちが自ら検討します。


02 DSC06074ヤギPRA7月.jpg
村における教育に関する課題を議論、分析する


さらに、検討した改善案をもとに具体的な活動計画を立て、実施に向けて動きだします。
ワークショップで話し合うだけでなく、具体的に行動に移していくことで、住民の方の教育への関心は高まります。また、教育についての問題を発見し解決する経験を積むことで、村の方たちが自ら子どもの教育について考え、より良い教育環境に向けて取り組んでいけるようになることを目指しています。


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通学路の途中にある橋が老朽化したので修繕している

04 W800Q60_IMG_20150823_100254ナウカレン教育啓発活動8月.jpg
舗装されていない通学路を土のうで整備する


子どもたちが安全に継続して教育を受けられるようになることを目指して、子どもの教育を住民の方々と一緒に考え、長年の紛争の影響を受けてしまった教育環境を整備する活動をこれからもADRA Japanは続けていきます。
引き続き、皆様の温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします。

*ミャンマー教育支援事業は、皆様からのご寄付のほか、イオンワンパーセントクラブ、外務省NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しています。

(執筆:ミャンマー事業担当 松川聡

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Posted by ADRA Japan at 13:52 | ミャンマー便り | この記事のURL
(1/24)ミャンマー便りvol.20〜イオンワンパーセントクラブ ミャンマーにおける教育支援第2期を開始しました〜 [2018年01月24日(Wed)]
60年にわたり紛争が続いていたミャンマー。紛争の間に学校は朽ち、紛争が落ち着いた現在も、子どもたちが安全に勉強できない環境のままとなっています。ADRA Japanは長い紛争の影響を受けてしまった学習環境を改善するため、2013年から教育支援に取り組んでいます。2016年9月からは公益財団法人イオンワンパーセントクラブの助成を受け、教育支援を行なっています。

2017年9月から、本事業の第2期を開始しました。今回は、本事業の3つの取り組みについて紹介します。(2016年に実施した第1期の活動についてはこちら

本事業ではまず、子どもたちが安全に、集中して勉強できる環境を整えるため、カレン州で4校、ヤンゴンで3校、合計7校の校舎の建設を進めています。また、学校の水衛生環境を整えるためにトイレや井戸の設置も行なっています。


写真1 建設前の校舎.jpg
建設前の校舎

写真2 建設後校舎イメージ.jpg
建設後の校舎イメージ


また、住民や教師から成る学校運営委員会が、校舎や学校設備の維持管理をしっかりとできるように、学校運営委員会の運営能力強化研修も実施しています。学校運営に村の人たちを積極的な参加を促すことにより、事業終了後も村の人たちが主体的に教育環境を維持していける体制を目指します。

最後に、子どもたちの学習環境を整備することに加えて、先生を対象にした教授方法に関する研修も実施しています。この目的は、子どもたちの教育の質を向上させるため、子どもたちが授業内容の理解を深めることができるよう、先生たちに研修を行ないます。第1期では、クラスマネジメント(教師の役割と責任について、授業の組み立て方、児童の興味を持続する教授方法など)及び英語(読む、書く、聞く、話す)の研修を実施しました。第2期でも先生が希望する研修内容の聞き取り調査を行ない、研修を実施する予定です。


写真3 子どもの写真.jpg
子どもの笑顔の写真


多くの子どもたちの笑顔がミャンマーの学校に溢れることを目指して、ADRA Japanはこれからもできることをお手伝いしたいと思います。引き続き、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。



*本事業は皆様からのご支援とイオンワンパーセントクラブの助成金で実施しています。


(執筆:ミャンマー事業担当 松川聡

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Posted by ADRA Japan at 14:00 | ミャンマー便り | この記事のURL
(12/1) ミャンマー便りvol. 19 〜教員研修で教育の質の向上に取り組みました〜 [2017年12月01日(Fri)]
60年にわたり紛争が続いていたミャンマー。紛争の間に学校は朽ち、紛争が落ち着いた現在も子どもたちが安全に勉強できない環境となっています。ADRA Japanでは2016年9月より公益財団法人イオンワンパーセントクラブの助成を受け、長い紛争の影響を受けてしまった学習環境を改善するため教育支援に取り組んでいます。

今回は、本事業の中の活動のひとつである、教員研修についてご紹介いたします。カレン州の6校の小学校から26名の教員が研修に参加しました。


6校26名の教員が参加した.jpg
6校26名の教員が参加した


ミャンマーでは一般的に暗記型の教育が多く、また教育の質の部分においても、子どもたちの集中が続きにくい学習内容となっていました。近年、学期と学期の間や週末を利用して、政府による教員研修が行なわれてきましたが、郊外の学校で勤務している教員にはその機会が限られている場合もあります。教員が教え方を改善することができれば、教育の質も上がります。

研修の内容は、各校に聞き取りを行ない、内容の詳細や時間割を決めていきます。2016年に実施した1期目では、クラスマネジメント(教師の役割と責任について、授業の組み立て方、児童の興味を持続する教授方法など)及び英語(読む、書く、聞く、話す)の研修を5日間実施しました。研修最終日には、地域の児童に対し模擬授業を実施し、実践を含めた研修を行ないました。


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クラスマネジメント研修(教師の役割について)

英語研修.JPG
英語研修

最終日の模擬授業の様子.JPG
最終日の模擬授業の様子


研修に参加した教員の声を一部ご紹介します。
・授業計画、時間配分の仕方、歌やゲーム、ロールプレイを駆使した児童が関心を持てる授業の作り方を学べた。研修で学んだことを最終日に実践することができてよかった。
・教授方を学び、自分の弱点を理解することができた。
・英語の4スキルと多くの語彙を学ぶことができた。
・英語の発音に自信がなかったが、研修後は間違えずに発音することができるようになった。
・研修だけでなく、他の学校の教員の経験からも多くのことを学べた。


普段は接することのない他の学校の教員と相互に経験を共有.JPG
普段は接することのない他の学校の教員と相互に経験を共有


この研修を通じて、参加者は新たな知識と教授スキルを身に着けるだけではなく、教員同士の経験共有を通じて学び合うことができました。各教員がそれらを今後の授業の中で活かして子どもたちに授業を届けてくれることを願ってやみません。

2017年9月より、本事業の2期目を開始しました。2016年の活動については、こちらよりご覧ください。

子どもたちの「勉強したい」という思いが叶えられるように、安全に勉強できるように、学校教育を村の人たちや教員が自分たちで守って継続できるように、ADRA Japanはこれからもできることをお手伝いしたいと思います。引き続き、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。


*本事業は皆様からのご支援とイオンワンパーセントクラブの助成金で実施しています。

(海外事業部 松川聡

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Posted by ADRA Japan at 10:00 | ミャンマー便り | この記事のURL
(11/02) ミャンマー便りvol.18 〜新たに1つの中学校と3つの小学校で教育事業を開始しました〜 [2017年11月02日(Thu)]
2017年10月からADRA Japanは、ミャンマーのカレン州ラインブエタウンシップの1つの中学校と3つの小学校で教育事業を開始しました。校舎、トイレ、井戸の建設や学校運営委員会の運営能力の向上、保健衛生栄養改善研修を行なっていきます。

カレン州では60年以上にわたり、政府とカレン民族同盟(以下KNU)等との紛争が繰り広げられてきました。2011年にテインセイン政権が民主化の道を歩み始めると、武力対立をしていた政府とKNUなどの少数民族との和平協議が進展し、徐々に地域の開発が進み始めました。しかしながら、ラインブエタウンシップでは、紛争の影響で電気、医療施設・サービス、教育といった基礎的な社会インフラが未だに十分に整備されていません。

ADRA Japanは2013年から同地域で教育環境の改善に取り組んできました。本事業では初めて中学校を事業対象校に加え、支援に取り組んでいます。ラインブエタウンシップでは、十分に整備された中学校の数が不足しており、小学校卒業生の中学校への進学率が低いことが課題となっているためです。

対象校の1つであるヤキバン小学校には約60人の子どもたちが通っています。村人たちは子どもたちの将来を願い、1999年に学校を建設しました。校舎は木造で屋根はトタン製です。校舎はもともと簡易な造りであるため、毎年の強い風雨で破損し、その度に修復が必要となります。村人たちはトタンを張り替えたり、丸太で土台を補強したりするなど、できる範囲で対応しています。しかし、強烈な風雨には十分に対処しきれず、壁や床には穴が空き、子どもたちにとって危険な状態になってしまっています。


写真@ 事業対象校外観.JPG
村の人たちが建設した木造簡易校舎


写真2 事業対象校 土台部分.JPG
校舎の土台部分。写真中心部のように応急処置として校舎と地面の間に丸太を挟み、校舎が崩れないようにしている


窓ガラスが無いために雨季になると雨風が吹き込み授業に支障がでています。また、複数の学年が1つの教室を黒板で仕切って授業を受けているため、他の学年の授業が聞こえてしまい、子どもたちは集中して授業を受けることができません。頑丈なつくりの校舎で子どもたちが集中して学べるようになることは、子どもたちや村の人たちの大きな願いです。


写真B 事業対象校 内観.JPG
校舎の内部。教室を隔てる壁がないため、別の学年の授業の音が聞こえてしまう


小・中学校の校舎建設のほか、住民が計画的に学校を維持していくために学校運営委員会の運営能力強化研修を実施します。また、家の手伝い等を理由に退学してしまう児童が多いことが課題であるため、子どもたちが継続して学校に通えるように教育啓発ワークショップを行ないます。加えて、子どもたちが健康な状態で学校に通えるように保健衛生・栄養改善研修を実施する予定です。

こうした活動により、長年の紛争の影響を受けてしまった教育環境を整え、子どもたちが安全に継続して教育を受けられるようになることを目指します。
引き続き、皆様の温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします。

*本事業は、皆様からのご寄付のほか、外務省NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しています

(執筆:ミャンマー事業担当 松川聡

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Posted by ADRA Japan at 15:41 | ミャンマー便り | この記事のURL
(7/25) ミャンマー便りvol.17 〜新しい学校が完成しました〜 [2017年07月25日(Tue)]
前回のミャンマー便りでは、ミャンマーで行なっている教育支援事業とその背景をお伝えしました。今回は、開校式の様子をお伝えします。

開校式は、建設した校舎やトイレ、井戸をコミュニティに引き渡す式典です。

ADRA Japanは、いくつかの学校を支援しました。そのなかのひとつ、サーピュズ小学校では校舎とトイレを建設し、机椅子やホワイトボードなどの学校設備品も提供しました。


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完成した校舎


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完成したトイレ


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机椅子


開校式は3月末に行われました。ミャンマーではこの季節は一年でも特に暑い時期ですが、この事業を協同している公益財団法人イオンワンパーセントクラブの皆様、及びその支援者の皆さま、在ミャンマー日本大使館、ミャンマー教育局等の政府関係者の皆様、学校がある地域の皆様など多くの方に出席していただきました。


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出席者を出迎える子どもたち


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会場の地面に書かれた歓迎のメッセージ


式典では、関係者からのスピーチや文房具などの校具の贈呈、サーピュズ小学校から感謝状の贈呈が行われました。そして、子どもたちによる感謝の気持ちを込めたダンスが披露されました。


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文房具などの校具贈呈


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校長先生から感謝状の贈呈


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民族衣装を着た子どもたちが伝統舞踊を披露しました


また、式典の終盤では歌手の由紀さおりさんと安田祥子さんによるミニコンサートが行われ、この日のために練習していた子どもたちと一緒に日本の童謡の合唱をしていただきました。


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歌手の由紀さおりさん、安田祥子さん


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子どもたちは由紀さん、安田さんと一緒に日本の民謡を歌いました

式典の後には交流会が行なわれました。折り紙や歌教室、サッカー、縄跳び、バドミントンなどの遊びを通じ、この事業を支援してくださった方々と子どもたちが交流しました。

本事業では、サーピュズ小学校のほかカレン州で6校の小学校を支援しました。

この支援によって、ある学校では児童数が50名増加しました。その理由は、校舎が新しくなったことで保護者が安心して子どもを学校に通わせることができるようになったこと、教育に対する親の関心が高まったことが挙げられます。


これまで子どもたちは床や壁に穴が空いた簡素な木造校舎で勉強していました。また、机や椅子は老朽化し、安全に学習できる環境ではありませんでした。様々な人々の協力を得て新しい校舎が完成し、無事に引き渡すことができました。
今後は、学校の運営や維持・管理は、住民を代表する学校運営委員会が行なっていきます。

日本の皆様からの継続的な温かいご支援があったからこそこの活動を行うことができました。心から感謝しております。

まだまだこの地域の生活環境は厳しいですが、子どもたちが安心して学習に励み、将来の可能性を広げていけるよう、今後も事業を実施してまいります。引き続き、皆様のご支援をよろしくお願い致します。

*この活動は皆様からのご支援と公益財団法人イオンワンパーセントクラブからの助成を受けて実施しています。


(執筆:ミャンマー事業担当 松川聡
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Posted by ADRA Japan at 13:19 | ミャンマー便り | この記事のURL
(1/30)ミャンマー便り vol.16〜60年続いた紛争。公益財団法人イオンワンパーセントクラブの助成を受け教育支援に取り組んでいます [2017年01月30日(Mon)]
60年にわたり紛争が続いていたミャンマー。紛争の間に学校は朽ち、紛争が落ち着いた現在も子どもたちが安全に勉強できない環境が残されています。ADRA Japanでは2016年9月より公益財団法人イオンワンパーセントクラブの助成を受け、長い紛争の影響を受けてしまった学習環境を改善するため教育支援に取り組んでいます。

ミャンマーでは長い間、政府側と少数民族による武装勢力との間で紛争が続いていました。紛争はおよそ60年にわたって続き、その間、村の人たちは避難のため各地を転々と移動することを余儀なくされました。

紛争が落ち着き始めた2000年頃から、治安が不安定で建築資材も限られている中、地域住民らは、竹や木材などを材料にして自らの努力で校舎を建築しました。ところがそのほとんどが簡素な木造校舎のため、現在では床や壁に穴が空き、高床の教室を裸足で歩く子どもたちが安全に学習できる環境ではありません。
学校を維持管理していく組織は存在していても、話し合いが定期的に行なわれていないなど体制があまり整っていませんでした。また、教育の質も問題になっています。


こうした状況を受け、教育支援のメインとして行なっているのが学校の校舎建設です。子どもたちが安全に、集中して勉強できる環境を整えることを目的に、2017年はカレン州で6校、ヤンゴンで1校、合計7校の校舎の建設を新たに進めています。また、トイレや井戸も順次設置していきます。


校舎_メタム村.jpg
建設前の校舎(外観)


校舎_メタム村.jpg
建設前の校舎(内観)


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トイレ 


また、学校運営のための能力強化研修と教員研修を行ないます。

能力強化研修は、ミャンマーの村のPTA組織のような学校運営委員会に対して行なっています。

研修では、村の教育に関する課題を挙げてもらい、それに対してどうやったら解決できるのか、解決の方法を考えてもらいます。「誰が校舎を維持管理し、どうやって修繕費を工面するのか。」そういった具体的なことを自分たちで決め、自分たちの手で学校を維持・管理できるような体制を整えることを目的とし、月に1回のペースで開催しています。


教育委員会.jpg
学校運営委員会 能力強化研修


教員研修は、2017年3月からの開始を目指して準備を進めています。

ミャンマーでは一般的に暗記型の教育が多く、また教育の質の部分においても、子どもたちの集中が続きにくい学習内容となっていました。教員が教え方を改善することができれば、教育の質も上がります。

研修の内容は、各校に聞き取りを行ない、どういった分野でスキルアップしたいかをヒアリングしたうえで決めていきます。これまでの聞き取りでは、英語やライフスキル、クラスマネジメント(授業運営のためのスキル)などのスキルを向上したいという希望が教員から出てきています。

ミャンマーでは2013年から同様の活動を行なってきた経験から、現在は日本人の駐在スタッフを派遣していません。日本にいながら、ADRAミャンマーの現地スタッフとメールや電話などでやりとりをし、活動の進捗状況を把握し管理しています。

3月には、2016年に建設を始めた学校が完成する予定です。新しい学校では、キラキラと目を輝かせながら一生懸命勉強している子どもたちの姿を見ることができるようになるでしょう。

子どもたちが勉強したいという思いをずっと叶えられるように、安全に勉強できるように、それを村の人たちが自分たちで守って継続できるように、ADRAはこれからもできることをお手伝いしたいと思います。引き続き、皆様のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

(執筆:ライティングボランティア:小野寺るり子)

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Posted by ADRA Japan at 12:42 | ミャンマー便り | この記事のURL
(11/28)ミャンマー便りvol.15〜3年にわたる教育支援事業の活動をご報告します〜 [2016年11月28日(Mon)]
ADRA Japanでは2013年から2016年6月まで、ミャンマーの現地スタッフと協力しながら、カレン州で子どもたちが安心して勉強できるように教育支援事業を行なっています。これまで3年間に渡り実施してきたミャンマー事業は、これでひとつの区切りを迎えました。今回はADRAが取り組んできた3つの活動とその成果をご報告したいと思います。

まず1つめの活動は、校舎の建設です。カレン州は少数民族と政府との間で長い紛争があった地域です。その影響で、小学校が焼かれてしまうこともありました。そのような小学校では、住民が自分たちで校舎を建て、使用していました。
これらの校舎は木造の狭い建物でしたが、老朽化が進み、壁や床に穴が開いてしまっているような状況でした。住民たちは校舎を修理して使ってはいたものの、毎年のように修繕が必要で、学習に適した教室の状態ではありませんでした。

ADRAはこのような学校を対象に、教室の壁がきちんと区切られた、スチールやブロックを用いた丈夫な校舎に建て替えました。今年は4つの小学校の校舎やトイレ、井戸を建設し、校内に机や椅子、黒板などを設置しました。そのほか、教師や児童に、文房具などの教育必需品を配布しました。

ナウカレン村の校舎.jpg
完成した校舎(ナウカレン村)

新しい写真.jpg
新しいトイレ

給水タンク.jpg
井戸(給水タンク)


2つめの活動は、教育啓発ワークショップの実施です。

前回のブログでもお伝えしましたが、ミャンマーでは小学校の退学率が高いという問題があります。その理由は、経済的な理由、兄弟の世話をしなければならないなど、家庭によってさまざまです。その背景には、親は教育の大事さをなんとなくわかってはいるものの、日々の生活を優先させてしまったり、また、親自身が紛争の影響でなかなか教育を受けられなかった世代のため、教育の大切さを実感として持てていないということもありました。そこでADRAは親の教育への意識を高めるため、住民たちと共に教育啓発ワークショップ(知識をわけあう集会)を開催しました。

ワークショップでは、ADRA側が一方的に提案や啓発をするのではなく、住民が村の教育問題を自分たちで話し合い、解決策を考え、実際に行動に移せるように働きかけました。住民は自ら問題を設定し、対策を考えて行動するということを経験することで、ADRAの事業が終了した後も教育への関心を保てるようになり、教育問題は自分たちで解決できるという自信を持って生活することができます。実際にワークショップを通し、住民は通学路の舗装や校庭の整備(藪や草を取り除く)、通学路危険な橋を安全なものに建て直すなどの活動を行ないました。

小学校建設と併せて教育啓発ワークショップを実施したことにより、子どもたちには「以前と比べて積極的に学校に通うようになった」「欠席や遅刻が減った」などの変化がみられるようになりました。また、保護者からは「校舎がきれいになり、安全に整備されたことで、安心して、以前より積極的に子どもを学校に送り出せるようになった」、「教育の問題を自分たちで解決する経験を得ることができた」との声も寄せられました。保護者の教育への意識や関心が高まったことで、退学率が下がる効果が見込まれます。

教育啓発活動.jpg
教育啓発活動(コパン村)

校庭周辺.jpg
校庭周辺の整備(ナウカレン村)

通学路.jpg
通学路の整備(ナウカレン村)

授業の様子.jpg
新校舎での授業の様子(シンティコン村)


3つめの活動は、保健衛生・栄養改善研修の実施です。住民のほとんどはハエがもたらす感染症など、基本的な衛生の知識を持っておらず、家の周りや校庭などあちこちにゴミが散乱している状態でした。また、偏った食生活を繰り返すことで栄養失調になる子どもも見受けられました。そのため、子どもたちの健康状態を保つため、主に保護者の方々に保健衛生や栄養の知識・技術を伝えました。

保健衛生の研修後は、住民たちは掃除をきっちり行なうようになり、家の周辺を清潔に保つことができるようになりました。また、子どもたちも週に1回校庭を掃除し、ゴミをきちんと1か所に捨てるなどの実践を続け、家庭と学校の衛生環境は改善してきています。

栄養改善研修では、村にある食材を使って簡単に栄養価の高い食事が準備できるよう、具体的な調理例を伝え、住民たちと調理実習も行ないました。また、家庭菜園の方法を指導し、家の庭で野菜を栽培できるよう種子を配りました。研修後は栄養価の高い食べ物を食べる回数が増えたという報告が上がっています。栄養状態を完全に回復するにはまだ時間が必要ですが、徐々に良い食習慣に変わってきているという手応えを得ることができました。

衛生教育.jpg
児童への衛生教育(シンティコン村)

栄養改善研修.jpg
栄養改善研修(ヤギ村)

栽培の様子.jpg
野菜の栽培方法を伝える(ナウカレン村)

カレン州では、近年、教育の重要性が以前にもまして高まっています。タイ側からの大きな道路が整備されたことで、以前より物流が増え、これから徐々に経済面で雇用機会の増加など良い影響が出てくることが期待されているからです。ミャンマー全体としても、政権が変わって外国資本が入りやすくなり、今後の経済発展が見込まれています。

部族間の小さな紛争は続いていており、散発的に武力衝突が起こるなど、まだまだ課題が残されていますが、子どもたちには安心して教育を受けてほしいと願っています。
ミャンマーでは、2016年9月から公益財団法人イオンワンパーセントクラブの助成を受け、カレン州やヤンゴンでさらに教育支援活動を展開しています。引き続き、皆様のあたたかなご支援をお願いいたします。

*2016年6月までの事業は(特活)ジャパン・プラットフォームの助成を受けて行ないました。

(執筆:ライティングボランティア 小野寺るりこ)

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Posted by ADRA Japan at 17:00 | ミャンマー便り | この記事のURL
(5/27) ミャンマー便りvol.14〜教育啓発ワークショップ〜 [2016年05月27日(Fri)]
前回のミャンマー便りでは、タモ村落群での学校完成についてお伝えしました。(
ミャンマー便り vol.13 〜学校完成〜
)2015年5月からADRA Japanは、カレン州パインチョンサブタウンシップ内の4か村で新たに教育支援事業を開始しました。今回のミャンマー便りではその中の活動の一つ、教育啓発ワークショップについてお伝えします。

ミャンマーでは小学校への就学率(入学する割合)は100%に近いものの、退学率が高いことが課題となっています。事業地でも、入学時の1年生の児童数を100%とすると、最終学年になるころには約20%の児童しか残りません。退学の理由は経済的な負担、弟妹の世話、季節労働による移住など様々です。この事業の対象となっている村の親は、子どもの教育を大切にする意識を持っているものの、家の手伝いや経済的負担を考慮すると、子どもへの教育の優先度が低くなる傾向があります。また、親の世代は紛争により教育を受ける機会が少なかったため、教育がもたらす効果を十分に理解できていない傾向があります。そこで本事業では、住民が教育の重要性を理解して意識を高めることで、児童が小学校に継続して通えるようにするために、教育啓発ワークショップを実施しています。

このワークショップでは、住民は10名前後のグループに分かれて話し合いをします。図表の作製や討論を通じて村の教育に関する問題点とその原因を議論します。そして、状況を改善するための活動案を考えます。

例えば事業地の1つ、コパン村では通学路やその途中にある橋が未整備で、校舎が老朽化している、教育への関心が低く、子どもの安全に不安がある、子どもの健康に不安がある、経済的な負担が重いなどの問題点や原因が挙げられました。このような話し合いを経て、実施できそうな改善策として橋の修復と、校庭の整備などの意見がでました。


1_村の教育問題について議論する住民_ミャンマーのコパン村_ADRA Japan.jpg
村の教育問題について議論する住民(コパン村)


改善案を考えた後は、全グループが集まり改善案の発表を行ないます。発表された改善案をもとに、学校運営委員会(SMC)と住民が協議して具体的な計画を立て、実施に向けて動きだします。

もともと住民たちは自分たちの手で学校を建て、学校運営委員会を組織し、学校を管理するなど、学校と教育を大切にしてきました。そのため、こうした活動にも非常に協力的です。


2_各グループによる活動案の発表_ミャンマーのコパン村_ADRA Japan.jpg
各グループによる活動案の発表(コパン村)


その他の村では、同様のワークショップを通じて、通学路舗装や排水溝整備、校庭周辺の整備、旧校舎の修繕などが実施されました。


3_通学路を舗装するための土のうを準備する住民_ミャンマーのナウカレン村_ADRA Japan.jpg
通学路を舗装するための土のうを準備する住民(ナウカレン村)


4_丸太と土のうで舗装された通学路_ミャンマーのナウカレン村_ADRA Japan.jpg
丸太と土のうで舗装された通学路(ナウカレン村)


5_校庭の周りに排水溝を造る住民_ミャンマーのシンティコン村_ADRA Japan.jpg
校庭の周りに排水溝を造る住民(シンティコン村)


6_校庭周辺を整備する住民_ミャンマーのコパン村_ADRA Japan.jpg
校庭周辺を整備する住民(コパン村)


7_旧校舎の修復された壁_ミャンマーのヤギ村_ADRA Japan.jpg
旧校舎の修復された壁(ヤギ村)


このようにワークショップで話し合うだけでなく、具体的に行動に移していくことで、住民は教育への関心が高まり、同時に、教育についての問題を発見し・解決する経験を積むことができます。ADRA Japanは、この事業が終わった後も、住民が自ら教育問題を考え、対応していけるようになることを目指しています。

カレン州における退学率は大きな課題ですが、ADRA Japanは住民が本来持っている団結力や教育を大切にする気持ちがさらに発展すれば、より多くの子どもたちが継続して学校で勉強できるようになると信じて事業を実施してまいります。

今後も現地から最新のニュースをお届けいたしますので、今後のミャンマー便りにご期待ください。

*この活動は皆様からのご支援と(特活)ジャパン・プラットフォームからの助成を受けて実施しています。

(執筆:ミャンマー事業担当 鈴木昌則

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Posted by ADRA Japan at 12:00 | ミャンマー便り | この記事のURL
(10/16) ミャンマー便りvol.13〜学校完成〜 [2015年10月16日(Fri)]
前々回のミャンマー便りでは、タモ村落群で保健衛生・栄養改善研修を受けた住民の様子についてお伝えしました。(ミャンマー便り vol.11 〜保健衛生・栄養改善研修と平和の尊さについて〜

ADRAは、保健衛生・栄養改善研修のほかに、子どもたちが安心して学べる環境の整備も進めました。

今回は、タモ村落群での校舎建設とその引き渡し式についてお伝えします。

2013年8月、ADRAはタモ村落群での校舎建設を計画していました。しかし、タモ村落群の治安が不安定になったため事業地を変更する事態になり、校舎建設は延期されました。その後、治安の回復をうけて2014年5月からタモ村落群での活動を再開し、乾季に入った後、12月から校舎建設に着手しました。


住民によって建設された、支援を始める前の木造の旧校舎(ワチェ村)
住民によって建設された、支援を始める前の木造の旧校舎(ワチェ村)


今回の事業は、タモ村落群の3か村を対象としています。既存の校舎は紛争後の2000年頃から、住民が力を合わせて村で手に入る木材・竹・葉を使って建設したものです。

しかしこれらの校舎は、広さが十分ではありませんでした。また、簡素な作りのため毎年のように修理が必要となりますが、住民たちは自らが生活していくのに精一杯で、なかなか校舎の修復作業にまで手が回らない状態でした。

新しい校舎は建設業者が建設しますが、住民もボランティアや有償の労働者として作業に参加します。そのため、校舎建設にあたり、ADRAと建設業者、各学校に設置されている学校運営委員会(※)の3者が建設計画について話し合い、住民が参加できる日程や作業の内容、作業をするにあたっての注意点等について確認しました。また、各村において校舎建設に使える資材の有無やその量なども確認し、足りない分はADRAが支援するという取り決めも行いました。

このように、校舎建設の計画段階から建設作業に至るまで住民に参加してもらうことにより、自分たちで学校を維持・管理していくという責任感を培いました。

※学校運営委員会は学校を維持管理していく組織です。この委員会が中心となり、地域の住民たちが自ら校舎を建てたり、教師の給料を支払ったりしています。


この話し合いによってお互いが建設計画に合意した後は、いよいよ建設作業の開始です。それでは建設作業の様子を写真とともにご紹介します。


ミャンマー、河原で資材となる小石を集める住民(クイティプ村)
河原で資材となる小石を集める住民(クイティプ村)


ミャンマー、校舎の基礎部分に土を敷き詰める作業に参加する住民(クイティプ村)
校舎の基礎部分に土を敷き詰める作業に参加する住民(クイティプ村)


ミャンマー、基礎部分に敷き詰める土を掘り起こす住民(ワチェ村)
基礎部分に敷き詰める土を掘り起こす住民(ワチェ村)


住民たちの協力もあり、2014年12月から始まった建設作業は順調に進み、2015年5月には対象の3か村で新しい校舎が完成しました。校庭には、以前はなかったトイレと給水設備(井戸もしくは水タンク)も設置しました。

これまでそれぞれの村にはトイレがほとんどなく、子どもたちは建物から離れた茂みなどで用を足していたため、不衛生な環境であったことに加え、特に女子生徒にとっては支障が大きい状態でしたが、トイレが使えるようになったことでこの問題も改善されました。また、給水設備を設置することで、子どもたちが手洗いの習慣を身に付けることができるようになりました。

今では学校は勉強だけでなく衛生的な知識や習慣を身に付ける場にもなり、包括的な学習環境を整えることができました。


ミャンマー、完成した新校舎(ワチェ村)
完成した新校舎(ワチェ村)


ミャンマー、完成した新校舎(中央):左の建物がトイレ、校舎右奥にあるのが給水タンク(クイティプ村)
完成した新校舎(中央):左の建物がトイレ、校舎右奥にあるのが給水タンク(クイティプ村)


ミャンマー、各教室に机・椅子、黒板、棚を備え付けている(クイティプ村)
各教室に机・椅子、黒板、棚を備え付けている(クイティプ村)


ミャンマー、
校舎贈呈式:ロンジーをはいた手前の男性がカレン州の教育官、奥がタモ村落群のリーダー(ロタ村)
校舎贈呈式:ロンジーをはいた手前の男性がカレン州の教育官、奥がタモ村落群のリーダー(ロタ村)


ミャンマー、校舎贈呈式で住民や子どもたちと記念撮影(ロタ村)
校舎贈呈式で住民や子どもたちと記念撮影(ロタ村)


完成した校舎は、贈呈式を経て正式に住民に引き渡されます。今回は5月27日にロタ村にて3校合同の校舎贈呈式を行ないました。今後はコミュニティの学校として、住民を代表する学校運営委員会が学校の運営や維持管理を行なっていきます。

2013年に治安が不安定になり、タモ村落郡での問題で活動が難しくなったとき、スタッフは「住民に直接会って、活動ができなくなったことを説明するのがとても辛かった」と語っていました。しかし、こうした困難に直面しながらも様々な人々の協力を得て、ようやく新しい校舎が完成して無事コミュニティに引き渡すことができ、私もこの事業に携わったスタッフもホッと胸をなでおろしています。しっかりと腰を据えてタモ村落郡での支援を行うことができたのも、日本の皆様からの継続的な温かいご支援があったからこそです。深く感謝しております。

まだまだ生活環境が厳しい地域ではありますが、子どもたちが安心して、健康な状態で教育を受け、将来の可能性を広げていけるよう、今後も事業を実施してまいります。

今後も現地から最新のニュースをお届けいたしますので、今後のミャンマー便りにご期待ください。

*この活動は皆様からのご支援と(特活)ジャパン・プラットフォームからの助成を受けて実施しています。


(執筆:ミャンマー事業担当 鈴木昌則




ADRA Japan(アドラ・ジャパン) は、開発途上国や災害被災地において開発支援や緊急支援活動を行なっているNGOです。私たちの活動は皆様からのご寄付・ご支援に支えられています。
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Posted by ADRA Japan at 18:06 | ミャンマー便り | この記事のURL
(3/27) ミャンマー便りvol.12〜私はドリアンと出会ってしまった〜 [2015年03月27日(Fri)]
ミャンマー駐在員の鈴木です。

ミャンマーでは、教育支援事業に取り組んでいます。学校を建てるだけではなく、授業に出席できるかどうかを左右する健康状態を良くする活動も行なっています。


今回のミャンマー便りでは、駐在中のささやかな楽しみである日本ではあまり馴染みのないフルーツであるドリアンを紹介したいと思います。


ドリアンというと高級・フルーツの王様・とても臭い、といったイメージがあるかと思います。私は去年、生まれて初めてミャンマーでドリアンを食べてその美味しさの虜になってしまい、ドリアンが食べられる時期には毎日のように食べています。


Photo1.jpg
【写真:ドリアンの外観と果実】(ドリアン写真1)


【ドリアンのにおい】
ドリアンと言えば、あの独特な(「玉ねぎが腐った」と表現されることもある)においです。かなり臭く感じる人もいると言われており、においそのものは確かに強いのですが、私は言われていたほど気にはなりませんでした。


【ドリアンの味】
ドリアンの味を言葉で説明するのは難しいのですが、美味しいドリアンはとても深いコクがあり、食べると口の中に独特なラム酒のような香りと、甘くて濃厚なカスタードクリームの味わいがしばらく続きます。

しかし、果肉の大きさや味は千差万別で当たり外れが大きいです。私が外れだと感じたものは、まだ若くコクがないもの、水っぽくて味が薄いもの、香りやコクがないが甘みが強いもの、見た目は大きいけれど果肉が小さいものなど、様々でした。

そのため、私にとってはドリアンの時期に美味しいドリアンに出会えるかどうかがミャンマーで生活する中での楽しみの一つになっています。


【美味しいドリアンの見分け方】
美味しいドリアンを見分けるコツですが、個人的にはやはりあの独特なドリアンの香りが強いものが美味しいと思います。もし果肉を確認できるのなら、白よりも黄色いものが美味しいドリアンである確率が高いです。ちなみに、皮の色が緑から茶色に変わり、お尻の部分がひび割れてきたら食べごろのサインです。


【ドリアンの産地inミャンマー】
現在、私はカレン州の州都であるパアンに駐在していますが、ここカレン州と隣のモン州はミャンマーの中でも有数のドリアンの産地です。旧首都のヤンゴンで見かけるドリアンの中にも、こちらから輸送されたものがあるそうです。パアンで見かけるドリアンは、私の住んでいるパアンから車で数時間のところにあるカレン州パプン・レプタ村やコーカレイ・ライワ村産が多いと聞きます。


【ドリアンが食べられる時期とその価格】
ドリアンの時期は6月上旬から8月下旬までです。この時期に産地の村に行くと、直売所では1個300〜500チャット(日本円で30円〜50円)で買えるそうですが、私が駐在しているパアンに売りに来るまでにトラックやボート代など輸送コストが上乗せされ、1個1,000〜3,000チャット(日本円で100円〜300円)になってしまいます。パアンの屋台でご飯を食べると500〜1,000チャット程で済んでしまうことを考えると、ドリアンはかなり高級な果物です。

しかし、驚くことにパアンの市場ではトラック一杯のドリアンが2日間で無くなってしまうほどの人気です。ヤンゴンから来たミャンマー人の中にも、味が良いという理由でわざわざパアンでドリアンを買っていく人がいます。


【ドリアンの美味しさ対決 ミャンマー産vs タイ産】
パアンの市場には隣国タイ産の大きくて形の良いドリアン(7,000〜8,000チャット)も出回っています。タイでは種無しの改良品種が栽培されており食べやすいのですが、ミャンマー人が言うには味や香りが薄く、ミャンマーの村に自然に実っている天然のドリアンの方が安くて美味しいと言っています。
ミャンマー産のドリアンは2〜3種類あると聞いていますが、特に美味しい品種がミチョン・ゴンというものです。こちらの言葉で「ドラゴンの頭」という意味で、形が少し長細く、ややビターな味わいがするそうです。残念ながら私はまだこのドリアンには出会っていません。


Photo2.jpg
【写真:ヤンゴンの道端で売られているドリアン】(ファイル名:ドリアン写真2)


【ドリアンの悲劇】
市場では、お店のおばちゃんは殻を割って指で実をつつき、その指をなめて味を確かめてから客に良いドリアンを勧めます(日本人からするとちょっと不衛生だな、と思ってしまいますが・・・)。ただ、お客さんの中には勧められたドリアンを断る人もいるため、すでに味見されたドリアンが市場に多く残っており、腐って売れなくなってしまったものもよく見かけます。


【加工食品としてのドリアン】
ドリアンはそのまま食べるのが一番美味しいです。しかし、産地の村では加工食品としてドリアンに塩と油を加えてグツグツ煮てドリアンジャムを作り、国内外で売っています。味見させてもらいましたが、ドリアン独特の香りと味がしっかりと残っており美味しかったです。

他のドリアン加工食品としては、産業化されたドリアン風味の飴、クッキー、アイスが売られています(こちらは果肉が含まれているか定かではありません)。ちなみにドリアンが好きなミャンマー人向けに、ミャンマーの隣国タイで加工されたドリアンチップスや棒状のドリアン羊羹も売られています。


【食すことが可能なドリアンの種】
あまり日本では知られていませんが、ドリアンの種も熱すると食べることができます。私はいつも茹でています。食感はねっとりとしており、里芋のような味がします。


【強壮作用があるドリアン】
ドリアンはカロリーが高く、強壮作用があるため食べ過ぎは体に良くないと一般的に言われています。ミャンマー人はドリアンを食べた後は体が熱くなるので、マンゴスチンを食べて体温を下げるのだそうです。


【特定の季節にしか食べられないドリアン】
ミャンマーにはドリアンのように特定の季節しか買うことのできない旬なフルーツや野菜が多くあります。日本ではハウス栽培や輸入品でいつでも国内外の多様なフルーツや野菜がスーパーで手軽に買うことができ、とても便利です。その点、ミャンマーは不便かもしれませんが、特定の食べ物によって季節の到来を強く意識し、その食べ物が今しかない貴重なものだと感じられます。

もしドリアンを年中食べることができたら、その魅力は少し薄らいでしまう気がします。一年を通じた食材のサイクルは1つの食文化としてミャンマーに根付いていて、季節ごとに違う表情で旅行者を惹きつけていると思います。


【私の人生観を変えたドリアン〜I love DURIAN〜】
大げさかもしれませんが、一度ドリアンの美味しさに目覚めると日本でドリアンが食べられないことは人生の大きな楽しみを一つ失っているようにさえ感じます。もし6月から8月のうちにミャンマーのカレン州に来る機会があったら、臭いというイメージで食べず最初から嫌いにならず、是非ドリアンに挑戦してみてください。1回試すだけでは外れることもありますが、安いので何度か食べれば必ず美味しいドリアンに巡り合えると思います。



ミャンマーという国にも、いろいろな側面があります。今回は活動内容ではなく、ミャンマーの生活面をご紹介する内容をお伝えしました。このブログを通して皆さんがミャンマーへの興味を深めてくださることを期待しています。


(執筆:ミャンマー事業担当 鈴木昌則
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Posted by ADRA Japan at 21:24 | ミャンマー便り | この記事のURL
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