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(8/23) アフガニスタン便りVol.30 〜バーミヤン州に2校の学校が建ちました〜 [2017年08月23日(Wed)]
ADRA Japanはアフガニスタンの中央高地バーミヤン州に学校を2校建設しました。

12-3 学生.jpg


これまでのプロジェクトでは、数が少ない女子校を中心に建設をし、今回、中央郡に女子校1校を建設することができました。またそれに加えて、今回は男子校のニーズにも応えるため、ヤカウラン郡に男子校1校を建設しました。

学校は校舎以外に、トイレ、給水施設、校庭遊具、ゴミ処理所など、生徒が適切な学校生活が送れる環境を整えました。学校構内を壁で囲うことによって、生徒たちは学校を安全な場所として安心して時間を過ごせるようになりました。

バーミヤン州は、いくつかの要因により同国34州の中でも政府や援助機関からの支援が行き届いていない地域の1つです。バーミヤン州の治安は他州と比べると安定していますが、特に農村部は、長く厳しい冬季になると、積雪によりアクセスが困難となるため、支援が届きにくくなっています。こうした自然環境による理由に加え、民族的な理由もあります。バーミヤン州の主要民族はハザラ族ですが、中央政府で行政職員として働くハザラ族はマイノリティであることがバーミヤン州へ支援が届きにくくなる要因の一つとであると言われています。

こうした環境ですが、バーミヤン州教育局長によると、ここ数年で同州における子どもの就学人口は増加しており、州と郡の教育局も教育分野の改善に非常に高い意欲と関心をもっています。


中央郡のカーテソル女子校(Kart e Sulh Girls High School)は中央郡の中心部から約7km離れた場所にあります。この地域のコミュニティ、約2,000世帯のなかから、1年生から12年生の女子の1,000人以上がこの学校へ通っています。


1 Kartisulh Current Situation.JPG
青空教室


バーミヤン州の北西に位置するヤカウラン郡のザリン男子校(Zarin Boys High School) はヤカウラン中心部から10km離れた場所にあります。この地域のコミュニティ、約1,200世帯のなかから約600人の男子がこの学校に通学しています。

2 Zarin Current Classroom.JPG
旧校舎


このプロジェクトを開始するために調査を行なった時、ザリン男子校は、古い校舎が今にも崩れそうな危険な状態でした。そのため、生徒たちは室内ではなく屋外のテントや青空教室で勉強していました。また、学校内にはトイレや安全な水へのアクセスがなく、衛生状態に課題がありました。

他方、カーテソル女子校は、十分な教室の数が確保できなかったため、近くの古い男子校校舎を一部共同で使用していましたが、その校舎にはトイレ、給水施設の設備がありませんでした。それでも十分な教室がなく、屋外教室やテントも使っていました。また、教室が足りないため授業は、3部制で行なっていました。
さらに、この地域の保護者たちは、安全性の観点から高学年(7年生)になると壁のない学校に子どもを行かせることを嫌う傾向があり、州教育局と地元行政は女子校を建設することを強く希望していました。

これらのニーズに応え、ADRA Japanは各学校の校舎建設と環境整備を行ないました。
2017年春には、校舎の建設などが完成したため、譲渡式を行ないました。


3 譲渡式 KS.JPG

4 譲渡式 ZS.jpg
2校の譲渡式


校舎には教室だけでなく、理科の実験室やコンピューター室、図書室などが備わっているため、生徒たちはよりよい環境で勉強できるようになりました。


5 class room.JPG
教室

6 図書室.jpg
図書室


コミュニティからは土地を提供していただきました。またそれだけではなく、学校校舎を建設する際にも積極的に参加をしてもらいました。
カーテソル女子校では、校庭に緑を増やすため、住民の方から木々の提供がありました。生徒たちは提供していただいた木々を正門から校舎までの道沿いや、校舎の周辺に植林しました。


7-1 KS plant trees 3 (2017.04.19).jpg


7-2 KS plant trees.jpg
植林


また、カーテソル女子校には、追加で5つの個室があるトイレ1棟を建設しました。
追加したトイレにはUNICEFが導入していている女性対象の「水洗ホース機能付き個室トイレ」や、障がいがある方でも使える便座付き洋式個室トイレも1室ずつ設置しました。


通常、学校にあるアフガニスタンのトイレは落とし式のトイレで、水洗ではありません。今回は、校内に設置した給水タンクとトイレのパイプをつなげることにより、トイレでも水が使用できるように整備しました。


8-1 トイレ .jpg
トイレ


ザリン男子校では、給水設備を設置するうえで、コミュニティの力に助けられました。学校の近くには水源がないため、山の上にある原水から学校まで3.6キロもの距離がありました。水を引くためにコミュニティの皆さんが、水道管の溝掘りを行なってくれました。


9-1 水.jpg
溝掘り




そして、学校だけではなくコミュニティの方も水を使えるように、ADRAは学校用とコミュニティ用の貯水池を設置しました。

10 貯水池.jpg
貯水池


バーミヤン州の7歳以上の男女のうち、約6割は学校教育を受けていません。特に、女の子は約7割が教育を受けていません。小学校(1年生〜6年生)の純就学率は州全体で56%であり、アフガニスタン全体の純就学率(52%)よりも高いのですが、中等教育への進学率は低いという現状があります。
特に女子の中等教育への進学率は、中学校が約3割、高校は約2割で、その低さが課題となっています。今回、女子校の校舎を建てたことにより、一人でも多くの女子生徒が学校教育を継続しやすい環境になったと信じています。



今年、カーテソル女子校とザリン男子校に通う生徒が増え、退学した生徒はいないという学校からのうれしい報告が届いています。環境が整ったことにより、保護者も安心して子どもを送り出すことができたのです。


11 教室にて.jpg

ADRAは、これからも生徒たちが継続して通学できる環境を整えることができるよう、バーミヤンの子どもたちを見守っていきます。


12-1 学生.jpg


12-2 学生.jpg


(執筆:アフガニスタン担当 杉本亜季

※この活動は皆様からのご支援と(特活)ジャパン・プラットフォームからの助成を受けて実施しています。
Posted by ADRA Japan at 11:00 | アフガニスタン便り | この記事のURL