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(8/5)【熊本地震】 〜南阿蘇村福祉避難所への看護師派遣報告〜 [2016年08月04日(Thu)]
ADRA Japanは、熊本地震発生直後より情報収集と関係機関との連絡調整を開始し、5月9日まで熊本市を拠点にして物資配布や看護師による避難所巡回訪問などの支援活動を行ないました。

5月13日からは、南阿蘇村に活動の拠点を移し、看護師派遣と移動カフェを行なっています。

今回のブログでは、南阿蘇村での福祉避難所の運営支援ついてお伝えします。

阿蘇山ADRAJapan熊本緊急支援_R.jpg
南阿蘇村から阿蘇山を望む


南阿蘇村は、高齢化率35.5%で全国平均よりも高齢者の多い地域です。平時からいくつかの福祉事業所が、高齢者の暮らしを支えるために日々活動をしています。

しかし、今回の地震で福祉事業所の職員自身が被災していたり、通常業務に加えて福祉避難所運営の業務が加わったり、地域の交通網の不通によって通勤に長時間がかかるようになってしまっているなど、施設職員の方々にかかる負担がとても大きくなりました。

このような背景を受け、南阿蘇村では、地域の福祉事業所を中心に支援団体も加わった「みなみ阿蘇福祉救援ボランティアネットワーク(MFN)」が立ち上がりました。

ADRA Japanはこのネットワークに参加し、5月15日に急遽開設されることになった南阿蘇村内の一つの福祉避難所の開設から閉鎖までの運営支援を行ないました。

福祉避難所は、介護の必要な高齢者など、一般の避難所では生活に支障を来す方々のための避難所です。24時間体制で利用者の方々を見守る必要があります。通常は、既存の福祉施設内などに開設されることが多いのですが、南阿蘇村内においてもADRA Japanが関わった福祉避難所だけは単独で開設されることになったため、人員不足などが問題になっていました。

現在の国の制度では、福祉避難所は利用者10人あたり1人スタッフを配属できることになっています。しかし、今回のように既存の施設に併設される福祉避難所ではなく、単独で開設される場合は、1人のスタッフで利用者さん全員を24時間態勢で見守ることは出来ません。

そこで、この福祉避難所の運営支援を行なうためADRA Japanが看護師の夜勤スタッフ2人、医療コーディネーター1人を派遣しました。福祉避難所開設中は、同じ医療コーディネーターを配置することによって、全国から入れ替わりで支援してくださる看護師間の情報共有及び利用者サポートの強化を図りました。


福祉避難所の様子をご紹介します。


<福祉避難所の1日の流れ>
06:30 起床(洗面、デイケアサービスへの身支度など)
07:00 朝食
08:00 夜勤スタッフと日勤スタッフの情報引き継ぎ(利用者の状態や特記事項など)
08:30 デイサービスお見送り/夜勤スタッフ帰宅
□□□□掃除・換気・洗濯の時間
10:00 残っている利用者さんとスタッフでラジオ体操
    理学療法士や日勤スタッフによるプログラム
12:00 昼食・食休み
14:00 TV鑑賞「水戸黄門」
15:00 おやつの時間/デイサービスお迎え/洗濯物とり込み
    自由時間/理学療法士や日勤スタッフによるプログラム
16:30 日勤スタッフと夜勤スタッフの情報引き継ぎ(利用者の状態や特記事項など)
17:00 日勤スタッフ帰宅
18:00 夕食
    自由時間
21:00 消灯
   夜勤スタッフが交代で見守り、トイレ介助など
*お風呂はデイサービスに行った際に入ります。


_ADRA japan熊本緊急支援.jpg
朝と夕方のスタッフ入れ替わりの際は、必ず引き継ぎを行ないます。利用者さんの状態や注意事項などを一人ひとりのことを丁寧に引き継いでいきます。


ADRA Japan熊本緊急支援_R.jpg
食事は3食とも利用者さんとスタッフが一緒に食べます。
まるで家族のような団らんタイムでもあります。


ADRA Japan熊本緊急支援_R.jpg
お掃除は開設当初は、日勤スタッフがしていましたが、途中から利用者さんがお掃除してくれるようになりました。日々の掃除が利用者さんにとっての楽しみになりました。


将棋ADRA Japan熊本緊急支援_R.jpg
利用者さんが好きな将棋のお相手をすることもあります。
利用者さんが強すぎるので勝負にならないときも・・・


体操ADRA Japan熊本緊急支援_R.jpg
日中は体操もします。


ADRA Japan熊本緊急支援_R.jpg
少しでも楽しい部屋にしたいということで、みんなで「輪飾り」などを作りました。


障害トレーニングADRA Japan熊本緊急支援_R.jpg
介護士さんによる嚥下障害予防トレーニングなどもやりました。


ゆあしす号ADRA Japan熊本緊急支援_R.jpg
ADRA災害対応バス「ゆあしす号」に乗って、外出もしました。


タクティールケアADRA Japan熊本緊急支援_R.jpg
タクティールケア(*)専門家によるケアなども行なわれました。

(*)タクティールケアは、スウェーデン発祥のケアで、タクティールとは、ラテン語の「タクティリス(Taktilis)」に由来する言葉で、「触れる」という意味があります。その意味が示すように、手を使って10分間程度、相手の背中や手足を「押す」のではなく、やわらかく包み込むように触れることです。(詳しい説明はコチラ→http://jsci.jp/taktil/


利用者の方々は、ヘルパーさんの業務再開に伴ってご自宅に戻られたり、福祉施設に入られたり、子どもたちのいる家に引っ越したりと、徐々に福祉避難所を出て行かれ、福祉避難所は6月30日に閉鎖されました。


見送りADRA Japan熊本緊急支援_R.jpg
最後に出られた利用者さんをスタッフ全員で見送りました。


集合写真ADRA Japan熊本緊急支援_R.jpg
福祉施設責任者、MFNコーディネーター、ADRAスタッフの集合写真


この福祉避難所の閉鎖にあたり、運営元の福祉施設の責任者から次の様なお言葉を頂きました。

「ADRAは、常駐のコーディネーターを中心に組織として支援してくれたので安心して任せることが出来た。福祉避難所滞在中は利用者の笑顔が増えたし、転倒事故なども起きなかったことに感謝している。また、グリーフケアもしっかりやっていただけたことに感謝している。」


また、福祉避難所開設中に継続して運営支援に入った看護師2人の感想を紹介します。

「今回、ご縁をいただき南阿蘇の福祉避難所で夜勤看護師として関わらせていただきました。福祉避難所の利用者さんは、入れ替わりするスタッフにも慣れないままケアをされる環境や、先の見えない現状への不安の中にいました。

そんな中でも利用者さんたちは、被災していても、他人に思いやりを持って、お互いの個性を受け入れながらいつも笑顔で過ごされました。そして全員最後まで、高温多湿で狭い中でも誰も感染症に罹患せず、転倒もしなかった。利用者さんたちだけでなく、私たちスタッフも、だれも事故なく健康で業務にあたることができました。現地の多職種のスタッフ皆さんの支援の力だと思いました。

現地の方や利用者さんたちの元気で前向きな姿に元気をもらって、南阿蘇を離れたスタッフたちも皆楽しかったと言っていました。そんな充実した南阿蘇生活が恋しいです。
また、普段は看護師として病棟で、業務と時間に追われる日々の中で、人への思いやりを欠いてしまいそうになるけれど、私たちが救われることもあることを改めて教わりました。これからも今回のご縁を大切に、支援できることを続けて行こうと思います。」


(南阿蘇村福祉避難所運営支援 看護師 木村)


「ADRAからの要請は、当初福祉避難所の夜勤看護師でしたが、最終的に医療コーディネーターとして関わることになりました。私自身そもそも介護福祉の現場も初めてで、どう動けば良いかもわからず、福祉避難所を運営する福祉施設の職員さんや他の専門職支援者(ボランティア)の方々に助けられて手探りでのスタートでした。

福祉避難所運営支援で目標としていたことは、利用者さんが転倒などの事故を起こさず、体調の異常などが起きた場合は早めに対処する事。そして、生活の場としてゆっくり過ごすことができ、最後は次の移動先へ無事に送り出す事でした。

約1ヶ月半の間、多くの仲間に助けられ、無事に終えることができたことに、ただただ感謝です。」


(南阿蘇村福祉避難所運営支援 医療コーディネーター 中野)


福祉避難所が閉鎖されるまで、ADRA Japanは合計26人の看護師を派遣しました。利用者の皆さんに、事故なく、笑顔で過ごしていただくことができましたのも、看護師の募集に応じて駆けつけてくださった方や、ADRA Japanの活動をご支援いただいた皆様のおかげと感謝しております。

ADRAは、南阿蘇村での支援を継続しています。

現在は、地元社会福祉協議会や他団体と協力して、二次避難所などでADRA災害対応バス「ゆあしす号」を利用した移動カフェを中心に活動を展開しています。

引き続き皆様のご支援をよろしくお願い致します。


(執筆: 国内事業担当マネージャー 渡辺日出夫


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Posted by ADRA Japan at 11:55 | 緊急支援 | この記事のURL