CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«(9/11)【緊急支援】南アジアにおける水害に関し、ネパールでの事業を開始します。 | Main | (9/28) 「グローバルフェスタJAPAN2017」に出展します»
ADRA Japan団体概要

ADRA Japanさんの画像
最新10記事
<< 2017年12月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
記事カテゴリー
特選リンク集
http://blog.canpan.info/adrajapan/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/adrajapan/index2_0.xml
(9/20) アフガニスタン便りVol.31 〜衛生教育〜 [2017年09月20日(Wed)]
ADRAがアフガニスタンで実施しているのは、学校校舎の建設とその周辺整備だけではありません。並行して、学校の生徒、教師、生徒の保護者や学校周辺に住む地域住民の方も対象にした衛生教育を実施しています。今回は衛生教育の様子をご報告したいと思います。

昨年の暖かい時期、春から初夏(5月〜6月ごろ)にかけて、衛生教育を2か月間実施しました。

まず、衛生教育の研修を実施する衛生教育推進員4人(男性2人、女性2人)を選定し、オリエンテーション・ワークショップを行ないました。このワークショップでは、ADRAの事業内容、研修を行なう地域の紹介、受益者について話し合い、衛生教育の研修内容、研修過程の確認をしました。また、受益者に配布する教材や衛生キットの準備をしました。


1.1 オリエンテーション.jpg
オリエンテーション


1.2 教材と衛生キット準備.jpg
教材と衛生キットの準備

1.3 衛生キット(石鹸、歯ブラシ、洗剤).jpg
衛生キット(石けん、歯ブラシ、洗剤)


次に、衛生教育推進員から衛生教育の研修を受ける生徒、教師、保護者を選定しました。そして、彼らの衛生に関する理解度を確認するため、事前調査を行ないました。これにより、衛生教育推進員は、研修の進め方を調整します。


2.1 衛生教育研修中(女子生徒).JPG
研修中


衛生教育の研修を受けた受益者は、生徒、教師、保護者、合わせて約370人です。


また、アフガニスタンは地震や水害などの自然災害が多い国です。そのため、今回の事業では防災減災の内容もこの研修に取り入れました。防災減災の内容は、地震が発生した時の基本的な身の守り方や避難訓練などの実践と、地震の際に何に気を付けることの座学です。生徒は学校で地震が発生した時に机の下に隠れたり、窓から離れて壁にそって移動したり、安全な避難の仕方などを習いました。


3.1 地震対策として机の下に隠れる女子生徒.jpg


3.2 地震対策として机の下に隠れる男子生徒.JPG
机の下に隠れる訓練



衛生教育推進員から直接衛生教育の研修を受けた受益者は、モスクや集会所に集まった人々や家族、親せきに家庭で取り組める衛生改善に関する知識を伝えました。

4 モスクの中で研修.JPG
モスク内での研修


衛生教育推進員も各地域を訪れ、家庭訪問の際に水の調達方法や家庭内での水の保管方法、台所回りの環境など衛生に関連した内容の調査を行ないました。


5.1 水の保管方法を調査.JPG
水の保管方法を調査


衛生教育推進員は家庭のトイレ事情も視察しました。しかし、ほとんどの家庭でトイレが設置されていなかったため、できる限りトイレを設けて環境を改善するように勧めました。



7.1 手を洗う.JPG
手を洗う


こうして、各地域と学校全体で衛生教育を実施しました。


4ヵ月後に、各地域でモニタリングのために、衛生環境の改善状況を調査し、衛生教育推進員が家庭訪問をしました。衛生教育の成果として、調査した世帯では安全な飲料水を作ったり、食器を洗うことなどが生活に取り入れるようになっていました。また、村の住民12世帯が使えるように簡単なトイレを作ったコミュニティもありました。

7.2 歯を洗う.JPG
歯をみがく


家庭訪問した先のザハラさんは次のように教えてくれました。
「水を煮沸させて安全な飲み水を作る方法や、体調を崩した時に飲むと良いORS(経口補水液)の作り方などを知りました。教わった日常生活のなかで健康的に過ごす方法を実践しています。今では以前よりも健康的に過ごしています。」


8 ザハラさんインタビュー中.JPG
ザハラさんへのインタビュー中


しかし、なかには衛生改善への意識が低い家庭もありました。特に、読み書きができない女性は、衛生に関する意識が低く、教わった衛生教育が理解ができていない様子でした。学校へ行き教育を受ける重要性に、改めて気づかされました。

また、各地域のヘルスセンター(クリニック)では、医師から最近の患者さんの傾向を聞き取りました。衛生教育が各地域と学校で実施された後には、クリニックに来る子どもの数が減少したことがわかりました。


9 クリニック院長インタビュー.JPG
クリニックの院長


このような調査結果から、衛生教育が地域で広く人々に伝えられ、実践していることがわかりました。

ADRAとして衛生教育を根付かせることを重視しているため、さらに衛生教育の復習と応用編の研修を実施することにしました。多くの人やコミュニティ全体から衛生についてもっと知りたいという反応や強い要望がありました。

衛生教育の復習及び応用編の研修は2ヵ月間実施しました。研修開始前にコミュニティと話し合いをし、仕事が少ない1月〜2月のほうが大人が参加しやすいということで、開催時期は冬期に設定しました。

研修には1000人以上が参加し、人々の衛生に関する関心の高さがうかがえました。ADRAは、グループワークや実践体験(手を洗う行為など)を研修に取り入れました。他のNGOはこういった研修を行なったことがなかったため、参加者は内容を理解しやすいと感じ、積極的に参加してくれました。加えて読み書きができない大人のために、文字より絵や図面が多い教材を使用して、実践しながら説明しました。特に女性参加者の関心が高く、普段の生活では得ることのできない内容に喜んでいました。

10.2 図が多い教材.jpg
図が多い教材


新学期が始まった2017年の春には、ADRAが支援した学校の新入生や転入生を対象とした衛生教育の研修を実施しました。
今回は、前年に研修を受けた高学年(9年生以上)の生徒が中心となり、新入生と転入生に衛生教育を行ないました。また、衛生教育推進員はアドバイザーとして、生徒が実施する研修内容にアドバイスをしました。衛生改善だけでなく、地震が起きたときの防災・避難訓練の研修も行ないました。


11 上級生が新入生に教える様子.JPG
上級生が新入生に教える様子



ADRAは地域のニーズや要望に応えらえるよう、住民の方々とコミュニケーションを大切にしながら活動をしています。これからもアフガニスタンの人々が必要とする支援を届け続けたいと思っています。


12 衛生教育を受けた後、衛生キットを受け取った新入生.JPG
研修を受けた生徒たち


次回は教員研修についてご報告いたします。


*本事業は皆様からのご支援とジャパン・プラットフォームの助成金で実施しています。

(執筆:アフガニスタン担当 杉本亜季
Posted by ADRA Japan at 18:43 | アフガニスタン便り | この記事のURL