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ハイチ地震被災者支援(第15報) [2010年03月01日(月)]
アイスクリームの味がする「ありがとう」



カルフール地区のADRA避難村には、約15,000人の被災者が暮らしています。
ある日、私の名前を呼ぶ声が聞こえたので振り返ってみると・・・
埃にまみれた道を走ってくる私の小さな友達のマラちゃん(Mala、9歳)が見えました。
実は数日前に、避難村で彼女が水を汲んでいる時に出会ったのです。
しかし、数日前にちょっと会っただけの彼女が、私に気付き、名前まで覚えているとは思いませんでした。
彼女は、お母さんのお使いで小さな店に買い物に行く途中でした。
その途中に、避難村の仮設トイレに立ち寄ったために、私たちは再会することになったのです。




その時、私はADRAが設置した仮設トイレとシャワー場を点検するために訪れていました。
私の小さな友達のマラちゃんは、明るくてちょっとおませな女の子です。
彼女があんなに恐ろしい体験をしにも関わらず、このように明るくいられることは、私にとって驚くべきことでした。



地震が発生し、人々が全てを失った時には、一斉に様々なものが必要になります。
まずは水と食料、それから住む場所が必要になります。
ハイチで、ADRAはこのようなニーズに対応してきました。
そして、衛生設備のシャワー設備12カ所と仮設トイレ50カ所を設置しました。
更に仮設トイレ10カ所を現在設置中ですが、まだ少なくとも40カ所以上必要とされているのが現状です。


私は、少し前にあるおばあさんに出会いました。
彼女は、1月12日の地震発生直後からこの避難村で10人の家族と共に暮らしています。 
おばあさんと彼女の家族は、仮設トイレが設置されるまでは、汲み取り式トイレを使っていました。
おばあさんは「私たちは状況をありのまま受け入れなければならなかった。しかし、特に夜は非常に大変だった。子どもたちが遠く離れた汲み取り式トイレに向かう途中の暗闇に恐れて泣いてしまう。」と私に話してくれました。

しかし今は、そのお婆さんとその家族の滞在場所の付近に仮設トイレが10カ所設置されているので、「とても使いやすく、きれいだ。本当に良いことをしてくれた。本当に嬉しい。」と話してくれました。
ADRAの仮設トイレの設置時には、彼女とその隣人たちが手伝ってくれました。
お婆さんは、「私は、仮設トイレを設置してくれる人々に食べ物をあげるお手伝いをした。」と力強い笑みを浮かべていました。
また、地域の人々は、ADRAから仮設トイレを清潔に保つための講習と基本的な衛生教育も受けています。

お婆さんはしばらくの間この避難村にとどまるつもりだと言います。
と、いうのも地震の影響で彼女の自宅前の地面に大きな亀裂がはいり、隣の家が彼女の自宅に倒れてきたそうです。
残念ながら、家の一部が損壊しましたが、幸いなことに命は助かったそうです。


今日、私はあの小さなお友達のマラちゃんに再会し、彼女に地震の時の話を聞きました。
1月12日の地震が起きた時、マラちゃんはお母さんとお父さんと小さな従兄弟と自宅の中にいました。
家は、倒壊することはなかったのですが、大きな亀裂がはいりました。
しかし、数日後の余震が起きた時のことです。
たまたま家族は外出をしていたのですが、帰宅すると自宅は倒壊していました。
そして、今。。。
マラちゃんと家族は、ADRA避難村のことを「家」と呼んでいて、家族が無事であったことを感謝しています。
しかし、不幸なこともありました。
それは、彼女の10歳の従兄弟と叔母が倒れてきた壁に押しつぶされて亡くなってしまったことです。
私は、しばらく話した後に、彼女の勇気を称え彼女と彼女の家族が無事だったことに感謝することを伝えて、軽く抱き締めました。


私が次の仮設トイレを視察するために、狭い道を歩いていると、この避難村で暮らす一人の起業家風の男がそばに寄ってきました。
彼はクーラーボックスを抱え、そこには沢山の紙で包まれたアイスクリームが入っていました。
このような贅沢品など何もない被災地で、アイスリームを見たことにとても驚いたが、私と同僚は、彼のビジネスを支援しようとアイスクリームを1つずつ買いました。

そして、避難村の次の一区画に着くと、再びマラちゃんに出会いました。
マラちゃんは、私を見つけて大喜びし、彼女の友達を私に紹介しました。
私は喜んで、マラちゃんと彼女の友達にアイスクリームを分け合いました。
彼女達は口をアイスクリームいっぱいにしながら食べていました。

マラちゃんはアイスクリームを食べながら、「私がどこに住んでいるのか教えて欲しい」と聞いてきました。
私はADRAで働いていると伝え、「ADRAはマラちゃんが使っているトイレを設置した団体だよ。」とTシャツのADRAのロゴを指しながら伝えたら、彼女は理解したようでした。


私はADRAで長年働き、人々がそれぞれ独自の方法でADRAとその支援者に対して感謝するのを見てきました。
私は色々な国の言葉で「ありがとう。」と言われ、時には記念品、歌やダンスによってそれを伝えられました。


しかし今日はその中でも最も素敵な「ありがとう」でした。
マラちゃんは私がどこに住み、どこで働き、どのような事業をしたのかを知ると、彼女は「Mwen anvi bo-w」と言いました。
一緒にいた通訳が訳をしてくれ、彼女の言うがままに腰をかがめると、
頬にとても素敵なキスを受けました。

それは・・・
アイスクリームの味がする「ありがとう」のキスでした。





人々は災害が起きた際にはしばしば寛容になります。
また、人々は突然全てを失った被災者に対して、水や毛布、食料、住居などを提供しようとします。
しかし、彼らはめったに「トイレを送ってあげられたら。」とは言うことはありません。
もし、トイレのない生活を想像したらどうでしょうか?
水や食料などと同じように、トイレの重要性がすぐにでも分かるでしょう。


現在、ハイチの震災被災者たちは、世界各国からの多くの支援にとても感謝しています。
彼らが生きていられるのは水や食料などの支援のおかげだと思います。
私たちの小さな友達のマラちゃん達は、もし可能であれば、あなたにもアイスクリームの味がする「ありがとう」を届けたいと思っていると思います。

報告:Michelle Oetman


ADRAは、皆様のご支援を引き続きハイチ地震被災者及びチリ地震被災者のためのご支援をよろしくお願いいたします。


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Posted by ADRA Japan at 17:58 | ハイチ地震2010 | この記事のURL