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(4/10) 東日本大震災被災者・復興支援-140 国内支援を通じて国際協力を学ぶ [2015年04月10日(Fri)]
ADRA Japanは2012年6月から福島県の若者に向けた人材育成プログラムを実施しており、2015年3月末までに36以上の活動を行なってきました。福島県の若者と県内外・海外の人びとをつなぎ、若者の可能性を広げるきっかけとなる機会を提供しています。

これまでの活動の内容や期間、そこに関わる人びとなどは多岐にわたっています。中でも一番長く続いている活動が、2013年5月から行なっている福島県立富岡高等学校いわき明星大学サテライト校と米カリフォルニア大学サンディエゴ校国際関係・環太平洋研究大学院 (以下IR/PS)の学生とのスカイプ(音声通話、テレビ電話、文字によるチャットが無料でできるインターネット電話サービス)を通じた交流です。交流は教室の中で行なっており、関わっている人数も少ないのですが、小さくとも着実に育っている活動です。

活動のきっかけは、IR/PSの「411」という授業で日本語を学ぶ学生からADRA Japanに届いたメールでした。6人の学生がサンディエゴから東北の被災地にどのような支援ができるのかを考えた結果、東北の被災地とIR/PSとの絆を深め、被災地の方々に希望を持ってもらうことを目的とした交流プロジェクトを企画したので協力してほしい、というものでした。


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IR/PSの学生と日本語講師の牛田先生(中央前)


この時、震災から既に1年以上が経過していましたが、遠く離れたアメリカから東北を想い行動に移そうとしている学生たちがいることを東北の方々にも知って欲しいと思いました。そしてIR/PSの学生と東北の方々の双方向の交流とするため、国際コミュニケーションコースがある富岡高校の教頭先生に相談しました。

富岡高校の生徒たちは、震災後は原発事故の影響で福島県双葉郡富岡町から県内外4カ所のサテライト校に分かれて学校生活を送っていました。国際コミュニケーションコースは福祉健康コースと共にいわき明星大学内のサテライト校にあり、殆どの生徒たちはふるさとを離れ、避難生活を送りながら学校に通っていました。

教頭先生は、この交流活動が生徒にとって良い機会になると関心を持ってくださり、英語の授業の時間を使った交流がスタートしました。

富岡高校で英語を担当する教員も生徒たちもスカイプを使ったことがなかったため、大きな期待と少しの不安を抱きながら1回目の交流が行なわれました。生徒たちは全員でノートパソコンの画面が見られるように固まって座り、とても緊張している様子でした。


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1回目の交流


この時の交流では、富岡高校の生徒たちとIR/PSの学生が簡単な挨拶と自己紹介を交わし、生徒たちはアメリカの学生からの質問に「Yes」「No」で答えるのが精一杯という感じでした。それでも高校生たちは交流を終えて「とても緊張した〜」「楽しかった〜」と笑顔で話していました。

その後、年を重ねて学生の入れ替わりがありながらも、約2年間、両校は計12回のスカイプ交流を通じて直接会話やゲームをしたり、メールやブログを介して自分たちの夢や生活を紹介しあったり、時にはエネルギー問題について意見を交換したりしながら交流を深めていきました。福島とサンディエゴという離れた土地に暮らし、年齢や国籍の違いがありつつも、生徒と学生は一緒に笑い、時間と思い出を共有してきました。


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日本とサンディエゴの時差は17時間あり、日本が朝10時の時、サンディエゴは前日の夕方5時になります。富岡高校の英語の授業に合わせ、IR/PSの学生が日曜日の夕方に大学に集まってくれることもありました。

この交流が実現するまでには、富岡高校の教員とIR/PSの講師の方々がメールやスカイプを通じ、実に多くの時間をかけて準備を行なっておられました。一度も会ったことは無くても語学を教える方同士が、共通の想いを持って取り組み、信頼関係を深めていかれました。先生方は、自らの教え子たちに語学を学んでもらうこと以上に、交流を通じてお互いの関係を深めてほしいと願っておられました。


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スカイプを通じて打ち合わせをする教員


交流を始める2年前、富岡高校の生徒たちはサンディエゴのことを知らず、一方のIR/PSの学生たちは福島を原発事故のあった被災地としてしか知らず、富岡町のことももちろん知りませんでした。

今では、高校生たちはサンディエゴの観光地や魅力を知って自分たちで地図を作るまで詳しくなり、いつか実際に訪れたい場所になりました。そして、アメリカの大学生たちにとって福島は単なる「被災地」から富岡高校の生徒たちが暮らす「ふるさと」になりました。


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生徒が作ったサンディエゴの地図と、生徒と学生がそれぞれに作った絆ベンチ


富岡高校いわき明星大学サテライト校の生徒数は2015年4月からは6人になり、彼らが卒業する来年の3月で休校することが決まっています。現在行なっている英語の授業を使った交流はあと1年間となりますが、離れていても自分たちを思ってくれている友人がいるということを知っているのはお互いにとって心強いことであり、決して消えない大切な思い出となるのではないでしょうか。

IR/PSの講師の牛田先生がとても強い想いと信念を持って取り組んでこられたことが、この活動が継続してきた大きな要因のひとつだと思います。牛田先生は「震災後から何かをしたいと思っていたけれど、自分が考えていたプロジェクトに合う学生が揃うのを待ってから学生に呼びかけた」とおっしゃっていました。

そんな牛田先生の想いが学生に、ADRA Japanに、そして富岡高校の教員と生徒たちに伝わっていきました。この交流に関わることを通じ、私は離れていても自分たちでできる国際協力の方法が必ずあること、想いを強くもつことで周りの人びとに影響を与え、その想いを相手に届けることができるということを学びました。


(執筆:東日本事業担当 会田有紀


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4月26日(日)、「30周年記念フェス〜好きから始まる国際協力」を開催します。
ADRAの活動にちなんだワークショップや、各国のファッションや食べ物、ステージ演奏なども楽しんでいただけます。福島事業に関する展示も行ないます。ぜひお越しください。
好きから始まる国際協力〜30周年記念フェス 詳細ページ

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Posted by ADRA Japan at 19:58 | 東日本大震災 | この記事のURL