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(11/28)ミャンマー便りvol.15〜3年にわたる教育支援事業の活動をご報告します〜 [2016年11月28日(Mon)]
ADRA Japanでは2013年から2016年6月まで、ミャンマーの現地スタッフと協力しながら、カレン州で子どもたちが安心して勉強できるように教育支援事業を行なっています。これまで3年間に渡り実施してきたミャンマー事業は、これでひとつの区切りを迎えました。今回はADRAが取り組んできた3つの活動とその成果をご報告したいと思います。

まず1つめの活動は、校舎の建設です。カレン州は少数民族と政府との間で長い紛争があった地域です。その影響で、小学校が焼かれてしまうこともありました。そのような小学校では、住民が自分たちで校舎を建て、使用していました。
これらの校舎は木造の狭い建物でしたが、老朽化が進み、壁や床に穴が開いてしまっているような状況でした。住民たちは校舎を修理して使ってはいたものの、毎年のように修繕が必要で、学習に適した教室の状態ではありませんでした。

ADRAはこのような学校を対象に、教室の壁がきちんと区切られた、スチールやブロックを用いた丈夫な校舎に建て替えました。今年は4つの小学校の校舎やトイレ、井戸を建設し、校内に机や椅子、黒板などを設置しました。そのほか、教師や児童に、文房具などの教育必需品を配布しました。

ナウカレン村の校舎.jpg
完成した校舎(ナウカレン村)

新しい写真.jpg
新しいトイレ

給水タンク.jpg
井戸(給水タンク)


2つめの活動は、教育啓発ワークショップの実施です。

前回のブログでもお伝えしましたが、ミャンマーでは小学校の退学率が高いという問題があります。その理由は、経済的な理由、兄弟の世話をしなければならないなど、家庭によってさまざまです。その背景には、親は教育の大事さをなんとなくわかってはいるものの、日々の生活を優先させてしまったり、また、親自身が紛争の影響でなかなか教育を受けられなかった世代のため、教育の大切さを実感として持てていないということもありました。そこでADRAは親の教育への意識を高めるため、住民たちと共に教育啓発ワークショップ(知識をわけあう集会)を開催しました。

ワークショップでは、ADRA側が一方的に提案や啓発をするのではなく、住民が村の教育問題を自分たちで話し合い、解決策を考え、実際に行動に移せるように働きかけました。住民は自ら問題を設定し、対策を考えて行動するということを経験することで、ADRAの事業が終了した後も教育への関心を保てるようになり、教育問題は自分たちで解決できるという自信を持って生活することができます。実際にワークショップを通し、住民は通学路の舗装や校庭の整備(藪や草を取り除く)、通学路危険な橋を安全なものに建て直すなどの活動を行ないました。

小学校建設と併せて教育啓発ワークショップを実施したことにより、子どもたちには「以前と比べて積極的に学校に通うようになった」「欠席や遅刻が減った」などの変化がみられるようになりました。また、保護者からは「校舎がきれいになり、安全に整備されたことで、安心して、以前より積極的に子どもを学校に送り出せるようになった」、「教育の問題を自分たちで解決する経験を得ることができた」との声も寄せられました。保護者の教育への意識や関心が高まったことで、退学率が下がる効果が見込まれます。

教育啓発活動.jpg
教育啓発活動(コパン村)

校庭周辺.jpg
校庭周辺の整備(ナウカレン村)

通学路.jpg
通学路の整備(ナウカレン村)

授業の様子.jpg
新校舎での授業の様子(シンティコン村)


3つめの活動は、保健衛生・栄養改善研修の実施です。住民のほとんどはハエがもたらす感染症など、基本的な衛生の知識を持っておらず、家の周りや校庭などあちこちにゴミが散乱している状態でした。また、偏った食生活を繰り返すことで栄養失調になる子どもも見受けられました。そのため、子どもたちの健康状態を保つため、主に保護者の方々に保健衛生や栄養の知識・技術を伝えました。

保健衛生の研修後は、住民たちは掃除をきっちり行なうようになり、家の周辺を清潔に保つことができるようになりました。また、子どもたちも週に1回校庭を掃除し、ゴミをきちんと1か所に捨てるなどの実践を続け、家庭と学校の衛生環境は改善してきています。

栄養改善研修では、村にある食材を使って簡単に栄養価の高い食事が準備できるよう、具体的な調理例を伝え、住民たちと調理実習も行ないました。また、家庭菜園の方法を指導し、家の庭で野菜を栽培できるよう種子を配りました。研修後は栄養価の高い食べ物を食べる回数が増えたという報告が上がっています。栄養状態を完全に回復するにはまだ時間が必要ですが、徐々に良い食習慣に変わってきているという手応えを得ることができました。

衛生教育.jpg
児童への衛生教育(シンティコン村)

栄養改善研修.jpg
栄養改善研修(ヤギ村)

栽培の様子.jpg
野菜の栽培方法を伝える(ナウカレン村)

カレン州では、近年、教育の重要性が以前にもまして高まっています。タイ側からの大きな道路が整備されたことで、以前より物流が増え、これから徐々に経済面で雇用機会の増加など良い影響が出てくることが期待されているからです。ミャンマー全体としても、政権が変わって外国資本が入りやすくなり、今後の経済発展が見込まれています。

部族間の小さな紛争は続いていており、散発的に武力衝突が起こるなど、まだまだ課題が残されていますが、子どもたちには安心して教育を受けてほしいと願っています。
ミャンマーでは、2016年9月から公益財団法人イオンワンパーセントクラブの助成を受け、カレン州やヤンゴンでさらに教育支援活動を展開しています。引き続き、皆様のあたたかなご支援をお願いいたします。

*2016年6月までの事業は(特活)ジャパン・プラットフォームの助成を受けて行ないました。

(執筆:ライティングボランティア 小野寺るりこ)

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Posted by ADRA Japan at 17:00 | ミャンマー便り | この記事のURL