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(8/27) フォトボイス in 南スーダン・パガック 前編 [2012年08月27日(Mon)]
さて、前回のブログでご紹介したナシールから東に約80km移動し、もう一つの事業地であるパガックにやってまいりました。
ここはナシールと比べると人口も少なく、町というより村のような環境です。


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ナシールからパガックまでの距離は日本で言うと、東京から箱根くらいです。
そのくらいしか距離は離れていませんが、パガックとナシールに住む人との間に、考えの違いはあるのでしょうか?
今回もナシールでフォトボイスを行なったときと同じく、「子どもにとって大切なこととは?」をテーマとして、パガックの人達に写真を撮ってもらいました。
前回のブログでは大人が撮影した写真を主に取り上げましたが、パガックでは日本の中学生くらいの子どもたちが撮影した写真を紹介したいと思います。

ナシールやパガックではカメラを使ったことがある人は、ほとんどいません。
そこで、まずは子どもたちにカメラの使い方を教えます。
初めて使うカメラ。
どの子どもたちも目をキラキラさせながら、撮影の仕方を学んでいました。


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カメラの使い方を学んだ後は外に出て、「ボイス」となる被写体を探して、撮影タイムです。


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思い思いに子どもたちは写真を撮っていきます。子どもたちが考える「子どもにとって大切なこと」、すなわち「自分たちにとって大切なこと」とは何でしょうか。
今回もどのような意図でその写真が撮られたか、予想しながら読んでみてください。
では、写真を見ていきましょう。


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この写真は深井戸ですね。なぜ深井戸が子どもにとって大切なのか聞いてみたところ、「深井戸からは綺麗で安全な水を汲むことができます。沼地のように汚い水ではありません。このような深井戸をもっとたくさん作ってもらいたいと思います。そうしたら、子どもたちは、もっと健康的になると思います。」とのことでした。


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この写真は日本の餅つきに見えますね。これはパガックで使われている木臼の一つです。餅つきのような感じで、臼の中に穀物を入れて、棒で砕いて粉状にします。この写真を撮った子どもは「穀物を粉状にする機械が必要だと思いますが、パガックでは一台しかありません。しかし、もっと多くの製粉機があれば、女性や女の子達が木臼を使って製粉するという重労働をする必要はなくなります」と言っていました。


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やはり、子どもが撮る写真で外せないのが学校ですね。今回も学校を撮影してくれた子がいました。学校を撮った子は「現在パガックには学校はありますが、多くの子どもが学校で勉強しているので、校舎が足りない状態です。また、女の子達は早い時期に結婚するため、学校に行かせてもらえない子が多いです。早い時期の結婚という風習は止め、女の子も男の子と同じように学ぶ機会を得る必要があります」と言っていました。
前回のナシールでも紹介しましたが、南スーダンでは女の子の結婚年齢が15歳ぐらいで、早く結婚する子が多いのです。ナシールでは大人が子どもたち全員を学校に通わせるべきだと発言していましたが、子どもたちもそのように考えていたのですね。ちなみにこの写真を撮った子は女の子でした。


pagak_8.jpg


今回フォトボイスをした中で一番意外な写真がこれでした。これは何を撮影したかったのでしょうか?
撮影した男の子に聞いてみたところ、道路を撮ったと教えてくれました。その理由を詳しく聞いてみると、「パガックは雨が降ると道がぬかるんでしまうため、車での移動ができません。パガックの道路を舗装する必要があります。道路が舗装されていれば、車やトラックがパガックに来やすくなり、商品や資材などもパガックに入りやすくなると思います」とのことでした。道路一つでここまで考える子どもはすごいな、と感心しました。
日本同様パガックにおいても、道路は人や物資の流通を円滑にするため、その地域にとって不可欠のものです。道路の発展がその地域の発展を支えると言っても過言ではありません。地域の発展は経済とも直結します。子どもたちが将来、パガックに根付いて仕事を持つことを考えると、道路の舗装は今からでもしておきたい、大切なことなのでしょう。


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最後にこの写真を紹介します。家というよりは小屋ですが、いったいなんでしょうか?
皆さんは想像できますか?
実はこれは村にあるトイレだそうです。撮影した子どもに聞いてみると「パガックにもっとトイレが必要だと思います。今、パガックの子どもたちは茂みや道路の脇をトイレ代わりにしています。でもトイレがあれば衛生環境を整えられます」と答えてくれました。衛生環境にも目を向けていたのですね。たしかに衛生環境が整っていないと、病気や感染症などの原因にもなります。病気や感染症に特に弱い子どもにとっては、衛生環境をまず整えたいところなのでしょう。


いかがでしたか?
皆さんが予想していたものはありましたか?

私は深井戸や学校は予想していましたが、道路の写真だけは想定外でした。子どもとはいえども、いろいろなことを考えているのだなと思いました。
さて、次回はこれらの写真のいくつかを題材にした、ディスカッションの様子をお伝えしたいと思います。

(文責:事業部 石橋和博

※南スーダン事業は、(特活)ジャパンプラットフォームの助成も受けて実施しています。またフォトボイスは、アフリカで活動を行っているNPO・NGOの広報基盤の強化を目的としたパナソニック株式会社の助成「Panasonic NPOサポート ファンド for アフリカ2012」により実施しています。

【フォトボイスの最新記事】
   ・ (8/13) フォトボイス in 南スーダン・ナシール 後編
   ・ (7/2) フォトボイス in 南スーダン・ナシール 前編
   ・ (4/26) 南スーダン・ナシールでの「お試しフォトボイス」
   
Posted by ADRA Japan at 15:30 | 企業・団体連携 | この記事のURL