(11/02) ミャンマー便りvol.18 〜新たに1つの中学校と3つの小学校で教育事業を開始しました〜 [2017年11月02日(Thu)]
2017年10月からADRA Japanは、ミャンマーのカレン州ラインブエタウンシップの1つの中学校と3つの小学校で教育事業を開始しました。校舎、トイレ、井戸の建設や学校運営委員会の運営能力の向上、保健衛生栄養改善研修を行なっていきます。
カレン州では60年以上にわたり、政府とカレン民族同盟(以下KNU)等との紛争が繰り広げられてきました。2011年にテインセイン政権が民主化の道を歩み始めると、武力対立をしていた政府とKNUなどの少数民族との和平協議が進展し、徐々に地域の開発が進み始めました。しかしながら、ラインブエタウンシップでは、紛争の影響で電気、医療施設・サービス、教育といった基礎的な社会インフラが未だに十分に整備されていません。 ADRA Japanは2013年から同地域で教育環境の改善に取り組んできました。本事業では初めて中学校を事業対象校に加え、支援に取り組んでいます。ラインブエタウンシップでは、十分に整備された中学校の数が不足しており、小学校卒業生の中学校への進学率が低いことが課題となっているためです。 対象校の1つであるヤキバン小学校には約60人の子どもたちが通っています。村人たちは子どもたちの将来を願い、1999年に学校を建設しました。校舎は木造で屋根はトタン製です。校舎はもともと簡易な造りであるため、毎年の強い風雨で破損し、その度に修復が必要となります。村人たちはトタンを張り替えたり、丸太で土台を補強したりするなど、できる範囲で対応しています。しかし、強烈な風雨には十分に対処しきれず、壁や床には穴が空き、子どもたちにとって危険な状態になってしまっています。 村の人たちが建設した木造簡易校舎 校舎の土台部分。写真中心部のように応急処置として校舎と地面の間に丸太を挟み、校舎が崩れないようにしている 窓ガラスが無いために雨季になると雨風が吹き込み授業に支障がでています。また、複数の学年が1つの教室を黒板で仕切って授業を受けているため、他の学年の授業が聞こえてしまい、子どもたちは集中して授業を受けることができません。頑丈なつくりの校舎で子どもたちが集中して学べるようになることは、子どもたちや村の人たちの大きな願いです。 校舎の内部。教室を隔てる壁がないため、別の学年の授業の音が聞こえてしまう 小・中学校の校舎建設のほか、住民が計画的に学校を維持していくために学校運営委員会の運営能力強化研修を実施します。また、家の手伝い等を理由に退学してしまう児童が多いことが課題であるため、子どもたちが継続して学校に通えるように教育啓発ワークショップを行ないます。加えて、子どもたちが健康な状態で学校に通えるように保健衛生・栄養改善研修を実施する予定です。 こうした活動により、長年の紛争の影響を受けてしまった教育環境を整え、子どもたちが安全に継続して教育を受けられるようになることを目指します。 引き続き、皆様の温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします。 *本事業は、皆様からのご寄付のほか、外務省NGO連携無償資金協力の助成も受けて実施しています (執筆:ミャンマー事業担当 松川聡) ADRA Japanのホームページはこちらです |
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