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ミャンマー便りvol.15〜3年にわたる教育支援事業の活動をご報告します〜 [2016年11月28日(Mon)]
ADRA Japanでは2013年から2016年6月まで、ミャンマーの現地スタッフと協力しながら、カレン州で子どもたちが安心して勉強できるように教育支援事業を行なっています。これまで3年間に渡り実施してきたミャンマー事業は、これでひとつの区切りを迎えました。今回はADRAが取り組んできた3つの活動とその成果をご報告したいと思います。

まず1つめの活動は、校舎の建設です。カレン州は少数民族と政府との間で長い紛争があった地域です。その影響で、小学校が焼かれてしまうこともありました。そのような小学校では、住民が自分たちで校舎を建て、使用していました。
これらの校舎は木造の狭い建物でしたが、老朽化が進み、壁や床に穴が開いてしまっているような状況でした。住民たちは校舎を修理して使ってはいたものの、毎年のように修繕が必要で、学習に適した教室の状態ではありませんでした。

ADRAはこのような学校を対象に、教室の壁がきちんと区切られた、スチールやブロックを用いた丈夫な校舎に建て替えました。今年は4つの小学校の校舎やトイレ、井戸を建設し、校内に机や椅子、黒板などを設置しました。そのほか、教師や児童に、文房具などの教育必需品を配布しました。

ナウカレン村の校舎.jpg
完成した校舎(ナウカレン村)

新しい写真.jpg
新しいトイレ

給水タンク.jpg
井戸(給水タンク)


2つめの活動は、教育啓発ワークショップの実施です。

前回のブログでもお伝えしましたが、ミャンマーでは小学校の退学率が高いという問題があります。その理由は、経済的な理由、兄弟の世話をしなければならないなど、家庭によってさまざまです。その背景には、親は教育の大事さをなんとなくわかってはいるものの、日々の生活を優先させてしまったり、また、親自身が紛争の影響でなかなか教育を受けられなかった世代のため、教育の大切さを実感として持てていないということもありました。そこでADRAは親の教育への意識を高めるため、住民たちと共に教育啓発ワークショップ(知識をわけあう集会)を開催しました。

ワークショップでは、ADRA側が一方的に提案や啓発をするのではなく、住民が村の教育問題を自分たちで話し合い、解決策を考え、実際に行動に移せるように働きかけました。住民は自ら問題を設定し、対策を考えて行動するということを経験することで、ADRAの事業が終了した後も教育への関心を保てるようになり、教育問題は自分たちで解決できるという自信を持って生活することができます。実際にワークショップを通し、住民は通学路の舗装や校庭の整備(藪や草を取り除く)、通学路危険な橋を安全なものに建て直すなどの活動を行ないました。

小学校建設と併せて教育啓発ワークショップを実施したことにより、子どもたちには「以前と比べて積極的に学校に通うようになった」「欠席や遅刻が減った」などの変化がみられるようになりました。また、保護者からは「校舎がきれいになり、安全に整備されたことで、安心して、以前より積極的に子どもを学校に送り出せるようになった」、「教育の問題を自分たちで解決する経験を得ることができた」との声も寄せられました。保護者の教育への意識や関心が高まったことで、退学率が下がる効果が見込まれます。

教育啓発活動.jpg
教育啓発活動(コパン村)

校庭周辺.jpg
校庭周辺の整備(ナウカレン村)

通学路.jpg
通学路の整備(ナウカレン村)

授業の様子.jpg
新校舎での授業の様子(シンティコン村)


3つめの活動は、保健衛生・栄養改善研修の実施です。住民のほとんどはハエがもたらす感染症など、基本的な衛生の知識を持っておらず、家の周りや校庭などあちこちにゴミが散乱している状態でした。また、偏った食生活を繰り返すことで栄養失調になる子どもも見受けられました。そのため、子どもたちの健康状態を保つため、主に保護者の方々に保健衛生や栄養の知識・技術を伝えました。

保健衛生の研修後は、住民たちは掃除をきっちり行なうようになり、家の周辺を清潔に保つことができるようになりました。また、子どもたちも週に1回校庭を掃除し、ゴミをきちんと1か所に捨てるなどの実践を続け、家庭と学校の衛生環境は改善してきています。

栄養改善研修では、村にある食材を使って簡単に栄養価の高い食事が準備できるよう、具体的な調理例を伝え、住民たちと調理実習も行ないました。また、家庭菜園の方法を指導し、家の庭で野菜を栽培できるよう種子を配りました。研修後は栄養価の高い食べ物を食べる回数が増えたという報告が上がっています。栄養状態を完全に回復するにはまだ時間が必要ですが、徐々に良い食習慣に変わってきているという手応えを得ることができました。

衛生教育.jpg
児童への衛生教育(シンティコン村)

栄養改善研修.jpg
栄養改善研修(ヤギ村)

栽培の様子.jpg
野菜の栽培方法を伝える(ナウカレン村)

カレン州では、近年、教育の重要性が以前にもまして高まっています。タイ側からの大きな道路が整備されたことで、以前より物流が増え、これから徐々に経済面で雇用機会の増加など良い影響が出てくることが期待されているからです。ミャンマー全体としても、政権が変わって外国資本が入りやすくなり、今後の経済発展が見込まれています。

部族間の小さな紛争は続いていており、散発的に武力衝突が起こるなど、まだまだ課題が残されていますが、子どもたちには安心して教育を受けてほしいと願っています。
ミャンマーでは、2016年9月から公益財団法人イオン1パーセントクラブの助成を受け、カレン州やヤンゴンでさらに教育支援活動を展開しています。引き続き、皆様のあたたかなご支援をお願いいたします。

*2016年6月までの事業は(特活)ジャパン・プラットフォームの助成を受けて行ないました。

(執筆:ライティングボランティア 小野寺るりこ)

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Posted by ADRA Japan at 17:00 | ミャンマー便り | この記事のURL
    
(11/28)【イベント報告】国際協力のカタチを考えるイベントを開催しました [2016年11月28日(Mon)]
ADRA Japanは2016年9月2日(金)、高田馬場駅付近のミャンマー料理店にて国際協力のカタチについて考える食事会イベントを開催しました。実際に国際協力の仕事を行なっている方々の話を聞き、国際協力について考えを深めていただくお食事会となりました。

トップ画.jpg

今回は、NGOと企業、それぞれの国際協力について一度に話を聞けるイベントでした。NGOが行なう国際協力については、ADRA Japanスタッフのミャンマー事業担当の鈴木昌則飯田柴乃が話をしました。また、企業が行なう国際協力においては味の素株式会社CSR部シニアマネージャーの栗脇啓氏にお話しいただきました。

イベントは、定員を超えてのお申込みをいただくほどの反響があり、満員御礼の開催となりました。当日は、将来、国際協力に関わる仕事を行ないと考えている方や海外留学される方など、様々な方々にご参加いただきました。中には遠方からお越しいただいた方もいらっしゃいました。

数々のミャンマー料理を囲み、終始にぎやかなイベントとなりました。今回の料理には、ミャンマーの国民食とされているお茶の葉サラダやモヒンガ(麺料理)も提供し、とても好評でした。

お茶の葉サラダ.jpg
お茶の葉サラダ


イベントの前半は、ADRA Japanスタッフのミャンマー事業担当である鈴木昌則・飯田志乃が実際にミャンマーで駐在員として活動していた話を通して、NGOの国際協力について話をしました。

鈴木からは、NGOであるADRA Japanの国際協力の活動の紹介やミャンマー教育支援事業の駐在員として現地で感じた話をしました。

「学校を建設するという話をしたら、建設する場所を提供してくれる住民や、子どもを学校に行かせるようになった親もいました。事業に対して、このように前向きな反応が見られたとき、やりがいを感じました。学校建設のために私有地を提供してくれた人は、自分は教育を受けられなかったけど孫には受けてもらいたい、と話していました。住民も教育について考えているのだなと感じました。」(ADRA Japan 鈴木)

鈴木昌則.jpg
ADRA Japanスタッフ 鈴木昌則

また、飯田からは、過去にADRA Japanが行なったミャンマー水害対策事業で駐在していた際の現地の方との交流についての話がありました。
他にも、鈴木と飯田が、国際協力に興味を持ったきっかけやNGOで国際協力をするきっかけについても話がありました。両者とも学生時代の話となり、共感される参加者の方もいらっしゃいました。

飯田志乃.jpg
ADRA Japanスタッフ 飯田志乃


イベントの後半では、ゲストとしてお招きした味の素株式会社CSR部シニアマネージャーの栗脇啓氏にお話していただきました。
今回、栗脇氏には企業である味の素グループが行っている国際協力の活動について紹介いただいた後、実際にミャンマーに出張された際のお話やCSRについての考えなどをお話ししてくださいました。

「味の素グループでは、社会的にポジティブな変化を起こすことを目的として、途上国での栄養改善を行なっています。ガーナにおいては、ソーシャルビジネスで実現する栄養改善プロジェクトに取り組んでいます。
私がCSRに関わるようになったのは、3,4年前です。国際協力にはもともと興味がありましたが、実際に出張すると現地の変化がよく分かります。CSRに入る前と後では国際協力についての考え方も変わりました。」
(味の素 栗脇氏)

栗脇さん.jpg
味の素株式会社CSR部 栗脇啓氏

今回のイベントでの栗脇さんのお話は、参加者が今後のキャリアについて考える機会のひとつとなりました。


イベントの終盤では、参加者同士の交流を深めていただくためにフリートークの時間を設けました。

参加者の様子.jpg
参加いただいた方々

参加者同士、それぞれが考える国際協力のカタチについてお話されていました。また、国際協力に興味を持ち、それをどう行動に移すのか話し合う場面も見られました。
このように、国際協力について考えることが様々な国で苦しんでいる人たちが笑顔になる一歩だと思います。


今後も、このようなイベントを開催していきたいと思っております。
そのときに皆様とお会いできますことを楽しみにしております。

最新のイベント情報はこちらをご覧ください。
(http://www.adrajpn.org/Event/latest_event.html) 



(執筆:インターン 高田莉子)


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Posted by ADRA Japan at 12:00 | イベント情報・報告 | この記事のURL
    
(11/24)11月25日からネパールに医療チームを派遣。新体制で25人に無料手術を提供予定 [2016年11月24日(Thu)]
みなさん、ネパールをご存知ですか。ネパールは、ヒマラヤ山脈のふもとに位置し、北海道の1.8倍ほどの大きさしかない小さな内陸国です。2015年4月には大きな地震に見舞われて、日本のニュースでも大きく取り上げられました。そのネパールで、私たちADRA Japanは、1995年から昨年の2015年まで計20回にわたって日本人の医療チームを派遣し、口唇口蓋裂で苦しむ子どもや大人に無償の手術と手術後のケアを提供してきました。昨年までに手術を受けた患者さんの数は、のべ1,000人以上を数えます。


ネパール医療チームボランティア、手術中の様子
手術中の様子


ネパールへの医療チーム派遣を始めてから約20年。開始当初の1990年代とは異なり、今ではネパールでも、優秀な医師や看護師さんが多く活躍するようになりました。そこで今回から、医療チームのあり方、そして現地の医師や看護師さんとの働き方を変えることにしました。

これまでの活動では、手術前のケアから、手術、手術後のケアまで、ネパール人の医師や看護師さんに手伝ってもらいながらも、そのほとんどを日本人の医療チームが中心となって行なってきました。今後は、ネパール人の看護師さんらが中心となって活動するチーム体制へと変えていくことにし、派遣する日本人チームの規模も、昨年の計39人から計14人と、半分以下に縮小しました。ネパールでは、活動を行なうシーア記念病院の医師、看護師、スタッフ、通訳のチームが、日本人チームの到着を待っています。

今年の医療チームの活動期間は11/28(月)から12/5(月)の約1週間。主に口唇口蓋裂に苦しむ約25人の患者さんに無償の手術を行なう予定です。


ネパール医療チームボランティア、手術が終わり笑顔を見せる親子
手術が終わり笑顔を見せる親子


ネパール医療チームボランティア、患者さんのお世話をする現地の看護師たち
患者さんのお世話をする現地の看護師たち


今年は、新体制で実施する最初の医療チーム派遣事業となります。新たな試みということもあり課題もありますが、手術を受ける患者さん一人ひとりが安心して手術を受け、手術が終わった後に心から喜んでもらえるように、ネパール人の医師や看護師の方々と一丸となって臨みます。

次回のブログでは、患者さんや手術の様子についてお伝えする予定です。ぜひご覧ください。引き続き、みなさまの温かいご支援をよろしくお願い致します。


ネパール医療チームボランティア、昨年の第20回ネパール口唇口蓋裂医療チーム派遣事業の参加者の集合写真
昨年の第20回ネパール口唇口蓋裂医療チーム派遣事業の参加者の集合写真


(執筆:事業部 海外事業課 前川 龍太、事業部 インターン 小泉 恵美)

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【12/18イベント参加者募集】
「難民について考える ドキュメンタリー映画上映&ゲストトーク!」

ある日突然、故郷を追われる…。「難民」と呼ばれたって、私たちと同じ人間です。ニュースでしか知らない難民の方々の現状について、私たちと一緒に考えませんか?
★イベントの詳細・ご参加は、コチラから↓
Event_TOP-Banner.jpg



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Posted by ADRA Japan at 16:48 | ネパール医療チーム | この記事のURL
    
(11/16)12月ニュース封入作業ボランティア募集 [2016年11月16日(Wed)]
ADRA Japanは、最新の活動状況を年4回の機関紙「ADRA News」を通じてお知らせしています。
このニュースの封入作業をお手伝いくださる方を募集いたします。
ニュースを三つ折りにしたり、ラベルを貼ったりといった簡単な作業ですので、どなたでもご参加になれます。

1時間だけならお手伝いできるという方から、1日ずっといられるという方まで、どなたでも大歓迎です。
ご都合のよい時間の中で「ちょこっとだけ」お手伝いください。皆様のご応募をお待ちしております!

ニュース発送作業写真 (1).jpg

【日程】12月6日(火)から12月9日(金)まで


【時間】10時30分から16時00分


【内容】「ADRA News」発送作業
 ニュースを三つ折りにしたり、ラベルを貼ったり、封入したりといった簡単な作業です。

 
【募集人数】5名程度


【場所】
(特活)ADRA Japan 事務所
 JR山手線原宿駅から徒歩5分
 東京メトロ明治神宮前(原宿)駅 5番出口から徒歩2分

【お申込みの前によくお読みください】
・作業期間は12月9日(金)までといたしますが、発送作業が予定よりも早く終了した場合は、その時点で締め切らせていただきます。また、たくさんの方にご応募いただいた場合などには、前日までにお断りのご連絡をさせていただくことがございますので、予めご了承くださいますようお願い申し上げます。

【お申込み】
応募フォームに必要事項をご記入のうえ送信ボタンを押してください。後日、担当者よりメールにてご連絡いたします。

↓ 発送作業ボランティア、応募フォーム ↓
   http://goo.gl/pRjEC 


【個人情報について】
応募のためにご記入いただいた個人情報につきましては、当団体の活動のためだけに使用し、第三者には提供いたしません。


【お問い合わせ】
 (特活)ADRA Japan 担当: 百々(どど)
  Tel:. 03-5410-0045
  E-mail:support_adra@adrajpn.org
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Posted by ADRA Japan at 17:00 | ボランティア募集 | この記事のURL
    
(10/31)【イエメン避難民支援】紛争による深刻な水不足。給水事業を行なっています】 [2016年10月31日(Mon)]
アラビア半島の最南端に位置する国イエメンではこれまでも内戦が続いてきましたが、2015年3月からは周辺国による空爆が始まり、状況が悪化しています。戦乱による死者は6,000人を超え、多くの民間人が犠牲となっています。国民のおよそ10人に1人に当たる、250万人を超える人々が「国内避難民」として厳しい避難生活を続けていて、特にADRA Japanが支援している北部地域では、学校や壊れた公共の建物、空き地などに自力で居住地を設けて生活している人々がいます。多くの公共機関や医療施設は破壊され、人口の8割以上が食糧および水不足に直面し、医療サービスを受けることもできない状況です。


イエメン国内避難民支援_避難生活の様子.jpg


イエメン国内避難民支援_避難生活の様子(キッチン).jpg


ADRA Japanではこのような人道的危機の中、現地支部であるADRA イエメンと協働し、2015年12月よりイエメン北部のアルジャウフ州において国内避難民を主な対象とした食料および衛生用品等の生活物資の配付を行なっています。今回は2016年3月から活動の一つとして加わった給水事業についてご紹介をしたいと思います。


日本では水道の蛇口をひねればすぐに飲める水が出てきますが、降雨量の少ないイエメンでは、深井戸から汲み上げた地下水が頼りです。近年では、給水業者が深井戸からポンプで汲み上げた水を販売し、市民はそれを購入するのが一般的となりました。しかし、長引く戦乱のために石油の輸入が滞り、水を汲み上げるためのポンプの燃料価格も大幅に上昇した結果、水の価格が高くなり、収入のない国内避難民や貧しい住民たちは水を入手することができなくなっています。そのため、飲料に適していない池などの水を利用せざるを得ず、食糧不足と並んで生存に関わる深刻な問題となっています。

そこで、ADRA Japanは5,000ℓの貯水タンクと複数の蛇口からなる簡易給水設備をアルジャウフ州の20か所に設置し、週2回の給水活動を行なっています。また、住民の方も支援を受けるだけでなく、「Water User Committee」(「水利用者管理委員会」)を組織して水の管理などを行ない、積極的に支援活動に携わっています。


イエメン国内避難民支援_給水拠点のタンク設置基礎建設作業.jpg


イエメン国内避難民支援_給水拠点に並ぶ裨益者たち.jpg


イエメン国内避難民支援_給水の順番を待つ兄弟たち.jpg


今回ご紹介した給水事業の他にも、ADRAでは食糧支援事業として2800 世帯へお米や小麦粉、塩、砂糖など約1か月分の食糧の配付を行ないました。また、衛生キット配布事業として、石鹸や下着、ナプキンなどの衛生用品を約1600世帯へ配付しました。

紛争が長引き、人々の生活はますます混迷の度合を増しています。今後もADRA Japanはイエメンの地域住民の方々との信頼関係を維持し、支援活動を行なっていきます。引き続き皆様の温かいご支援・ご理解をよろしくお願いいたします。

(執筆:マーケティング部 百々 久美

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Posted by ADRA Japan at 14:49 | 緊急支援 | この記事のURL
    
(10/31)【ネパール地震】本来の姿を取り戻せるように「ヘルスポスト」の再建事業を行なっています [2016年10月31日(Mon)]
昨年の2015年4月25日。この日、M 7.8の地震がネパールを襲いました。これにより、多くの家屋が全壊・一部損壊しました。また、医療施設も各地で深刻な被害を受けたと報告されています。このような事態を受け、ADRA Japanは2015年12月より、ネパール中部のカブレ郡において、ADRAネパール支部や現地NGO、建設業者などと協働し、4つの公共医療施設「ヘルスポスト」の再建事業を行なっています。

今回はADRAが行なっている再建への取り組みや、その中で抱えている問題についてご紹介をしたいと思います。ネパールが本来の姿を取り戻せるようにADRAが何を行なっているのか、ご一読いただけると幸いです。

「ヘルスポスト」とは、いわば村の診療所のようなもので、ネパールの公共医療施設です。村の人たちがケガをしたり、体調を崩したりしたときに、最初にアクセスする医療施設として使われています。基本的にネパールでは、1つの村には1つのヘルスポストしかありません。そのため、村における唯一の保健施設として、それぞれのヘルスポストがとても重要な役割を果たしているのです。

ヘルスポストの建設には、日本円で約160万円の費用がかかります。このため、応急処置として村人が敷地内に小屋を作り、活動しているところもあります。

ADRAがヘルスポストの再建事業を行なっている場所は首都カトマンズから東の山間の地域に位置します。村によってはヘルスポストに向かうために山を登ったり降りたりしなければならない場合もあります。また、1〜2時間ほど歩かなければならない場合もあります。


ネパール地震被災者支援_一時的に村人が使用している施設(カブレ郡サルスンカルカ村
一時的に村人が使用している施設(カブレ郡サルスンカルカ村)


ネパール地震被災者支援_保健所の様子_屋根と壁を貼りつけた簡素な建物


ネパール地震被災者支援_保健所の様子_屋根と壁を貼りつけた簡素な建物
屋根と壁を貼りつけた簡素な建物


ネパール地震被災者支援_再建中のヘルスポスト
再建中のヘルスポスト(8月19日訪問時)


また、ADRAではヘルスポストの再建の他、この施設を運営する「保健医療施設管理委員」へのトレーニングも行なっています。管理委員はヘルスポストの運営・維持・管理の他、コミュニティへの保健啓発活動などの役割を担いますが、実は地震が起こる前から機能していない状態にありました。そこで、ADRAは彼らが運営者としての役割を果たすことができるようにトレーニングを実施しています。具体的には、各ヘルスポストで研修を行なった後、それぞれの委員会から年間計画を提出してもらいます。その後、提出された計画に従って活動しているかどうかについて、トレーナーがフォローアップをします。管理委員自身が各施設での問題点を把握し、自らの力で課題を解決できるように支援を行なっています。

一方、この再建事業ではいくつか問題も抱えています。

まず、2015年の12月にはネパールの政府機関として「復興庁」が設置されたのですが、これに伴い復興支援に関わる事業の手続きが以前より複雑になりました。そのため、政府側とのやりとりに多くの時間がかかるようになり、事業の遅れも生じています。

また、4か所のヘルスポストのうち、2か所へは川を渡らなければ行くことができません。雨季に入ると一度の雨ですぐに川の水が溢れ、渡れなくなってしまいまいます。特に今年は雨季が長引いた影響で川を渡ることができず、ここ1か月ほど、ADRA Nepalのスタッフは現地に入ることができていません。現地にいる管理委員と連絡をとることも難しく、トレーニングのフォローアップがなかなか思うように進まないのが現状です。

このような問題も抱えてはいますが、今回の事業を通して今までになかった医療資機材も導入されるということで、管理委員は喜んでいます。

また、再建後には働く医療従事者の数も増える予定のため、現在簡素なヘルスポストで働くスタッフは、完成を楽しみにしていました。


ネパール地震被災者支援_再建中のヘルスポスト


まだまだ時間はかかりますが、ADRAではネパールが本来の姿を取り戻し、自らの力で穏やかに暮らせるよう、これからも支援を続けていきたいと思います。


(執筆:ライティングボランティア 小野寺るりこ)


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Posted by ADRA Japan at 14:08 | 緊急支援 | この記事のURL
    
(10/19)【岩手・北海道豪雨】緊急支援 台風10号による被害 [2016年10月19日(Wed)]
8月30日に東北地方に上陸した台風10号は、その後温帯低気圧に変わったあとも、東北・北海道地方に記録的な大雨を降らせました。内閣府は、多数の方が生命または身体に危害を受けたり、受けるおそれが生じているとし、岩手県では、盛岡市、宮古市、久慈市、遠野市、釜石市など12の市町村に、北海道では、帯広市、空知郡南富良野町、河西郡芽室町、上川郡新得町、上川郡清水町など20の市町村に、災害救助法を適用しました(8月31日)。

この台風上陸による人的被害としては、北海道で死者2人、行方不明者2人、岩手県で死者20人、行方不明者3人です。また、北海道、岩手、青森、宮城、秋田、福島を含む全体の物的被害の状況は、以下のようになっています。
・全壊31棟
・半壊898棟
・一部破損1,154棟
・床上浸水853棟
・床下浸水1,082棟
(消防庁情報:9 月 16 日時点)

ADRA Japanは8月31日、岩手県釜石青年会議所からの依頼を受け、雑巾360枚を発送しました。また、9月5日には北海道南富良野町災害ボランティアセンターからの依頼を受け、雑巾1,000枚を発送しました。雑巾は、被災された家屋の清掃などに活用されています。


雑巾を運ぶ様子.jpg
(ADRAが支援した雑巾が釜石市橋野地区の泥出し作業現場に運ばれている様子 写真提供:釜石青年会議所)


家屋の様子.jpg
(釜石市橋野地区の泥出し作業が行なわれた家屋の様子(提供:釜石青年会議所))


泥出し作業の様子.jpg
(釜石市橋野地区の被災家屋で泥出し作業が行なわれている様子 写真提供:釜石青年会議所)


被害状況.jpg
(北海道南富良野町の被害状況 写真提供:JVOAD)


9月20日には、台風10号とその後の大雨により、大きな被害が発生した岩手県宮古市に、ADRA Japanスタッフが入りました。スタッフは、一緒に岩手に行った大学生ボランティア4人と岩手県宮古市災害ボランティアセンターに登録し、泥だし作業に従事しました。

当日は、県外からのボランティア、地元の方、連休を利用して帰省した地元出身者、岩手県内の大学生などの皆さん計33人が災害ボランティアとして活動しました。

いくつかの班に分かれて作業する中、ADRA Japanスタッフとボランティアが参加した班では2件のボランティア要請に対して作業に入ることができました。午前中は、10軒程の住宅が立ち並ぶ道路の側溝の泥出しを行ないました。午後は、被災家屋の庭の泥出しを行ないました。

泥出し作業は体力が必要な作業です。ボランティア同士、無理が出ないように声を掛け合って作業に取り組む中、ADRAのボランティアとして参加した男子大学生の若者のパワーは、一緒に作業したボランティアの方々に喜ばれました。また、近隣民家の住民の方からも「あら、うちの孫と同じくらいね。一生懸命作業してもらってありがとう。」と話しかけられ、可愛がられていました。

午後に作業をしたお宅は川の近くに建っているため被害が大きく、敷地内全体に大量の泥が堆積していました。広い敷地の門から母屋までは、これまでのボランティア作業で泥が出され、通れるようになっていました。この日は約30人で離れ家の周りの泥を重点的に泥出ししました。お宅では、離れやの周りの泥だしが済んだあとも、離れ家の中の泥出しや、建物内の家具の運び出しなどの作業が必要です。復旧にはまだかなりの時間と労力が必要とされることが伺えました。


学生.jpg
(堆積して固くなった分厚い泥の層の泥出しを行なう学生の様子)


学生2.jpg
(どこまで掘ったら元の地面なのかと思うほど堆積した泥を一生懸命かき出す学生の様子)


当日一緒に作業に入ったボランティアスタッフの中には、5年半前の東日本大震災の後も宮古へボランティアに入り、同じお宅の泥出し作業をしたという方もいました。当時の泥出し作業の様子も振り返りながら、この日の大量に堆積した泥を前に、泥かきの作業の目安を他のボランティアスタッフに伝える場面もありました。


宮古市災害ボランティアセンターからの帰路に、川沿いを通る国道106号線を車で走っていると、川の氾濫で崩落した橋の跡が痛々しく残っている様子が目に入りました。


崩落した橋.jpg
(国道106号線沿いの崩落した橋)


氾濫の跡.jpg
(国道106号線沿いの川には、氾濫した跡が生々しく残っている)


瓦礫の跡.jpg
(国道106号線:左手の川が増水し道路の上まで瓦礫等が流れ込んだ。右手に瓦礫の跡が見られる)


これから現地の復旧・復興が、一日も早く進みますようにお祈り申し上げますと共に、ADRA Japanでは岩手・北海道豪雨の被災地に必要な支援を届けられるよう引き続き活動をしていきます。今後ともご支援の程よろしくお願い申し上げます。


(執筆:国内事業担当 牟田 麻起子)

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Posted by ADRA Japan at 12:00 | 緊急支援 | この記事のURL
    
(10/12)【熊本地震】 〜避難所でのサロンと見守り活動〜 [2016年10月12日(Wed)]
ADRA Japanは4月19日から熊本地震で被災された方々への支援を始め、現在も支援活動を継続しています。また、5月13日からは、南阿蘇村に活動の拠点を移し、看護師派遣と移動カフェを実施していました。

その後、7月7日から8月26日まで南阿蘇村に現地駐在スタッフを配置し、南阿蘇村社会福祉協議会(社協)と協働して、(※) 一次避難所、(※) 二次避難所サロンの企画・実施と見守り活動等を行ないました。

長引く避難生活の中、住民の皆さんは発災直後から抱えていたストレスが体調に現れる等、仮の生活で積み重なった疲労を感じていらっしゃいました。サロン活動はそのような状況の中で、住民の方々に飲み物を飲みながらくつろぎ、自由におしゃべりしていただける安らぎの場を提供する事を目的に行ないました。

また、サロン実施の際は、社協職員と協力して避難されている方々からの生活相談等も受け付けられようにしました。

1) 避難所内のスペースで開いた移動カフェ形式のサロン

一次避難所、二次避難所に避難されている方向けに、コーヒーや紅茶を飲みながらリラックスしていただける移動カフェ形式のサロンを開きました。


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(二次避難所内で行なったカフェサロンの様子)


この日のカフェサロンへは、計35名の方々が、ご夫婦やお友達同士で来られ、ゆっくり飲み物を飲みながら思い思いに話をして行かれました。サロンに来られた方からは、「久しぶりにコーヒーが飲めて嬉しい。飲みたくなったらドリップコーヒーを買ってきて自分で淹れるといいんだけど、今後の事を考えると贅沢はできないと思ってしまう」という声も聞かれました。


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(サロンに来られた方からの相談を聞く社協職員の様子)


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(仮設住宅の鍵渡し前日に開いたサロンの様子)


避難所の中には、行政区長さんのリーダーシップに支えられて、避難直後から皆で夕食を食べた後に今後の事を毎晩話し合ってきたという所もありました。仮設住宅への引っ越しや入居後の心構え等も皆さんで話し合われていたようでした。この二次避難所でのサロンは皆さん気心が知れて安心した雰囲気があり、笑い声も絶えませんでした。

期間中、合計9カ所の避難所で16回のサロンを行ない、述べ187人の住民の皆さんがサロンへ参加されました。


3)ADRA災害対応バス「ゆあしす号」の移動サロン「ゆあしすカフェ」

避難所内でのサロンスペース確保が難しい場合や希望があった場合等には、避難所の駐車場スペースを利用して、ADRA災害対応バス「ゆあしす号」を使った移動サロン「ゆあしすカフェ」を行ないました。


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(ADRA災害対応バス「ゆあしす号」)


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(二次避難所の駐車場スペースで開いた「ゆあしすカフェ」に参加された皆さんの様子)


サロンに参加された住民の方々からは、「ここ(二次避難所)にいると部屋に籠りがちだが、やっぱりこうやって人と話せる場は大事」「こういうサロンだったら毎日あってもいい」等の感想が聞かれました。


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(「ゆあしす号」で散歩に出かけた時の様子)

また、長引く避難所生活の中、特に高齢者の方々から「避難所に来てからは(日課だった)畑仕事もできず、体が弱ってきた」「運動不足になっているので散歩したい」等の声があがったため、「ゆあしす号」で移動し、皆で散歩に出かけた事もありました。参加された方からは、「久しぶりにいい運動になってよかった」「今日はリフレッシュできた、懐かしい場所に来て子どもの頃を思い出した」という声も聞かれました。

避難所でのサロン実施合計16回中、9回を「ゆあしす号」を使用した「ゆあしすサロン」で行ないました。


3)二次避難所での見守り活動

さらに二次避難所において、サロンに参加されなかった方々を含めた全世帯の個室を社協職員と一緒に巡回訪問し、避難されている皆さんの生活状況を確認しながら相談を伺う等の見守り活動を行ないました。

例えば、お部屋を訪問した際に「話し相手がいなくて、さみしい。ずっと部屋に閉じこもっている。」と話された高齢者の方には、次回からサロンのある日は部屋まで声掛けに行き、サロンに参加していただいたり、足が痛くて部屋から出たくないというような場合には、スタッフがお茶を持って部屋へ話しかけに行きました。

また、別の避難所では、「仮設への引っ越し日が決まってほっとする反面、これからの生活が心配。隣の人の苗字だけは聞いているが、知っている人だろうか。」と不安を口にされた方に、仮設住宅の入居後も集会所を使ったサロンや社協職員の戸別訪問が行なわれる予定である事を伝え、ほっとされる場面もありました。

このような活動を通して住民の皆さんの声を伺い、様々な思いに触れさせていただきながら、住民の皆さんが本当に必要とされる支援を届けられるよう、活動を継続して行なっていく予定です。

ADRA Japanでは、現在、仮設住宅の集会所備品の支援を中心に南阿蘇村での活動を続けています。今後とも、皆様のご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

最後に、南阿蘇村の被災された皆さんの生活再建と村の復興が、一日も早く進みますよう、心よりお祈りいたします。


(※)一次避難所… 学校や体育館、地区の集会所等の一般の報道で知られているような避難場所を指します。

(※)二次避難所… 南阿蘇村では、震災後に休業となったホテルや旅館等の宿泊施設が多くあったため(観光地であるという特性による)、それらの施設が二次避難所として活用されました。二次避難所では、住民が世帯毎に、個室に避難される例が多く見られました


(執筆:国内事業担当 牟田 麻起子)


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Posted by ADRA Japan at 12:00 | 緊急支援 | この記事のURL
    
(9/30)南スーダン便りvol.70 〜急増している難民。緊急支援の現状と課題 [2016年09月30日(Fri)]
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の発表によると、9月3日から9月21日にかけて、約1万8000人の南スーダン難民がエチオピアのガンベラ州のパガックに流入しました。この事態を受け、ADRA Japanはパガック難民流入地点で緊急支援を行なっています。


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(パガック難民流入地点の様子)


今増えている難民の大多数は、南スーダンの東北部に位置するアッパーナイル州の戦闘の激しい地域から避難してきています。難民の多くは女性と子どもですが、戦火や食糧難を逃れるために住み慣れた土地を離れ、雨の降る中、半月以上かけて170キロ以上の距離を歩き、国境のパガックまで逃れてきました。パガックで緊急の医療支援を行なっている国境なき医師団(MSF)によると、新たに流入している難民の間で、マラリア、下痢、上気道および下気道の感染症、腸内寄生虫、目と皮膚の感染症が確認されています。


また、エチオピアの首都アジスアベバを含め、パガック難民流入地点や難民キャンプがあるガンベラ州の周囲(南スーダン側も含めて)ではコレラの蔓延が確認されています。ガンベラ州に避難している難民への感染を水際で食い止めることが、喫緊の課題となっています。

周囲にコレラが蔓延する中、感染がガンベラ州内にまだおよんでいないのは、2014年8月から9月にかけてこの地で大規模にコレラの予防接種が実施されたからです。

コレラのような伝染病は人から人へとうつることでその範囲を拡大していきます。逆に言えば、たとえ感染者が出たとしても、その周囲の人間が耐性を持っていれば病原菌は封じ込められた状態になり、蔓延することはありません。つまり今のガンベラ州は、コレラ菌の拡散を防ぐ壁に囲まれた状態にあります。しかしながら、予防接種の効果は2年。すなわち、今月あるいは来月がこの「壁」効果を維持できる期限だと考えられています。


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(パガックから難民を移送するバス。テレキディ難民キャンプ付近)


現在ADRAは、(特活)ジャパン・プラットフォームの助成金を得て、パガック難民流入地点、および新規流入難民が大勢移送されているテレキディ難民キャンプにて給水および衛生環境改善のための活動を行なっています。

特にパガックにおいてADRAは最も早い段階で活動を開始したNGOの1つで、UNHCRや世界各国のNGOが参加する会議においても、国連の水衛生担当官からその活動について言及されることがしばしばです。具体的には地下水汲み上げによる難民への飲料水の給水、トイレの建設、水浴び場の設置、衛生啓発活動、また清掃活動を行なっています。いずれも、難民キャンプでコレラやその他の病気の蔓延を防ぐために非常に重要なものです。特に給水は難民の命綱と言っても過言ではありません。

しかしながら、ADRAがこの緊急対応に投入できる資金にも限りがあります。ADRAだけでなく、ガンベラで活動している各国のNGOでも資金不足は深刻で、急増した難民に対応する活動をする上での最大の足枷となっています。国連機関であるUNHCRも例外ではなく、支援のために必要とされている額の僅か10%しか準備ができていません。


こうした状況の中でまずできることとして、ADRAは国連をはじめ各国のNGO、現地政府との連携強化に今まで以上に取り組んでいます。

9月24日には、ADRAはUNHCRから5,000個の固形石鹸を受け取り、9月25日からパガックでの衛生環境改善活動に活用しています。また、25日午後にはUNHCRから800ℓのベンジンが届きました。これで、地下水を汲み上げるのに使っているジェネレーターの燃料を1か月分確保することができました。加えて、Oxfam(イギリスのNGO)の協力で、飲料水を浄化するための塩素を9月24日までに調達することができました。9月25日からタンクに投入しています。また、現地水道局と連携し、もともとパガックにあった井戸1基を修理することができました。これにより、パガックでの水供給量を増やすことができました。


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(給水に使用しているジェネレーター)


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(国連児童基金(UNICEF)による給水タンク


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(給水タンクとつながっている給水所)


また、地下水を貯めておくタンクの容量が限られていることから、追加のタンクを確保する方法を他のNGOと模索しています。まだ修理ができていない井戸については、部品の調達ができ次第、修理に着手する予定です。


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(現地水道局と連携しての手井戸の修理)


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(修理された手井戸で手を洗う子どもたち)


国連、NGO、政府機関と、緊急時にあってこうした心強いパートナーに恵まれていることは大変ありがたいことだと思っています。


南スーダン難民の流入がいつまで続くのかは予測するのが難しいところですが、UNHCRやNGOの中では今後3ヵ月は継続的に流入するという意見が多数を占めています。

今はまだトイレの数が足りていませんので、ADRAとしては、パガックでのトイレの数を、できればあと45基増やしたいと考えています。


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(パガックで設置しているトイレ)


また、日々新たに難民が流入し、先に来た難民は順次近くの難民キャンプにバスで移送されている状況ですから、衛生啓発活動を行なっても、教育を受けた難民は徐々にパガックを後にすることになります。したがって、衛生啓発活動はこれからも継続して行なう必要があります。また、現在は衛生啓発員6人、清掃員21人を配置し、衛生啓発および清掃を行なっていますが、野外排泄物の処理が間に合っていなかったり、水浴び場とトイレの形状が似ているため間違えて水浴び場で用を足してしまう難民もいたりします。そのため、さらに清掃啓発員の人数を増やし、情報の拡散を強化する必要があると考えています。


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(衛生啓発活動の様子)


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(清掃活動の様子:排泄物に石灰をかけている様子)


ADRAの活動を維持、強化するために皆様からのご支援が必要です。額の多少にかかわらず、有効に活用させていただきます。ご寄附は税金控除の対象にもなります。何卒、ご支援をご検討いただきたく、よろしくお願い申し上げます。


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(燃料のベンジンを届けてくれたUNHCRスタッフとADRA Japan現地駐在員の河野)


クレジットカードによるご寄付はこちらからお願いいたします。(【緊急】緊急支援 もしくは【南スーダン】難民支援 をお選びください)
http://www.adrajpn.org/C_Kifu.html


その他のご寄付の方法についてはこちらのページをご覧ください。
http://www.adrajpn.org/C_Kifu.html



(執筆:南スーダン難民支援事業担当 河野雄太)

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Posted by ADRA Japan at 16:39 | 南スーダン便り | この記事のURL
    
(9/20) 南スーダン便りvol.69 〜急激な難民増加により衛生環境が悪化。緊急支援を行なっています。 [2016年09月20日(Tue)]
ADRA Japanはエチオピアで南スーダン難民の支援を行なっています。今月に入ってから難民の数が急増し、衛生環境が急激に悪化しました。人々は、感染症などの新たな危機にさらされています。

エチオピアはアフリカにある国で、南スーダンと国境を接しています。近年の南スーダン国内の情勢悪化に伴い多くの難民がエチオピアに流入し、2016年7月の時点で22万人の南ス―ダン難民がエチオピアで避難生活を送っています。今年に入ってからは、難民の流入はほぼなく、落ち着いた状況が続いていましたが2016年9月以降、新たな難民が続々と押し寄せています。9月8日の時点で、南スーダンとの国境のパガックという地域に辿り着いた難民の数は約1000人でしたが、9月14日には1万3千人に急増しました。

この突然の難民流入の理由は、南スーダン国内の情勢悪化と食料不足です。2016年7月15日以降、パガックから直線距離で約170Km離れたアッパーナイル州内で、政府軍と反政府軍の衝突が続き、砲撃や空爆が頻繁に行なわれています。7月30日には同州ナシール郡の中心部が反乱軍による侵攻を受けました。この事態に多くの人々は住み慣れた地域を後にし、徒歩で避難を始めました。雨季の中、幼い子どもや赤ん坊、老人を連れての旅ですから、そう多くの距離は歩けません。9月になり、ようやくパガックに辿り着くことができたのです。


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(難民流入地点になっているパガックの様子。人々はここで難民登録を受け、近くの難民キャンプに移送される)


しかし、現在のパガックは難民を受け入れる準備ができていません。かつては多くの南スーダン難民のエチオピアへの玄関口となったパガックですが、徐々にその流入数は少なくなっていました。そのため、2015年末には国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)やNGOは、パガックでの活動を停止しました。ADRAもかつてこのパガックでトイレの建設や衛生啓発活動を行なっていましたが、同じタイミングでここでの活動を終了しています。

現在パガックの難民の衛生環境は最悪の状態です。トイレが無いため人々は屋外の様々な場所で排泄をしています。また、水浴びをする施設もないので、男性は近くの汚い川で水浴びをし、女性は満足に体を洗うこともできません。

この事態を受け、UNHCRとADRAはパガック難民流入地点において共同調査を行ない、その結果、特に衛生面において緊急に支援が必要な状況であると判断しました。もしも現在の状況のまま支援が遅れた場合、下痢や赤痢、マラリア等の病気が蔓延する可能性が非常に高く、特に乳幼児や老人など脆弱な人々は命を落とす可能性もあります。

この逼迫した状況を受け、ADRAはこれまでの支援に加え、緊急にこの新たに押し寄せている難民に対し、以下の5点の支援の実施を決定しました。

パガック難民流入地点において
@ かつてADRAが建設したトイレの修繕
A 衛生啓発活動
B 清掃活動
C 男女別の水浴び場の設置
これに加え、パガックの難民が移送されるテレキディ難民キャンプでの支援として、
D キャンプの入口および内部でのトイレの設置
以上の5点を迅速に実施します。状況は日々刻々と変化しているため、必要によっては追加の支援も必要となりますが、その際は柔軟に実施します。

この数日間でUNHCRからADRAに対し新しい支援申請が次々と打ち出されており、こうしたニーズはこれからも増えていくことが予想されます。

これらの支援要請に対応するため、ADRA Japanは皆様からの寄付をお待ちしています。トイレを1棟作るのに約25,000円、水浴び場を1箇所作るのに約18,000円がかかります。

今この時も続々と難民が到着しているパガック難民流入地点では、ADRAの他に支援を行なっているNGOはありません。私たちの活動が難民の方々の衛生環境に多大な影響を与えている状況となっています。ADRA Japanへのご寄付は税金の控除の対象にもなります。何卒、皆様のご支援をお願い申し上げます。


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(難民流入地点における集団用トイレ。清掃員を雇い定期的に掃除をしている)

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(難民キャンプにおける世帯別トイレ)


クレジットカードによるご寄付はこちらからお願いいたします。(【緊急】緊急支援 もしくは【南スーダン】難民支援 をお選びください)
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その他のご寄付の方法についてはこちらのページをご覧ください。
http://www.adrajpn.org/C_Kifu.html


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(手を洗う子どもたち。手洗いによって病気を防ぐことができる)


(執筆:南スーダン事業担当 河野雄太)

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Posted by ADRA Japan at 13:12 | 南スーダン便り | この記事のURL
    
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