(10/27) アフガニスタン便りVol.32 〜教員研修〜 [2017年10月27日(Fri)]
ADRAはアフガニスタンで実施している教育支援を実施しています。前回のブログでは、衛生教育の様子を報告しましたが、今回は教員研修に関してお伝えいたします。
ADRAが活動しているバーミヤン州では、ほとんどの教師が大卒の教員資格を持っていません。そのため、教員研修を実施しています。研修を行なうことにより、教師は教授法を学び、生徒によりわかりやすく教えることができるようになります。 教員研修は12月から3月の学校が冬休みの間に、約3か月実施します。しかし、教員研修の準備は、6月頃から開始しています。教員研修前に教師が勤務する学校を事前に訪問し、各教師の教授法を調査しています。事前調査することにより、教師が改善する必要のあるポイントを把握し、研修内容の参考にするためです。調査では主に授業の進め方、生徒への教え方、授業の内容、そして教師の専門科目などについて調査をしました。 ![]() 教員研修の事前調査 12月になり冬休みになるとさっそく30人の教師を対象に教員研修を実施しました。講師4人が国語(ダリ語)、数学、化学、物理の教科を担当し、教師は各自、専門教科と副教科を受講しました。女性教師の中には、自分の子どもを研修所に連れて参加する教師もいました。そのため、ベビーシッターを雇い、幼子を預けてもらうことにより、研修に集中して参加できるよう対応しました。 ![]() 研修中 ![]() 化学の実験中 ![]() 物理の実験中 ![]() 子連れで研修に参加する女性教師 教員研修の終了後、2日間かけて最終試験を実施しました。研修前後の試験結果を比較すると全体で4割以上成績が伸びたことが分かり、教師たちの理解力が深まったことを確認できました。 また、教員研修で教師が集まっているこの機会を考慮し、教員研修の一環として司書トレーニングも実施しました。これは今回建設した学校2校に図書室を設置したため、司書の知識が教師に必要だったからです。 司書トレーニングはADRAと同じようにアフガニスタンで支援活動を実施している日本のNGO団体、シャンティ国際ボランティア会(SVA)の現地スタッフが講師を務めました。トレーニングの内容は、図書・図書室の管理、図書が子どもに与える影響、子どもへの読み聞かせの方法など、多岐に渡るものでした。教師はこのトレーニングやワークショップを通して様々な知識を実践をする機会もありました。3日間のトレーニングに出席した教師は全員が修了書を受け取りました。 ![]() 司書研修 ![]() 研修で習ったことを実践する女性教師 ![]() 司書研修修了書を受け取った教師 ADRAで実施している教育支援は、校舎を建てるだけではなく、子どもが病気になって学校を休むことがないように衛生教育や、子どもが各科目の授業を良く理解できるように教員研修を実施するなど、複合的な支援をしています。そして、地域のニーズや要望に応えられるよう、ADRAは現地の人々とのコミュニケーションを大切にして、一緒に作り上げる活動しています。 ADRAはこれからもアフガニスタンの人々が必要とする支援を届け続けたいと思っています。 (執筆:アフガニスタン担当 杉本亜紀) ※この活動は皆様からのご支援と(特活)ジャパン・プラットフォームからの助成を受けて実施しています。 |
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